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裏銀座(2)

【山域】烏帽子岳(2628m)、三ッ岳(2844m)、野口五郎岳(2924m)、真砂岳(2862m)、南真砂岳(2713m)、湯俣岳(2378m)
【日時】平成22年7月17日~7月19日
【天候】晴れ
【岳人】岳登(小5)、僕


2日目

烏帽子小屋幕営地(5:15)  先週の立山で非常に寒い思いをしたので今回はシュラフをシュラフカバ-で覆い、最初からカッパを着込み眠りに挑んだ。梅雨も明け夜は冷えるかなと思ったが、意外に快適な朝を迎えた。湯を沸かし温かい飲み物で体全体を覚ます。そしてテントを撤収し裏銀座の縦走開始。今日は最高の天気だ。後方には烏帽子や剱立山、針ノ木や蓮華、鹿島槍や五龍・・。右手には水晶から赤牛、その奥の稜線には薬師も良く見える。左手には眼下の高瀬ダムの他、唐松や餓鬼、燕や大天井の表銀座・・。そして前方にはやがて野口五郎、その先には裏銀座縦走路の終点・槍の穂先が天を指していた。
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烏帽子小屋から見た赤牛岳
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イワギキョウ
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烏帽子、剱立山を背に

偽三ッ岳(6:04、6:28)  幕営地からずっと目指し続けた頂には三角点があった。ここが三ッ岳だろう。朝食のおにぎりを食べ、眺望を楽しむ。再びザックを背負い、この先にある気になるピ-クにも一応立っておく。次の野口五郎岳目指し登山道を進む。左に一際高い山がある。先程の三ッ岳は百高山だ。これ以上高い山は次の野口五郎岳まで無いはず。もし今巻いているのが本当の三ッ岳だとしたら大変な事だ。踏み跡すら一切無かったが、適当に岩場をよじ登って行く。
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三角点(偽三ッ岳)

三ッ岳(6:44)  そして頂に立つ。何もない。写真だけ撮り山頂部を奥に進んでみる。そこに三角点があった。危うく目標の百高山を見逃すところだった。この辺りから野口五郎の頂も視界に入ってくる。山頂から野口五郎方面に下れば登山道に取り付くようだったが、偽三ッ岳側にザックを置いてきた為後戻りする羽目に。三ッ岳の懐を巻き、しばらくして振り返ると三ッ岳が良く確認出来た。どうも烏帽子側からだとピ-クを誤認し易い。ましてやガスで視界が無かったら、確実に偽三ッ岳の三角点で登頂と思い込んでいただろう。
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三ッ岳
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野口五郎岳を目指す ※その奥に槍ヶ岳
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三ッ岳を振り返る ※登山道は黒部側を巻いている
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野口五郎小屋 ※後方は表銀座、右端が大天井岳

野口五郎岳(8:11、8:30)  最高の縦走路を満喫していると野口五郎小屋が見えてきた。テントを張れそうな場所は沢山あるがここはキャンプ禁止。風が強いのだろう。ここでキャンプ出来れば色々なコ-スが組み立てられるだけに残念。そこから10分程で山頂到着。この山行一番の眺望が登頂を祝ってくれた。水晶や鷲羽、黒部五郎や笠や焼・・。もう何でも見える。
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野口五郎岳

真砂岳(9:02、9:08)  野口五郎岳を下ると登山道は次のピ-クを再び巻き始めた。真砂岳を巻いている事はもう分かっている。やがて真砂岳への分岐標識が現れた。踏み跡程度の斜面を詰めその頂に立った。何もない。写真だけ撮り、念の為山頂部の端にも足を延ばす。山頂を示す標識がケルンと共にあった。真砂岳山頂からは南真砂岳方面への踏み跡を辿り下山。難無く竹村新道に取り付いた。この辺りからは南真砂や槍、赤岳を眺めながらのトレイルとなる。やがて尾根は痩せ、緊張を強いられる場面が増えてくる。一般道なのに厳しいコ-スだな・・。ガレ場に差し掛かりその思いは一層深まった。
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真砂岳
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真砂岳からの下り ※南真砂岳の後ろに赤岳と槍ヶ岳

尾根は狭く両脇がかなり切り立っている。ル-トを塞ぐ大きな岩を回り込む。その岩は不安定で回り込む足元は1足の余裕もない。その上回り込んだ先も非常に狭く見動きが取れない。そこからは右の斜面を選び、崩れ落ちる岩と共に低姿勢で下り安定な岩にしがみついた。岳登に降りてくるよう指示を出す。何とか難所をクリア。巻き道が高瀬ダム側に見える。やはりル-トではなかったようだ。だが後戻りも非常に危ないので先に進む事にした。後ろに単独行の男性の姿が見えた、下に巻くよう勧める。どうも残雪で巻き道への取り付きが分かりにくいようだ。気を取り直す。再び岩場を慎重に下り、砂地に足を乗せた。地盤は非常にもろく、切り立った両脇にズルズルと崩れ落ちていく。与えられた巾は20cm程、両足を左右に並べては歩けない狭さ。綱渡りのような道が4m程延びる。そこで一旦その道は50cmほど下に段差がつく。この段差がこのガレ場間の最大の難所。狭い砂地から1段下の狭い砂地に足を落とした時、少しでもバランスを乱したら一気に滑落してしまう。重いザックもネックになる。そして再び狭い砂地を4m程越えるとやっと安全な場所に辿り着いた。
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危険なガレ場と砂地

ザックを降ろし、岳登の救出に取りかかる。砂地で足止めしているようだ。一瞬のミスも許されない中、何とか中央の段差までは無事クリア。岳登もこの段差の危険を察し、狭い砂地を跨ぐように座りだした。こんなもろい砂地を跨いで通過は出来ない。それどころか地盤と一緒に崩れ落ちる可能性の方が高い。すぐに立ち上がるよう指示。この立ち上がる行為だけでも命懸け。僕は安全圏内に先廻りし、最後の4mに挑む岳登を信じた。そしてあと2mのところで彼の腕をぎっしりと掴んだ。喜んだのも束の間、登山道に取り付くにはまだ危険なガレ場が残っている。左のもろい斜面を下ろうとしていたが、先程の単独行の男性は心配そうに僕等を見守っている。『そこは無理だ、こっちの尾根上にロ-プがありますよ!』 彼のアドバイスで2人共無事登山道に取り付いた。あの古いロ-プは何だったのだろうか、以前はル-トだったが危なすぎて廃道になった印象を受けた。長さこそ違えど、一般ル-ト最難関とされる西穂~奥穂よりも充分危険に思えた。 
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慎重にル-トを選び登山道に取り付いた
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真砂岳と手前がガレ場 ※高瀬ダム側に巻き道があるが残雪で見落とす

南真砂岳(10:18、10:40)  南真砂岳の山頂は登山道から少し外れた場所にある。
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南真砂岳

湯俣岳(11:53、12:04)  湯俣岳の三角点は登山道から僅か離れた空地にあった。担いできた6ℓの水は底をつき、とうとう岳登の缶ジュ-スに手を伸ばしてしまう。
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湯俣岳

湯俣温泉晴嵐荘(13:53)  水切れも重なり下りは相当バテ、晴嵐荘の屋根が見えた時は本当に嬉しかった。単独行の男性から遅れる事1時間、ようやく竹村新道を下り切る。彼は既に露天風呂を浴び終え、ここに泊まらず帰ると言う。晴嵐荘でキャンプ代(大人のみ500円)を払う。急いでテントを張り終え、海水パンツに着替え一目散に露天風呂に飛び込んだ。
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湯俣温泉


今回の山行の目的は秘湯・湯俣温泉でもあった。徒歩でしか辿り着けず、河原を掘れば湯が沸く。何とも素晴らしい表現ではないか。海水パンツとスリッパの格好で天然記念物の噴湯丘を目指す。吊橋を渡り、崖を下り、河原を歩くとオッパイ型のそれが川向こうで白煙を上げていた。対岸のその周辺に手掘風呂が多くあると思われたが、何せこの激流では渡渉困難。ならばこちら岸にも掘跡はないかと随分上流まで遡ってみるが、らしいものは見当たらず。飽きらめての帰路途中、川沿いを執拗に探りながらふと足を入れてみると熱い湯が出ているではないか。膝位しか浸からない浅さだが適度な温度で、手で砂を掘ってみると砂の下から熱い湯が噴き出してくる。砂は高温で長く持ってはいられなく、おまけに手は黒くなる。この後、もう一つ源泉湧き出る野湯を見つけたがこちらは少し温め。
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ロ-プで河原に下りる
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天然記念物 噴湯丘・球状石灰石
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浅いが適温で野湯として最適
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温めの野湯
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湯俣川を独り占め
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水俣川に架かる吊橋
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右(伊藤新道)も左(北鎌尾根)も上級者の聖域

テント場に戻り、夕食の準備に取りかかる。初めて試す明太子クリ-ムスパゲティ。水が豊富なテント場ならではメニュ-。緬も程よく茹で上がり美味しく頂けた。日没前からテント脇の露天風呂(徒歩5秒)に浸かり始め、月をぼんやり眺めた。やがて無数の星が空を支配し、テント場の夫妻と星空の下長らく談笑。気付くと2時間湯に浸かっていた。
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晴嵐荘幕営地
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星見(月見)風呂



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