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足場撤去前の外観点検

6月15日、足場が取れる前日に積水建築長と高所外観を一通り見て回った。前回見学の際、2階北面における外壁の汚れを多数確認。その為、足場撤去前に汚れの拭き取りと他の再確認をお願いしていた。汚れの原因は雨が足場板に当たり、跳ね返ったものだと言う。確かに雑巾で簡単に落ちたようだが、ようはしっかり確認していなかっただけ。下手な言い訳はあまり気持ちのいいものではない事を自身にも刻む。屋根、樋、軒裏、外壁コ-キング、バルコニ-底・・、足場撤去後ではもうどうにもならない。確認済です、その返答一つではどうも信用出来ない。この辺りから、監理に対する不満が蓄積し始めた。2階足場をゆっくり周回し、様々なアングルの写真を撮りつつ、二度と見れない最後の景色を存分に楽しんだ。建築長にびっちりくっ付かれては、こちらとしてはどうも落ち着かない。今現在の趣旨を察してもらい、遠くに離れてもらう。
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北面に汚れが目立った(前回見学時の撮影)

積水ハウスの施工には、数多くの見えないアイデアが採用されている。・・らしい、これは今だから言える結果論。建築地が積雪地となれば更に幾つかの策が練られ、万全な設計施工となっている。軒やケラバの突き出し庇を支える骨組みが、強度補強されているのは勿論のこと。雨樋を固定する軒樋金具にまで、きめ細かい配慮がなされている。配置間隔は通常1mピッチであるのに対し、雪国では25cm間隔と狭く計画し、金具の数を増し安定強度を保っている。実際この地で暮らす者として、確かに庇や雨樋の事は冬の間常に頭の片隅にある。屋根に水平に設けられた雪止め金具は、屋根に積もった雪の落下防止の策。金具の穴には、雪の凍結防止の狙いがあるのだとか。確かに雪には凍っていつまでも屋根上に居続けてもらわず、さっさと水になり退散してほしい。雨樋から落ちる縦樋の連結部分。これには全箇所弱冠の遊びを設け、柔軟に動くよう左右の可動域が確保されている。壁に取り付いているフ-ド付ガラリ角は給気、排気の為の取り入れ口。その入口を底部に設ける事で、外敵の侵入を防いでいるとか。底に付いている受け皿の角度にも大きな意味があるようだ。器具の天井に溜まった誇りや汚れは雨により洗い流されるのだが、その汚れ成分を含んだ雨がガラリ角側面を伝い、そのまま壁を伝って下りると汚れの筋が残ってしまう。その対策として底に角度をつけ、雨を壁から引き離すのだという。
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軒裏サイディング こたたき
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軒裏換気見切り  ※小屋裏への通気口として網状になっている
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軒樋金具
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軒樋金具@250  ※普通1m間隔だが、雪国では25cmと多めに補強している
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雪止め金具 L型アングル仕様  ※穴は雪の凍結防止
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縦樋  ※取り付け箇所は全て弱冠の可動域がある
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屋根最高部に設置された安全帯取付金具  ※訊かなきゃ一生知らず終い
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フ-ド付ガラリ角  ※底の受け皿の角度には意味がある
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外敵の進入を防ぐ為、底部に網を持つ  ※掃除はこれっきり出来ないそうな
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足場を支える横棒  ※足場の揺れを抑えるそうな

縦樋にも凍害対策が施され、凍結による縦樋の破損は凍害防止ロッドにて防止する。水が氷に変化する時は体積は1.1倍に膨れ上がり、その力によって縦樋が膨張し破損する。このロッド発泡体の収縮により、膨張する氷の力を樋管中心部のロッドで吸収、縦樋の破損を防止する狙いがある。積水ハウスの住宅オ-ナ-とて、これらの事を知らない施主がほとんどだろう。全て見えなくなってしまう部分だし、小まめに現場に通わないと目にすることもない。カタログに載っている訳でもないし、わざわざ施工者側から親切に説明してくれる事でもない。現場や仕様書で疑問を抱いた貪欲な客でしか知り得ない、かなり貴重なマイナ-情報である。”土地家屋調査士”という考古学、探偵の側面を持つ一風特殊な職業柄、全て根拠に基づき関連付けないとどうも自分に納得出来ない。
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勝手口庇のコ-キング
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バルコニ-側面のオ-バ-フロ-  ※底だけコ-キングをしていないのは、水を落とす為
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縦樋の凍害対策
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凍結防止ロッド
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発泡ロッド内部
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