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水道橋を眺めながら~ジブラルタル海峡を越えて編(29)

2015年1月16日
~マドリッド~セゴビア



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世界遺産 セゴビア旧市街とロ-マ水道
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映画『白雪姫』のモデルとなった城 アルカサル

昨夜遅くアルヘシラスを発ったバスは、今朝7時6分にスペインの首都マドリッドに到着した。
バスの車内はとても狭かったけど、2時間おきに休憩があり、まずまずのバスだった。
到着したのは南バスタ-ミナル、旅の始まりに数時間過ごした思い出の場所だ。

セゴビア行きはここからは出ないので、レンフェ近郊線ででプリンシペ・ピオ駅へと移動。
しかしこの駅からもバスは出ていないという無情な現実を知らされ、僕は思わず言葉を失した。
またもや時代の変化に追いついていない『地球の歩き方』に翻弄された。(最新版なのに・・)

駅員に習い、今度はメトロでMoncloa駅を目指す。
手持ちユ-ロが少ない中、この無駄な出費がかなり堪える。
偽情報に随分振り回されたが、何とか無事セゴビア行きのバス乗り場に辿り着くことが出来た。

さすがはヨ-ロッパ。
さすがは世界的な観光地、セゴビアである。
韓国、中国、日本とアジア系の旅行者が多く、モロッコを旅してきた僕の目には異様に映った。
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セゴビア行きバス乗り場

8時半にマドリッドを発ったバスは、70分でセゴビアに到着した。
セゴビアはとても寒かったが、驚く程きれいな町並みにここはヨ-ロッパなんだと実感した。
少し歩くと水道橋が突然目の前に現れ、いきなりの嬉しい洗礼に、しばしその場に立ち尽くす。
宿探しに少し手こずったが、地元の若い女性達が親切に宿まで先導してくれ、10時20分無事チェックイン。

Hostal DonJaime。
オスタル(Hostal)とはホテルより格下の宿で、僕等バックパッカ-の目指すレベルにある。
風呂トイレ付きでダブル40€と言われたが、もう少し安い部屋はないかと諦めず尋ねてみた。
その甲斐あってツイン30€の部屋をあてがわれ、内心ホッとした。
僕等は安さ以外何も求めておらず、単に寝れればいいのだ。

風呂トイレは共同だが部屋から近く、他に宿泊客がいない為、ほとんど僕等の貸し切りとなる。
部屋は暖房がよく利いており、テレビもあり、そこからラジオの音楽を流すことも出来る。
洗面台や机、イスもあり、タオル、石鹸、シャンプ-、トイレットペ-パ-も完備。

その上、嬉しいことに朝食が付くという。
僕等にしてみれば、これは高級ホテルの部類に入るだろう。
水道橋も近いし、この宿はかなりお勧めしたい。
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部屋
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水道橋が近い

まずは、両替だ。
銀行を手当たり次第覗いてみるが、何故だかことごとく断られた。
日本円のせいかと思っていたが、どうやら、口座を持った顧客しか応対してくれないようだ。
そんな馬鹿な・・。

マヨ-ル広場の観光案内所に泣きつき相談するが、この町には両替所はないと一蹴された。
マドリッドへ行って両替して来い!
このアドバイスらしからぬ一言に、この女性の冷酷さを強く感じた。
それでもここは観光案内所かよ・・。

念の為、水道橋の観光案内所でも尋ねてみたが、結果は悲しくも同じ内容であった。
しかしここの男性はとても親切で、数軒の5ツ星ホテルに電話して両替の可否を訊いてくれた。
しかし期待虚しく、どこも不可との返答。

町に両替所なし。
銀行は全て両替不可。
高級ホテルでも両替不可。
どうしたものかと冷や汗も出てきたが、こういう場面でこそあの手段に頼るしかなさそうだ。


どの国のどの町にも大概ATMはあり、最近の旅行者はよく町角のATMで金を引き出している。
しかし何故か僕には少し抵抗があり、これまで一度も海外でカ-ドを使用したことがなかった。
先程断わられた銀行に入り、女性行員に習いつつ、VISAカ-ドでのキャッシングに初挑戦。
そして無事、200ユ-ロをゲットした。
手数料や利息がどれくらいかかるのか分からないが、危機を脱し、僕も一先ず安堵した。

賑やかな通りを歩いていると、店舗の奥にス-パ-マ-ケットらしき光景が目に入った。
予感的中、そこは町のス-パ-マ-ケットだった。
一見存在に気付かないような入りにくい構えをしているが、24時間営業とのことだった。
まずはワイン、そしてサンドイッチ用に食材をたくさん買い込んだ。
一旦これらを宿に置きに戻り、いよいよ本腰を入れてのセゴビア観光が始まった。
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何気なく洒落ている
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ハムは1€から
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ワインは1㍑0.68€から  ※超激安に嬉しい悲鳴

僕自身、この町は20年前に妻と一度来たことがある。
アルカサルを望む広場で、城を眺めていた記憶が今でも脳裏に焼きついている。
デジカメもない時代、ヨ-ロッパ3ヶ月の旅行でも写真はそれ程残っていない。

ロ-マ水道橋。
15km以上離れた川の水を町まで引く為、紀元1世紀にこの水道橋が建造された。
水道橋を築いている石と石の間には、接合材は一切使われていないという。
どのように築き上げたのか・・、何故石が落ちてこないのか・・。
見れば見る程謎は深まり、僕は腕を組み、一人首をかしげていた。
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ロ-マ水道橋
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接合材は一切使われていない

カテドラル。
1525年に建設が始まり250年近くかけて完成した、ゴシック様式の見事な大聖堂である。
中には美術館も併設されている。
嶺花は初めて見るキリストの生涯にしきりに感心していた。

キリストは誰に殺されたの?
なんで、殺されなきゃならなかったの?
そう言えばそうだな、何故だろうな・・。
娘のこの疑問は、帰国後の僕の課題となった。
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カテドラル
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内部も一見の価値あり
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十字架のイエス  ※初めて見た嶺花には衝撃的だったようだ
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子豚の丸焼き  ※是非食べたかったが、見るだけで我慢

キリストは誰に殺されたの?
→十字架にはりつけられたイエスは、ロンギヌスというロ-マ帝国の兵士に槍で脇腹を突き刺され死亡した。その槍はロンギヌスの槍として有名らしい。

なんで、殺されなきゃならなかったの?
→ユダヤ人イエスがユダヤ教体制を批判した為、死刑の権限のないユダヤ人の指導者達によって権限のある支配者ロ-マ帝国へ反逆者として渡され、十字架にはりつけられ公開処刑された。ロ-マ帝国としても、国家を転覆させるおそれのある宗教を放っておけなかったのだろう。

そしていよいよセゴビア観光のハイライト、アルカサル。
白雪姫のモデルとなった13世紀の城で、以降数世紀に亘り歴代の王によって増改築がなされてきた。
内部には中世の展示物も多く、展望も中々良い。
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アルカサル
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中世にタイムスリップ
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日本語パンフレット
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城からの眺め

アルカサルを出て、階段を下りる。
中世の格好をした記念撮影屋の大男は、客が少ない中、今も寒そうに立っていた。
スペインでは珍しい12角形の特徴的な形をした、ラ・ベラ・クルス教会。
この辺りから見上げるアルカサルが、一番しっくりくるだろう。
外周道路を散策しながら、様々な表情を見せるアルカサルを存分に楽しんだ。
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ラ・ベラ・クルス教会
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眺める角度によって顔が異なる

ふと、ス-パ-マ-ケットを発見。
ここではお菓子等を買い込んだ。
バスタ-ミナルで明日のアビラ行きのチケットを買い、水道橋へと戻って来た。

水道橋前の端のベンチに腰を下ろし、絶景を前に僕等は宴会を始めた。
白ワイン、コ-ラ、ポテトチップス(特大袋を各自)。
小雪が舞う寒さだったが、何とも言えぬこの贅沢さ。
ワインはぐいぐい進むし、ポテチの手は止まらない。
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水道橋での宴会

モロッコとスペインの旅は全く諏が異なるものである。
それらを組み合わせたことで、旅を2度楽しめる結果となった。

世界大遺産を前に、僕はワインで一人酔いしれている。
これこそ、この国の旅の楽しみ方なのだろう・・
僕は心からそう思っている。

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ス-パ-マ-ケット最高!
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サンドイッチ最高!  ※20年前に来た時と変わらない食生活だが
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夜の水道橋は幻想的
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黒が映える


セゴビア・Hostal DonJaime泊-30€


レンフェ(3.4€) メトロ(3€) バス(マドリッド~セゴビア8.2€×2) ス-パ-マ-ケット(オレンジジュ-ス2㍑0.66€、ワイン1㍑1.39€、チ-ズ1.29€、マヨネ-ズ1.05€、レタス0.65€、食パン1.05€、ハム0.93€) 宿代(30€) カテドラル(大人3€、子供2€) アルカサル(大人5€、子供3€) ス-パ-マ-ケット(ポテトチップス0.74€、2個目割引で0.44€、ワイン1㍑0.59€、カカオデザ-ト0.23€×2) バス(セゴビア~アビラ5.3€×2) ポストカ-ド(0.4€)  計86.05€
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