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静かなる南嶺(2)

【山域】笹山南峰(2717m)、笹山北峰(2733m)、白河内岳(2813m)、大籠岳(2767m)、広河内岳(2895m)、農鳥岳(3025m)、西農鳥岳(3050m)
【日時】平成23年10月9日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小6)、僕


・・前回のつづき

笹山南峰(12:42、13:00)  笹山南峰で登頂を祝い、いよいよ魅惑の南嶺を北上。笹山北峰ではこの界隈でお馴染みの東海製紙の標柱が僕等を迎えてくれた。目の前には蝙蝠岳や塩見岳が連なって見える。この2山とは尾根こそ違えど、同じ緯度に位置しているのだ。富士山も望めたが厚い雲が邪魔だ、あっちに行ってくれ。南嶺尾根を更に北上。連なる山々が順に聳えているが、山名までは特定出来ない。雲も多くなってきた。視界の効く内に、どれだけでも先へ進んでおかなければなるまい。当初の予定では今日は大籠岳を越えて直下辺りで幕営を考えていたが、稜線への登りで大幅に遅れている。次第に道が悪くなってきた。この南嶺は一般登山道とは言わないようなので、それは重々承知していた。慎重に目印を追っていたのだが、どこで道を外れたのだろう。意地の悪い藪をかわし、何とか道跡に取り付いた。危ない危ない。深い森を抜けると、白河内岳を視界に捉えた。それにしてもこの岩肌、岩茸がすごく多い。今度夏場にゆっくり岩茸採りに来るのもいいかもな。白河内岳手前には幕営に適した平地が多く見受けられる。眺望もいいし今日はここまでとするか・・。一瞬脳裏をよぎったが、それでは明日の行程に響く。もう少し辛抱して先へと進む。なだらかな山頂部を持つ白河内岳へはどこからでも登れそうだが、ここは着実にケルンを追う事にした。だがあまり当てにはならず、何度か藪を掻き分けようやく登り切る事が出来た。

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笹山北峰  ※後方は蝙蝠岳(左)、塩見岳(右)
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厚い雲が富士を覆う
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道は一部分かり難いが
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踏み跡は意外と明確
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白河内岳手前のテント適地

白河内岳(14:40、14:53)  山頂は広く、赤茶けた岩がゴロゴロと転がっていた。今日は視界が良く、山頂標柱もこの先の縦走路も目視出来るからまだいいが、視界ゼロだったら厄介かもしれない。岳登もかなり遅れて登頂。ハイマツに苦戦し、僕の姿も見失って焦っていたようである。休憩後、更に足を進める。大籠岳はどうせ遠いのだろうが、今日は16時くらいまでは歩くつもりでいる。その時点で適当な場所に幕を張ればいい。小屋のテント場を気にしない、こんな自由気ままな山歩きが僕は最も好きなんだ。緩やかな稜線の踏み跡を辿る。多少道を反れても、これだけ視界が良ければ何の問題もない。遥か彼方のポッコリお山はどこだろう・・。そんな事を考えながら歩いていると、目の前の緩やかなピ-クに標柱が立っているのが見えた。もしかして大籠岳・・、もしそうだったら嬉しいな。
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山頂直下のハイマツに苦戦し、岳登は遅れて到着
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白河内岳
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南嶺を行く  ※奥の三角錐が農鳥岳
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視界が良く、大籠岳の標柱が見える

大籠岳(15:34)  やはり、そこは嬉しい大籠岳だった。笹山から白河内岳へは道も悪い上、かなり遠く手こずっていただけにその驚きも大きい。予想外に苦せず百高山の大籠岳をゲット。ここまで来たなら、当初の計画通りとなってきた。山頂で写真を撮り、直ぐに先を目指す。山頂直下のコルには既に1張幕営者がいた。時間もまだあるので、僕等は更に下る。
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大籠岳

幕営地(15:42)  下り切った稜線上の脇に一段低いハイマツ帯があった。張ってくれ!と言わんばかりに開かれた僅かテント1張のスペ-ス。今日見てきた数多くの平地の中で、群を抜いて絶好の幕営適地である。何せ風がない。稜線は風が強く凍える程寒いが、ここは暖かくさえ感じる。それに地面は草地でふかふかの絨毯。ペグの入りも良く、目の前の稜線に出れば夕日を浴びる塩見岳。これまで多くの場所でテントを張ってきたが、ここはベストに近い。寒い稜線で宴会をしつつ、塩見岳の夕焼けショ-を堪能。暖かなハイマツ帯に戻り、草地に座り夕食とする。調理係は岳登、僕はラジオから流れる大音量の音楽とウィスキ-に酔いしれている。数歩先の稜線は寒くて居られないのに、ここは風とは無縁の世界。先日の奥穂の寒い夜が頭から離れない。僕の今宵の井出達は、ざっとこんな具合。頭には毛糸帽を被り、軍手は2枚重ねた。バラナシで買ったチャダル(マフラ-)を首に巻き、上半身はダウンジャケットに合羽、フリ-スも着込みその他長袖は2枚、Tシャツも含め計6枚の完全対策。下半身はスパッツ(ももひき)の上に登山ズボン2着、最後を合羽で仕上げた計4枚の荒技。靴下は2枚履き、その間には両足共カイロを入れている。更に今回はカルカッタで買った毛布も持参、勿論シュラフとシュラフカバ-もある。これだけあれば、幾ら寒がりの情けない僕でも今夜は大丈夫だろう。
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絶好の幕営地  ※強風を防げ稜線との外気温は雲泥の差、底は草地の絨毯
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一段上がれば、目の前に広がる塩見岳  ※稜線は寒くて長くは居られない
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夕食を作る岳登  ※帽子はデリ-で昨冬買った物
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寒空の夕焼けショ-
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蝙蝠岳(左)、塩見岳(中央)、仙塩尾根と続く


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