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白峰から仙塩尾根へ(2)

【山域】中白根山(3055m)、間ノ岳(3189m)、三峰岳(2999m)、安倍荒倉岳(2692m)、新蛇抜山(2667m)、北荒川岳(2697m)、北岳(3193m)、小太郎山(2725m)
【日時】平成23年7月24日
【天候】曇り
【岳人】岳登(小6)、僕


2日目

北岳山荘(3:57)  3時起床、湯を沸かし目覚めの一杯を飲む。ヘッドライトを着け、霞む暗闇の稜線を歩き出す。歩き始めてすぐ、ライトの狭い視界では進む道先に多少の不安も覚えたが、慎重に足を取り先へと進む。闇の中息を切らせ登り切り辿り着いた先にあった木柱、中白根の山頂はそこではなくこの10分先であった。

中白根山(4:24)  昨夕山荘で確認した情報によると、日の出の時刻は4:45。徐々にその時間帯が迫ってきた。中白根山では写真だけ撮り、更に先へと進む。日の出時刻ぎりぎりに、何とか小高いピ-クまで登り切った。空は明るくなり、ヘッドライトの光はもう必要ない。朝日は出るのか・・。周囲は分厚い雲に覆われ、どうやら願いは届きそうにない。次の瞬間、いいタイミングで雲が流れた。『オッ、出てくるか・・』。そして朝一番の太陽は山の地平線からではなく、雲の切れ間から姿を現した。朝日は自らの力で完全に雲から這い上がり、一瞬にして辺りの空を赤く染めた。長い一日の始まりである。
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中白根山
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一瞬の日の出

間ノ岳(5:15、5:28)  白峰三山の一角、間ノ岳まで登って来ると、陽は完全に上空に上がり、眩しい光を後ろから浴びせつけてきた。しかし一向に周囲は深いガスに覆われたまま。最高の眺望はおろか、視界もままならない。農鳥岳へと縦走して行く登山者、北岳山荘へと戻る登山者・・、暗闇の中同じ稜線を歩いてきた彼等と行き先を変え、静まり返る仙塩尾根方向へと岳登と二人歩み始めた。30分程歩くと仙丈ヶ岳への分岐道標が現れる。すなわちこの先は仙塩尾根、仙丈ヶ岳と塩見岳とを繋ぐ渋い稜線となる。この道標から直ぐ先が三峰岳、標高にして2999mとなり3000mに僅か1m足りない。
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三等三角点『相ノ岳』
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仙塩尾根に合流

三峰岳(6:01)  ここには立派な山頂標柱や三角点、大きなケルンまで立っている。『三峰岳標高2999mか、剱岳と一緒だな・・』、岳登が呟いた。”そうか分かったぞ、だから大きなケルンを積んで3000mに届かせているんだな・・”。僕は一人胸の内でそう思った。痩せ気味の岩稜地帯、何度か寄り道をしながらゆっくり下っていく。遅れた時間を取り戻そうと、高原広がる三国平目指し足を早める。ようやく三国平まで来ると、ガスが避け熊の平小屋が山腹に見えた。これから歩く仙塩の稜線も、その上に確認出来る。
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三峰岳
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クマを目指せ
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仙塩尾根の中腹に、熊の平小屋が見える

熊の平小屋(7:20、7:40)  ここは長い仙塩尾根にあって唯一の山小屋。更には唯一の水場となっている。山小屋の存在はテント行や日帰り行の僕等にはさほど重要ではないが、稜線上の水場の存在はかなり貴重となる。大昔の校舎を想わせる年季の入った木造の山小屋。正面には農鳥岳が見える筈なのだろうが、その山頂付近は雲に隠れている。ここで得る豊富な水は、仙塩尾根を歩く山人の生命をも司る。この先稜線へと上がり、樹木に包まれた深い稜線を進んで行く。幾つか偽ピ-クに惑わされ、”安倍荒倉岳は通り越してしまったのかな・・”と何度か悩む。そしていよいよ心配になってきた頃、探していた看板が目に入った。
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市営熊の平小屋
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熊の平小屋の水場は、かなり貴重な存在
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安倍荒倉岳への分岐標識

安倍荒倉岳(8:03)  この山は僕等が目指す百高山、絶対に逃す訳にはいかない。山頂は登山道から離れている為、この看板を見落とすと山頂に気付かず通り過ぎる事になる。心配していた看板は、下ばかり見ていなければ間違いなく気付くような高さの樹木の両面に貼り付けられていた。右に登山道を反れ僅か1分足らず、祈願の山頂に立った。三角点や山頂プレ-トはあるが、周囲は高い木々に覆われていて眺望は期待出来そうもない。更に樹林帯の中を進み、岩のごろつく高台に出た。ここが竜尾見晴のようであるが、ガスで視界はなく先程登った安倍荒倉岳も次に目指す新蛇抜山の姿も伺えない。山が見えればある程度察しも付くが、この状況では頼れるものは自分の勘だけである。標高第100位の新蛇抜山へは取り付きの看板もなければ踏み跡もない。適当な頃を見計らって、稜線へと突き進む。迷子にならないよう、岳登は登山道を並行させ、声を掛け合い自分の位置を保った。それらしい山頂目掛け、最後の斜面をよじ登る。山頂を確信。登山道の岳登を大声で呼び寄せ、強引に直登させた。
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安倍荒倉岳

新蛇抜山(9:04)  山頂にはお情け程度のケルンがあり、誰が残したかペットボトルの蓋には顔が描かれ、登頂の余韻が残されていた。先人達の登頂写真とこの現状を何度も見比べ、ここが新蛇抜山だと結論。ガスがなければ眺望は抜群だろう。下りは岳登の登ってきた斜面へと下った。何となく踏み跡が残っており、登山道のこの地点から空目掛け登れば直ぐであった。最も心配していた山頂を登れた事で、すっかり僕のテンションも急上昇。更に樹林帯の中を進む。そして最後に登り切った先は広い山頂となっており、大きなケルンが名を名乗る事なく寂しげに佇んでいた。
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石が数個積んであるだけの新蛇抜山  ※百高山を目指す人以外たぶん登らない
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登りは適当に山頂を目指したが、帰路薄い踏み跡を発見

北荒川岳(10:06、10:20)  ここが本日の折り返し地点、北荒川岳。本来ならば目の前には、この長い尾根の終点塩見岳が堂々と聳えている筈だが、残念ながら何も見えない。あ~、実に残念。
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北荒川岳

竜尾見晴(11:06、11:16)  どうしても登っておきたかった百高山3つを押さえ、後は時間を気にしながらテント場まで戻るだけだ。せっかく竜尾見晴の高台に登っても、今日はつくづく何も見えない。

熊の平小屋(12:20、12:36)  コ-ス唯一の水場で明日の水をも確保、ザックの重さは増したが仕方ない。今不安なのは、熊の平から間ノ岳へ続く長い登りだけ。往路に随分高度を落としてきただけに、その不安もかなり大きい。 

三国平(13:05、13:20)  ここは農鳥岳方面への分岐ともなっている。まだまだ続く長い登りに備え、腰を下ろししばし休憩とする。
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三国平

三峰岳(14:23、14:35)  辛い登りに耐え、まずは三峰岳の頂に立った。仙丈から歩いてきた年配の夫妻とすれ違う。これから熊の平を目指すようだ。

間ノ岳(15:11、15:20)  残っている力を振り絞り、最後の登りに耐え凌ぐ。そして終に間ノ岳に到着。ここまで来れば、後は下るだけ。小雨が降り出す予想外の展開には参ったが、思ったよりも早いうちにテント場へと戻る事が出来た。
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間ノ岳

北岳山荘(16:44)  小雨舞う中、しばらくテント内で過すが次第に雨は上がってきた。外に出て夕食を作り、タクアンをかじり酒を飲む。周囲に遠慮をしボリュ-ムを絞ったラジオからは、大相撲名古屋場所14日目の取り組みが抜群の実況を交え流れている。本日の大一番が始まった。史上初の8連覇を狙う横綱白鵬、対するは2度目の優勝を狙う大関の日馬冨士。2日前の場所12日目の取り組みを生で観戦し、すっかり僕は日馬冨士のファンになっている。そして制限時間一杯。白熱した大一番は長時間に及んだ。スピ-カ-から流れる実況からも、その会場の盛り上がりが手に取るように伝わってくる。長引けば勢いのある大関に分があると僕は思った。無敵の大横綱を応援する岳登の願い虚しく、僕の予想通りの結末となった。おめでとう日馬冨士、山上での素晴らしい一時をありがとう。
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山荘に到着
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夕食は棒ラ-メン
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北岳にしか咲かない大変貴重な品種、キタダケソウ


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