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エフェス遺跡~東欧周遊編(9)

2017年12月27日
パムッカレ~セルチュク(エフェス)~



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エフェス考古学博物館  ※エフェス遺跡からの出土品約1000点を展示
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世界遺産 エフェス (2015年登録)


朝5時起床し、一人旅の計画を練り直す。
当初の計画では今日はイズミルまで移動し観光、そこで1泊し翌日をエフェス観光に充てる。
そしてその日の夜行バスでイスタンブ-ルへと向い翌日は終日イスタンブ-ル観光、そしてその日の夜行バスに乗ってブルガリアへと抜けていく。
しかしこの当初案となると2夜連続の夜行となり、出来れば避けておきたいとずっと思っていた。
そんな中で、今朝突如替わりの案を思いついた。

どうしても行きたい訳ではなかったイズミルは捨て、今日は直接セルチュクへと向かう。
そして駆け足で世界遺産エフェスを観光し、その日の夜行でイスタンブ-ルへと移動し1泊。
そうすれば、明日の夜行は避けられる。
この案の全ては、10:00発セルチュク行きのバスに乗れるか否かにかかっていた。


7時過ぎに宿をチェックアウトすると、宿のマスタ-が親切にも車を出してくれ、僕らを乗り場まで運んでくれた。
まだ真っ暗な中、既に数人が広場でバスを待っている。
僕らも早速そこで少し待つと、直ぐに乗り物がやって来た。
てっきりバスが来るものと思っていたが、現れたのはドルムシュ(乗合バン)だった。
ドルムシュは至る所で乗客を拾いながら、デニズリのオトガル目指して走っていく。
この手の乗り物は大概乗り場なんてものは決まっておらず、ル-ト上に立ってさえいれば、手を挙げずとも勝手に止まってくれるというシステムになっている。
乗客満載のドルムシュは、30分弱でデニズリのオトガルへと到着。
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パムッカレからデニズリへはドルムシュで

直ぐにそれらしいカウンタ-に出向き、10時発セルチュク行きのバスの手配にとりかかる。
しかし返ってきたのは、この時期にはそのバスはない!という予想外の一言だった。
移動手段を失い一瞬焦ったが、8:25発の列車で行けると言われ、直ぐに気持ちを切り替えた。
早速鉄道駅目掛け、小走りで進む。
外はまだ暗かったが、通行人に尋ねながらも何とか鉄道駅へと辿り着いた。
無事チケットも買え、値段はバスの半値と安く、間もなく発車と時間的にも好都合だった。
結論からして、やはり10時発のバスもあった気がするが、この流れで正解だったと思う。
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イズミル行きの時刻表  ※画像クリックで拡大
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朝8時を過ぎ、ようやく明るくなってきた
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デニズリ駅(8:25発)
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トルコ人親子に貰った手作り菓子

移動だけが目的のバスとは違い、列車にはやはり乗車自体が観光とも言うべき風情を感じる。
足元は広く、車窓からの眺めは見ていて一向に飽きない。
車内にはトイレがあり、精神的にも気が楽だ。
しばし、世界の車窓から・・の気分を満喫。
3時間半程で、列車はセルチュク駅へと到着。
セルチュクの町はとても賑やかで、とても楽しめそうな雰囲気があった。
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セルチュク駅(11:48着)
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駅前に何気なく遺跡が
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パン屋の見せ方が絶妙

先ずはオトガルに出向き、今夜のイスタンブ-ル行きのバスチケットを手配する。
チケットは直ぐに買え、バス会社のオフィスに不要な荷物を預け、早速観光へと向かう。
バス会社に荷物を預ける・・という手法は、急ぎ旅では忘れてはならない。
今回たまたま列車で来れたおかげで時間的に若干ゆとりが出来てきたのは、思いもしなかった嬉しい誤算だ。
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オトガルのバス会社

エフェス考古学博物館。
ここにはエフェス遺跡からの出土品、約1000点が展示されている。
アルテミス像は2体あり、紀元前1世紀のものと2世紀のもの。
エフェスのシンボルである蜜蜂や鹿の彫り物はともに豊穣を表している。
胸の回りに付けられた独特の卵形のものは、女神の乳房とも、女神に生贄として捧げられた牛の睾丸とも言われている。
その他石像や装飾品など展示物はどれも目を見張るものばかりで、とても見応えがあった。
ゆっくり見学出来ないのが残念だったが、遺跡に行かずとも、ここだけで充分満足出来る。
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アルテミス像(2世紀)
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以上、エフェス考古学博物館  ※展示内容が実に圧巻。ここに来るだけでも価値はある

次に向ったのが、4㌔先のエフェス遺跡。
途中までならバスでも行けそうだったが、いつ来るか分からないバスを待つくらいなら確実に歩いた方が早い。
先程買っておいたバケットパンをかじりながら頑張って歩き、疲れたらベンチに座り、水を飲む。
気温は暖かく、上着を脱ぎTシャツになって歩いていた。
そしてようやく、エフェス遺跡に到着。
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遺跡目指して4㌔歩く
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遺跡入口にあったポストオフィス

広い遺跡内には奥へと延びる道路の両側に、数多くの遺跡が残っている。
ここは世界屈指のギリシア・ロ-マ遺跡として、2015年に世界文化遺産に登録されたばかり。
遺跡の中で一際目につくのが、大劇場。
かつては演劇や全市民参加の民会の会場として使われていたらしく、今ではコンサ-ト会場として使われている。
両脇に列柱の並ぶアルカディアン通りは、シリアのパルミラを想い起こさせる。
娼館(売春宿)の広告は大変興味深いが、見落としていたことを後に気付きショックを受ける。
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大劇場は24000人収容
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今でもコンサ-トに使われている

ケルスス図書館も、中々見応えがあった。
ロ-マ帝国のアジア州執政官だったケルススの死後、彼の息子が父の墓室の上に記念に築き上げたものだ。
その後木造部分が焼失したり地震による被害を受け、20世紀初頭に発見された時には相当破壊されていたが、1970年代に修復され今の姿となった。
正面に立つ4体の女性像は、知恵、運命、学問、美徳を象徴する。
中は狭く殺風景で若干拍子抜けしたが、ここにはかつて12000巻もの書物が所蔵されていた。
外に出て斜めから眺めると、まるでヨルダンのぺトラ・エルハズネそのものに見えた。
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ケルスス図書館
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正面を飾る女性像
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見る角度によって、ぺトラ(エルハズネ)を想わせる

遺跡到着来薄々嫌な予感はしていたが、予感は的中、やがて雨が降り出してきた。
遺跡の中に逃げ込みしばらく雨宿りするも、一向に止む気配はないので諦めた。
この遺跡には中国人の団体客が異様に多く、至る所で中国人の姿が目に付いた。
雨の遺跡巡りは適当になりがちで、後になって幾分悔いを残す結果となった。
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モザイク画
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雨宿りを兼ね、ポストカ-ドを書く
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ニケのレリ-フ
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首のない像
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止まない雨にうんざり
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ヘラクレスの門

セルチュクの町へは傘を差して歩いて戻る覚悟でいたが、運良く声が掛かり、雨の中での立ち待ちを経て、無事ドルムシュにてオトガルへと戻ってきた。
カッパドキアで見かけた日本人青年にバス会社のオフィスで会い、話も弾み、一緒に夕食をとることになった。
現在彼はモンゴルに住み、ユニセフか何かで教育関係の仕事をしているらしい。
数か国語を自在に操り、ニュ-ヨ-クでコックや俳優もしていたというから驚きだ。
彼が言う通り海外での語学力は確かに大きな武器にはなるだろうが、無くとも何とかなっている僕の現状を踏まえた場合、今更英語を学び直す気にはなれない。
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激安スナック(0.6TL)  ※薄塩味のポッキ-でとにかく量が多い
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夕食は日本人青年と  ※2日前に見かけた時は東南アジア系だと思っていた
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これらを全部盛り付けてくれた
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安くて多くて、そこそこ美味い


夜行バス(セルチュク~イスタンブ-ル)泊


ドルムシュ(パムッカレ~デニズリ2人7TL) 鉄道(デニズリ~セルチュク大人16.5TL、子供8.5TL) ス-パ-マ-ケット(バケットパン1.25TL×2、ポッキ-0.6TL、水1.5㍑1.25TL) 夜行バス(セルチュク~イスタンブ-ル大人80TL、子供74TL) エフェス考古学博物館(大人10TL、子供フリ-) ポストカ-ド(1TL) 郵便局(エアメ-ル3.75TL) エフェス遺跡(大人40TL、子供フリ-) ポストカ-ド(2枚1TL) ドルムシュ(遺跡~セルチュク3TL×2) 水1.5㍑(2TL) 夕食(10TL×2)  計274.1TL
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| '18東欧周遊編 | 17:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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