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待望の朝~ジブラルタル海峡を越えて編(4)

2014年12月26日
~モロッコ・タンジェ



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アルヘシラスの夜


待望の朝がやって来た。
スペイン最南端の町、アルヘシラスに着いたのが午前1時のこと。
バスタ-ミナルは既に営業を終え、下車するなり直ぐにゲ-トが閉められ、外に追い払われた。

寒空の下、数少ない乗客は、各々予定していた方角へと散らばっていく。
しかし僕等には当てがない。
取りあえず、ここは鉄道駅に向かうしかないだろう。
こんな最果ての田舎町、寝泊り出来るとすれば駅くらいしか思いつかない。

しかし無情にも駅舎は闇に埋もれ、堅く閉ざされていた。
最後かつ唯一の望みを失い、僕等の行く末はかなり危うくなってきた。
暗闇の駅舎とは対照的に、プラットホ-ムには明かりが灯され、車両が3台待機している。
明日朝の発だろうか・・。

ホ-ムにはベンチがあり寝床に良さそうだが、奥から近付いてくる人影を見てこの案はボツ。
駅舎裏入口の目立たないベンチで、一晩過ごすことに決めた。
全身凍える冬の真夜中、嶺花を僕の膝の上で眠らせ、持参している毛布で2人の体を覆った。
僕の今宵は既に捨てている。
見張り番に徹する覚悟で、娘と荷物を守るのだ。

眠さはそれ程感じていないが、何せこの寒さが非常に辛い。
ひたすら時が過ぎるのをじっと待つ、これ以外に策はない。
嶺花は小さな寝息を立て、しばし浅い眠りについた。
彼女の体の温もりで、僕は膝だけが暖かい。

先程プラットホ-ムで見た人影の正体は駅の警備員だった。
時折見回りにくるこの警備員2人の存在で、この場所の安全は少しは確保されている。
ただ問題はこの寒さ、これをどう凌ぐかだ。

3時になり、最低目標の2時間は何とか過ごした。
ヘッドライトを頭につけ、この先の計画を練ってみる。
やはり何かをしていた方が気は紛れ、時間が経つのも早かった。


4時になり、嶺花を起こす。
僕自身、もうこの寒さに耐えられない。
全く機能していない鉄道駅やバスタ-ミナルを背にし、港を目指し歩き始めた。
寒さにじっと震えているより、歩いていた方が余程マシだ。
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施錠され無人と化したバスタ-ミナル  ※鉄道駅もしかり

驚くほど光輝く港を一望し、こんな僕等にも微かに希望の光が差し込んできた。
フェリ-タ-ミナルは巨大なビル群で成り立っており、チケットブ-スの幾つかは深夜にも関わらず開いていた。
更にその先のオフィスビルの中は少し暖かく、まるで天国のようである。
入口の床を失敬し、嶺花に日記を書かせ、1時間半の時間を稼ぐ。
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フェリ-タ-ミナル
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まだ寒さは凌げる
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各社のチケットブ-ス

こうして何とか朝の6時を迎えたが、外は相変わらず暗いままだ。
日本円しか手持ちがない為、フェリ-のチケットすら買えない。
銀行は8時半のオ-プンだが、取りあえず町に出ておこう。
通りすがりの大男に、銀行の場所を尋ねてみる。

男は怖い見かけとは違い、意外にもとても親切に対応してくれた。
銀行はまだ開いていないからと、チケットブ-スの男達に次々と声を掛けてくれる。
そしてその中の一人が日本円を両替してくれ、晴れて僕等も自由の身となった。

フェリ-のチケットを買い、隣のビルに移動する。
1階はチケット売り場やベンチがあり、エスカレ-タ-で2階へ上がると、食堂や乗船前の待合所が設けられていた。
こんないい場所があったなんて・・。
最初からここに来ていればと悔やんだが、24時間開いていたかは定かではない。

チケットを買ったつもりでいたが、実はこれは乗船券ではなかった。
このA4紙を待合室の窓口に提出し、船のチェックインを受ける。
そこで受け取ったボ-ディングパスのバ-コ-ドを受けて、いよいよ搭乗手続きに入る。
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乗船開始
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不安しかない

簡易に設けられたパスポ-トコントロ-ルを通過し、ユ-ロ圏を脱出。
スペインを始めとするユ-ロ圏の各国は、単なる国境の一つに過ぎない。
この要領は既に分かっている。
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スペイン(ユ-ロ圏)の出国審査
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連絡通路を抜けると
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フェリ-が待っていた


つづく・・
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