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笠の稜線(2)~これぞ、笠の稜線!


・・前回の続き


笠ヶ岳山頂で贅沢な時を過ごし、朝食時に手を付けていたおにぎりの残りを一気に片付けた。ここからしばらく、至福のトレイルが待っている。槍穂高を眺めるとした場合、確かに長野県の蝶ヶ岳辺りもかなり素晴らしい。しかし常念山脈と比べ、同じく槍穂に対峙するように連なっているこちらの稜線の方が、標高が高い分絶景が味わえると僕は思う。水のストックはまだあったが、念の為笠ヶ岳山荘で水を補給させて頂く。キャンプ場を過ぎた先、例の登山者と擦れ違った。杓子平から稜線にかけての区間、僕を追い上げていた(たぶん気のせい)あの青年だ。あの時は僕も必死で振り切ろうとしていたが、今となっては差は随分と開いていたようだ。
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笠ヶ岳山荘と小笠
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山荘の水場
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天空トレイル  ※槍、小槍に惹きこまれそうだ

縦走路を北へと進む。東側には低い位置に中崎尾根。中崎山奥丸山から成る藪の稜線だ。そして更に東には、日本を代表する縦走路、槍穂高連峰が威厳を放ち連なっている。今日は天候に恵まれ、眺望が途絶えることはない。かと言って、暑いわけではなく、逆に肌寒いと感じる場面もあるくらい。抜戸岳への分岐が現れた。初めて来た訳ではないし、立ち寄るか否か迷ったが、折角なので足を延ばすことにした。分かりづらいル-トを辿り、煩い這い松を超えた先がケルン立つ山頂・・。と思いきや、そこは抜戸の山頂ではなかった。ここで撮影をしていたカメラマンに導かれるようにここまで来てしまったが、標柱のある山頂は戻った先のピ-クであった。
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抜戸岳分岐
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抜戸岳偽ピ-ク
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カメラマンにつられて来たが、確かに景色はいい
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抜戸岳(標高2813m)

進む方角、目の前には人気の双六岳がみるみると迫ってきている。先に進むにつれ、双六岳との位置関係からその奥の鷲羽岳は特定出来る。しかし一見、鷲羽岳は薬師岳と同じ白を基調とした色合いな為、見る場所によっては若干判別しづらい。秩父平が見えてきた。特徴のある秩父岩が目印だ。昨年ナナと笠ヶ岳を目指した時は、敢え無くこの秩父平での撤退となった。子供と笠ヶ岳を訪れる場合、笠新道からの往復ではなく、弓折からの周回の方が断然面白い。穂乃花と6年前に過ごした秩父平での思い出は、今でも僕の脳裏に深く刻まれている。そんな娘との思い出一杯の秩父平を過ぎ、静かなる稜線を先へと進む。
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稜線から大きく下降し、秩父平へ
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絶景広がる秩父平
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双六も近い  ※双六小屋(コル)、樅沢岳(右)、鷲羽岳(奥)

そして、大ノマ岳。昨年ナナが疲れて、泣いていた場所である。この縦走路の区間、コ-スタイムの設定が短過ぎるとあの時も、今も思った。笠ヶ岳までの登りで稼いだ貯金は、いつしか無くなっている。山頂に出ると涼しげな風が吹いており、逆に少しの寒さを感じた。登山者で賑わう小池新道とは異なり、この縦走路は玄人好みの渋い稜線だと言える。今日の行程も終盤に差し掛かってきた。後々バテないよう、早め早めの栄養補給は重要だ。特大おにぎりの2つ目に手を付け、梅干しで塩分も補っておいた。水でも食べ物でも、体が求めてからでは既に遅い。
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大ノマ岳(標高2662m)  ※ここも絶景!
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ハクサンフウロ
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大ノマ乗越

大ノマ乗越のコルへと一旦下がり、ここから辛い登り返しとなる。しかしこういう無駄なアップダウンがあるからこそ、山という形が成り立っている。疲れは多少出ているが、今日は素晴らしい眺望が終始望め、その癒され効果は絶大だった。そして、弓折岳。朽ちた標柱のある登山道で寛いでいる年配の登山者がいたが、実はそこは山頂ではない。踏み跡に従い少し西へと進んだ先が、三角点のある弓折岳山頂となる。僕の行動が気になったのか、先程の登山者も遅れてやって来た。ここも景色は素晴らしい。目の前には槍穂高が望め、北西側の山並みも一通り見えていたはずだ。
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弓折岳(標高2588m)
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弓折山頂は縦走路から少し離れている
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弓折乗越

とても充実していた笠の稜線歩きも、弓折乗越でお別れとなる。人気の登山道に合流したことで、ここからは他の登山者に気を配りながらの行程となる。1分として登山者と擦れ違わないことはなく、鏡平までは擦れ違いの連続だった。僕は走ってはいるものの、優先すべきは登りの方。従ってその都度立ち止まっては、登る者に道を譲った。しかし僕も登山者として経験があるが、重荷を背負い疲れ果てている時、譲ってもらうよりは先に下りてもらった方が気は楽だ。しかしここは一応社交辞令通り、登山のル-ルを両者が守った。
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鏡池  ※槍穂高を望むビュ-ポイント

鏡平山荘は登山者でごった返し、鏡池のフロアも登山者で溢れていた。その先の登山道も相変わらず登山者が続々と現れ、その数は衰えることがない。さすがに下に行くほど、時間の関係もあるのだから減ってくるだろうとも思ったが、一向に登山者は減ってこない。下山者を数十人追い越し、久々の水に出合う。疲れた脚や腕、肩や首裏、もちろん顔も冷やし、喉も潤した。小池新道を終えると後は惰性の区間。ランナ-にとっての林道は、無いものに等しい。しかし未舗装のオフロ-ドは足元が悪く、思い通りには走れない。さすがにここまで来れば上へと向かう登山者は急激に減り、下山者の方が多くなっていた。その全てを追い越し、腕を振る。今回のように特別に登山者の多い日であったが故、一つ学んだことがある。前行く人に追いついた時は、早めに『こんにちは!』と後ろから元気良く発し、こちらの存在を知らせる。『すいません、いいですか・・』では失礼だし、黙って付いて歩くのは互いに利点がない。挨拶を兼ねたこの一言を追い着く直前に発することで、相手は気持ち良く率先して道を譲ってくれた。『こんにちは』、『有難うございます』、『頑張って下さい』。今日の下りは、終始そんな言葉を出していた。
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シシウドヶ原  ※小池新道はどこも大混雑
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秩父沢出合  ※水豊富
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わさび平小屋
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笠新道入口

左俣のゲ-トを越え、掟破りの路駐3台(これは頂けない)を横目に、新穂高へと舞い降りる。つい先程まで過ごしていた笠の稜線は、もうあんなにも遠くに見えている。人間の脚って、凄いもんだな・・。通常ならこれで山行は完結なのだが、今日は更に中尾までの片道2.5kmのランが待っている。悪路ではないのだから楽勝かと思いきや、長い洞門に嫌気がさし、この区間が今日の中で最も辛かった。当初双六岳まで行こうと思っていただけに、行かなくて正解だった(←情けないぞ、俺!)。今行われているTJARの選手って、本当に凄いな。へなちょこランナ-の僕からしてみれば、やってることが想像もつかない(←しかし、闘志湧き立つ自分がいる←出たいなら、まずは100㌔10時間半)。
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新穂高  ※あの稜線を走って来たんだな
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登山指導センタ-
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中尾・奥飛騨さぼう塾







平成28年8月11日 天候晴れ、僕


中尾 5:11
新穂高 5:28
笠新道入口 5:55、6:00
標高1920m看板 6:43
杓子平 7:36 
稜線 8:09
笠ヶ岳山荘 8:43
笠ヶ岳(2898m) 8:52、9:08
抜戸岳(2813m) 9:59
秩父平 10:26
大ノマ岳(2662m) 10:51、11:02
弓折岳(2588m) 11:32
鏡平山荘 11:56
秩父沢出合 12:35
わさび平小屋 13:04
新穂高 13:30
中尾 13:48


標準コ-スタイム(新穂高発着で):16時間35分(昭文社・山と高原地図)
所要時間(新穂高発着で):8時間2分
距離(ト-タル):32.8 km
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