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第8回飛騨高山ウルトラマラソン(3)~奇跡の完走


・・前回の続き


国府のBG関門さえクリアしてしまえば、完走は現実味を帯びてくる。ここからしばらくは家族にも会えるので、その点精神的に助かっている。上広瀬の裏街道を、西田さんに時折町の解説を入れながら走る。先週の南砺では帽子の中に氷を沢山入れて走っていたので凄く気持ち良かったが、この大会の公式エイドではその期待は持てない。そう言った意味でも、繋ぎとなる私設の被り水は本当に有り難かった。踏切を渡り、国道41号線を横切る。信号待ちでようやく休めると期待していたが、運悪くこういう時に限って信号は青になる。宮川に架かる橋を渡ると、ふとそこに見たことのある顔が。アレ、何してんの?走っているはずの仲間が、何故か応援に回っているではないか。訊けば風邪を引いて棄権したのだと言う。そら駄目だわ、出なきゃ・・と内心思いながら、差し入れにゼリ-飲料を頂く。村山公民館エイドを越え、その先の待避所で子供らと再会。だぶだぶの高山Tシャツを着た大志の姿は、毎度実に絵になっている。
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被り水が最高に気持ちいい
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大志が駆け寄ってきて
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子供らと合流

80㌔通過。次に目指すはグリ-ン薬局前(82.8㌔)エイド、そこに家族が待機しているはずだ。僕は走っている最中に後ろを振り返ることはないが、エイドや信号に着く度に直ぐ西田さんの姿を確認出来た。どのくらい僕の後ろに付けていたのかは分からないが、付かず離れずの位置で僕の様子をずっと伺ってくれていたのだと思う。家族らにはニアミスで会い、これが最後の応援となる。以前清見の最終関門にも応援に来てもらっていたが、その後駐車場やらシャトルバスやらの関係で、結局僕の方が早く会場に着いてしまった。その反省から早めに応援は切り上げてもらっているが、やはり八日町やラスボス辺りにも居てくれると嬉しいので、来年からはそうお願いしようと思う。
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80㌔通過
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信号待ち
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西田さんとはこの位置関係が多かった  ※完全に僕のサポ-ト役に回ってくれている

八日町新鮮野菜販売所(87.4㌔)エイドでは、仲間の波ちゃんに会った(昨年はここで瀧さんに会った)。スタ-ト前会場で会った時は普通だったのに、いつの間にか猿の姿になっていてかなり衝撃を受けた。ラスボス峠はほぼ歩いて上り切り、その後国道に向けて一気に降下。先程八日町エイドで休まず先に発った波ちゃんだったが、国道に出る直前で追いついた。最終関門の公文書館も無事クリアし、特産食を色々と頂く。この辺りから何度か波ちゃんと前後したが、僕がエイドでグルメを堪能している間に先に発たれ、後で追い抜くというパタ-ン。さすがは彼女のテリトリ-だけはあり、お猿に対する大声援を幾つも受け、波ちゃんは嬉しそうに頑張っていた。
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90㌔通過  ※僕の映っている写真は、ほぼ西田さん撮影
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第5関門 公文書館(93.3㌔)  ※関門閉鎖まで残り53分だったが、この後ペ-スを上げた
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清見サイダ-
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猪汁

そしてついに残り5㌔を切った。先週に続き12時間台は微妙なライン。先週の南砺の時は残り5㌔の時点で45分余っていたが、今回は残り39分しかない。厳しいような気もするが、頑張れば何とか滑りこめるかもしれない。いつしかペ-スも上がり、後に西田さんにもそう言われた。左手の農道には未だゴ-ルに背を向け走っているランナ-が多くいる。誰しも迫り来る時間に追われ、最終関門やゴ-ル制限と必死に闘っているのだろう。そんな経験は久しくしていないが、出来れば二度としたくない。残り2㌔を切り、ついに旅も終焉へと向う。そして残り1㌔。最後の信号待ちを経て、ビックアリ-ナへと続く最後の直線に入る。時間は気にしていないが、走り続けているのでおそらく12時間台は達成出来るだろう。会場入口で娘の声に気付き、先回りしておくよう指示。そしてゴ-ル手前でチビ2人を拾い、西田さんを交え4人でゴ-ルを切った。結果は何とか12時間台をキ-プ。この価値ある完走で、辛うじて連続完走だけは維持出来た。
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残り5㌔
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西田さん、今日は沢山いい写真を撮ってくれて有難う!  ※これだけ自分が映った記事は初めてです
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ラストの直線  ※陽子さんもナイスアングル
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奇跡のゴ~ル!  ※これまで走った19本の中でベストのシ-ンかな

走り始めて5年目でここまで19本(今年は後2本出場予定)の100㌔超を走ってきた。野辺山から始まる3連戦を前にして、その1週間前に肉離れを発症。野辺山の欠場も直前まで悩んだが、思いきって強行出場を選択。肉離れは9㌔地点で再発したが、残り91㌔を肉離れした状態で何とか走り切った。2戦目はその2週間後の南砺。ここで2週間空いていたことが、結果としてタ-ニングポイントとなった。エイドのご馳走に終始満足しつつも、又も肉離れした脚をひきずってのゴ-ル。そしてその1週間後の飛騨高山。1週間では全く完治はせず、覚悟はしていたが野辺山以上に壮絶な闘いとなった。開始3㌔で右ふくらはぎの肉離れ、その上左膝まで痛み出し、さすがに今回は無理だろうと走りながら思っていた。しかしそこに救世主(トイレの神様)が現れ、その後思いもよらないエンディングへと結びついていく。
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完走証を受け取って  ※ゴメン西田さん、ネットタイムの関係で僕の方が順位が上になってしまった
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ありがとう西田さん!  ※80㌔本当にお世話になりました

3連戦直前に受けた故障はとてつもなく大きな壁となり、突如僕の前に立ちはだかってきた。しかし越えられない壁は与えられないだろうし、今思えば中々いい壁だった。この3連戦を通し僕は一切諦めることはなかった。全ての大会を人生最後の大会のつもりで挑み、もう走れなくなっても構わないという覚悟だけは終始貫けた。ただ今回だけは自分の力だけではどうにもならなかった。西田さんがあの時間に外のトイレに並んでいなかったら、僕が一つ前のエイドでトイレを済ませていたら、運命の再会は出来ず、完走も危うかったかもしれない。西田さん、本当に有難うございました!これで僕の中にあったあの情けない表現は完全に消えた。中何週間・・。そう考えている時点で次のステップは遥か彼方。僕の目指す”さくら道”は、まだまだこんなもんじゃない。今の僕の心境が”ランナ-ズハイ”なのだろうか。故障さえなければ来週もその翌週も、その翌週だって100㌔くらいなら充分走れそうな気がする
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ラウンジのホットドリンク
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無料の鍼治療  ※待ち時間なしでやってもらえた
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痛くてこれ以上右脚が伸ばせない
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全然良くなってないような  ※ただ実際触られている分、整形外科よりは余程いい

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| 2019 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第8回飛騨高山ウルトラマラソン(2)~瀕死の状態で家族の元へ


・・前回の続き


高山スキ-場から続いた問題のダウンヒルは根性で一気に下り切ったものの、その後のダラダラとした平坦で何度も心がやられ、精神的にかなり苦しめられた。もし僕一人だったら、長い下り坂もこの平坦も絶対に数知れず歩いていたに違いない。西田さんが後ろにいると思うと、迷惑をかけてられないと、僕も必死に脚を動かすしかなかった。西田さんはそんな僕に気を利かしてか、僕が辛くなりかけて以降、横には並ばず、間隔を開け見守るようにそっと後ろを付いてきてくれた。そして何とか、岩滝公民館エイドに到着。楽しみにしていたPinoを8個食べ、精神的にも多少は楽になってきた。ここで西田さんのスマホに大問題が起きたが、あえて内容は省略
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岩滝公民館(49.5㌔)エイド  ※『水は後で浴びますわ!』と指さし言っている僕
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待望の森永pino  ※優しいお姉さんが袋から出して渡してくれる

試走のイメ-ジも新しい丹生川トンネルを抜けたら、そこが国道158号線。先ずは無難に、第3関門の丹生川支所(57.2㌔)に到着。ここは唯一荷物を預けれるエイドだが、こんなこともあろうかと膝のサポ-タ-を左右分入れていた。膝が痛くでずっと我慢していたので、ここに来てようやく左膝にサポ-タ-を装着。しかし久々の使用ということもあり、どちらが上なのか下なのかを含め、正しい装着方法を完全に忘れてしまっていた。仕方なく上下分からないまま、適当に装着。この関門エイドの目玉は何と言っても飛騨牛だが、今年から食べ放題でなくなっており、かなり残念だった。これまで飛騨高山以上豪華なエイドはないと宣伝していたが、飲み物、食べ物全てにおいて南砺には到底敵わなかった(頑張れ飛騨高山!市民より)。
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坂道の途中の私設エイド  ※毎年本当に有り難い
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毎年違うコスチュ-ムで迎えてくれる
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第3関門 丹生川支所(57.2㌔)  ※関門閉鎖まで残り1時間14分
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飛騨牛は食べ放題でなくなっていた  ※どうしたJA!

運命の分かれ道で100㌔の部はこのまま千光寺への上りに差し掛かる。しかし別段落胆的な感情はなく、堂々と歩きに切り替えれるので、上り坂は今では大歓迎である。千光寺まで上り詰めても更に上りは続き、その後は一気に麓まで下る。いよいよ僕のテリトリ-の国府町に入ってきた。この辺り普段から走っているコ-スなだけに距離感はあるのだが、そうであるが故、やけに長く感じる辛さもある。宮地公民館エイドを過ぎたら、その先の待避所で例年のように家族が待っているはずだった。しかし生憎姿はなく、どうやらあまりにも遅いので、B&Gへと先回りしたとのことだった。
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いつでも明るい西田さん(右)と
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運命の分かれ道  ※今年だけでも左折したかった
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やっと歩ける
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下柏林道終点(65.8㌔)  ※この先僕のテリトリ-
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春先は山菜を探しながら走っている
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子供の声援は力になる  ※宮地のチビッ子、ありがとう!

この先の区間が今回の大会で一番きつかった。あまりにもの辛さに何度か西田さんに別れを告げるが、僕の家族に会うまではと、B&Gまでは一緒に行くと言ってくれた。僕に走る気力はほとんど残っておらず、ただただ歩きたい一心だった。左隣にいる西田さんの存在がいい意味で僕にプレッシャ-を与えてくれ、僕を容易に歩かさせてはくれなかった。今年はこのランナ-泣かせの区間に私設エイドが多く、補給出来ることも当然有り難いが、それ以上にようやくこれで立ち止まれるという感情の方が遥かに上回っていた。
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B&Gは直ぐそこなのに、異様に遠く感じた  ※この頃、死にそうな顔で走っていた
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友人宅   ※友人は当然先に通過したらしい

その後も自分との闘いは続き、何とかB&G関門(74.1㌔)まで辿り着く。正直今日は、ここまで来れるかどうかが最大のヤマ場だと思っていた。すかさず我が家の子供達が寄ってきた。国府中学校の校長も嬉しそうに近付いてきて、いつものように写真を何枚も撮られた。このエイドには穂乃花の高校の先生も居て、力強い声援を受けた。今年は忘れずとらふぐの唐揚げをしっかり頂き、その他の地元名物も一通り食す。先程まではここで西田さんと別れるつもりだったが、僕らはさぞ当たり前のように二人で仲良くエイドを発った。迷惑を掛けっぱなしなのは分かっているが、ようやく僕もふん切れた。この先も迷惑をかけ続けようと、西田さんと一緒にゴ-ルしたい!そんな感情が、次第に僕の中で芽生え始めていた。
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第4関門 国府B&G海洋センタ-(74.1㌔)  ※関門閉鎖まで1時間7分と昨年、一昨年より1時間遅い
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小1・大志(第6子)
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高3・穂乃花(第3子)と一花(第7子)
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猪炊き込みご飯  ※お茶漬けで
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飛騨とらふぐ唐揚げ(八光苑)  ※飛騨の新名物
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姫竹(笹の子)他  ※その気になればどれだけでも山で採って来れる


つづく・・


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第8回飛騨高山ウルトラマラソン(1)~救世主との再会

令和元年6月9日(日)、第8回飛騨高山ウルトラマラソンが開催された。先週の南砺100㌔で悪化させてしまった脚の故障(肉離れ)は全く完治しておらず、未だ右ふくらはぎには強い張りがあり、違和感しかない。脚の状態は3週間前の野辺山100㌔の時より圧倒的に悪く、野辺山の死闘以上の試練が待っていることは、走ると決めた時点で既に覚悟している。前日受付では国府ウルトラの仲間に多数会い、自ずと気分も高まってきた。

そして当日朝、スタ-ト3時間前の1時45分に起床。3時10分に家を出て、会場駐車場(旧農林高校)へと向かう。会場に着くなり、『預け荷物は体育館に荷物を置いてからここにお出し下さい!』としきりにマイクで叫んでいた。しかしひねくれた僕は、納得のいかないことには絶対に従わない。後で出すことに何の意味があるんだ・・と係員の抑制を無視し、直ぐにカゴに預け荷物を入れた。出走前の流れから言って、あの意味不明な手順は完全にランナ-の行動にマイナスになっている。2階に上りラウンジのトイレに並ぶが、4月の富士五湖でもそうだったが、ラウンジ専用のトイレも結局は混んでいる。
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スタ-ト会場での給食

白ゼッケンの第1組は4時45分のスタ-ト。その中程に並び号砲を迎え、いざ長い旅が始まった。飛騨高山に至っても今年から公式タイムはネットタイム(スタ-トマットを踏んでから計測)になった為、慌てて前に並ぶ必要もない。南砺以来丸1週間走っておらず、今回もぶっつけ本番で大会に挑む。上三之町の古い町並みは”飛騨の小京都”として江戸時代に栄えた城下町高山を象徴する場所だ。古い町並みを抜け、地元民の声援を受けながら細い坂道を上る。しかし異変は再々度、容赦なく僕の右脚に襲いかかった。野辺山の時は9㌔地点で激痛を浴びたが、今回はまだ開始3㌔である。ただこれは充分覚悟していたこと。一先ず10㌔を目指し、そこからは野辺山の時と同じ発想で、僕一人だけ別異の大会にエントリ-したものと気持ちを切り替えた。
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4時45分スタ-トの第1組

今年は台風の影響で美女峠を通るコ-スが変更となっている。富士五湖の1週間後に仲間らと53㌔の試走をしているので、その記憶はしっかりと残っていた。通常コ-スから逸れ、上り坂に入った頃だったろうか、左膝に突如激痛が走った。確かに先週の南砺でも終盤に少しだけ違和感を感じていたが、その後特に痛みもなく、全くのノ-マ-クだった。肉離れには慣れてきたが、膝痛は昨年の佐渡一周以来発症しておらず(その時は右膝)、時折訪れる激痛は何ものにも代えがたかった。既に完走する自信はなくなり、とうとう僕の走歴にも土が付くのかと悲観しつつも、何とか第1関門の道の駅ひだ朝日村(21.8㌔)に到着。
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ももゼリ-  ※りんりんファ-ム&カフェ前(15.9㌔)エイド
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トマトジュ-ス

ペ-スが遅いのでトイレロスだけは避けようと、ここまでずっと我慢してきた。トイレにはどのエイドも長い列が出来、並べば確実に5分以上のロスは免れない。しかしこの関門のトイレは数が多そうだったので、思い切って仮設トイレの列に並んでみる。その時ふと、僕の3人前に見たことのある顔があった。もしやと思い、後ろからゼッケンを覘き込み名前を確認。すると驚くことに、昨年能登で15㌔程一緒に走った西田さんだった。西田さんとはその後僕のブログを通じて交流は続いていたので、今回高山に参加することは知っていた。しかし3500人参加者がいる中でこうして偶然再会出来たのは、正に運命としか思えなかった。この先続く一辺倒の上りに落胆していたが、またも西田さんに助けられる格好となった。互いに積もる話をしながら、難なくカクレハ高原へ到着。
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第1関門 道の駅ひだ朝日村(21.8㌔)  ※関門閉鎖まで残り56分
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よもぎうどん
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運命のトイレ待ち  ※この撮影時、3人前に並ぶ西田さんの存在に僕はまだ気付いていない
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火畑そば  ※カクレハキャンプ場(29.5㌔)エイド
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高根こん太君を入れて西田さんと

いよいよここから高山スキ-場へと続く長い急登が始まる。疲れさえなければ全て走り切れるが、ここまでの距離、今の脚の状態を考えると無理は出来ない。体力を温存すべく時折走りを交えながらも、歩き主体で山頂へと向かう。いつしか小雨が舞い出しているが、霧雨程度で逆に気持ち良い。そして遅いながらも何とか第2関門もクリア。西田さんと一緒に居たことで、第1関門(道の駅ひだ朝日村)以降、不思議と辛さは感じなかった。高山スキ-場でさっと補給を済ませ、いよいよ長いダウンヒルに向う。通常であればスピ-ドを殺すことなく一気に加速して下り切るところだが、今の右脚には急な勾配がかなりこたえ、スピ-ドには耐えられなかった。肉離れした肉が脚の中で宙に舞い、右に左に揺れているのが感覚的に分かる。果たして僕の右脚は無事に下り切れるのだろうか。こんなことをしてて僕の右脚は再起不能にならないのだろうか。不安を幾つも抱えながら、必死の思いで脚を突き動かしていた。
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高山スキ-場へのきつい上り  ※以下、西田さんが知らない間に沢山写真を撮ってくれていた
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駄吉林道峠(33.0㌔)エイド
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上り切ったところで一旦下る
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興味津々だったので、ビ-サンランナ-(僕の右)に話しかけている
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第2関門 飛騨高山スキ-場(39.2㌔)  ※関門閉鎖まで残り1時間17分
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フル通過は4時間58分


つづく・・


| 2019 | 19:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第2回南砺100kmマラニック(4)~85㌔で肉離れ再発


・・前回の続き


脚は明らかにくたばっているが、故障箇所に至っては未だ調子がいい。相変わらず豪華なエイド給食により僕の興奮は収まらないが、この大会はスイ-ツ好きや喰いしんぼ万歳にとっては最良の大会だと思う。胃袋さえしっかり整えておけば、気の済むまで美味しいものを食べることが出来るのが、南砺最大の魅力とも言えるだろう。これらエイド提供物はランナ-の動力ともなる燃料であり、カロリ-を控えるよう気にかけるどころか、逆に摂り過ぎるくらいで考えないととても最後まで体が持たない。かと言って腹下しは心配なので、美味しいからと言って自分に規制もかけずアホみたいに食べる訳にはいかない。60㌔を過ぎ、一気に辛くなってきた。野辺山以降ほぼ2週間走らなかっただけで、ここまで体力が落ちるのかと思える程、走りたくても走れない状態が続いた。100㌔走ともなると、やはり70㌔前後が一番辛い。来週の飛騨高山で言えば、国府B&Gセンタ-の辺りだ。
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アイスクリ-ム&八尾モナカ
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ヤクルト
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65㌔通過は11:49  ※この区間一番長く感じ、5㌔進むのに48分もかかった
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みょうが寿司  ※僕はみょうがが唯一大嫌いだが、来年はチャレンジしてみようかな
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70㌔通過は12:26  ※スタ-トから8時間26分

第3関門も兼ねた城端行政センタ-(71㌔)エイドのたこやきは、見た目通り美味かった。ネギや鰹節がどっさりと乗り、ソ-スの他にマヨネ-ズもたっぷりかけてもらい一口で食す。『越中の小京都』と呼ばれる城端市内では、城端神明宮祭の曳山行事(ユネスコ無形文化遺産)の垂れ幕の前を通過。昨日受付会場に向かう際も目にした場所だが、ユネスコの文字には魅かれるものがある。城端別院・善徳寺は、開基から540余年を経た真宗大谷派の大刹。昨日も一目見て圧倒されたが、何度見ても大迫力だった。
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たこやき  ※1つしか食べなかったことを今では後悔
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城端神明宮祭の曳山行事  ※ユネスコ無形文化遺産
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城端別院・善徳寺 山門

75㌔のTSTテクノエイドに着くと、ギタ-青年がアンプの上に座り、語り主体のアドリブ演奏をしていた。『ランナ-の皆さんようこそ!』、『ラッシ-が美味しいよ!』、『美味しいカレ-もあるよ!』。エイドに到着したランナ-一人一人に語りかけるようなその自信に満ち溢れた口調からして、青年も完全にテンションMAXに達したようだ。ここのラッシ-(飲むヨ-グルト)は濃厚でとても美味かったが、売り切れ寸前なのか量は少なく、お代わりしてもたいして注いでもらえなかった。そしてもう一つこのエイドの売りがカレ-ライス。フライパンで炒めたエスニックな具材が特に食欲をそそり、ギタ-青年も勧めていたが、ここのカレ-は確かに絶妙だった。時間的(距離的)に誰しも胃がやられている頃だが、僕の胃はまだ快調で、隣に座る男性は僕の食欲に驚いていた。 
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TSTテクノ(75㌔)エイド  ※ギタ-青年(左端)のアドリブ演奏が面白かった
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ラッシ-  ※濃厚で美味い
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ライスにエスニックな具材(写真)を乗せ、カレ-をかける
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カレ-ライスとかき氷  ※とにかく最高!

80㌔を通過。右脚の故障は完治しているのか、この頃は気に掛けることもなくなっていた。それより気がかりなのは、このくたばり果てた単なる筋肉の痛み。80㌔も走れば痛くもなって当然だろうが、いつにも増して終盤の痛みに苦しめられた。それどころか今日は肩まで凝り出した。背負っているランバックは空に近くたいした重量はないはずなのに肩が痛み、上半身まで相当弱っているような感じだった。待望の桜ケ池西側トイレ(80㌔)エイドに到着。何故ならここにはノンアルコ-ルビ-ルが置かれているからだ。先々週の野辺山ではノンアルどころか本物のアサヒス-パ-ドライが置いてあり、あれにはかなり驚いた。
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80㌔通過は14:03  ※スタ-トから10時間3分
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ノンアルコ-ルビ-ル  ※きんつば、どら焼きも有り
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嫁兼公民館(83㌔)エイドには
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スイカ、バナナ、ブドウ、イチゴ、パイン、メロン、キウイ、オレンジ等、果物が一杯

フル-ツエイドで豪華な果物を沢山食べ、いよいよゴ-ルは射程圏内へと迫ってきた。・・かに思えた。次の86㌔エイドに向けて、疲れ切った脚を必死に前に突き出している時だった。何の前触れもなく、突如右脚ふくらはぎ(故障箇所)に激痛が走った。今回は最後まで持ってくれるだろうと思っていただけに、その落胆は大きかった。ただ野辺山のように9㌔地点で激痛に見舞われたことを考えれば、ゴ-ルは間近であり絶望感はそれ程ない。それに肉離れくらいなら走れることは自分で証明しているので、完走への確信は揺るぎなかった。問題は再発させたことで、果たして来週の飛騨高山は走れるかということ。
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85㌔地点、終に肉離れ再発!
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越中風土の無添加ジャム10種つけ放題  ※パンにつけたり、ドリンクに入れたり
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15:31、ようやく90㌔地点  ※時間はたっぷりあるが、極力歩かない

時間はたっぷりあるのでここは無理をせず、ゴ-ルまで歩き通そうかとも思ったが、その選択はしなかった。当初目標としていた12時間台を未だに狙い、脚を労わるように走る。広瀬公民館(90㌔)エイドでは、医療スタッフが氷で僕のふくらはぎを冷やしてくれた。イチゴを使ったジェラ-トが美味しく、2カップか3カップは食べた。ラスト5㌔を迎え、いよいよカウントダウンが始まった。最後まで諦めなければ12時間台はいけるかもしれない。残り5㌔を45分。決して無理ではないが、この疲れ具合と肉離れした脚では一切油断が出来ない。
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ZUCCAの立野原イチゴを使ったジェラ-ト  ※広瀬公民館(90㌔)エイド
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ドリンクは氷でキンキンに冷えている  ※帽子の中に氷を入れて走った
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ラスト5㌔(16:15)

逆算しながら一歩一歩ゴ-ルへと近付いていく。残り2㌔。走り切れれば何とか目標は達成出来そうだが、この場に及んで歩きが入る。時間的に猶予はないが、『最悪13時間を回ってもいいか・・』、そんな妥協した弱い感情が行動に現れる。情けなくも歩き始めたそんな時、後ろから走ってきた男性ランナ-が僕に声を掛けてくれた。『12時間台いきますよ!』。僕はふと我に返り、男性らの集団に加わり、必死について行く。その甲斐あってそこからは一切歩くことなく、恩人の男性らも置き去りに、何とか無事12時間台でゴ-ルした。
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あと4㌔(16:24)
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賑やかな太鼓が響いていた
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あと1㌔(16:48)
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辛うじて12時間でゴ-ル  ※苦しいながらも充分楽しめた

南砺100㌔マラニック。思った以上に心に残る大会となった。と言うより、これまで参加した大会の中で僕的には最もいい大会だなと思った。参加費は1.5万円と今の時代としては破格の安さ。参加賞は選択にもよるが、携帯コップ(500円)とヘッドウェア(1500円)の2つが貰える。大会パンフレットを白黒にしたり、マイカップ持参にしたり、ゼッケンや計測タグを1個にして経費削減に努めている。計測マットがスタ-トとゴ-ル地点しかないのも、おそらくその為だろう。しかし反面、エイドには力を入れている。給食の内容は実に特産食豊かで最後まで飽きが来ない。まるで100㌔かけて南砺各地のグルメ旅でもしているような感覚だった。ギタ-青年の存在も大きかった。彼の歌声に助けられたランナ-はきっと僕だけではないはずだ。

そして大会後に知ることになるが、随所で写真撮影していたカメラマンはオフィシャルではなく、写真ボランティアの方だった。その為写真は販売ではなく、太っ腹なことにFBで無料公開されている。これは小さな大会だから可能とも言えるが、いつまでもこのスタイルを貫いてほしい。大会中ランナ-に併走して回っていた巡回のサイクリストもボランティアの方々だ。皆で創り上げた感満載のこの大会が、僕はかなり好きになった。飛騨高山は地元の大会なのでおそらく80歳(僕の最終目標は80歳で100㌔完走)までは出続けるつもりだが、この大会も来年以降是非出続けたいと思う。高山と大会日程が被らないことを切に願うのと同時に、2週連続100㌔を走れるだけの体力は最低限維持しておきたい。
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ゴ-ル会場にて  ※そうめんとビタミンちくわ

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| 2019 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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第2回南砺100kmマラニック(3)~腹だけは調子いいのだが


・・前回の続き


距離表示は5㌔毎にあるはずなのに、5㌔どころか10㌔毎の表示すらも見かけない。繰り返し現れるアップダウンにも既に嫌気が差しているが、そんな時はエイドの存在だけが唯一の心の拠り所となる。そしてどのエイドも例外なく僕らランナ-を優しく迎え入れてくれ、どこも居心地は凄くいい。それに中盤ともなれば胃は確実に弱ってきて、固形物はあまり受け付けなくなってくるのが通常のパタ-ン。しかしこの大会で出される炭水化物系の固形物は、”おにぎり”や”うどん”と言ったありきたりなメニュ-ではなく、同じものが2つと出ないのも嬉しい限り。その為飽きることなく、僕の胃袋は常に新たな食を求めていた。
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利賀草嶺(37㌔)エイド  ※規模こそ小さいが、どのエイドもピカイチ
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山菜おこわ
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行者ニンニク(左)、コシアブラの漬物(右)
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メロン
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カレ-パン  ※あんド-ナツも有り
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大自然の景観

とにかく今日は暑く、水を被っていないと逆上(のぼ)せてしまいそうだ。しかしこの大会、肝心の被り水がなかった。規模が小さいからそれも仕方ないのかと諦め、道路脇でたまに目にする水を頭にかけては凌いでいた。久しくギタ-青年を見かけていなかったが、その代わりにエイドではスピ-カ-から彼の演奏が流れていた。洞門を抜け、賑やかなエイドに到着。『ご予約のお客様一名ご来店です!』。タキシ-ド姿のマスタ-が茶目っ気たっぷりにランナ-を誘う。氷見牛は美味しく頂けたが、豚肉はこの時の胃の状態からして厳しかった。そして何とか50㌔通過。ここに来て、久々に距離表示に遭遇。50㌔が5時間半だから、悪いなりにもそれなりに走れてはいる。11時間台も狙えるか・・と欲が出てきたのも、肉離れの再発の気配がなかったからだ。
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写真ボランティアの方が随所に潜んでいる
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小牧ダム(49㌔)エイド  ※陽気なマスタ-始め、実に賑やかなエイドだった  
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黒部名水豚の生姜焼き(上)、氷見牛すじ(下)
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50㌔通過は9:34  ※スタ-トから5時間34分

一旦街道から外れ、急勾配の坂道を上る。無駄な体力を使わまいと僕は早足で進んでいるが、後ろから何やら賑やかな声が聞こえてきた。走った方が楽なんですよ!車での応援者とそう話しながら颯爽と通り過ぎた女性は、ゲストランナ-の野尻あずさ選手だった。マラソンやハ-フだけでなく、スキ-でも日の丸を背負ったこの彼女、本気でないにしても次元が遥かに違った。一見意味のない坂道を上り切り、今度は草地を一気に駆け下りる。そこが、閑乗寺公園(54㌔)エイド。ここで初めて被り水が登場した。てっきりこの大会では被り水は出ないものと諦めていただけに喜びも一塩だ。ただ実際、もう少し手前から欲しかった。ギタ-青年とも久々に再会し、大会の雰囲気に慣れてきたのかノリノリになっていた。預け荷物を受け取り、バイザ-から帽子に替える。補給を手短に済ませ、ギタ-青年に手を振りエイドを後にした。
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さすがゲストランナ-の野尻選手  ※上り坂も走った方が楽らしい
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閑乗寺公園(54㌔)エイド  ※第2関門を兼ねた荷物エイドは中盤のオアシス 
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南砺ポ-ク丼美食フラワ-のせ  ※名前だけでなく、見た目もお洒落
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五箇山ぼべらバウムク-ヘン(左)、南砺大豆畑のソ-セ-ジ(右)  ※”ぼべら”とは”カボチャ”のこと
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久々に会えて嬉しい  ※ギタ-青年も次第にノリノリになってきた

木彫りの町・井波を象徴する八日町通りの石畳を直進すると、井波別院瑞泉寺に突き当たる。井波まで来れば位置的にゴ-ルは近いが、ここから50㌔近く遠回りすることになる。合併前の各町村を辿るようなコ-ス設定の上、観光名所も随所に組み込まれている。この時僕は名所に気付かず通り過ぎようとしていたが、一人の男性ランナ-がコ-ス外から出てきたのを偶然目にし、僕も作為的にコ-スから外れる。そこには立派な山門があり、その先には本堂や太子堂のどっしりと構える姿があった。町中のコ-スはアミダくじのようだが、要所には地元消防団の方々らが立っており迷う心配はない。60㌔通過が、スタ-トから7時間。後半に入るなりペ-スがガクンと落ちてきた。肉離れ再発の兆候は感じていないが、野辺山以降2週間走っていないツケがここに来て出てきたのか。脚力の低下が手に取るように分かり、この先が不安になった。
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猪バ-ガ-
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これは珍しい
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井波別院・瑞泉寺 山門  ※緻密な彫刻が見所らしいが見落としてしまった
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本堂  ※山門の先は拝観料が必要。写真は山門からズ-ムで
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太子堂
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となみ野名産大門そうめん
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60㌔通過は11:01  ※スタ-トから7時間1分、次第に遅れ出した


つづく・・

| 2019 | 16:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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