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行く当てのない旅~ジブラルタル海峡を越えて編(1)

2014年12月23日
名古屋・中部国際空港~ヘルシンキ~スペイン・マドリッド~



行く先は、別にどこだっていいんだ・・。

僕等は今、スペインの首都マドリッドの南バスタ-ミナルにいる。
深夜1時半発の夜行バスを待つべく、広い構内で時間を持て余している。
しかし、こうして待つバスがあるというだけでも上等だ。
こんな遅い時間帯から向える町が中々見つからず、一旦はここでの野宿も覚悟した。

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深夜の南バスタ-ミナル
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窓口はあまり親切ではない


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1年ぶりの飛行機へ
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雲上の人となる
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フィンランドビ-ル
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機内食(1度目)
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ロシア上空
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機内食(2度目)

中部国際空港を11時55分に発ったフィンランド航空(フィンエア)AY080便、ヘルシンキ行き。
最近利用の多かった中国東方航空(チャイナイ-スタン)とは違いさすがフィンエア、長時間のフライトも実に快適だった。
順調にロシア上空を通過し、長い空の旅を無事終えた。
外の気温はマイナス7度、雪化粧をまとった情景は僕の住む町と何ら変わらない。
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フィンランドは雪景色
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ヘルシンキ空港
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ム-ミンの故郷

ヘルシンキでのイミグレ-ション(出入国審査)を経て、搭乗ゲ-トへと向かう。
出入国カ-ドの記入はなく、要領がつかめないことに少し戸惑った。
乗客の大半を占めていた日本の団体ツア-客は、ここからパリやミラノへとそれぞれの目的地へと散らばっていく。

僕等はマドリッド行きの飛行機に搭乗、これから本来の目的地へと向かう。
同じフィンエアではあるが、機体は小ぶりで、窓側の座席は3人掛け(先程は2人掛け)だった。
座席毎に画面(モニタ-)はなく、アルコ-ルは有料、食事の提供もない。

そんな退屈な機内、離陸するなり2人とも直ぐに深い眠りに落ちていた。
3時間のフライトはあっという間で、気が付けば間もなく着陸態勢に入る。

そしてマドリッド、バラハス空港に到着。
人の流れに身を任せ、先へと進んでいく。
電車乗場を目指していたのだが、ふと肝心なことを思い出した。

『あれっ。そう言えばスペインの入国審査をしていないな!』
これって、もしかして不法入国?
来た道を戻りイミグレを探すがどこにも見当たらない。

心配になり免税店の女性店員に尋ねたら、こんな一言が返ってきた。
『セイム・ユ-ロ!』
なるほど、そういうことか・・。
まだ若干不安も残るが、なんとなく仕組みが分かってきたぞ。

どうやらヘルシンキで既にユ-ロ圏に入国しており、ここは同じユ-ロということで、別段スペインへの入国手続は必要ないのである。
ヘルシンキのイミグレで得たスタンプは、フィンランドへの入国ではなく、ユ-ロ圏への入国ということだ。
ユ-ロ圏に籍を置く各国々は、単なる国境ポイントの一つに過ぎない。
このル-ルを知らない僕は、一人焦っていた。

空港からRENFEの近郊電車に乗り、6つ目の駅で下車。
エスカレ-タ-を降りると、そこがバスタ-ミナルのチケット売り場となっていた。
夜も10時を回り、これから市内で宿を探すのは得策ではない。
モロッコへ向けて、夜行バスで南の町に向かうことにした。
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レンフェ(鉄道)

11月12月と非常に忙しくて、出発前、旅の計画は何一つ立てていなかった。
飛行機の中で、訪問する町やその順番等、1ヶ月の大まかな計画を練っていた。
その計画では、マドリッド到着後、夜行バスでコルドバを目指すことにする。

チケット売り場に並び、これからコルドバに行きたい旨を申し出る。
しかし直ぐに返ってきた言葉は、望まない一言だった。
ならばセビ-リャは・・、グラナダは・・と粘ったが、どれも対応は同じで、この国の冷たさを実感。
『参ったな、いきなりここで野宿かよ。』

もうどこでもいい、夜行バスで行ける町はないのだろうか。
静まり返った夜のバスタ-ミナル、チケット売り場は多いが、開いている窓口はほとんどない。
別の窓口に2度並び、ようやくグラナダ行きのチケットをゲットした。
あらゆる場面を想定して第二、第三、第四希望まで考えておかないと、何度でも長い列に並ぶ羽目に遭ってしまう。
自分が立てた計画通りになんて、この国ではまずいかない。

そもそも今回の旅の行き先選びから、その前兆はあった。
第一希望の南米は航空券が高くて手が出ない、あっさり断念。
毎年候補に挙がってくるスリランカは、春の時点で既にキャンセル待ち。
パキスタンにも行きたいとずっと思っているが、治安が悪過ぎる。

ならば、と航空券の安いアメリカ、ヨ-ロッパが候補に急浮上。
アメリカを基点としてのメキシコ、或いはヨ-ロッパを基点としてアフリカという案を思いつく。
そして決まったのが、ヨ-ロッパ往復の最安航空券。
数多くあるヨ-ロッパの寄港都市の中からマドリッドを選び、ここをイン、アウトとした。
マドリッドから夜行バスで南下、そしてジブラルタル海峡を渡ればモロッコに入れる。

何とか手にしたグラナダ行きのバスは、深夜の1時半にここを発つ。
日本との時差は8時間だから、その頃日本は朝の9時半。
いつもなら嶺花は小学校に登校し、2時間目を受けている頃だろう。
眠くなってもおかしくはないが、頭は以外にもしっかりしている。

時差のせいで本来の一夜を逃し、今宵遠い異国の地で新たな次元の夜を迎える。
早く時差にも慣れなければならない。
夜行バスという寝床を確保し、バスに乗ったら瞬時に闇に落ちるだろう。
この先、一体どんな旅になるのか・・。
きっと、期待の数を遥かに上回る不安の連続が、僕等を待ち構えているのだろう。
そんなことくらい、容易に察しが付く。


夜行バス(マドリッド~グラナダ)泊


鉄道(2.55€×2) バス(マドリッド~グラナダ18.78€×2)  計42.66€
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