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奥深き鈴鹿山系(2)

【山域】三池岳(971m)
【日時】平成23年4月3日
【天候】曇り、強風
【岳人】穂乃花(小3)、僕


2日目

石榑峠(7:40)  昨日は18時半には床に就いたがやはり寒く、2時間おきくらいに目を覚ましていた。テントの外は風の轟音が絶え間なく響き渡っている。風を避けた場所に幕営しているからまだ良いものの、これが風の通り道だったら確実にテント毎吹き飛ばされてしまうだろう。早朝夜明け前に見た、眼下に広がる麓の町明かりはとても綺麗だった。温かいコ-ヒ-とス-プで体を覚まし、三池岳往復に向け出発する。強風に備えテントは撤収、僕のメインザックは木陰にデポ。穂乃花は手ぶらなので、今日は頑張れるだろう。ル-トも意外にしっかりとしているが、所々崖や凍結した雪の斜面があり気は抜けない。”119のレスキュ-ポイント”という黄色の標識と、”200mPost"という白色の標識がル-ト上に立っている。白色の方は石榑峠と三池岳を16の区間で結び、僕等の幕営していたNTT中継所は2/16となっていた。三池岳は当然ゴ-ルの16/16となり、続いて三池岳から中峠までの区間の1/7となる。押し倒されそうな強風に耐え、何とか15/16のPostまでやって来ると、最終Postのある山頂をすぐ目の前にとらえた。
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縦走開始
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強風に耐え
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ポイント標識

三池岳(9:27、9:50)  山頂には石柱の標識が立っている。隣ではアルミ製の細い四角柱に取り付けられた道標が、強風に今にも押し潰されそうにグラグラと激しく揺れていた。三角点は八風キャンプ場側へと少し進んだ先にある。眺望は麓の町並み、四日市のコンビナ-ト、その裏手には海が広がって見えた。遥か彼方には僕等に馴染み深い乗鞍岳と御嶽山が、雲の上薄っすらと頭を出している。八風峠や釈迦ヶ岳も縦走路の先に見える。だが風があまりに強く、のんびり眺望を楽しんでいる状況ではない。
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三池岳
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離れた場所にある三角点
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眺望  ※四日市の向こうに海も望める
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横殴りの強風で樹木の向きも変わっている  ※後方は釈迦ヶ岳

さて、戻るとしよう。白色標識”200mPost"の15/16、14/16、13/16と順調に通過。やはり帰りは早いな・・、後方に遠ざかっていく三池岳を眺めそう思った。しかし、その後の記憶が飛んでいる。どこで道を外れたのか、一見踏み跡のような尾根沿いを枝を掻き分け歩いていた。こんな所を通ったかな・・。尾根道に行き詰ると斜面に下りる。アレ、谷が出てきたぞ!来る時は谷なんか無かった筈だ。付近をさまよっていたら、それらしい場所に出た。『ヨ-シ、見つけたぞ!』。穂乃花と安堵したのも束の間、再び歩き出すと又深みにはまっていた。先程とは違う谷が出てきた。穂乃花を待たせ一人偵察に行くがここは違う。穂乃花の所まで戻り斜面を巻く。低い尾根に出た。尾根を進もうとしたが、ふと振り返ると急斜面が小高いピ-ク目掛けて延びていた。穂乃花にも頑張ってもらい、そこを登り切る。このピ-クで居場所を掴もうとしたが、標高が低い為ピ-クと言えど深い樹林帯となっている。ヤバイ!視通が利かない。樹木と樹木の隙間から特徴のある竜ヶ岳の位置を確認しようとしたが、気が動転しているせいかどの山も竜ヶ岳に見えてきた。いよいよこれはヤバイ!辺りを偵察するが視界は全く変わらない。穂乃花をピ-クに残し、周囲を探すがそれらしい所は見当たらない。諦めかけたその時、雪面に足跡を見つけた。更にその先には、行きに手こずった凍結した急斜面が続いていた。


『穂乃花、生きて帰れるぞ!』。何とか縦走路に取り付き、穂乃花と大声を出し抱き合った。幾つかタ-ニングポイントがあったとすれば、結果的に谷に下らずピ-クへ登った事が良かったのだろう。道に迷ったら絶対に下ってはいけない。麓に近づくどころか深みにはまっていくだけだ。近くのピ-クに登り正しい場所を掴むか、最悪の緊急時そこでじっと救助を待てば発見もされ易いだろう。安堵して先に進んでいると10/16の標識があった。昼食のおにぎりを有難く噛みしめ再び歩き出す。さすがに全く油断のない慎重な足取りとなっていたが、登山道は薄く2ヶ所道を反れる場面もあった。同じル-トと言え、行きと帰りで進む方向が変われば当然見える景色も変わる。容易だったル-ト取りも、一変困難を極める結果となる。

石榑峠(12:05、12:12)  NTTの電柱が見えると、広場は直に現れた。目の前にそびえる竜ヶ岳は、僕等の出来事など意に介さない仕草でその峰を左右に大きく広げていた。結局1時間くらいの道迷いで済んだのは非常に運が良かった。山ノ神に借りが出来たな・・。NTT中継所でデポしておいたメインザックを担ぎ、国道421号線を廃道となっている三重県側に下る。
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生きてNTT中継所まで帰ってきた
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廃道となった国道421号線三重県側へと下る

小峠(12:32、12:48)  廃道の国道には落石が所々散乱していた。しばらく歩き2.0mの車幅制限のコンクリ-トゲ-トの先に宇賀渓への分岐標識が立っていた。ここからは谷沿いの登山道となり、何度か谷を飛び石で渡渉する。夏だったら水浴びしたくなるような滝壺もあった。長尾滝、砂山の分岐標識で右に入る。この選択は間違いだったようで、砂山までは今更登りが続き穂乃花にはかなり堪えた。
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小峠
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長尾滝、砂山分岐

砂山(13:48、14:00)  ようやく辿り着いた砂山には大きな石がかたまっており、四日市方向の眺望が開けていた。この先は良く整備された遊歩道の石階段を下り、今日始めて出会った人は登山者ではなく家族連れのピクニック客だった。
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遊歩道

宇賀渓キャンプ場(15:02)  宇賀渓のア-チを潜り国道沿いの無料駐車場に戻って来ると、道路向かいまで多くの車で溢れていた。湯の山温泉・希望荘の湯に浸かり、菰野町にある妻の実家まで岳登等を迎えに行く。畑から望める御在所岳と鎌ヶ岳の中間、眩しい太陽が強い光を放し沈んでいった。ここでこうして夕陽を眺めている事を大変幸せに思う。山は本当に怖い、つくづくそう感じた一日であった。
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無料駐車場
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のん気な二人  ※鎌ヶ岳と御在所岳を背に


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