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朝の決断~ジブラルタル海峡を越えて編(3)

2014年12月25日
グラナダ~マラガ~



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マラガ散策


昨日嶺花は18時半、僕は19時半には眠りについていた。
時差の関係もあり、二人ともここまでの疲労がかなり溜まっていたからだ。
そして今朝、僕は3時に目が覚めた。
アラ-ムは5時前にセットしていたから、本当はもう少しゆっくり眠っていたかった。
嶺花は部屋の明るさに一度目を覚ましたが、再度眠りに入ってもらう。

ベットに座ったまま、昨日の日記を書き、今日の計画を練ってみる。
確か8時半のコルドバ行きがあったから、そのバスに乗れば昼頃にはコルドバに着く。
そこで更に夜行バスがあり、かつ手持ち金の範囲内であれば、その日の夜行でスペイン最南端のアルヘシラスへと向かうのがベストな計画。
もし夜行バスが取れなければ、コルドバに一泊すればいい。

5時に嶺花を起こし、5時44分にチェックアウト。
バスタ-ミナルまでの距離はつかめていないが、1時間、最悪1時間半も歩けば着くだろう。

夜明け前の寝静まった町、街灯こそあるのだが、人影はほとんどない。
時折見かける変質者や怪しい若者・・。
絡まれないことを祈りながら、襲われることも少しは想定しながら黙々と歩を進める。
たまに見かける人には必ず声を掛け、道を確認しながらバスタ-ミナルを目指している。

ふと、道路の左向かいに目を移す。
少し記憶に残る、闇の風景が僕の目に留まった。
旅先ではこの”ふと”という偶然に助けられることが、たまにある。
旅先での鋭い感・・とでも言おうか、単なる偶然と片付けてしまうには説明がつかない。

このまま気付かずに、時間ばかり意識して通り過ぎていたらどうなっていただろう。
ホテルから歩いて34分・・。
この嬉しい誤算は、旅の感によって退けてみせた。


しかし、試練はここからだった。

タ-ミナル待合室で出発時刻を示す電灯掲示板は、コルドバ行き11時発を示していた。
なぜ、その前のバスがないんだよ、8時半のバスはどこいったんだ!
こんな昼発では当日の観光は無理だし、夕方から宿を探すのもきつい。
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非情なスケジュ-ル

明け方苦労して練り上げた完璧な計画は、一瞬で泡と消えた。
セビ-リャ行き8時は予定通りあるが、この高い料金を払っていたら今夜の宿代に及ばない。
今日はクリスマスの祝日で両替が出来ない、という事実がかなり堪えている。

どうしたものかと地ベタにしゃがみ込み、作戦を練り直す。
ふと、日本人らしき旅行者発見!
話しかけてみると、まさに日本人であった。

その彼に切符の自動販売機の使い方を習い、様々な可能性を模索してみる。
いい選択肢がない中で一番現実的なのが、グラナダ21時発、アルヘシラス1時着だった。
しかし今更グラナダの町に戻る当てはないし、夜までこの退屈なタ-ミナルで過ごすのはとても耐えられない。
それにアルヘシラスでの野宿も出来れば避けておきたい。

マラガしかないな・・。
電光掲示板でやけにアピ-ルしているし、前のオッサンもマラガ行きのチケットを買っていた。
僕等にも同じものをくれ・・と窓口に申し出て、急遽マラガ行きを無事ゲット。
全く眼中になかった町だが、何とかこれでグラナダを離れることが出来る。
少しでも南に近づいておけば、アルヘシラスへの移動の選択肢も広がるはずだ。
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無事グラナダ脱出

快適なバスの最前列に座り、マラガへの1時間半はあっという間だった。
安宿を目指し、ユ-スホステルに辿り着く。
しかし、ここでも不運が待っていた。
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マラガのバスタ-ミナル

12/21~1/6までクロ-ズという非情なチラシが玄関に貼られ、頑丈なカギで建物は堅く閉ざされている。
ここまで歩いてくるだけでも大変だったのに、僕等もついに神に見放されたか。
安宿は他になさそうだし、今更探す気力はない。

道路脇に腰を据え、落ち着いてこの先の計画を練る。
頭はテンパっているが、これから選ぶ次の一手が、自分達の運命を左右するかもしれない。
ここは慎重に、様々な想定を考慮に入れる。
そして導き出した答えが、今日の最終便23時マラガ発でアルヘシラスへ向かう、だった。
これで宿探しの手間は省けたが、この選択は幾つものリスクを伴う。

バスタ-ミナルのコインロッカ-に荷物を預け、身軽になり町に出る。
ここマラガは、天才画家ピカソが10歳までの幼少期を過ごした町。
期待していたピカソ美術館、ピカソの生家は祝日でクロ-ズ、今日は散々な一日だ。
町にはデパ-トがあり、カテドラルを中心とする一帯はとてもハイセンスで魅力的だった。
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ピカソ美術館  ※クロ-ズ
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せめて絵だけでも買っておけばよかった
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サンティアゴ教会
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ピカソの生家  ※クロ-ズ
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クリスマスは旅に適さない
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カテドラル
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新聞男

息を切らして登り切った高台にあるのが、ヒブラルファロ城。
ここはアルカサバを守る要塞として、14世紀に造られたものである。
城壁巡りは楽しく、随所にある展望台から眺める景色はどれも異なり、全てが新鮮であった。
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闘牛場(左)が見える
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ヒブラルファロ城
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整然とした町並み
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城壁巡りは楽しい
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マラガを一望

まさかデパ-トまでもがクロ-ズだとは思わなかったが、それでも何とか夜まで時間をやり過ごした。
バスタ-ミナルのベンチで2時間ほど仮眠を取ったが、ここは寒くていられない。
鉄道駅に退避し、マクドナルドで再度1€マックを頼む。
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1€(135円)マック  ※これで何時間粘っただろうか

出発は1時間後に迫ってきた。
この先、アルヘシラスで最大の試練が待っている。
僕達に待望の朝はやって来るのだろうか。


野宿(アルヘシラス)


バス(グラナダ~マラガ13.72€×2、荷物大1€) コインロッカ-(3.2€) キャンディ(0.1€) ヒブラルファロ城(大人2.2€、子供0.6€) ポストカ-ド(0.3€) 夕食(1€マック×2) 夜食(時間潰し1€マック×2)  計38.84€
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| '15ジブラルタル海峡を越えて編 | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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