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カミサマカウカ・・~インド編(10)

2010年12月29日
~バラナシ



”神様買うか?”

耳に残るフレ-ズであった。
と同時に懐かしい映像を見れば、一人の少年の顔が思い浮かぶ。


少年の名は”ムケ”。
劇的紀行・深夜特急で沢木耕太郎に、バラナシのガ-トで声を掛けてきた少年である。
その少年が今、僕の目の前にいる。
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岳登とムケ

ア-グラ-カント駅で長らく待った夜行列車は、ほぼ定刻通りア-グラ-の駅を発った。
スリ-パ-(SL)と呼ばれる寝台車両は上中下段のベットが3つ、
それが向かい合い、1ボックスは計6人6ベットとなっている。
日中は中段のベットを倒し、下段の背もたれとなる。
他に通路を挟んだ反対側には上下のベットが2つ、こちらは構造上弱冠狭く感じる。

満杯の寝台車両、この中段と上段が僕等の今宵の寝床となった。
上段は他の段に比べ座った時の天井高が最もあり、快適に座って過す事が出来る。
その上、簡単に人の手が届かない分、安全面でもかなり優れている。
すなわち”寝台車両での特等席”とも言えるだろう。
インドの列車はどこでも軽く20両は越えており、これも鉄道大国インドの象徴となる。
さて、ベットに寝転がりバックを枕代わりに足を伸ばしてみる。
寝返りも打て、そこそこ快適だ。
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寝台車両の上段


・・・そして朝。
ずっと待ち望んだ朝、夜半から明け方にかけ非常に冷え込み、寒くて辛い夜であった。
着込んでいたダウンジャケットを脱ぎ、毛布代わりに丸まった体にかけ朝を待った。
寒い事はある程度予想していたが、まさかここまで冷え込むとは・・。

満杯だった乗客の大半は途中のラクナウという町で降り、
その後多少の出入りはあったものの、自由に空いた席を使う事が出来た。
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鉄道の朝
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物売りの少年

列車は驚く事に、定刻より少し早くバラナシに到着。
その到着先も大変不便な郊外のムガルサラ-イ駅ではなく、
近郊のバラナシ駅だった事も嬉しい想定外。
到着後は直ちに次の町への鉄道予約に取りかかる。

外国人専用窓口はかなり空いており、駅員の対応も凄く良い。
明後日は朝発がなく、夕方の発では次の町ブッタガヤ-に着くのが夜となり都合が悪い。
その次の日の朝発があると言うので、バラナシでの滞在を1日延ばす事にした。
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バラナシ駅

駅前にはプリペイドリクシャもあったが、執拗に付きまとうリクシャに乗り込んだ。
連れて行かれた先は僕が指定した場所ではなく、ことごとく怪しげな宿であった。
どうもここは僕の行きたいメインガ-ト近辺ではなく、ガ-トの南方のようだ。
仕方なしにSandhyaGHという宿に泊まる事にする。
部屋は別に悪くないのだが、その場所があまり宜しくない。

宿に荷物を置き、騒々しいバラナシの町を埃まみれになり歩く。
ようやく着いたダシャ-シュワメ-ド・ガ-ト(メインガ-ト)に立ち、
汚く濁った聖なるガンガ-を眺める。
日本語の上手いインド人青年が声を掛けてきた。
よくある光景だ。
ガ-トの一画に座り、青年としばらく日本語で会話を交わした。
数ヶ月前に起きた爆弾テロの残骸、ガンガ-氾濫の傷跡、ガンジス河でバタフライの撮影・・
彼が話す内容は、どれも僕にとって興味津々だった。
しかし日本語が上手ければ上手い程、僕の目には怪しいインド人に映ってしまう。

そして、お決まりの言葉が飛び出した。
『今からショップに来ないか?見るだけならただです』
そりゃそうだろ、見るだけでお金を取られていたら、たまったもんじゃない。
ノコノコ青年の後を歩く。
随分遠いな・・、確か”すぐそこ”と言っていた筈なのに。

ゴ-ドウリヤ-交差点に近い店の前には、これまた怪しい日本語の看板が掲げてあった。
”モホニ-シルクショップ”。
中に入る。
既に数人の日本人が捕まっていた。
4~5人くらいいるこの店の店員は全て怪しい日本語を操り、
戸棚には日本語の本がぎっしり並び、デポ500Rsを預ければ無料で貸し出ししているそうだ。
店内でチャイを頂く。
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ムケの店

この店で一番気を引いたのが、今ここにいる理由でもある。
ここの店主の名は”ムケ”。
15年程前に放映された”劇的紀行・深夜特急”で印象的な出演をしていたその少年である。
彼はその出演料のギャラ8000Rsを手にし、ついに自分の店を持つまでに成功した。
確かに、顔を見比べると写真の少年に良く似ている。
ムケは日本人の奥さんをもらい、誇らしげに店を切り盛りしていた。
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”劇的紀行・深夜特急” カミサマカウカ・・
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”劇的紀行・深夜特急” 少年ムケ
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”猿旅” 出川哲朗と東野幸治
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”ガンジス河でバタフライ” 長澤まさみ

そうこう寛いでいる内にも、続々と日本人が狭い店内に押し寄せてきた。
僕は全く知らなかったが、日本人旅行者の間ではかなり知られた店のようであった。
日本ではムケをモデルにした漫画まで発刊されているようで、これにも大変驚いた。
岳登は店員と楽しそうに携帯機種で”トムとジェリ-”を鑑賞しニコニコしている。
やばい18時だ!
意外に好青年だった彼等に別れを告げ、僕等はメインガ-トへと急いだ。

メインガ-トでは毎晩18時より1時間、プ-ジャ-と呼ばれる礼拝の儀式が繰り広げられる。
端正な顔立ちの3名の礼拝僧が、聖なるガンジス河に祈りを捧げるこの儀式。
夜空を灯す炎は民族音楽と相まって、周囲一帯は神秘的な空間となる。
多くの観光客に交じった物売りまでもが、その若き僧の一挙手一挙手を見守っている。
対面にはプ-ジャ-を正面から見ようと、観光客を乗せたボ-トが何隻も停留している。
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プ-ジャ-

遠く離れた宿まで歩く帰り道、先程ムケの店で少し話をした日本人青年に偶然出会う。
そう言えば同じ宿のようだったな・・。
彼と一緒に宿に戻り、屋上のレストランで食事を共に取ることになった。
久々の日本料理はどちらも美味しかったが、その高い料金が僕には堪えた。
この宿の奥さんは、なんと日本人。
インドに嫁いだ日本人女性、子連れバックパッカ-、互いに興味心身で会話も弾む。
”旅先で1人のインド人に恋をして結婚、両親は驚愕するが、やがて認められインドに嫁ぐ・・”
こんなスケ-ルの大きい、作り話のような逸話は少なからず存在するようだ。
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お好み焼き(80Rs)、オムライス(80Rs)

15年前、岳登の母親となるべく彼女とこの町を訪れた際の思い出と言ったら、
”狭い路地で彼女の尻ばかり狙う、変態インド人”
”朝日を見ようと翌朝目を覚ますが、妥協して再び目を閉じた”
悲しいながら、こんな事くらいしか覚えていない。

しかし明日は絶対に、何が何でも早起きしてみせる。
朝5時同宿の日本人青年とガンジス河へと向かう約束をした。
いよいよ抱かれてこようと思う、
聖なる大河ガンガ-へ。

絶対に早起きしてみせる・・
もう昔の僕ではないんだ。


バラナシ・SandhyaGH泊-200Rs


朝食(列車内チャイ5Rs×2、パコラ3個10Rs) 鉄道予約(バラナシ~ガヤ-290Rs) リクシャ(駅~ホテル40Rs) SandhyaGH(200Rs) 昼食(タ-リ-25Rs×2) チャイ(4Rs×2) ムケの店(チャダル280Rs) 神様下敷(40Rs×2) チャイ(4Rs×2) 夕食(お好み焼き80Rs、オムライス80Rs) 計1136Rs



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