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寒さに震えた御嶽山(1)~小1ナナの夏

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頑張れ、最後だ!


快晴予報の台風一過、小1の娘と御嶽山を目指した。前夜自宅から1時間半かけ、秋神温泉経由で濁河温泉に到着。登山口手前の駐車場には、車は1台しかいない。久々の車内で凍えた夜を明かし、翌朝まだ薄暗い外に出る。下の空地にまで沢山の車が停まっている。準備体操を終え、登山届をポストへ投函。最近登山届が何かと話題になっているが、これは結局は自分の為ではなく、探す人の負担、待つ人の心配を軽減する為のもの。いざ登山開始。僕等子連れバックパッカ-のスタイルは、旅でも山でも何一つ変わらない。

小学生になった我が家の第5子、ナナ。毎日徒歩通学で結構な距離を歩いているから、体力も相当ついたことだろう。昨年年長で日帰りした常念岳に比べたら、今日は易しい足慣らし。御嶽には5年前に、当時小2だった第3子穂乃花を連れて登ったことがある。その時は娘の体力を考慮して、御嶽最高峰・剣ヶ峰の登頂は諦め、手前の摩利支天山をゴ-ルとした。しかし今回の相方は期待のガク2世、別段幼児扱いしなくても大概の事はやり遂げてくれる。

濁河温泉を起点とするこの飛騨側ル-ト。飛騨頂上と呼ばれる稜線(五ノ池)までを、42箇所に区切った案内板でその位置を示している。学校登山に利用されているが故のことだろうが、登山者にとっては大変な励みとなり実に有り難い。まずは1時間を目安に歩き、湯の花峠(案内板16/42)にて最初の休憩とする。番号を追っていくこの案内板は、地図や腕時計を持たない子供にとって唯一ゴ-ルへのバロメ-タ-となっている。大岩に腰を下ろし、朝食のおにぎりで腹を満たす。
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濁河温泉登山道 ※飛騨頂上まで210分        案内板8/42 ※飛騨頂上までを42分割
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湯の花峠(案内板16/42) ※飛騨頂上まで135分、剣ヶ峰頂上まで235分、濁河温泉まで75分

蛙岩。誰が思いついたのか、こうして見ると正しくカエルそのものである。定期的に、白スプレ-での補修も必要だろう。僕等一般登山者としては、”無事帰ろ”のメッセ-ジに応えることでしかその報いに応えられない。のぞき岩避難小屋は解体され、資材が登山道脇に積まれていた。鐘を一つ鳴らし、先へ進む。そして二度目の休憩は、標高2450mのおたすけ水。水は確認出来ない。標高から察しても、森林限界が近いことは分かる。ここから10分も歩けば稜線を視界に捉え、やがて植物は背丈を無くし、ハイマツと可憐な高山植物の世界に入った。
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蛙岩(無事帰ろ)     
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のぞき岩                           おたすけ水 ※飛騨頂上まで80分、剣ヶ峰頂上まで180分

眼下の彼方には、開けた一画に赤い屋根が見える。濁河温泉の建物だろうか、随分遠くから歩いてきたものだ。人間の足にはいつも驚かされている。そして難なく、御嶽の稜線へと辿り着く。軽アイゼンは持ってきていたが、結局ここまで雪渓のトラバ-スはなかった。五ノ池小屋のベンチで、3度目の休憩とする。自宅の菜園で採ってきたキュウリとトマトが、今日の僕の休憩食。ナナは休憩の都度、嬉しそうにスナック菓子を食べている。しかし今日の稜線は何だ、風が強く、寒さが半端ではない。
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稜線が見えた                        森林限界越え
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楽勝だい

ザックの底から雨具を取り出し、急いで装着。三ノ池経由で摩利支天側を巻いて行こうと思ったが、直ぐに雪渓につかまった。少し前進してはみたが、先人が歩いた形跡はない。それにこの斜度と雪質に少し恐怖を覚え、迷うこと無く引き返す。標識まで戻り、素直に摩利支天乗越の登りに向かう。出来れば登りは避けたかったが、こちらなら安全に剣ヶ峰に近づける。しかしこの風にはうんざりだ。今日は僕も山を舐めていた。こうなら毛糸帽、ダウンジャケットくらい持ってくるんだった。
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まずは摩利支天乗越へ                   強風が堪える

摩利支天乗越まで登り切ると、目指す最高峰の剣ヶ峰がその姿を現した。まだまだ遠いと感じているナナに対し、僕は励ましながら、ごまかしている。折角稼いだ高度だったが、一気に裏側に降下し高度を下げる。時折縦走で苦しめられている、この無駄なアップダウンの繰り返し。幾つものピ-クが、稜線という線上で繫がっていることの証なのだろう。
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剣ヶ峰(左奥)を捉えた
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サイノ河原へ急降下

そこはサイノ河原と呼ばれる平原地帯。逃げ場のない平原に建つ、サイノ河原避難小屋。この小屋の存在意義は計り知れない。ここは軽くスル-し、一気にニノ池小屋を目指す。後続のナナが少し泣いているようだ。やっと、少しは疲れてくれたかな。泣きっ面では恥ずかしいので、気を沈め二ノ池到着。それにしても御嶽の稜線には池が多くあるが、これらの水はいざとなったら飲めるのだろうか。小屋のベンチでナナはベビスタ-、僕はトマトをかじる。白装束の若い修行僧の姿もチラホラ。とにかく寒くて、じっとしているだけでも辛い。さっさと登頂を果たし、この稜線から離れたい心境である。
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サイノ河原避難小屋                    高台には神様が
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摩利支天山を背に                     二ノ池

平地を抜け、尾根へと上り、他のル-トとの合流地点。この場所から目指す先は誰もが同じである。山頂直下に建つ小屋目掛け、最後の登りにかかる。風は相変わらず強く寒さが身に堪えるが、ここまで来たら最後まで行くしかない。それにしても最近の登山者の格好は実に洒落ている。下はスパッツに短パンが主流のようだが、靴に小石が入って芳しくないだろう。上着も身につけるアイテムも全て洗練されていて、継ぎ接ぎだらけの僕等とは住む世界が違う。しかしそんな格好では絶対に寒いだろうに。目指していた小屋まで登り上げ、最後の階段に足を置く。そして鳥居を潜った先にあるのが、目的地終点・剣ヶ峰。標高3067m、御嶽山の最高峰である。
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さぁ、最後の踏ん張りどころだ
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格好より防寒を                       階段を上り詰めたら


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御嶽山頂上(剣ヶ峰)  ※とにかく寒い


つづく・・
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