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サ-ンチ-の大ストゥ-パ~インド編(23)

2011年1月8日
~ボ-パ-ル



・・前回の続き

朝6時、ボ-パ-ルの駅を出て暗闇の町に繰り出した。
こんな時間にホテルなど開いているのだろうか・・。
町のメインストリ-トとなるハミディア・ロ-ド、”HOTEL”の看板を頼りに不安な宿探し。
しかしどこも玄関には厳重な鉄柵が掛けられ、開いている気配は全くない。
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駅の連絡通路で眠るインド人

すぐさま背後からリクシャの声がかかる。
10Rsのリクシャ代で、開いているホテルまで連れて行ってくれると言う。
『ノ-ル-ム、ノ-マネ-!』
その上ホテルが見付からなかった場合、リクシャ代もいらないそうだ。
これは願ってもないチャンス。

僕が希望する200Rsから300Rsの安宿を探し、リクシャマンは4軒程当たってくれた。
だが、どこも満室か僕の希望する金額より高いようだ。
このリクシャマン、たった10Rsの乗車賃で本当によく頑張ってくれた。
メインロ-ドから外れた小さな路地に入りホテルを探し回ったり、
眠っている受付を大声で叩き起こし、料金を交渉してくれたりした。

ツ-リストも全くおらず何の情報もないこの町で、思うような安宿は期待出来そうもない。
結局、5軒目に連れて行かれた600Rsのホテルを500Rsで勘弁してもらいイン。
200Rs前後の安宿にばかり泊まっている僕等にすれば、かなり痛い出費となる。

このホテルはインドでは珍しく24時間のチェックアウトシステムを取っている。
要するに、このまま朝6時半にチェックインすると、チェックアウトは明日朝の6時半。
それは大変だ!
チェックインの時刻を遅くする為、外で時間を潰してくる旨告げるが引き止められる。
受付の男は僕の思惑を理解し、受付簿にチェックインの時刻を8時と記入してくれた。
ホテル側としても、貴重な客人を逃したくないようだ。

何はともあれ、まずは3日ぶりのシャワ-だ。
料金が高いだけあり、広い室内には大きなベットが2つとソファ-、
それにテ-ブルにテレビまであり、シャワ-とトイレはインサイド。

シャワ-の蛇口をひねるが肝心のお湯が出てこない。
代わりに出てきたのが、赤い水。
長らく使われていなかった為に管が錆付いているのだろう、しばらく水を流し様子を伺う。
しかし色は変わらない。
それなら、と洗面台の蛇口もひねってみる。
ここも赤い。
更には水洗トイレの流し水も赤い。
それらの全てを出し放しにして透明になるのを待つ。


しかし色は全く変わらない。
”何なんだ、このクソ宿は・・”
たまらず受付に文句を言いにいく。
『ヘイ、カモン。レッドウォ-タ-、チェンジル-ム!』

受付の男はシャワ-の赤い水を認め、バケツに透明の水を入れてくると言い出した。
『オイ待てよ、そういう問題じゃないだろ、なら洗面台はどうすんだよ!』
受付の男は洗面台の蛇口から流れる水を手にすくい、『OK!』と自慢げに一人うなずく。
『おいコラ、これのどこがオ-ケ-なんだよ!』
手の平の上だから肌に同調して赤く見えないだけで、洗面台の水は明らかに赤いだろ!
”何言ってんだ、コイツは・・”
そんなやり取りをしばらく繰り返していたら、赤色の水はほんの少し透明に近づいてきた。
透明に成りきれない水で震えながら水シャワ-を浴び、溜まっていた洗濯もこなす。
仕方なしに洗顔も歯磨きも、この赤っぽい水で済ます他ない。

屋台で朝食を取り、バスに乗りサ-ンチ-へと向かう。
2時間近くバスに揺られ、ようやくサ-ンチ-の村に到着。
目指す世界遺産へは、下車した幹線道路から右手に坂道を登る事になる。
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各種スナック
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バススタンド

標高100mの小高い丘の上に建つ、3つの仏塔(ストゥ-パ)群。
その中でも大ストゥ-パ第1塔は一際大きく、直径が37mで高さは16mとなる。
紀元前3世紀にアショ-カ王が建立し、その後紀元後1世紀に拡張され完成に至る。
ド-ム状の覆鉢(ふくはち)は仏蛇の遺骨を埋納する墓となっており、
入口は存在せず、ブッタのみが到達したという覚りの境地を示している。
俗人はその境地に近づく事が出来たとしても、実際にそこに辿り着く事は出来ない。

東西南北に建つ塔門(ト-ラナ)は語源も形態も日本の鳥居の起源とされ、
石で造られたこの塔門の柱や横梁には表裏にブッタの生涯が精密に刻まれている。
第1塔を上空から眺めると、中央の覆鉢に4つの塔門を卍に重ねたように映ると言う。
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大ストゥ-パ第1塔と北塔門
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北塔門の裏側
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喜怒哀楽(北塔門裏)
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大ストゥ-パ第1塔と西塔門
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大ストゥ-パ第1塔と西塔門
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大ストゥ-パ第1塔と南塔門
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南塔門の柱  ※ブッタの誕生
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南塔門の横梁
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東塔門の柱  ※出家するブッタ
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回廊と覆鉢  ※入口のない構造がブッタのみ到達した覚りの境地を示す
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ストゥ-パ第2塔
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ストゥ-パ第3塔

考古学博物館には、アショ-カ王の石柱の頭部(ライオン像)が展示されている。
これはインドの国章であり、インド硬貨の裏にも彫られている。
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考古学博物館
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グァバ(1個5Rs)は岳登に好評

幹線道路まで戻って来ると、ボ-パ-ル行きのバスが丁度発車するところだった。
再び2時間バスに揺られ、ボ-パ-ルの町まで戻って来た。
市内を歩き、鉄道駅へと向かう。
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紙タバコ屋

鉄道予約に際してはいつも相当苦労しているが、最近ようやく要領を掴みつつある。
予約シ-トに日時や行先を記入し、エンクワイアリ-で列車番号や空き状況を確認。
予約窓口に並び予約シ-トを提出、チケットと引き換えに代金を支払う。
外国人専用窓口などなくても、どこの駅でも予約窓口はあり、大抵長蛇の列になっている。
インド人を観察していると、随分先の日程まで何区間もまとめて大量に予約している。

今回も1時間並びようやくジャイプル~ジャイサルメール間の予約チケットを取る事が出来た。
と言っても、所詮キャンセル待ちのウェティングチケットで順位が34と35。
エンクワイアリ-でも予約窓口でも”大丈夫だ”と太鼓判を頂いたが当人としてはかなり心配。

久々のまともな食事、何軒か迷い駅前の安食堂で40Rsの豪華なタ-リ-を食べる事にした。
普段食べているタ-リ-の倍近い値段だけあり、カレ-の品数も多く、味も良い。
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タ-リ-  ※1プレ-ト40Rsと高いけど、かなり豪華
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コップを使わず直接飲むのがインド流  ※口はつけない
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満腹になりホテルへ戻る途中、道路脇に立ち飲み酒場を見つけ、思わず立ち寄ってみた。
インド産の生ビ-ル(中ジョッキで30Rs)を頼み、豪快に一気に飲み干す。
この店には”酒場”といった表現がぴったりくる。
前払いでお金を払うと、カウンタ-の店員がサ-バ-から生ビ-ルを注いでくれる。

狭く薄暗い店内では若者や黒い顔をした荒くれ者が、スナック片手に酒を楽しんでいる。
味は苦く美味いとは言えないが、毎日カレ-ばかりで舌が麻痺しているのかもしれない。
立ち飲み酒場の隣りは、ラムやウィスキ-等を扱う酒屋となっている。
他の町のように鉄柵越しの厳重な売買ではなく、酒を買うという行為に重々しさはない。

更に酒屋の隣りは、テ-ブルやイスが無造作に並んだ本格的な酒場となっていた。
とは言え、広いが素っ気無い店内は薄暗く、かなり異様な雰囲気が漂っている。
数名の荒くれ者が酒に溺れ、虚ろな目を転がし、
”安易に足を入れたら火傷するぜ!”、店内を物色する僕にそんな視線を浴びせてきた。

不思議な魅力を感じ始めたボ-パ-ルの町、
ホテルの場所が全く分からず、夜のボ-パ-ルに完全に飲み込まれてしまった。

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紙タバコ(上)、インドの腹薬インテルクイネル(下)


ボ-パ-ル・Rajhansホテル泊-500Rs


コ-ヒ-(駅7Rs×2) リクシャ(10Rs) ホテル(500Rs) 朝食(屋台スナック21Rs) チャイ(4Rs×2) バス(ボ-パ-ル~サ-ンチ-30Rs×2) サ-ンチ-遺跡(大人250Rs、子供フリ-) グァバ(1個5Rs) バス(サ-ンチ-~ボ-パ-ル30Rs×2) チャイ(4Rs×2) 紙タバコ(5個4Rs) ケ-キ(8Rs×2) 鉄道予約(ジャイプル~ジャイサルメ-ル418Rs) 夕食(タ-リ-40Rs×2) 生ビ-ル(酒場中ジョッキ30Rs) パパイヤジュ-ス(15Rs)  計1499Rs



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