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仏教伝来の地 ミヒンタレ-~スリランカ編(6) 

2016年12月27日
アヌラ-ダプラ~ミヒンタレ-~アヌラ-ダプラ



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仏教伝来の地 ミヒンタレ-  ※岩山インビテ-ション・ロック


ミヒンタレ-。ここはスリランカで最初に仏教が伝えられたとされる聖地。
ジャングルに眠っていた遺跡群が1934年に発掘されて以来、スリランカで最も重要な聖地の一つとして多くの巡礼者が訪れるようになった。
特に仏教伝来の日と伝えられる毎年6月から7月にかけてポソンという祭りが行われ、何千人という信者がスリランカ中からここに集まってくるのだという。
信者らは集団となって山頂を目指し、頂上にある岩山に登り満月を拝むのだ。

紀元前247年6月の満月の日、アヌラ-ダプラの王デ-ワ-ナンピヤ・ティッサがこの地に鹿狩りにやって来た時のことだ。
この山の神デ-ヴァは、仏教流布の為にこの地を訪れていたインドの仏教王アショ-カの息子マヒンダに会わせる為、鹿に身を変えて現れた。
王は鹿を追いマヒンダのもとへ導かれ、そこで二人は出会う。

そして王はマヒンダとの問答の末、仏教に帰依することになった。
王の臣下や住民達もこれに続き、7日間で8500人もの人々が仏教徒になったと伝えられている。
その後、仏教は瞬く間にスリランカ全土へと広がっていった。
『ミヒンタレ-』の地名は、そんな『マヒンダ』にちなんで付けられたものだ。


アヌラ-ダプラのニュ-バスタ-ミナルからバスで30分、ミヒンタレ-の小さな村を訪れてきた。
ミヒンタレ-到着後、バスを降り南の方角、山に向かっておもむろに歩き始める。
樹木には得体のしれない果物がぶら下がり、猿のかっこうの餌となっている。
普通の猿はどこでも見かけるが、ここで見かけた『スリランカ・ハイイロオナガザル』という種類は初めて見たもので、とても興味深かった。
山頂のマハ-・サ-ヤ大塔を遠くに望み、頂上まで1840段あるという階段の上りが始まった。
湿度の高いこの気候、洗濯物は乾かないし、汗ばかり出て仕方がない。
メガネのレンズに汗が垂れ落ちることを避ける為、メガネはあえて頭に乗せている。
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山頂にあるマハ-・サ-ヤ大塔を目指す
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スリランカ・ハイイロオナガザル
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ひたすら続く上り

周りを歩いているのは、大半がスリランカ人のようだ。
この気候での階段の上りは辛いだけだが、休もうがゆっくり進もうが、距離は決して変わらない。
ならば急げと、せっせと目の前の階段を一つ一つ片付けていく作戦に出た。
そして一先ず階段を上り切ったところでチケットを購入、ここはちょとした広場になっていた。

遺跡はここから山頂に向け点在するが、どこでも見かける『何々跡』ではインパクトは薄い。
階段は尚も続き、既に登頂を終えた人々と擦れ違うように、雨ばんだ階段を上って行く。
上り切る手前に靴の預け所があり、ここで皆裸足となる。
昨日のように天気の良い日には石畳は熱を蓄え、裸足で歩くことは辛く、靴下を穿く者もいるらしい。

ここから先が聖地となる。
深夜未明に降っていた雨の波は去ったようだが、まだ時折、ちらほらと小雨が舞い降りてくる。
暑い時期の雨・・と聞けば聞こえはいいが、熱帯でのそれは涼しさを伴っておらず、逆に酷だ。
幸いにも石畳はヒンヤリとし、滑る危険は増してはくるが、意外にもベストな天候かもと思った。

広場から最後の階段を上り切ると、そこが山頂のマハ-・サ-ヤ大塔だった。
さすがは一番高い場所だけはあり、確かにここからの眺めは素晴らしかった。
周囲一帯が深いジャングルに覆われ、昨日訪れたアヌラ-ダプラの大きなダ-ガバも2つ、容易に判別出来た。
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アヌラ-ダプラ遠望  ※ルワンウェリ・サ-ヤ大塔(左)とアバヤギリ大塔
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マハ-・サ-ヤ大塔

この山頂にあるダ-ガバはミヒンタレ-最大のもので、ここには釈迦の髪が祀られている。
(※ちなみに仏教の開祖とされる『釈迦(シャカ)』は、本名をゴータマ・スィッダッタといい、釈迦族の王子であった。それに対し『仏陀(ブッダ)』とは、サンスクリット語で目覚めた人、悟った人を意味し、釈迦の尊称となっている。)
大きなダ-ガバの周りを一周し、そこから見える一際気になる岩山を眺めた。
『インビテ-ション・ロック』と呼ばれる巨大な岩に張り付く人の群れ。
断崖迫る急峻な岩場に、手摺やステップが設けられている。

広場へと一旦下り、僕らも早速インビテ-ション・ロックへの登りにかかった。
これから始まる危険な岩登り。
しかしこんな場面に限って、皮肉にも再び雨が降り出してきた。
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アムバスタレ-大塔
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インビテ-ション・ロックへの登り  ※ちょうど雨が降り始め、危険度上昇

歩行部分は設けられているものの、狭くて擦れ違うのはやや困難である。
登る者は下る者を下で待ち、下の者が目一杯身をいずれかに寄せる。
山頂直下にある最大段差の難所、ここが下りられず、泣き出す少女の姿もあった。
老婆、赤子を抱く父親・・、およそ危険な岩登りに不適な者までもが一つの頂上を目指している。
それは、この行いが単なる岩登りではなく、修行の一環であることを表していた。
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混み合う頂上付近

そして、無事登頂を果たす。
まるで槍ヶ岳の穂先にでも立ったかのような、そんな不思議な気分に包まれていた。
今日は生憎雨交じりの一日となったが、聖地の神秘さを味わうには申し分ない天気であった。
王とマヒンダが出会ったとされるアムバスタレ-大塔、それにポクナや石窟など、見所は他にも多い。
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インビテ-ション・ロック頂上
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マハ-・サ-ヤ大塔(左上)とアムバスタレ-大塔
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王はここでマヒンダと出会った
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大仏
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スリランカ最古の文字
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ナ-ガ・ポクナ  ※5つの頭を持つコブラ
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会議場跡
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シンハ・ポクナ  ※ライオンの石像
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68の石窟の一つ
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この辺りからの眺めは良い

再びバスに乗り、アヌラ-ダプラの町へと戻ってきた。
ス-パ-マ-ケットで水とコ-ラを買うのは、この町での日課となっている。
暑苦しい観光を終え宿に戻り、まずは冷えたコ-ラを一気飲み。
未だスリランカの楽しみ方を見出せていない僕らの、現時点で唯一至福の瞬間である。
そして直ぐに水シャワ-を浴び、外のテ-ブルでナナの日記の面倒をみる。
明日、僕らは次の町へと移動する。
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ソフトクリ-ム
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冷えたコ-ラの一気飲み  ※これが唯一の贅沢
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ゲスト用(正面2部屋のみ)とオ-ナ-家族居住部分(右)
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店先でロティを焼く店主  ※日本での就労経験有←こういう人は必ず声を掛けてくる
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コットゥ  ※ロティを細かく刻んで炒めたもの
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オ-ナ-と娘さん
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スリランカの酒 アラック  ※物価からして、かなり割高


アヌラ-ダプラ・BERLIN Tourist Rest泊-Rs.1500


パン(Rs.25×2、Rs.30×2) バス(アヌラ-ダプラ~ミヒンタレ-Rs.30×2) 遺跡入場料(Rs.500、子供フリ-) バス(ミヒンタレ-~アヌラ-ダプラRs.30×2) ソフトクリ-ム(Rs.25×2) ス-パ-マ-ケット(コ-ラ1.5㍑Rs.138、水1.5㍑Rs.70、バナナ小17本Rs.115) アラック(小瓶180mlRs.380) 夕食(コットゥRs.200×2)  計Rs.1883
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| '17スリランカ編 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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