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第5回飛騨高山ウルトラマラソン(4)~家族の待つゴ-ルへ


・・前回の続き


ここは家族の待つ第4関門、国府B&G海洋センタ-(74.1㌔地点)。昨年(走り始めて3ヶ月が過ぎた頃)、この第4関門で第4回大会の応援をした。その頃僕は30㌔も走れば一杯一杯で、ここに辿り着いたランナ-のことが心底信じられず、その誰もに尊敬の念を抱いていた。あれから1年、僕もようやくあの時のランナ-達と同じ場所まで来ることが出来た。補給物を手に取り、B&G玄関前の階段に腰を下ろす。子供に囲まれているとはいえ、のんびり過ごす気は更々ない。急いで補給を済ませ、子供と2言3言言葉を交わし、直ぐに腰を上げた。再度補給を摂り、かぶり水を頭から浴び、最終関門エイドを後にする。○○さん、頑張って下さい!エイドを出ようとした時、出口付近で見たことのある男性から声を掛けられた。たくさんの中学生に囲まれたその方は、後で思い出したが中学の校長先生だった。
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束の間の一時

いよいよ、ラスト26㌔。少し走った所で、私設エイドが現れた。皆自腹をはたいて、面識のないランナ-の為に応援してくれている。どこかのセコイ都知事とはえらい違いだ。ここには日本酒が並んでいた。飲みたい気もしたが、酒を入れるにはまだ早いと断わった。しかしここで出会った青年は、やけに喜んで飲んでいた。中国在住というその日本人青年は、アルコ-ルの影響か(いや、そうでない)、やけにテンションが高い。彼としばらく一緒に走っていたら、走る辛さは不思議とどこかへ消え去っていった。国道41号を横断し、宮川にかかる橋を渡る。
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宮川

14:49、第18エイド(村山公民館、77.9㌔)に到着。さるぼぼの出迎えには驚いた。この辺りで、クマのプ-さんを発見。黒バックを背負ったその格好は、富士五湖で見かけて以来。あの時も少し話をしたが、僕は彼を強烈に覚えていても、やはり彼にとって僕はただの一ランナ-のようで、覚えているはずもない。それにしても、この暑い時期にその衣装は通常では考えられない。サウナ状態で100㌔を走るなんて、彼はまともに走れば間違いなくサブテンクラスだろう。ちなみに彼も、100㌔を年に4本走っているという。
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第18エイド(村山公民館、77.9㌔)  ※さるぼぼのお出迎え

テンションの高い青年と会話しながら走っていたら、苦は忘れ、時が経つのが早くなっていた。これは非常にいい傾向だ。15:24、第20エイド(グリ-ン薬局前、82.8㌔)に到着。隣にはコンビニがあり、青年はアイスコ-ヒ-を買うと言っていたが、結局は買っていなかった。もう一人バンダナの青年も加わり、彼等の漫談を聞きながら、楽しく距離を稼ぐことが出来た。先程から久々にピンクゼッケンも目にしている。71㌔の部、制限時間ぎりぎりのランナ-達だ。71㌔ランナ-とは、高山西高校手前で又もや運命を分ける。彼等はこのままゴ-ルのビックアリ-ナへと向かっていくのだが、100㌔ランナ-はこれから更に清見へと遠回りしなければならない。僕の脚は完全に回復。これがウルトラマラソンでよくある”復活”だ。運動時間が長いだけに、筋肉や内臓への養分の到達で、突然体が軽くなることがある。今食べているのは今の為ではなく、何㌔後かの活力の為なのだ。
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第20エイド(グリ-ン薬局前、82.8㌔)

15:58、第21エイド(八日町新鮮野菜販売所、87.4㌔)に到着。この先、最後の難関ラスボス峠への辛い上りが始まる。どれくらいの斜度なのか、それがどれくらい続くのか、全く想像もつかない。しかし中国青年曰く、全く走れるものではないらしい。エイドで補給を済ませ、最後の難関に立ち向かう。走り出しは、とても快調だった。直ぐにバンダナ青年に追い着き、『エイドでの休憩が長くて勿体ないですよ・・』とアドバイスを頂く。この一言は大変勉強になった。やがて歩くランナ-が多くなり、追い越しながら軽快に走ってみせた。ふいに斜度が増し、つい今回の悪い癖で歩く体勢に切り替えてしまう。しかし歩くことに違和感を感じ、無理して走ってみたら、意外にも脚はついてきた。これなら走れると快走を続け、前回富士五湖のように坂に張り付く全てのランナ-を一気に追い越した。時間の目標は諦めているが、何とか目標の500位には少しでも近付いておきたい。復活した脚は上り切るまで衰えることはなく、追い抜きざまに『スゴイ・・』と落胆の声も聞こえてきた。
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第21エイド(八日町新鮮野菜販売所、87.4㌔)  ※ラスボス前のオアシス
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プチトマト
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荘川町郷土料理 どぶ汁
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結構長~い、ラスボス坂  ※うっぷんを晴らすかのように走り抜いた

16:31、第22エイド(メカトロニクス高山メガソ-ラ-パ-ク付近空地、91.0㌔)に到着。飛騨牛を心待ちにしていたが、このエイドではなかった。清見サイダ-で喉を潤し、いよいよラスト9㌔に向かう。12時間台は絶望的かと一度は諦めたが、ラスボス坂での快走により、達成が濃厚となってきた。更に可能性は低いが、頑張ればぎりぎり12時間半も切れそうだ。16:47、第23エイド(公文書館、93.3㌔)に到着。待ってました、飛騨牛!今大会一の目玉給食の登場だ。胃も相当疲れている頃だったけど、とても美味しく頂けた。
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清見サイダ-  ※市を挙げての大イベントであることが、様々なもてなしを見て分かる
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第23エイド(公文書館、93.3㌔)  ※待ってました、飛騨牛!
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シシ汁も美味かった

ここまで来れば、後は気持ちの問題だけ。隣を走る新潟の青年と話しながら、㌔5分に迫ろうとする軽快な走りで95㌔地点に到達。この時、時刻17時ちょうど。残り5kmを㌔6分で行けば、何とか12時間半以内にゴ-ル出来る。決して難しくはない最後の目標となったが、90-95kmのハイペ-スが効いたのか、その後大幅にペ-スダウン。青年にはついて行けず、終いには歩きたくなる程まで落ちてきた。それでも何とか踏ん張り、残り4km、3km、2km、1kmと順に表示コ-ンを迎え撃つ。信号待ちに捕まった。せっかく誘導係がいるのだから、この信号くらいは配慮して(通させて)もらいたい。
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残り2km  ※残り4kmから表示があった
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残り1km
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急いでいる時の信号待ちは辛い

そしてビックアリ-ナへと続く最後の上りへと差し掛かる。12時間半は諦めているが、12時間40分切りはまだ諦めていない。やがて高山の空に大歓声が響き、係員の姿が迫ってきた。歓声は次第に大きくなっている。ビックアリ-ナへと左折し、最後のコ-ナ-手前で家族の姿を確認。急いでタイシを腕に抱え、何とか12時間39分で100㌔を終えた。何度も目標を修正しながらも、今ある力での最大の目標に挑み続けた結果が、このタイムである。
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ゴ~ル!  ※これ(子供をダッコしてゴ-ル)がしたかった

初めての、飛騨高山ウルトラマラソン。惨敗ながらも、収穫はたくさんあった。ハイペ-スでの自滅、家族の存在、後半エイドでの過ごし方、自滅後の復活・・。そして何よりも大きかった今大会一番の成果は、僕が何よりも欲しかったもの。それは完走証でも完走メダルでもなく、100km走ってダメ-ジゼロの強靭な体。翌日多少の筋肉痛はあったものの、これまでの2大会とは違い大会直後も含めほぼ普通に歩けた。足のマメは別として、特に痛めた箇所もない。能登のように悪寒やしびれは現れず、富士五湖のように声が出なくなることも、咳が止まらなくなることもなかった。着実に100kmの距離に体は慣れつつある。本大会も9月の白山白川郷も、10月の能登すずも、僕は250kmに向けた練習としか思っていない。家族の応援を糧にして、遅くても来年中には100kmの最終目標を達成したいと思う。
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ドラえもんと嶺花、タイシ
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有料ブ-スの他、無料の会場エイドも充実
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記録証と完走メダル、それと早期申込み特典の大会オリジナルさるぼぼ


第5回飛騨高山ウルトラマラソン

距離:100km
時間:12時間39分44秒
順位:582位/1708人(男子)
完走率:71.6%(1223人)
経過:10km(0:51:27)、20km(1:49:53)、30km(3:13:00)、40km(4:40:02)、50km(5:44:11)、60km(7:07:19)、70km(8:38:17)、80km(10:02:25)、90km(11:24:26)





高山市公式YouTubeチャンネル  ~ハイ、市役所です~


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完走したら奮発して食べると決めていた、特大サラミ  応援も疲れるようで、トイレしながら寝ていた
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| 2016 | 08:30 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

快走おめでとうございます。

ブログを最後まで読ませていただきました。
ダメージを残さず、余裕でのゴールおめでとうございます。

地元にこんな方がいらっしゃるとは・・
私は、この大会のコースを設定し、毎年、大会前日のコース解説をさせてもらっている者です。

5年前の夏、自分の足で何度も何度も走って作った自慢のコースを全国から集まったウルトラランナーの皆さんが楽しみ(苦しみ)ながら走ってくださっているなんて、本当に夢のようです。

来年もぜひご参加ください。そして、その先の目標に向かって突き進んでください。
ご活躍を期待しています。

追伸:
「能登すず」は、第1回、2回と参加し、いずれもギリギリでの完走でした。
2年間、都合で参加できませんでしたが、今秋は参加予定です。


| 飛騨高山・丸山 | 2016/06/24 20:02 | URL |















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