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ワインの産地メンド-サで酔う~南米編(14)

2016年1月3日
~メンド-サ



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ワインは当然、MENDOZA


16世紀、スペインの植民地時代に持ち込まれたブドウ苗木から始まった、アルゼンチンワインの歴史。
現在ではフランス、イタリア、スペイン、アメリカに次ぐ、世界第5位の生産量を誇っている。
生産地のほとんどがアンデス山脈の麓にあり、中でもメンド-サが70%のシェアを占めている。
確かにボデガ(ワイナリ-)巡りも魅力的だが、ここは見学や試飲ではなく、この町で思う存分ワインを味わってみたい。
きっとその方が、メンド-サを一層思い出深い町にするだろう。


この町での宿探しは、きっと容易いものだろうな・・、僕はそう軽く見下していた。
ガイドブック(地球の歩き方)では、メンド-サに限って珍しく安宿が多く載っており、そのどこかには間違いなく泊まれるだろうと安易に考えていたからだ。
しかし、ワインのように甘くはなかった。
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町に着いたら、まずは宿探し  
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娘も必死についてくる  

折角苦労して辿り着いた宿にはことごとく断わられ、終に僕等は目指す場所を失ってしまった。
最近の旅行者は誰しもスマホを持ち歩き、宿は事前に予約するものに変わりつつある。
宿探しは画面を相手に行い、僕等のように足を使っての宿探しは既に時代遅れの部類に入る。
そんな時代遅れの僕等としては、まずはガイドブックで目星をつけ、候補を失えば必然的に飛び込みで宿を探す。
物価の安い国であれば飛び込みだけでも充分なのだが、物価の高い国では情報の無さは致命傷となり、気力体力、更にはお金までも容赦なく奪っていく。

先程までは余裕面を浮かべ町を闊歩していたが、状況は一変し、既に笑みはない。
ガイドブックの宿には全て見放され、飛び込みでの宿探しも何軒目かに入っている。
僕等の探している宿はどれだけでも安い宿、それは、どれだけでも汚らしい宿を指す。
綺麗さ、快適さは一切求めていないし、治安もそれ程重要視していない。
ただ立地はある程度重要で、ドミは極力避けたい。

そして、アタックも終に5軒目となった。
通常僕等に星は必要ないのだが、この辺り一帯、どこもかしこも星ばかり。
ある程度の妥協は覚悟し、1ツ星ホテルへと入った。
どうせ、ここでも断られるのだろうな・・。

僕等のアルゼンチンでの宿泊代は、予算$160(1500円弱)で見積もっていた。
それに対して、この宿の言い値は$590。
オ~、マイゴッ~ト!
少し大袈裟に頭を抱えてそう叫んだが、この仕草や言葉は無意識に出てきたものだ。

もう少し安い部屋はないのですか・・。
落胆しつつも、ここで簡単に引き下がる訳にはいかない。
僕は諦めず、受付の若い男性と交渉を続けた。
この界隈にもうホテルは見当たらず、最後の拠り所としてこの場に挑んでいる。

値は$550まで下がった。
それでもまだ、僕等にすれば尋常でないほど高い。
更に粘り、交渉を繰り返す。
通常、宿でこれ程の値切り交渉はしないが、この時の僕は必死だった。

その甲斐あって、一気に$500まで下がった。
相手はかなり値引いたつもりのようで、俺は頑張った、みたいな顔をしていた。
しかしそれでもまだ、僕等にとっては3泊分の宿代だ。
とても納得出来る金額ではなかったが、他のホテルに比べればこれでも安い方だった。

諦めた僕は、受付の男性に泊まりたい旨を告げる。
そしてパスポ-トを2つ差し出し、チェックインの手続きを行ってもらう。
僕の氏名等がその男性によって宿帳に記載され、2つ目のパスポ-トに男性の目が留まった。
えっ、宿泊は2人なの!

当たり前だろ・・。
受付の男性は、$500という値段は1人分だと今更言い出してきた。
はっ、今頃何を言ってるんだ!
僕も声を荒らげ、必死に反論。
最初から2人部屋の話をしているのだし、隣には娘がいるだろう。
じゃあこの子は、一体どこに泊まると思ったんだよ。

2人で$500でも納得していないのに、このホテルはその倍を取ろうとしている。
有り得ないクソ宿か、お前。
男性はしばし頭を抱えるも、既に受付を済ませてしまったことや、少なからず自分の否も認め、結局は2人分ということで話は落ち着いた。
そんなの当然だろ・・。
男性は損したと思っているようだが、僕等は得したと思うどころか未だ損した気でいる。

2夜連続夜行バスが続いていたので、久々のシャワ-は大変心地良かった。
温かいお湯が出るというのも、実に嬉しい。
さすがに1ツ星ホテルだけはあり、部屋にはエアコンがあり、テレビもある。
もちろんトイレやシャワ-は部屋内にあり、石鹸、タオルなどのアメニティも充実している。
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HOTEL KAPAC   ※部屋は狭いが設備はいい

昨日買った白ワインを飲みながら、ベットで足を伸ばす。
いつもはラッパ飲みの為、コップに注いで飲むワインは喉越しが増し、どれだけでも飲める気がした。
程よくテンションも上がってきた頃、ようやく外に出る。

この町にはたいした見所はなく、当初計画では滞在の予定はなかった。
従って、最初から僕はこの町に何も期待していない。
ホテルを出て、角を左に曲がったら、ふとス-パ-マ-ケットが目に付いた。
中を覘いてみると、ホ-ムセンタ-も兼ねた結構大きな店だった。

まずは一目散に、ワイン売り場へと向かう。
ワインの品揃えはかなり豊富で、これまで見てきた店の比ではない。
さすがはメンド-サ、国内ワインの70%のシェアを占めているだけはある。
確かにこれまで飲んできたワインには、全てメンド-サの文字があった。
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ホ-ムセンタ-兼ス-パ-マ-ケットといった大型店
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高いワイン(写真左)や安いワイン(右)など、種類は多い

何かいいつまみはないかな・・と、広い店内を物色する。
菓子はどれも高かったが、最も安いビスケットのお買い得品を一度は買い物かごに入れた。
しかしその先でナイスな物を見つけ2人して大喜び、ビスケットは直ぐに元の場所に戻した。
お決まりの、ケ-キ1ホ-ル。
物価の高いアルゼンチンにしては、安くさえ思えた。

ケ-キがあれば、きっとアレもあるだろう。
嶺花を偵察に出すと、想像通りこの店にも置いてあった。
お決まりの、チキンフル(鶏の丸焼き)。
結局この店では、鶏丸焼きとケ-キ他、それに赤白のメンド-サワインを各々1本買い込んだ。
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ケ-キ(写真左)や鶏丸焼き(右)に、2人のテンションは急上昇
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生肉(1パック$12~)が驚くほど安い、この国ではやはり自炊が基本のようだ

浮かれ気分で、ホテルへと戻る。
この町での過ごし方は、先程急遽決まった。
町での観光は諦め、ちょっと豪華な部屋でメンド-サワインに酔いしれる。
互いのベットを隅へと引き離し、出来た中央の空間にテ-ブルを置き、早速宴会を始めた。
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早速始めますか・・
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鶏丸焼き(約640円)、フライドポテト(約75円)、ワイン赤(約195円)、ワイン白(約170円)
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ケ-キ1ホ-ル(約1050円)
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顔と同じ大きさ

まずは、ケ-キ。
一口食べ、嶺花の顔色が変わった。
テンションが明らかに落ち、それ以来、一切ケ-キを口にしようとはしなくなった。
自分で選んだくせに、想像していた味と違った為、食べる気を瞬時に失くしたのである。
食べ物を粗末にしたことや自分勝手な態度に僕の反感を買い、激しく叱られ、拳骨をくらった。
嶺花は泣き出し、楽しいはずの宴会が一気に台無しとなる。
せっかくのワインも美味しさが半減し、通夜のような無言の宴会がしばし続いた。
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突如悲しみの宴会に 
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構わず喰って、飲む

食後、グロ-リアの丘に向かうべく、まずはサン・マルティン公園を目指し歩き始めた。
独立広場からサン・マルティン公園へと続く1本道。
高級住宅街を想わせるこの大通りには、立派な建物が道路両脇に並んでいる。
そのどれもが素敵な邸宅で、敷地は広く、外構も凝っている。
その一軒一軒を眺めながら、嶺花と感想を語り合い、まるで住宅展示場にいる気分だった。
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高級住宅街を散策

ようやくサン・マルティン公園に着き、園内の案内所で地図をもらう。
ここまで歩いてきただけでも疲れたが、グロ-リアの丘は更に3km先だという。
グロ-リアの丘からの眺望を期待していたが、仕方なく諦め、ベンチで一眠りする。
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サン・マルティン公園

今度は反対側の歩道を通り、邸宅巡りを満喫しつつ、ホテルへと戻ってきた。
既に機嫌を取り戻している嶺花と残り物で再度宴会をし、少し休んだ後、町に繰り出した。
先程は出だしでいきなりス-パ-に引っかかり、中心部へはまだ辿り着けていない。

町の中心となる独立広場は、夜だというのに、すごい賑わいを見せていた。
白夜のこの時期、21時まで空は明るい。
コルドバで体験したが、夕方店は早々とシャッタ-を下ろし、町から人が突如消える。
そして日暮れ前、どこからか人が集まり、日中の賑やかさが戻ってくる。

独立広場では多くの露店がひしめき合い、歩いているだけでもかなり楽しめた。
土産物屋、似顔絵書き、タンゴダンサ-、パフォ-マ-・・。
このままいつまでも居られそうだったが、既に23時半になっている。
残念だが、そろそろホテルへと帰る。
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似顔絵屋さん
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わたがし
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夜の公園は露店で溢れ、最高に楽しい
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タンゴを踊るストリ-トダンサ-
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スプレ-ア-ト
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サ-カス

アルゼンチンは、夜9時以降が楽しい。
昨夜感じたこの想いは、今夜確信へと変わった。
しかし僕等は明日、もうこの国にはいない。


メンド-サ・ホテルKAPAC泊-$500   ※$:アルゼンチンペソ


バス(メンド-サ~サンティアゴ$450×2) ホテル($500) ス-パ-(フライドポテト$8.28、パン$14、ケ-キ1ホ-ル$117、鶏丸焼き$71.28、赤ワイン$21.83、白ワイン$19.17) ス-パ-(コルク抜き$40.8) わたがし($20)   計$1712.3

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