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第12回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(8)~悲劇の始まり


・・前回の続き


無事佐渡一周を終え、昨夜21時には寝に入っていた。今泊まっている7人部屋(布団は8枚敷いてあったが、1名は急遽不参加)。僕がゴ-ルし部屋に戻ってきた時点で、既に3人が先にゴ-ルしていて、3人はまだゴ-ルしていなかった。朝まで熟睡したかったが、同室のランナ-が夜中部屋に戻って来る度に、必然と目を覚ますことになる。皆それぞれ大変だったようで、台風の話に盛り上がっていた。同部屋の最終ランナ-が帰ってきたのが明け方近く。目を覚ました僕もついに眠れなくなり、そのまま起き上がることにした。昨晩ゴ-ル後に食べ損ねていたハヤシライスに心残りがあったので、階段を下り、ロビ-へと向かう。そしてロビ-でゴ-ルシ-ンを眺めながら、ハヤシライスとソ-セ-ジス-プ、おにぎりを頂いた。ハヤシライスはレトルトだが、とても美味しかった。今の外は、台風のど真ん中。雨具をまとったランナ-が、点々とゴ-ルしてきた。心配するスタッフらを余所に、ランナ-は滅多に体験出来ないこの壮絶な状況を、自分達なりに楽しんでいた。しかし台風はかなり深刻で、心配したスタッフが、まだ帰ってきていないランナ-の捜索に出かけた。その捜索により1名のランナ-が敢え無く収容となったが、ライトを持っていなかったことが最大の要因のようだ。それにしても、このエコ・ジャ-ニ-。台風が上陸しようが中止にならないのが本当に凄いところ。ちなみに同日開催の丹後100kmウルトラマラソンは、台風18号の影響で中止となった。
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昨晩食べれなかった完走後の食事(4:20)  ※この時はまだ食欲があった
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台風の中ゴ-ルするランナ-(4:38)  ※ゴ-ル制限まで1時間半を切った

ゴ-ル制限(スタ-トから48時間後)となる朝6時まで感動的なゴ-ルシ-ンを見ていたい気もしたが、食事を終えると、潔く部屋に戻った。再び寝直し、朝9時前に起床。まだ大雨が降り続けているのかと一瞬滅入ったが、その音の正体は波しぶきだった。空は快晴、台風は無事過ぎ去ったようで一安心。9時半から始まる打ち上げを前に、荷物をまとめて部屋を出るようアナウンスが入った。丁度定刻の頃に宴会場へ入ると、既に宴は盛り上がっていた。テ-ブルには美味しそうなご馳走がずらりと並ぶ。揚げ物や刺身、新潟産コシヒカリ・・、それにビ-ルにワイン。しかし僕は朝起きて以来、気分がすごく悪い。頭がずしりと重く、気持ちが悪くて今にも吐きそうだ。とても宴会に出られるような状況ではないので、ロビ-かどこかで寝ていようかと思った。しかし宴会代のキャッシュバックはないと言われ、仕方なく宴会に顔を出す。しかし席に着いたものの、料理を見るのも辛く、直ぐに会場を出た。会場前のソファ-に横たわり、体を休める。心配した賄いさんが、水やティッシュ、嘔吐用バケツ(結局していない)を持ってきてくれた。とにかく体調は最悪で、生きている気がしなかった。
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朝食を兼ねた打ち上げ宴会(9:30~11:00)  ※ビ-ル、ワイン飲み放題
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豪華なオ-ドブルのはずが・・
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宴会場入口にて敢え無くダウン

宴会場の楽しそうな光景を余所に、自分の惨めさだけが光る。勝者と敗者。確実に僕は敗者の部類に入る。100㌔を超える超ウルトラの世界では、ゴ-ル後の宴会を楽しんでこそ大会は完結する。一向に気分は良くならないがこのままでは虚しいので、宴の終わり際、力を振り絞り根性で席に着く。賄いさんに特別に梅干しを用意してもらい、コシヒカリを茶碗一杯、お茶漬けにして食べた。そんな貴重な梅干しさえも、前に座る貪欲な男性は狙っていた。結局僕の宴会代3000円は、この茶碗一杯のお茶漬けに消えた。わざわざ駆け寄ってくれたMさんともたいして話せず、不甲斐無さだけが残った。
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お茶漬けが精一杯
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来年はどうしようかな・・

2台に別れたホテルの送迎バスに乗り、一同両津港へと向かう。この時点でまだフェリ-が出港するという情報はない。僕の乗るカ-フェリ-の前に出港予定だったジェットフォイル(高速フェリ-)は敢え無く欠航となった。台風は明け方に過ぎたが、高い波が残っている為欠航が相次いでいる。バスの車内では僕と同類の女性が、通路に座り静かに嘔吐していた。ウルトラに嘔吐はつきものだが、今回の佐渡での一番の重症者は僕とこの女性かも知れない。バスでは寝て過ごし、両津港に到着。流れるがまま搭乗の列に並ぶが、出港の情報はまだ知らされていない。しかし大型フェリ-は強かった。さすがに普段から荒波にもまれているようで、台風一過の高波くらい、敵ではなかったようだ。無事改札が始まり、歓声が沸き起こる。これで無事家に帰れる。大会中の台風直撃も心配だったが、大会後のフェリ-の出港も最大の心配事だった。新潟港までの1時間半は良く眠れた。フェリ-は結構揺れていたようだが、気にもならなかった。
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この便から奇跡的運航
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ランナ-は皆ごろ寝

新潟港に着き、家族への土産物を物色。タ-ミナルを出てバス乗り場へと向うが、バスは今出たばかりだった。歩けない距離ではないが、この体調からして歩くのは無理だ。地べたに座り小1時間バスを待ち、ようやく乗車。しかし降りた所は、万代シティバスセンタ-ではないらしく、何度も人に訊きながらようやくバスセンタ-に着いた。乗り場でしばらく待ち、富山行きの高速バスに乗車。車内ではおにぎりを食べる食欲が多少はあった。富山アピタ前にてバスを降り、迎えに来てくれた妻らと合流。自宅までの1時間半は、後部座席で横たわり寝ていた。
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タ-ミナルにあった朱鷺のモニュメント
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新潟駅前行きバス乗り場
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本数は少ない  ※画像クリックで拡大
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万代シティバスセンタ-  ※車で来なくて大正解

結果として、超ウルトラの世界は想像以上に辛かった。たいした筋肉痛にはならず、肉体へのダメ-ジはさほど感じていなかったが、ダメ-ジはやはり内臓に現れた。インドやバングラでも平気で生水を飲んでいたし、胃だけは誰にも負けない気でいた。しかしその自信は、今回の佐渡で無残にも崩れ落ちた。あの打ち上げ宴会の光景・・。朝から揚げ物をガツガツ食べ、ビ-ルをガバガバ飲むあのランナ-達こそ、超ウルトラに対応出来る強靭な内臓の持ち主だ。来年もう一度出たとして、おそらく36時間は切れるだろう。しかし翌朝の宴会に出る自信は全くない。今は気分が悪いけど、もう一晩ゆっくり眠れば回復するだろうと安易に考えていた。しかしこれはただの序章に過ぎず、本当の地獄はこの先に待っていた。


つづく・・


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| 2017 | 13:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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