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第12回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(5)~第3エイド(約128km)迄


・・前回の続き


寝たくても、寝付けない・・。そして無情にもそのまま2時間が経過し、ついに僕は眠ることを諦めた。仰向けになったまま脚を胸元に引き寄せ、ストレッチをする。横になっていた2時間、常に起きているという意識はあった。しかしふわふわの布団の上で脚を休めたことで、脚は思いの外リセットされていた。布団を畳み部屋の外に出て、出発の準備をする。歯を磨き、ワセリンを塗りたくり、各種サプリ等を摂取。そして必要な地図を取り出し、ザックを整える。階下に下り、玄関前のロビ-で氏名を伝え、朝食用に500mlペットボトル2本(アクエリアスかお茶)とパックおにぎりを一つ頂く。当初の計画では、充分な睡眠をとり、23時の出発予定だった。しかしそもそも到着が1時間以上遅れ、一睡もしていない割にはダラダラと過ごしてしまったと反省。何とか日付の変わるまでには仮眠所を出れたから良しとし、いざ初めての夜間走へと向かう。
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仮眠所ロビ-  ※出発時に500mlペットボトル2本とパックおにぎりを一つ貰える
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入れ替わり到着したランナ-(23:45)

トレランザックの右胸ポケットには次のエイドまでの地図数枚を差し込み、左胸にはラジオを入れている。AM放送をスピ-カ-から流しながら、誰もいない暗闇の中、少しでも寂しさを紛らわそうと気を耳に委ねる。車はほとんど通らず、時折通過する集落の民家は大概が明かりを落としている。何と言う不思議な空間なんだろう・・。今回のこのマラソン大会のことは、佐渡の住民に告知されているのだろうか。大会のことを知らない人が、もし真夜中に一人道路を走るランナ-を見たら、きっと怪しく思うだろう。仮眠所での4時間が効いたのか、脚は振り出しに戻ったかのように動いてくれた。入浴や睡眠を取ることにより、一気に運動する気が失せて、その後の走りに悪影響を及ぼすのではないかと心配していたが、実際はその逆だった。何とかこのまま、次のエイドまでは行きたいところだ。
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真夜中の快走

ランナ-はほとんど見かけない。たまに前に赤色の点滅灯が見えると、やがて追い着き、一声かけて追い越していく。仮眠所で休まずぶっ通しで走っているランナ-は、やはりお疲れ気味のようだ。僕も結局一睡も出来ていないが、仮眠所で4時間脚を休めたことは大きかった。明らかに僕の方が走りは順調に見える。胸元のラジオからは台風情報ばかり流れている。『非常に勢力の大きな台風は、今福岡に上陸しています・・』、『その後四国へと移動し、明日夜には東海北陸地方を襲うでしょう・・』。先程から同じことばかりを、やや大袈裟に言っている。仮眠所以降ア-ムスリ-ブだけで足りていた防寒だが、台風の影響か峠辺りで風がかなり激しくなってきた。横殴りの強風は、容赦なく体温を奪っていく。防寒着を着たくても、風にあおられ、易々とザックを開けることすら出来ない。しばらくの間、寒さをこらえて走るしかなかった。幻覚らしき物も見えた。巨大うさぎに見えた物が実際は車だったり、電柱が人間に見えたり・・。しかし結局、単に暗くて見え難いだけだった。超ウルトラに付きものの幻覚幻聴に少しは興味を抱いていたが、体力的にも精神的にもその極致には至っていなかったようだ。安全圏な集落まで下り、ようやくここで防寒着を着用。寒さは直ぐに暑さへと変わり、腕の裾を捲り上げたり、胸元のジッパ-を下げたり、体温調整に忙しかった。夜空には満天の星が。海沿いの歩道に上がり、仰向けに寝転がっては、休憩がてら星空を眺めていた。
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夜は防寒着を着用
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暗くて寂しいが、ラジオの存在が心強い
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トンネル内は明るくてホッとする

仮眠所で仮眠しなかったランナ-達は、きっと今頃睡魔と闘っているのだろう。3時を過ぎ『多田』の文字が出てきた。次のエイドが確か『多田・・』と言ってたな。先程まで苦しめられた強風はいつしか消え、海岸沿いに出ると穏やかな空気が流れていた。防寒具を脱ぎ、いつでも着れるよう腰に巻きつけておく。AMラジオからは懐かしの歌謡曲が流れ、相変わらず台風情報がその間に入り込んでくる。いい加減同じことばかり繰り返し、次のフレ-ズが自ずと浮かんでくる程聞き慣れていた。ふと、僕にも睡魔らしきがやって来た。これが噂の『睡魔』とやらか・・。僕にとって睡魔は常連客だが、不思議とこれまで運動中には襲われたことはない。『ガ-ドレ-ルにぶつかってケガをした』、『縁石につまずき転倒』、超ウルトラではそんなこともよく聞く。早め早めの対策を施し、眠気覚ましに持参したチュ-インガム(BLACK BLACK)を噛む。そしてその後、自販機でコ-ヒ-ブレイクとした。休憩を終える頃、自転車でサポ-トをする悪代官とその仲間の女性ランナ-が数人到着。小さな折り畳み自転車も中々辛そうで、悪代官の男性は、お尻が痛い・・と嘆いていた。
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多田12km(3:08)  目指すは第3エイドの多田海浜公園
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眠くなってきたのでコ-ヒ-ブレイク

暗闇は尚も続いている。この辺り左手には常に海が見え、その上一本道なので迷いようがない。しかし僕は地名看板を見つけては、地図で現在地を確認しながら走っている。それはコ-スアウトを避ける為のル-トファンディングの為ではなく、まだかまだか・・という泣きの表れでもあった。仮眠所を出て以降、最初の1時間は調子が良かったが、やはり確実に疲れは蓄積されているようだ。次のエイドまでの35㌔くらいは何とか走れるだろう・・と俄に期待はしていたが、やはり脚力のない僕には無理だった。しかし時折歩きを入れさえすれば再び走り出すことは可能で、完全に脚が止まっていなかったことだけが救いだ。
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ここは東鵜島(4:32)  ※地名を頼りに地図で現在地を探りながら走っている
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小木港29.4km(4:41)  ※ようやく『小木』の文字が出てきた
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どこまでも暗い

5時を過ぎ、空が少しずつ青みを帯びてきた。この時期の日の出は5時半だが、その時刻を待たずしてヘッドライトを撤収。頭が軽くなった分、精神的にも楽になった。そして、待望の朝。爽やかな朝陽に包まれ清々しい気分に包まれた。これは夜通し走った者だけが味わえる、特別な感情なのだろう。実際4時間の仮眠所休憩はあるものの、この徹夜ランで迎えた朝は、それだけで何か大きなことを成し遂げたような、達成感に満ち溢れた気分だった。雲は出ているが、今日も天気は良さそうだ。未知なる領域を走ることになる、この二日目。どこまで脚が持つのか心配は多大にあるが、それ以上に台風の状態が一番気がかりだ。どこかで大雨に当たることは、最初から想定している。その為、100均のペラペラカッパから、急遽登山用のゴアテックスに替えた。しかし問題は、台風にいつ当たるかだ。出来ることなら、最終エイド(第4エイド)までは持ち堪えてほしい。そこまでは極力走り主体で行きたいので、雨具着用では走行に支障が出る。そして最終エイドさえクリアすれば、以降は歩き主体となり、雨が降ろうがペ-ス的には変わらないだろう。
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夜明け間近(5:08)
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待望の朝(5:17)  ※初めての徹夜ランは意外と楽しめた
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台風よ、何とか夜まで来ないで

そして5:24、ようやく第3エイドの多田海浜公園(127.6㌔)に到着。ここに着く前、一人の女性ランナ-が道に迷っていた。一本道なので迷いそうもないが、その女性は主催者に電話までしてかなり心配していた。この方は仮眠所で一睡もせず、夜通し歩いてきたらしく、その早い到達ぶりには驚いた。東屋を利用したこのエイドでは、提供物がすごく嬉しかった。弁当にはとっくに飽きているので、何か別物の、さらっと系が食べたかった。そんな時に登場したのが、このカップ麺。数種ある中から、迷わずカレ-味をチョイス。当然の如く最高に美味く頂け、主催者はランナ-の気持ちが分かっていると、その気遣いに感謝した。東屋のテ-ブルには、その他一口おにぎり、カステラ、梅干し、バナナ、パックおにぎり、リンゴ、菓子等が無造作に置かれている。基本食欲はないのでカップ麺とおにぎりしか食べれなかったが、今思うとリンゴを食べとけばよかった。主催者の方か誰かが『佐渡の特産物なんだ・・』と言っていたような気がする。僕は東屋に背を向け地べたに座り、先ずは食べること、その後サプリを飲むこと、そして直ぐに出発することしか考えていなかった。
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第3エイド 多田海浜公園(127.6㌔)  ※当初予定より1時間半遅い
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カップ麺最高!
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一口おにぎり、カステラ、梅干し、バナナ、パックおにぎり、リンゴ、菓子・・


つづく・・

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| 2017 | 09:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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