フェズ・エル・バリ~ジブラルタル海峡を越えて編(24)
2015年1月12日
フェズ

世界遺産 フェズのメディナ

ス-ク・ダッバ-ギ-ン(タンネリ)

この苦みがいい
世界一複雑な迷宮の町、フェズ・エル・バリ。
ここフェズは、モロッコ最初のイスラム王朝の都であった。
1000年以上続くとされるこの古都は、日本で言うなら京都のような存在である。
今泊まっている宿を替えようと、チェックアウト時刻の正午をリミットに軽身で宿探しに向かった。
まずはユダヤ人街を目指し歩くが、無駄に時間ばかり過ぎ、中々その場所に辿り着けない。
ここは諦め、ブ-・ジュル-ド門周辺のホテルを手当たり次第当たってみる。

ブ-・ジュル-ド門
しかしどこも料金は150DHを軽く超え、僕等の探す100DHの宿は中々見つからなかった。
唯一120DHの宿が一軒あったが、部屋は狭く、カビ臭さが印象を悪くした。
やはりフェズは宿代が高いと実感し、今の宿に留まることに決めた。
マル-ク門前のマ-ケットで偶然宿の男に会い、彼に2泊250DHでの延泊を申し出る。
この金額は、男が事前に僕等を引き留める為に提示してきた額となる。
昨夜の140DHからは少し下がったが、僕の主張する100DHにはならず、僕が妥協した形だ。
宿に入るなり男は僕を受付に呼び出し、男と二人並んで受付のソファ-に腰を下ろす。
男は直ぐに札束を広げ、何やらブツクサ言い始めた。
この男、昨夜、今朝と僕等日本人を相手に、そこそこのレ-トで両替をしてくれた。
この男は余程馬鹿なのか、何か勘違いしているのか・・、と僕は思っていた。
こうして受け取った日本の札束を、男は今ほど銀行でモロッコ通貨に両替してきたのである。
『俺は損をした。その分の金を返せ!』
男はしきりに札を数え、何度もそう繰り返している。
今頃何言ってやがんだ・・、僕は内心呆れ果てていた。
男は昨夜、彼女から1万円札を受け、750DHを彼女に手渡した。
そして今朝、僕から5千円札を受け、365DHを僕に手渡した。
受領に際しては、偽札でないか、札の破れはないか、に注意した。
彼女が受け取った額の半額となる375DHを僕は要求したが、男は聞き入れてくれなかった。
男はこうして日本人2人から計1万5千円を受け取り、計1115DHを支払ったのである。
しかし男が銀行から受け取った額は、1110DH。
男は当初、どのような計算をしていたのか、『15DH返せ!』と煩かった。
僕は男の目の前で電卓を弾くと、当然、液晶の表示は1115を示してきた。
『オ-ケ-、セイム。何か問題でも?』
逆にそう訊き返してやると、男の勢いは幾分衰えた。
それでも、男は執拗に絡んでくる。
『その差額の5DHを返せ!』
『俺にコ-ヒ-代10DHをくれ!』
結局、何でもいいから金を巻き上げたいようだ。
分かった、それじゃ宿代を2日で240DHにしろよ。そうすれば5DH返すから・・。
こう男に交渉したが、この罠に引っかかる程馬鹿ではなかった。
この男、異常なまでに細かいところがあり、金にはかなり煩い。
まるで町の商人と、値段交渉しているような感覚である。
『俺はお前から375DH貰えるところ365DHしか貰っていない。俺も10DHロスしているんだ。だから俺に10DH返せ!』
男に決定的な反撃の一言を浴びせ、マシンガンのような口にトドメを刺した。
実際僕も10DH損した気分になっていたから、少しは清々した。
フェズ

世界遺産 フェズのメディナ

ス-ク・ダッバ-ギ-ン(タンネリ)

この苦みがいい
世界一複雑な迷宮の町、フェズ・エル・バリ。
ここフェズは、モロッコ最初のイスラム王朝の都であった。
1000年以上続くとされるこの古都は、日本で言うなら京都のような存在である。
今泊まっている宿を替えようと、チェックアウト時刻の正午をリミットに軽身で宿探しに向かった。
まずはユダヤ人街を目指し歩くが、無駄に時間ばかり過ぎ、中々その場所に辿り着けない。
ここは諦め、ブ-・ジュル-ド門周辺のホテルを手当たり次第当たってみる。

ブ-・ジュル-ド門
しかしどこも料金は150DHを軽く超え、僕等の探す100DHの宿は中々見つからなかった。
唯一120DHの宿が一軒あったが、部屋は狭く、カビ臭さが印象を悪くした。
やはりフェズは宿代が高いと実感し、今の宿に留まることに決めた。
マル-ク門前のマ-ケットで偶然宿の男に会い、彼に2泊250DHでの延泊を申し出る。
この金額は、男が事前に僕等を引き留める為に提示してきた額となる。
昨夜の140DHからは少し下がったが、僕の主張する100DHにはならず、僕が妥協した形だ。
宿に入るなり男は僕を受付に呼び出し、男と二人並んで受付のソファ-に腰を下ろす。
男は直ぐに札束を広げ、何やらブツクサ言い始めた。
この男、昨夜、今朝と僕等日本人を相手に、そこそこのレ-トで両替をしてくれた。
この男は余程馬鹿なのか、何か勘違いしているのか・・、と僕は思っていた。
こうして受け取った日本の札束を、男は今ほど銀行でモロッコ通貨に両替してきたのである。
『俺は損をした。その分の金を返せ!』
男はしきりに札を数え、何度もそう繰り返している。
今頃何言ってやがんだ・・、僕は内心呆れ果てていた。
男は昨夜、彼女から1万円札を受け、750DHを彼女に手渡した。
そして今朝、僕から5千円札を受け、365DHを僕に手渡した。
受領に際しては、偽札でないか、札の破れはないか、に注意した。
彼女が受け取った額の半額となる375DHを僕は要求したが、男は聞き入れてくれなかった。
男はこうして日本人2人から計1万5千円を受け取り、計1115DHを支払ったのである。
しかし男が銀行から受け取った額は、1110DH。
男は当初、どのような計算をしていたのか、『15DH返せ!』と煩かった。
僕は男の目の前で電卓を弾くと、当然、液晶の表示は1115を示してきた。
『オ-ケ-、セイム。何か問題でも?』
逆にそう訊き返してやると、男の勢いは幾分衰えた。
それでも、男は執拗に絡んでくる。
『その差額の5DHを返せ!』
『俺にコ-ヒ-代10DHをくれ!』
結局、何でもいいから金を巻き上げたいようだ。
分かった、それじゃ宿代を2日で240DHにしろよ。そうすれば5DH返すから・・。
こう男に交渉したが、この罠に引っかかる程馬鹿ではなかった。
この男、異常なまでに細かいところがあり、金にはかなり煩い。
まるで町の商人と、値段交渉しているような感覚である。
『俺はお前から375DH貰えるところ365DHしか貰っていない。俺も10DHロスしているんだ。だから俺に10DH返せ!』
男に決定的な反撃の一言を浴びせ、マシンガンのような口にトドメを刺した。
実際僕も10DH損した気分になっていたから、少しは清々した。
ちょうどその頃、日本人女性が新市街から戻ってきた。
明日のシャウエン行きのバスチケットを買い、宿もバスタ-ミナルの近くで決めてきたという。
しかし気持ちが変わったようで、僕等と同じこの宿にもう一泊することになった。
先方への断りの電話は、宿の男にやらせた。
いつしか宿の男がもう一人登場。
こちらの男も更に胡散臭く、兄弟なのだろうか、新たな方が兄のように見える。
彼女の宿代の交渉ではシングル80DHから一歩も下がらなかったくせに、電話の後、知らぬ間に70DHに下がっていた。
この2人、ホントよく似た性格である。
正午過ぎ、ようやく本腰を入れて外に出る。
宿近くのマル-ク門からメディナに入り、タラア・セギ-ラ通りを奥へ奥へと突き進む。
ネジャ-リン広場、ム-レイ・イドリス廟、アッタ-リン・マドラサ、タンネリ・・。
見所を一つ一つ片付けていく。

センスが光る靴の陳列

ヨ-グルト(左)と杏仁豆腐もどき ※休憩にもってこい

ネジャ-リン広場の泉

フェズ・エル・バリ

入室を拒まれる赤長髪の美女(左) 髪を露出していたが、結局イスラム教徒だった

アッタリ-ン・マドラサ


繊細な施し

公衆トイレ(周囲) ※中央にある池の水を手桶で汲み流す

なめし革職人地区

まるで地獄谷のようだ

染め上った革が干されている

キ-ホルダ-が安い

ス-ク
ここでも『親切』と『金目当て』の判別が微妙だったが、圧倒的に前者が多いと思う。
イスラム諸国を旅すると人々が親切なことに驚く、これは彼等の信仰心が強いせいだろう。
タラア・ケビ-ラ通りを西へと進み、夕方、宿へと戻って来た。
彼女と合流し、テラスでみかんを食べ、少し休憩を取る。
そして夜のメディナに繰り出した。
土産屋を物色しながら、気になる屋台をハシゴする。
探していた鶏の丸焼きは食べれなかったけど、とても楽しい一夜となった。
彼女と過ごした数日間、本当に楽しかった。
嶺花も大変喜んでいる。
幾つもの出会いと別れを繰り返し、旅人は次の町に向かっていく。

王様の椅子(ホテル階段)

肉サンドは具だくさん

トリプルル-ム
フェズ・ホテルELKASBAH泊-125DH
宿代(2泊分250DH) 甘味(ヨ-グルト2DH、杏仁豆腐2.5DH) 昼食(魚ポテトサンド7DH×2) アッタリ-ン・マドラサ(大人10DH、子供3DH、トイレ1DH) 土産(スリッパキ-ホルダ-2DH×3) コ-ヒ-(5DH) みかん(2㌔6DH) エスカルゴ(5DH×2) マグネット(10DH) ランプ(15DH) 駱駝置物(30DH) 甘味(ヨ-グルト2DH) 夕食(肉サンド10DH×2、ハリラ5DH×3、揚げ物1DH×6) 計407.5DH
明日のシャウエン行きのバスチケットを買い、宿もバスタ-ミナルの近くで決めてきたという。
しかし気持ちが変わったようで、僕等と同じこの宿にもう一泊することになった。
先方への断りの電話は、宿の男にやらせた。
いつしか宿の男がもう一人登場。
こちらの男も更に胡散臭く、兄弟なのだろうか、新たな方が兄のように見える。
彼女の宿代の交渉ではシングル80DHから一歩も下がらなかったくせに、電話の後、知らぬ間に70DHに下がっていた。
この2人、ホントよく似た性格である。
正午過ぎ、ようやく本腰を入れて外に出る。
宿近くのマル-ク門からメディナに入り、タラア・セギ-ラ通りを奥へ奥へと突き進む。
ネジャ-リン広場、ム-レイ・イドリス廟、アッタ-リン・マドラサ、タンネリ・・。
見所を一つ一つ片付けていく。

センスが光る靴の陳列

ヨ-グルト(左)と杏仁豆腐もどき ※休憩にもってこい

ネジャ-リン広場の泉

フェズ・エル・バリ


入室を拒まれる赤長髪の美女(左) 髪を露出していたが、結局イスラム教徒だった

アッタリ-ン・マドラサ




繊細な施し

公衆トイレ(周囲) ※中央にある池の水を手桶で汲み流す

なめし革職人地区

まるで地獄谷のようだ

染め上った革が干されている

キ-ホルダ-が安い

ス-ク
ここでも『親切』と『金目当て』の判別が微妙だったが、圧倒的に前者が多いと思う。
イスラム諸国を旅すると人々が親切なことに驚く、これは彼等の信仰心が強いせいだろう。
タラア・ケビ-ラ通りを西へと進み、夕方、宿へと戻って来た。
彼女と合流し、テラスでみかんを食べ、少し休憩を取る。
そして夜のメディナに繰り出した。
土産屋を物色しながら、気になる屋台をハシゴする。
探していた鶏の丸焼きは食べれなかったけど、とても楽しい一夜となった。
彼女と過ごした数日間、本当に楽しかった。
嶺花も大変喜んでいる。
幾つもの出会いと別れを繰り返し、旅人は次の町に向かっていく。

王様の椅子(ホテル階段)

肉サンドは具だくさん

トリプルル-ム
フェズ・ホテルELKASBAH泊-125DH
宿代(2泊分250DH) 甘味(ヨ-グルト2DH、杏仁豆腐2.5DH) 昼食(魚ポテトサンド7DH×2) アッタリ-ン・マドラサ(大人10DH、子供3DH、トイレ1DH) 土産(スリッパキ-ホルダ-2DH×3) コ-ヒ-(5DH) みかん(2㌔6DH) エスカルゴ(5DH×2) マグネット(10DH) ランプ(15DH) 駱駝置物(30DH) 甘味(ヨ-グルト2DH) 夕食(肉サンド10DH×2、ハリラ5DH×3、揚げ物1DH×6) 計407.5DH
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