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港町ボリシャル~黄金のベンガル編(5)

2011年12月26日
~ボリシャル



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船上の朝

船上デッキでの夜は、やはり寒いものだった。

停泊地ごとに新たな客が乗り込んできては、その度に夜中だろうが周りは騒がしくなる。
それと同時に、チャダルで作った自分達の占領スペ-スは次第に侵されていく。
夜中ふと目を開けると直ぐ目の前にバングラ人の顔、これが3等デッキの現実だ。

岳登と体を寄せ合い、彼の足を湯たんぽ代わりに僕の足裏に絡ませる。
昨年カルカッタで買った1枚の毛布で二人の体全体を覆い、待望の朝までこぎつけた。
朝6時、予定ではボリシャルに着く頃である。

船は時折、甲高い汽笛を鳴らし、マイクを通し何やら大声で叫んでいる。
この船は進んでいるのか、停泊しているのかよく分からない。
デッキを下り、1階通路から船外の状況を覗いてみた。
かなり遅い速度だが、この船は僅かに波を掻き分けていた。
暗くて見通しが利かない分、音で周囲に警戒を促しながら慎重に進んでいるのだ。


それにしても船内の至る所で、実に多くの人が体を寄せ合い寝転がっている。
階段下、トイレ前、通路、機関室脇、売店前・・、
船首や船尾の吹きさらしの僅かな隙間にまで、気合の入ったバングラ人は横たわっていた。
この人達も、僕等と同じ3等デッキの料金を払っているのだろうか。
僕等はデッキで眠れるだけ、まだ恵まれているようだ。

機関室を見学したり、迫力の外輪を眺めたり、
船首から望む景色や乗組員の作業風景を見たり、
デッキに戻り周りの乗客と語ったりしながら、到着を待つ。
そして目的地ボリシャルには3時間遅れの午前9時、無事に到着した。
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軸で左右の外輪を回すディ-ゼル機関室
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大迫力の外輪は必見
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只今、デルタ地帯を航海中
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人の輪  ※これでは岳登もゆっくり眠れない
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ボリシャルも近い
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頼もしい外輪

感慨深かったロケット・スチ-マ-を下り、僕等は中心部を目指し町を歩いた。
この町はボリシャル管区の中心都市で、バングラデシュを代表する港町でもある。
町はそれ程大きくはなく、埠頭から中心部まで歩いてもそう遠くはなかった。
町に着いたら真先に行なわなければならないのが、今宵の宿探し。
”移動と宿探し”、この2つが旅で最も重要で且つ頭を悩ます要素となっている。

安いホテルから順に当たっていくが、どこも満室のようだ。
本当に満室なのか疑う宿もあり、ただ”外国人”というだけで拒否されているのかもしれない。
そして、これが最後だな・・と決して挑んだ3軒目。
ここでも部屋はないと軽く言われるが、シングルル-ムでもいいからと僕も必死に喰らい付く。
その熱意が伝わったのか、失望感を感じ取ってくれたのか、
シングルル-ムを通常料金の100Tkの割り増し料金で、二人泊めてもらえる事になった。

ここまで見た印象では、おそらくこの町一番のホテルだろう。
1階玄関には警備員が常駐し、2階ロビ-も中々立派だ。
部屋にはTVやテ-ブルがあるが・・。
荷物を置き、ようやく落ち着いて辺りを見渡すと、所詮いつもと同じ安宿だった。
どことなく部屋は手入れが行き届いておらず、先程までの高揚感は既にない。
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安宿

町を歩く。
ようやく目にした酒屋ではウィスキ-の類はなく、高価なビ-ルでは飲む気にはなれない。
大通りではデモの集団が隊列を組み、雄たけびを上げながら道路を練り歩いている。
モスクではマイクを握った指導者の声に、群集は耳を寄せかなり殺気立っているようだ。
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市中心部の池

中央郵便局前を通り、川岸を目指す。
小さなテ-ブル席のみの簡素な食堂で、プ-リ-の昼食を取ってみた。
プ-リ-を食べるとインドの鉄道を思い出すのは、僕だけではないようだ。
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プ-リ-食堂

フィッシュ・マ-ケットでは水揚げされたばかりの新鮮な魚が沢山並び、
籠に入れられた鶏は大衆の目前で落とされ、皮が剥かれ、熱湯で茹で上げられていた。
何とも惨いこの一連の作業ではあったが、僕等が普段口にしているのはこのような過程を経た肉である事も忘れてはならない。
この残酷な現状を目に焼き付ける事で、哀れな最期を遂げた彼等への供養にもなるだろう。
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フィッシュ・マ-ケット

少し疲れてきたので、店の軒先に置いてあるベンチに腰を下ろし、しばし休憩とする。
瞬く間に一人、二人、気が付くと僕等の周りには多くの人が集まっていた。
休憩ぐらい静かにしたいものだが、この国ではそれはまず無理な話だ。
この町のような地方の人々は大都会の人々に比べ、更に輪をかけて僕等に関心を寄せてくる。

皆がジロジロと、僕等二人を睨みつけている。
それは喧嘩を吹っかけるようなものではなく、宇宙人でも見ているかのような好奇の目である。
『カントリ-?』
開口一番、まずは誰もがそう問いかけてくる。
『ジャパニ!』
僕がそう答える度に、その内容は周囲に偶然居合わせた群集にまで伝達されていく。

次に訊かれるのが、一緒にいる相方のこと。
何故か僕等が兄弟に見えるらしく、『マイサン!』といつも同じ言葉を返さなければならない。

次に訊かれるのが、僕等がここに居る目的。
『ジョブ?』、『ジャ-ナリスト?』と問われる事がほとんどで、
その都度『ジャスト、トラベル!』と返し、皆の納得を得る事になる。
余程、旅行でこの国を訪れる人は珍しいようだ。
これら好奇の目で近寄ってくるバングラ人全てと係っていても、こちらの身が持たない。
その為、これらの群集はバングラの景色と捉え、適当に見流す事がきっと良策なのだろう。

一旦ホテルに戻り、少し昼寝をする事にした。
僕がベットに横たわり眠っていた間も、岳登はずっとTVのアニメを楽しんでいたようだ。
そして夕方になり、再度町へと繰り出した。
日中よりも人込みは増し、町は格段と活気づいていた。
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デモ
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夕暮れのリキシャ
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この国の象徴

この町で唯一期待していた国民魚イリッシュは結局どの店にも見当たらず、残念ながら口にする事は出来なかった。
明日は早朝のバスに乗り、次の町クルナへと向かう。
簡単に物事が進まないことは、もう目に見えている。


ボリシャル・アテナインタ-ナショナル泊-500Tk


ホテル(500Tk) アイス(12Tk) 昼食(カレ-、プ-リ-38Tk) 耳あて(20Tk) チャ-(5Tk×2) チャ-(4Tk×2) 文房具店(ポストカ-ド2Tk×3、シ-ル2Tk) ポップコ-ン(10Tk) 夕食(定食プレ-ト、ミシュティ90Tk)  計706Tk 
 


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