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ボカとパリジャ-ダ~南米編(12)

2016年1月1日
ブエノスアイレス~



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ボカと
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パリジャ-ダ  ※肉の塩焼き盛り合わせ


今朝がた今後の計画を少し練り直し、隣国ウルグアイの日帰り観光は仕方なく諦めた。
せっかく訪問国にカウントしていただけに残念な思いもあるが、何せフェリ-代が高過ぎる。
目的地コロニア・デル・サクラメント(世界遺産)まで高速フェリ-で1時間、高速だから高いのはまだ分かる。
しかし3時間かかる通常のフェリ-ですら値は張り、果たしてそこまでして訪れる価値があるのかと天秤にかけた。
それに、もし仮にコロニアまで行ったとしても、今日は元日で博物館がやっていない可能性が十分考えられる。
何せ昨日の大晦日、ブエノスの観光名所はどこもクロ-ズだった。


10時、僕等はホテルをチェックアウトした。
ブエノス一賑わうはずのフロリダ通りでさえ、今日はどの店もシャッタ-を下ろしたままだ。
早速、歩いてバスタ-ミナルへと向かう。
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元日のストリ-ト

到着後まずはタ-ミナル入口にある案内所に立ち寄り、コルドバ行きの窓口を教わった。
この巨大タ-ミナルは窓口が多過ぎ、そうしないと、どの窓口に行けばいいか見当もつかない。
教えてもらった数社の中で開いている窓口は全て覘いたが、どこも値段が予定の倍くらいと衝撃を受けた。
しかし他に選択肢はなく、諦めて購入するしかなかった。
アルゼンチンのガイド本は最新版のはずなのに、物価の上昇を思い知らされた。
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バスタ-ミナル案内所
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バスタ-ミナルのホットドックは、不味く食べる価値なし

先程から、窓の外では雨が降っている。
土砂降りの中、ボカに行こうと一度はコレクティ-ボ(バス)に挑んでみたが、乗り方が難し過ぎて訳が分からず、結果断念。
雨の中、ずぶ濡れになり、バスタ-ミナルへと戻って来た。
結局はただ濡れに行っただけで、全くの無駄足となった。
しばらくバスタ-ミナルで雨宿りさせてもらうことにする。
ここは椅子も多いし、何の気兼ねもいらないのがいい。

しばらくすると、雨も上がってきた。
外に出て、再度コレクティ-ボ乗り場にて乗車を試みる。
どれに乗ればいいのかも含め、乗車のシステムが僕自身未だよく分かってはいない。
それでも何とか無事ボカ行きの便に乗り込むと、30分程でボカ地区に到着した。

ここはボカ地区、カミニ-ト。
カラフルな原色で彩られた建物は、この地区独特の世界観を表わしている。
付近一帯の建物を染めるというこの斬新なアイデアは、ボカ生まれの画家キンケラ・マルティンによるものだそうだ。
国が誇る英雄や偉人達も特身大で観光客を出迎えてくれ、町の情景作りに一役買っている。
異国情緒を味わうには申し分がなく、遥々足を延ばして来る価値は十分あると思えた。
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ボカ地区
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カミニ-ト(小径)
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永遠にマラド-ナ
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軒先にもマラド-ナ  ※右は誰?
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人形だらけで楽しい  ※チェ・ゲバラ(左)、右は誰?
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カラフルな家々に癒される
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ここにもマラド-ナ  ※左は誰?
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レストランのタンゴショ-  ※路上でのタダ見はフリ-
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この官能的なステップは、ボカのバ-の片隅で生まれた
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国の偉人達  ※左から、メッシ、エビ-タ、誰?、チェ・ゲバラ
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”神の手”は母国でも有名なようだ  ※どう見ても、ハンドとしか思えない

このボカ地区は港のある下町で、貧困層が多く暮らし、治安はそうは宜しくないとされている。
そんな地を本拠地としているのが、労働者階級に圧倒的人気の”ボカ・ジュニア-ズ”。
国内リ-グ優勝24度、南米一6度という輝かしい戦歴を持つ、南米屈指のサッカ-クラブだ。
スタジアムは一見造りが雑で、近代的な建物とは程遠い。
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ボカジュニア-ズ・スタジアム  ※南米屈指のサッカ-クラブ本拠地

道向かいに1軒だけ佇む、小さな土産物屋に入ってみた。
店内入口では英雄マラド-ナが出迎えてくれ、店内ではメッシが来客をもてなしてくれた。
アルゼンチンが誇るこの2人のス-パ-スタ-は、この先何年、何十年経ったとしても、国の象徴として延々と受け継がれていくのだろう。
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新旧のス-パ-スタ-  ※マラド-ナ(左)、メッシ(右)
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チェ・ゲバラ  ※アルゼンチン生まれの政治家・革命家で、キュ-バのゲリラ指導者

帰りは、徒歩でセントロへと戻ることにした。
コレクティ-ボでの帰り方が分からない・・というのが大半の要因だが、歩いてもそう遠くないだろうとも思った。
大統領官邸前のベンチに座り、日記を書く。
祝日で観光名所は軒並み閉まっているが、反して観光客の数は多い。
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ソフトクリ-ム  ※基本、人前での写真撮影は大嫌い←だから不機嫌

良い思い出がまだ築けていない、ここ、ブエノス・アイレス。
せめてもの思い出作りにと、アルゼンチン料理を味わうことにした。
普段は食事にお金はかけない方だが、”観光”と割り切れば話は別である。
そこでしか食べれない物、に僕は弱い。

路上で手にしたチラシにつられ、お洒落で高そうなレストランに入ってみた。
まだ時間が早いからか、店内は込み合っていない。
頼む物は既に決まっているので、チラシを見せ、早速パリジャ-ダを2人前注文する。
余計な出費は痛いので、『飲み物は不要』と告げる。

そして待つこと数分、一つの鉄板に盛られて出てきた、焼肉の盛り合わせ。
ビ-フステ-キ3枚、鶏丸焼き(小)1羽、ソ-セ-ジ1つ、腸詰めソ-セ-ジ2つ、チ-ズ焼き2枚、焼野菜、それに付け合せのパンと豆系。
見た目は驚くような量ではなく、逆に、思ったより少ないな・・と落胆の方が大きかった。

慣れない空間に緊張しつつも、早速肉を一つずつ取り分けて食べてみる。
高いだけはあり、当然の如く美味い。
飲み物のジュ-スをバックから取り出して飲む・・、実はこの時が一番恥ずかしい。
さすがにステ-キの3枚目が苦しく、勿体ないが腸詰めソ-セ-ジは残してしまった。
これで、2人330ペソ。
これは中々の値段だが、異常に物価の高いここブエノスでは飛び抜けて高い訳ではない。
一度くらいは試してもいいかも。
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高いけど、これも観光
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とても食べ切れない量だった  ※ワインは飾り

最大の繁華街フロリダ通りには、無数の闇両替屋が存在する。
歩いていると直ぐに彼等の声がかかり、その光景にはかなり笑えるものがある。
朝ホテルで両替はしていたが、不足を案じ、僕も初カンビオ(闇両替)に挑んでみた。
さすがに”闇両替”というだけはあり、呼びかけは”囁き(ささやき)”に近い。
しかし警官もこれには目をつぶり、半ば黙認された裏取引となっている。
替える側とすれば、偽札を混ぜられることを一番恐れている。

路上で『カンビオ?』のつぶやき声を受け、待ってました・・とばかりに対応にのる。
その場で両替するのかと思いきや、近くの露店に連れて行かれた。
通行人が頻繁に周りを行き交う中、別に悪びれるでもなく、堂々と札の勘定が行われる。
一応僕も慎重になっており、札の表裏を透かして確め、本物の札であるか確認した。
レ-トはホテルよりやや良く、結果、偽札は混じっていなかった。
この闇両替の背景には、近年のインフレが原因となっているようだ。

ホテルに戻り、預けていたバックパックを受け取る。
ロビ-のソファ-を使わしてもらい、荷物整理や身支度、カメラの充電まで快くさせてもらった。
そして、いざバスタ-ミナルへ。

バスのチケットには、プラットホ-ムの番号が記されていない。
通常は書かれているものだが、どうやらここでは直前まで確定していないようだ。
番号が示される天井の画面を到着以来眺めているが、それらしき表示は一向に出てこない。
出発時間が迫ってくると次第に心配が募り、チケットを買った窓口に再三出向くも、まだ返答は得られていない。
・・そして、出発5分前。
さすがに僕の焦りも最高潮に達し、堪らず窓口に出向くと、ようやく乗り場が示された。

急いでそのプラットホ-ムへ行くと、既に乗車は始まっていた。
他の乗客はどうやって知ったのだろうか。
画面には最後まで出なかったはずだし、スペイン語でアナウンスが入ったとしか思えない。
そして、定刻通りバスは発車した。

もし5分前に僕が執拗なアクションを起こしていなければ、バスは僕ごとき一乗客を待つことなく、直ちに発車していただろう。
親切に誰も助けてはくれない。
旅を続けたかったら(死にたくなかったら)、自分で危機感を抱き、何かを察し、何度でも例え嫌がられてでも、自ら動き続けなければならない。
見栄や恥じらいなんてものは、旅に出た時点でとっくに捨てているし、
貧乏旅行では何の意味も持たない。


夜行バス(ブエノスアイレス~コルドバ)泊   ※$:アルゼンチンペソ


バス(ブエノスアイレス~コルドバ$700×2) 朝食(ホットドック$23×2) コレクティ-ボ(~ボカ$5×2) 土産物屋(キ-ホルダ-2個$25、ポストカ-ド$12) ポストカ-ド($12) ソフトクリ-ム($10×2) 夕食(パリジャ-ダ2人$330) ポストカ-ド($12)  計$1867
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