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水晶(1)~ここは秘境か極楽か

連日のうだるような暑さから逃れるかのように、急遽山へと向った。ここは北アルプス南部の登山基地、新穂高(岐阜県高山市)。2時起床、3時自宅発。車で1時間かけ、4時には新穂高に到着。最初から登山者無料駐車場には期待しておらず、中尾橋スタ-トを覚悟していた。しかし意外にも空きはあり、上から2段目のスペ-スに無事駐車。新穂高登山指導センタ-に登山届を提出し、4:18スタ-トを切る。今日は鷲羽岳を日帰りしてくる計画。標準コ-スタイム21時間のところ、5割のタイムで戻ってくるつもりだ。橋を渡り、しばらく続く路肩。近年は路駐に厳しく、昔のように停めれなくなっていたが、何故かコ-ンや柵は全て撤去され、林道ゲ-トに至るまでの間、結構な数の路駐が目立った。出だしから辛い上り勾配が続くが、ここはしばらくの辛抱だ。黙々と脚を動かし、ただひたすら高度を稼ぐ。まだ辺りは薄暗くヘッドライトをつけていたが、直ぐに明るくなり、立ち止まりザックにしまう。
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左俣林道ゲ-ト
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小池新道分岐  ※奥丸山へは右へ

今回のコ-スは水の豊富さがアルプス屈指とも言える程で、ロング山行にはもってこいの環境となる。通常僕は山ではラジオを流しながら進んでいるが、これは熊除けや気晴らしの為だけではなく、後ろから迫り寄る自分(僕)の存在をさりげなく先行者に知らせることにも大いに役立っている(以前何度か驚かれたことがある)。今日は3連休の最終日。当然登る者より、山行を終える下山者の方が多かった。順調に高度を重ね、鏡平山荘に到着。鏡池から望む槍穂高の稜線もよく見えている。今日は終日天気が良さそうなので、楽しい稜線歩きが期待出来る。ここまで来れば稜線は近い。少しの頑張りで弓折乗越に出た。前方右端の穂高から左端の槍を経て、ぐるりと回り稜線の果てが笠ヶ岳。ここから望む景色は全部高山市。そう想うとアウェ-感は全くなく、完全ホ-ム。高山市民にとっては我が庭・・、そう言っても過言ではない。
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秩父沢出合
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鏡平山荘
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焼岳(中央)、乗鞍岳(右奥)
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弓折乗越
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槍ヶ岳(左端)から大キレット(右)  ※その手前に中崎尾根

いよいよ稜線へと登り詰めた。ここまではただ辛いだけだったが、ここからがご褒美のスカイトレイルの舞台。雪田を越え、涼しき稜線を駆け抜ける。目指す方向、双六岳と樅沢岳の間に圧巻の鷲羽岳が姿を見せた。何度見ても相変わらずの迫力だ。残雪斜面を下り切ると、やがて木道が現れ、正面左手にテント場が見えてきた。タンクトップに短パン、膝にはテ-ピングを施し、木の杖を片手に持ち走る姿は、嫌でも目立っている。視線を目一杯感じながらも双六小屋に到着。外で立ったまま、急いでおにぎりを口に詰め、ペットボトルに水を満たしたら直ぐに先へと向かった。
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双六岳(左)と樅沢岳(右)の間に
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圧巻の鷲羽岳  ※手前は双六小屋 
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双六小屋と双六岳(左) 
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登頂は後にし、一先ず巻道ル-トへ

日本屈指の山岳地帯、飛騨山脈(北アルプス)。その中でも槍穂高を中心としたこの南部領域は、飛び抜けて人気が高い。それは登山者駐車場の、あの尋常でない車の数からも容易に想像がつく。しかしその込み具合はせいぜい双六までで、雲ノ平を代表とする『秘境』と呼ばれるその奥の界隈は、実に玄人好みの山域となっている。登山者は途端に減り、たまに単独行に擦れ違うくらい。双六岳と三俣蓮華岳は帰路に寄ることにし、平坦な巻き道を進む。時折沢や雪解け水にも恵まれ、可憐な高山植物の多さが楽園を演出してくれる。ここはまさに極楽地。至福のスカイランニングに、僕はしばし酔いしれていた。
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双六の先、登山者は激減  ※まさに極楽ランニング
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高山植物の宝庫  ※写真はハクサンイチゲ
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双六界隈は一切水に困らない
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大迫力の鷲羽岳と三俣山荘

三俣峠から一気に下り、久々の三俣山荘。懐かしきここのテント場は8年前に長男岳登と来た時以来だ。ここで過ごしたその時の思い出は、今でも深く脳裏に焼き付いている。水場は細いが、そこら中に沢水が流れており、冷蔵庫代わりにもなるし、素麺なんか作って食べるのもいい。正面に聳える大迫力の鷲羽目掛け、気合いを入れて登りにかかる。標準コ-スタイムの半分(単に計算しやすいので)の時間設定を常に意識しているが、ここまでは順調で30分くらいの貯金がある。ラジオの入りも大変良く、アンテナを伸ばしてFM放送に切り替えた。毎朝聞いている男性ナビゲ-タ-の聞き慣れた声が、ここが山の上であることを忘れさせてくれる。見た目程辛さはなく、すんなり鷲羽岳に到着。山頂には山ガ-ル2人と単独行の青年がいた。疲労度は全くない。当初計画(登山届も)では鷲羽岳日帰りとしていたが、既にこの先水晶へと向かうことを心に決めている。
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三俣山荘キャンプ地の水場(細い)  ※そこら中に沢水が流れている
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黒部五郎岳とカ-ル
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三俣山荘(下)と三俣蓮華岳(右上)
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槍ヶ岳と硫黄尾根(手前)
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鷲羽岳(標高2924m)
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槍穂高の大展望
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好調につき急遽水晶(最奥)を目指すことに

地元の友人垣内さんが、来月開催されるTJAR(日本海から太平洋まで北・中央・南アルプスをつなぎ415㌔を走破する壮絶な山岳レ-ス)に出場する。そんな彼が今頃南アルプスの山奥でかなり辛い練習をしていると想うと、僕も鷲羽くらいで引き返す訳にはいかない。鷲羽を越えると更に登山者は減り、出会う人は極稀となってくる。水晶は果てしなく遠くに見えるが、赤牛はもっと遠い。以前岳登と百高山を目指していたこともあり、僕らはその時赤牛まで行った。しかし大概の登山者はせいぜい百名山である水晶までで、わざわざ赤牛まで行こうとする者はほとんどいないだろう。水晶岳は日本百名山の中でも日帰り最難関と言われているが、ランナ-にとってはそれ程でもなかった。来年再訪することがあれば、今度は是非とも赤牛岳まで足を延ばしたいと思う。それでもコ-スタイム31時間半だから、16時間もあれば充分日帰り出来るだろう。
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鷲羽岳(右奥)を振り返る
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ワリモ岳(標高2888m)
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水晶へと続く稜線
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遠くに薬師岳(左)
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水晶小屋から望む裏銀座(野口五郎岳方面)
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稜線はとても涼しい  ※時折寒いくらいで、下界の暑さが嘘のよう
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ついに水晶か
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水晶岳(標高2978m)  ※疲労感は全くないし、これなら赤牛でも行けたな
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北ア最奥の百名山


つづく・・


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