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第6回飛騨高山ウルトラマラソン(3)~第4関門国府B&G海洋センタ-まで


・・前回の続き


いよいよ最大のヤマ場を迎える。膝痛を抱えながらの10㌔の長い下り。勾配はかなりきつく、スピ-ドを制御せずそのまま落ちて行こうが、ブレ-キをかけ速度を抑えようが膝的にあまり大差はないように思う。ならばと素直に重力に従い、加速をつけ存分に飛ばす。やはり膝は痛み出したが、幸いにも脚自体はまだ生きており、スピ-ドにもついてきてくれた。膝サポ-タ-のベルト(マジックテ-プ)を目一杯絞り、膝を一層ガチガチに固定する。鎮痛剤は確かに効いており、サポ-タ-の効果も相まってか、順調に距離を稼ぐことが出来た。そして9:43、第9エイド(県道空き地、44.8㌔)に到着。丁度下り区間の半分辺りだろうか。その後も快走を続け、9:57、ようやく麓へと下り切った。昨年はこの先、次のエイドまでのダラダラした平地区間に嫌気が差していた。しかし今日は、この区間も意外とすんなり進んで行けた。
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白山を眺めながら
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第9エイド(県道空き地、44.8㌔)
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膝痛を抱えつつも、何とか無事下り切った

10:11、第10エイド(岩滝公民館、49.5㌔)に到着。かぶり水を浴びて、エイドのテ-ブルを覘く。このエイドは桜ゴ-フレットや氷菓さくらクッキ-の印象が強いが、今年はより嬉しいものが登場した。アイスクリ-ムのpinoが3種類。その上、キンキンに冷えていた。ボランティアのお姉さんはそれを直ぐに食べれるよう、その場で袋から取り出してくれた。レ-ス後半を迎えると胃も相当疲れ、飲み物も食べ物も積極的には受け付けてくれない。そんな時にサッパリ系の初物はとても嬉しい。pinoは最高に美味しく、何個も口に詰め込んだ。さていよいよ3つ目の峠へと向かう。次の峠には名前が無く、単に辛いだけの地味な上りとなる。先程の岩滝エイドで神主さんを見かけていた。その時は本物の神主さんが選手の為に何かお祈りでもしてくれているのだろうと思っていた。しかしこれ又驚くことに、神主の格好をしたランナ-だったのだ。朝見かけた裸足ランナ-以来の衝撃の光景。そんな神主さんとはしばらく前後していたが、ふと声を掛けてみた。スゴイですね!そんな格好で・・。本物の神主さんですか?男性曰く、本物の神主ではないらしい。続けて僕は訊いた。普通の格好で走ったら、かなり早いんでしょうね・・。サブテンも達成したことがあるそうで、やはり速い方だった。
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第10エイド(岩滝公民館、49.5㌔)
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pino最高!かなり食べた  ※その他、桜ゴ-フレットや氷菓さくらクッキ-等
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町内会単位で選手を盛り上げてくれる
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地味に辛い

昨年はこの3つ目の峠がほとんど走れなかった記憶があるが、今年は調子がいい。歩くことなく、全て走れている。膝は痛むが、疲労はない。もしかして今日はこのまま最後まで走り切れるのではないか・・、時折そう思える程だった。練習は完全に不足しているが、先月(野辺山100㌔)、先々月(富士五湖100㌔)の実戦とその前後の休養が、力を増大させ、かつ蓄えてくれていたのかもしれない。とは言っても、実際走っている時はかなり辛く、エイドはまだかと半分泣きながら走っている。そして10:29、例年の場所にマリオの私設エイドが現れた。スイカやパイナップル等、大会エイドでは置いていないサッパリ系が心底嬉しかった。こうやっていつも選手の為に貴重な時間だけでなく、自費を使ってまでこうして辛い区間を助けてくれている。飛騨高山ウルトラマラソンの急発展の陰には、こういう方々の行いがかなり多くを占めている。この私設エイドには例年、施術院もある。膝の施術を勧められたが時間もないので、コ-ルドスプレ-を存分に噴射してもらった。
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毎年同じ場所に出されているマリオの私設エイド  ※神主さんも頑張っている
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乗鞍岳
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施術院さんのスプレ-も有り難かった

10:44、第11エイド(農道空き地、52.4㌔)。『清流の国ぎふ』マスコットキャラクタ-・ミナモの出迎えを受ける。トンネルを抜け、やがて国道158号へと出る。ここまで来れば、丹生川関門も近い。松本(その先の東京方面)と飛騨を結ぶこの街道は、いつでも交通量が多い。傍から見たらどう思われているのかな。そんなことを考えながら、必死の形相で先を目指す。そして11:08、第3関門(丹生川支所、57.2㌔)までやって来た。関門手前で近所(数軒隣、同班)のIさんとハイタッチを交わす。昨年も同じ場所で応援してくれていた。回覧板に町内からの参加者の名前が載っていたそうだが、僕の名前は載っていなかったらしく(住所でなく事務所で申し込んでいる為)、てっきり走らないと思われていた。どおりで僕の登場に驚いていた訳だ。ここまで6時間23分。脚はまだ死んでいない。預け荷物を受け取り、後半用に備え、ゼリ-飲料を2つザックに入れておく。
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第11エイド(農道空き地、52.4㌔)
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第3関門 丹生川支所(57.2㌔)  ※6時間23分、昨年より16分早い

その後はエイドのテ-ブルを順に巡り、片っ端から補給物を手に取っておく。トマトそ-めん、しそゼリ-、焼きそば・・。既に満足感で一杯だったが、その奥に本大会一番の目玉、飛騨牛があった。危ない危ない、うっかり忘れて食べ損ねるとこだった。昨年までは飛騨牛は93㌔の公文書館で頂けたが、そんな終盤では誰しも胃に入らないだろう。量を抑えるための苦肉の策かな・・なんて思っていたが、さすがは高山市、心が広い。選手の胃袋も考慮し、今年からは丹生川関門での提供となった。その上、内容(品質、大きさ)も向上したように思う。飛騨人でも滅多に食べれない贅沢な飛騨牛焼肉が2種。最高に美味く、柔らかくてとてもジュ-シ-。1カットも大きく、遠慮なしに何個も頂いた。なんだここは、無料の祭り屋台か。万が一リタイアするにしても、是非ここまでは辿り着いて欲しい。飛騨牛をお腹一杯食べれば、きっとリタイアの無念も少しは晴れるだろう。この支所に勤める近所(同班)のMさんともハイタッチ。結構きついですね・・。僕がそう吐くと、直ぐにこう返された。なんなら送ってくよ!誰がリタイアなんかするもんか。Mさん流の洒落た激励である。 
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トマトそ-めん、しそゼリ-  ※トマトシャ-ベットは食べ損ねた
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焼きそば  ※まるで祭り会場だな
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飛騨牛美味っ!それに分厚っ!ご飯がほしい  ※結構食べたが、来年はもっと食べたい
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このエイドはかなり凄い  ※もしリタイアするにしても、ここまでは絶対に辿り着きたい

千光寺坂へと続くダラダラした農道も、今年は不思議と順調に走れた。そして運命の分岐点。ここで71㌔の部とはお別れとなる。急坂に取り付くなり、直ぐに走るのを止めた。最初から走る気なんて更々なく、大概のランナ-も同じ戦略のようだ。実際練習で千光寺まで走り切ったこともあるが、疲れた割には、歩いていたトレッカ-とたいして時間差はなかった。少しばかりの時間の短縮と疲労度を天秤にかけた場合、ここは素直に歩いて体力を温存した方がベタ-だという結論に達している。それにしても歩くのさえ結構辛い。しかしそんな激坂に、走って挑むランナ-が数人いた。
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千光寺への激坂  ※走る気は更々ないので、休憩(=歩き)と割り切り失望感はない
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仁王門  ※三味線の演奏が心地良い
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皆苦しんでいる
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第14エイド(千光寺、61.9㌔)  ※まずは、かぶり水
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奥飛騨産とまとジュ-ス  ※ポカリ以外が嬉しい

千光寺からは一旦下って少し上り返す。その後は北アルプスを眺めながら、一気に麓へと下る。昨年はこの下りも相当へたっていたが、今年はここも順調に走れた。そして12:21、第15エイド(下柏林道終点、65.8㌔)に到着。既にポカリには飽きているので、初披露の麦茶がやけに新鮮だった。その上、凍らせたゼリ-の最高に美味いこと。ここまで来れば完全にホ-ムだ。毎週末走っている慣れたコ-スで、距離感は完全に掴めている。取りあえずは、宮地エイドを目指す。その先にはきっと家族も待っているはずだ。
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笠ヶ岳を眺めながら一気に下る  ※今年は脚が動いてくれた
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第15エイド(下柏林道終点、65.8㌔)  ※麦茶が嬉しい
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そして何より、凍らせたゼリ-が最高だった

そして12:49、第16エイド(宮地公民館、69.2㌔)に到着。知人のUさんもボランティアで頑張っていた。そしてその先の待避所で家族が待っているはずだった。しかし姿はなく、気は消沈。何とか気持ちを切らさず走り続けたが、その先の今公民館にも家族はおらず。次の三日町公民館では同業のH君が応援してくれるはず。会えるのを楽しみにしていたが、残念ながらH君もおらず。昨年最も苦しんだこの区間、今年は順調に脚は動き続けてくれた。今日はこのまま最後まで走れそうな気がした。12時間切りは堅いな、もしかしたら自己新が出るかもしれない。そして13:22、第4関門(国府B&G海洋センタ-、74.1㌔)に到着。ここでようやく家族と合流。娘の中学の校長が今年も応援してくれた。今年『は』速いですね・・。少し嫌味っぽく言われた。丹生川関門で会ったMさんの夫人もここでボランティアをしていて、ハイタッチ。子供らとゆっくり話でもしていたいが、ここも滞在は数分で済ます。この先随所に先回りしてもらうよう頼み、残り26㌔の勝負に出た。膝も何とか最後まで持ちそうだ。自分なりの記録達成に向け、家族に背を向けた。
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第16エイド(宮地公民館、69.2㌔)  ※知人のUさんからかぶり水を受ける
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第4関門 国府B&G海洋センタ-(74.1㌔)  ※8時間37分、昨年より37分早い
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猪のそぼろ茶漬け  ※ようやく家族にも会え、元気100倍!


つづく・・

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| 2017 | 18:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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