fc2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

北海道縦断(14)~最果て、宗谷岬


・・前回の続き


睡魔地獄から何とか抜け出し、ついに最終区間まで辿り着いた。海に出ると、利尻山との2日振りの再会。前回は雲に隠れていたが、今日は惜しみなくその全貌を披露してくれた。ゴ-ルはほぼ手中に収めてはいるが、問題は果たしてゴ-ル(宗谷岬)でのサンセットに間に合うかどうか。順調に走り通せれば間に合いそうだが、状況的にかなり頑張らないと見込みはない。僕が今一番はまっている曲、心の底から闘志が湧き上がるRenのその曲をひたすらリピ-トし、遅いながらも必死に走る。いよいよクライマックスの時が来た。・・宗谷の皆さん、是非とも僕のゼッケンを見て下さいな!この高ぶる感情は、本州縦断フィナ-レの壇ノ浦からの場面に非常によく似ている。
1513_convert_20230301170130.jpeg
国道238号線(15:11)  ※稚内市と網走市を結ぶ
1512_convert_20230301170114.jpeg
振り返ると利尻山
1518_convert_20230301170141.jpeg
ついにここまで来た
1538_convert_20230301170216.jpeg
宗谷湾
1553_convert_20230301170232.jpeg
あの先端が宗谷岬か  ※全然違った
1613_convert_20230301170341.jpeg
太陽よ、まだ下りないで(16:13)


宗谷岬まで残り10km、時刻は16:17。正確な日没時刻は把握していないが、1時間で10km走れればおそらくサンセットに間に合うだろう。しかし現実的に考えて、それは到底無理な話。仮に頑張って1時間半で走れたとして、果たしてそれまで日は沈まずにいてくれるだろうか。どうなるか分からないが、取り敢えずやれるだけやってみる。そして17:20、ついに縦断最後のサンセットショ-が始まった。宗谷岬はまだ先で、結局目標には及ばなかった。利尻山を左に従え、宗谷の太陽が静かに日本海へと沈んでいく。縦断中、雨で苦しんだ時もあったが、今日が晴れで本当に良かった。2日前オロロンラインで見た利尻山には雲がかかっていたが、今日は鮮明に見えている。ゴ-ルで日没を見届けられなかったことはとても残念だが、宗谷岬では利尻との共演は見れなかっただろう。そう思うと、極上のサンセットをこうしてベストポイントで拝めたことは、幸運だったと言わざるを得ない。
1617_convert_20230301170354.jpeg
宗谷岬10km(16:17)  ※このまま網走まで行ってしまおうか
1646_convert_20230301170414.jpeg
間に合うか
1654_convert_20230301170531.jpeg
これだけ利尻が見れて幸せ
1726_convert_20230301170711.jpeg
もう限界か
1725_convert_20230301170658.jpeg
落陽(17:20)


サンセットを海岸線沿いで見送り、宗谷岬まで残り5kmの所まで来た。先程までの張りつめた空気は封印し、残りの道のりは、ここまで積み上げてきた思いを嚙み締めるように大切に進んでいく。エゾ鹿が近くで戯れている。地元で山道を走っているとカモシカ(天然記念物)を見かけることが多々あるが、北海道だと鹿がそれなのだろう。そして今思えば、先日豊富手前の暗闇で物音を立てていた獣は、熊やカモシカではなく、きっとエゾ鹿だったのだろうと気付く。宗谷岬の看板が暗闇に浮かぶ。この場所では少し気が早いように思うが、目の前に見えているあの先端が間違いなく宗谷岬だろう。ギアを更に一段上げ、Renの歌に鳥肌を立てる。
1729_convert_20230301170740.jpeg
宗谷岬5km(17:26)  ※宗谷岬でのサンセットには5km及ばなかった
1734_convert_20230301170754.jpeg
エゾ鹿
1737_convert_20230301170859.jpeg
有難う、利尻山!
1808_convert_20230301170913.jpeg
シカ注意
1809_convert_20230301170925.jpeg
今度こそあの先端で間違いない(18:09)

昨年参加した本州縦断フットレ-ス(青森~下関、1550km)をきっかけに、今年5月の九州縦断(下関~佐多岬、431km)、そしてこの北海道縦断(函館~宗谷岬、581km)へと繋げてきた。そしてついに、その時は来た。目の前には青く輝く最北端の碑。そしてその手前には海を見つめる一人の男性の姿が。会いたかったぞ!俺はとても会いたかったぞ、なぁ間宮林蔵!念願の対面を果たし、僕の日本列島縦断の旅は静かに幕を閉じた。全くひと気のない最果ての地、宗谷岬。穏やかな波の音だけが僕の到着を祝ってくれた。最果てで感じる、飛びっきりのロマン。地果て、海始まる。大地の果てには、壮大な海が広がっていた。


1831_convert_20230301171125.jpeg
間宮林蔵  ※江戸時代後期の探検家。樺太が島である事を確認した
1829_convert_20230301171108.jpeg
日本最北端の地・宗谷岬(18:29)  ※ここに来たのは二十歳の時以来
IMG_4649_convert_20230301171612.jpg
北海道縦断ゴ~ル!  ※日本列島縦断(Run Across Japan)、これにて完結


最果ての宿、民宿宗谷岬。料金はやや割高だが、料理がとにかく素晴らしかった。メインのタコしゃぶを筆頭に、刺身(エビ、サ-モン、貝)、アメリカ産牛肉、ホタテ、スイ-ツなど、どれもとても美味しかった。お櫃のご飯は4、5杯はあり、勿論綺麗に平らげた。お代わりも勧められたが、さすがにこれだけ食べれば大満足である。本土最南端佐多岬(鹿児島)の民宿内山荘も良かったが、こちらの宿もお勧めである。
1845_convert_20230301171225.jpeg
民宿宗谷岬(18:45)
1852_convert_20230301171307.jpeg
2階客室
1851_convert_20230301171244.jpeg
トイレと洗面所
1900_convert_20230301171325.jpeg
交替制の浴室
1934_convert_20230301171521.jpeg
豪華夕食でゴ-ルを祝う(19:34)
1936_convert_20230301171540.jpeg
刺身(エビ、サ-モン、貝)、アメリカ産牛肉、ホタテ、スイ-ツなど
1933_convert_20230301171503.jpeg
名物のタコしゃぶ


民宿宗谷岬(宗谷岬)泊


Aコ-プ(薄皮チョコパン78円、パン77円、チョコモナカジャンボ116円、紀州梅おにぎり116円、ツナマヨおにぎり116円) セイコ-マ-ト(おにぎりツナマヨ108円、おにぎり海老マヨ108円、おにぎりチャ-シュ-マヨ108円) 宿(1泊夕食付き8000円、ビ-ル大瓶660円)  計9487円
スポンサーサイト



| 北海道縦断 | 17:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://gakuto2164.blog85.fc2.com/tb.php/1414-7800206b

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT