本州横断ゼロフジゼロ(7)~出たな幻覚!
2022年7月28日(木)
大会4日目
甲府~
残距離:104.5km

富士山 ※ついにビックボスが姿を現した
快活CLUBでの確実な安眠を求め、少し値の張る個室に部屋を取った。しかしこれが結果的に大失敗だった。防音の効果はほとんどなく、外の音がまる聞こえ。個室ル-ムの一画は扉を開けた先にある為、個室客が出入りする度に、ル-ムへのドア開閉音、各部屋のドア開閉音がその都度響き渡り、気になって眠りに集中出来ない。その上、個室だけドリンクバ-の飲み物が持ち込めない上に、オ-ダ-した食事ですら部屋では食べてはいけない。色々と用事を済ませ、ようやく21時、睡眠体勢に入る。しかし脚の痛み(筋肉疲労)も相まって全く寝付けず、23時、ついに眠ることを諦めた。僕自身、眠ることを諦めたのはこれで人生2度目である。個室にはもう絶対に泊まらないぞ。どうせ眠れないなら、料金も安く、多少融通の利くブ-スの方がまだマシだ。

快活CLUB甲府上河原店(1:48) ※やっぱ快活では眠れない
CP通過状況から阪田選手が後にいることは分かっていた。昨日甲府へは僕より数時間前に到着していたようだが、CP手前に宿を取っていたらしく、CP通過は僕より後ろになっていた。そんな阪田選手ともっと話したかったし、再会出来ることを楽しみにしていた。道路標識に『富士河口湖』の文字が出てきた。いよいよ富士山だな・・と思うと、妙に感慨深いものがある。そしてしばらく進んだ先、念の為グ-グルマップで現在地を確認。!!!そこで道間違いに気付く。結局先程写真を撮った道路標識で右折しなければならないところ、僕はそのまま直進してしまったのだ。若彦トンネルのことは頭になかったし、今こうして標識を眺めてみても、富士河口湖は直進だと見えなくもない。この手の紛らわしい標識はたまに見かけるが、標識を作る側はもう少しよく考えて、文字の配置を決めてほしい。

ここで右折すべきだった ※あまり深く考えず、富士河口湖は直進だと思い込んでしまった

明後日の方向へ迷走中 ※阪田選手はおそらくこの頃追い越して行った
快活での滞在は睡眠目的としては失敗に終わったが、確実に脚を休めれたことで、休憩目的にはそれなりの効果はあった。しかし夜明け前、睡魔往来。堪らず公園のベンチに横たわり、少し仮眠。ベンチは固くて寝返りも打てないが、余計な雑音はないので、確実な睡眠を求めるのであれば、ネットカフェより野宿の方が適しているのかもしれない。夜が明け、本格的に4日目がスタ-トした。一先ず目の前に延々と続くこの上り坂を片付けなければならない。どこまで続くのかさえ分からないが、これを乗り越えれば富士山の麓が待っている。ただ前日通過した選手のタイムラインを見る限り、この激坂はかなり辛そうだ。

公園のベンチで仮眠(4:43) ※快活では結局一睡も出来なかった

延々と続く上り坂

ようやく峠か(5:56)
ようやく峠まで上り詰め、以降は下り一辺倒。6:15、CP13(芦川農産物直売所おごっそう家付近、229.8km)に到着。前方を行く阪田選手が休んでいるかもと期待したが、既に形跡はなかった。富士河口湖町へと入る。日本海から富士山麗までの真夏の250kmも、いよいよ終盤へと差し掛かってきた。ふいに富士山がその勇姿を現した。本来であれば、昨日の甲府でも富士山は望めただろうし、もっと手前の町からも見えたはず。今大会は連日雨予報の冴えない天気だっただけに、こうして一瞬でも望めただけで喜ぶべきだろう。

CP13(芦川農産物直売所おごっそう家付近、229.8km)

笛吹市から富士河口湖町へ ※ともに山梨県

富士河口湖町(7:25)

モンスタ-自販機

富士山初お目見え

眠気覚ましに小休憩
目指すは、ふじやま温泉。当初甲府からゴ-ルまで徹夜で一気に進む計画でいたが、昨日の思わぬ苦戦の上に、全く想定していなかった不眠状態も加わり、一度麓で仮眠しないと山へは入れないだろうとの結論に至る。僕は富士山には一度しか登ったことがないが、山へは多く通っている方なので、山に対する甘い考えはない。夜明け前に公園で取ったほんの僅かな仮眠では当然眠さの解決にはなっておらず、徐々に睡魔は酷くなり、長いトンネルの中でついに幻覚が現れた。幻覚は以前佐渡でも見た気がするが、今回はよりリアルだった。トンネル内の歩道をフラフラと蛇行しながら歩く。これだけの歩道幅と柵があったから良かったものの、通常のトンネルだったら車に轢かれていたかもしれない。ふいに前方で何かを確認。あんなところに自転車が止まっているぞ・・。ピカピカと赤のライトを照らし、壁に身を寄せ僕の通過を待ってくれているようだ。やがて距離が縮まり、声を掛けようとした矢先、それが錯覚だと気付く。『あ~、俺疲れてるんだな・・』と、ふと我に帰った。

長いトンネル内でフラフラ蛇行 ※消火器箱がサイクリストに見えた
幻覚トンネルも無事通り抜け、富士急ハイランドまでやって来た。未曾有のコロナ禍に突入した2020年、僕は春先5本の100kmにエントリ-していた。富士五湖から始まり、野辺山、東尋坊、南砺、飛騨高山とほぼ毎週(富士五湖以外は4週連続)100kmを走る予定だった。しかしコロナでそれらは全て中止に。東尋坊や南砺の大会は中止後の対応も良かったが、それ以外、某大手W社の対応が最悪だった。以来100kmには興味もなくなり出ていない。未だに納得出来ないが、何故停めてもいないのに、高額な駐車場代が返金されないのか・・。その納得のいかない大会が富士五湖であり、その時の駐車場が富士急ハイランドだった。

富士急ハイランド
ふじやま温泉。営業時間は10時から22時まで。いっそのこと閉館時間までゆっくり休もうとも思っていた。入場料1500円を払い、早速大浴場へ。湯舟に浸かりながらの第一印象は、僕の地元高山の”ひらゆの森”に似ているなと思った。しかしこれが半分的中で、この大浴場は飛騨高山の重要文化財『日下部住宅』をモチ-フにした町屋造りとのこと。泉質も大変良く、高濃度炭酸泉、ジェットバス&寝湯、サウナ、水風呂、露天風呂など幾つも種類があった。内湯と水風呂を何度も繰り返し入り、たまに露天も組み合わせ、1時間以上浴場で過ごした。水風呂でのアイシングがとにかく気持ち良く、直後の温泉も最高。レ-スを放棄したかのようなこのリラックス具合は、何だかリタイアした選手みたいで若干の後ろめたさも感じていた。入浴後は3階の休憩所にて、アラ-ムをかけず体が求めるだけの睡眠を。何せ22時まで居る覚悟さえ出来ているので、もうどうにでもなれ状態。畳の上に寝転がると一瞬で眠りに落ちた。賑やかな団体の登場で心地良い夢空間は遮られたが、2時間熟睡出来た。仮眠時間は予定より大幅に短くなってしまったが、再び温泉と水風呂に何度か浸かり、滞在5時間半で施設を出た。ここ、すごくいい施設。出来れば甲府もスル-し、ここを宿代わりに使うのがベストだろう。

ふじやま温泉(10:24)

平日1500円(貸タオル付き)と料金は高いが、宿代わりに利用価値大

3階展望休憩室で仮眠
つづく・・

甲府~
残距離:104.5km


富士山 ※ついにビックボスが姿を現した
快活CLUBでの確実な安眠を求め、少し値の張る個室に部屋を取った。しかしこれが結果的に大失敗だった。防音の効果はほとんどなく、外の音がまる聞こえ。個室ル-ムの一画は扉を開けた先にある為、個室客が出入りする度に、ル-ムへのドア開閉音、各部屋のドア開閉音がその都度響き渡り、気になって眠りに集中出来ない。その上、個室だけドリンクバ-の飲み物が持ち込めない上に、オ-ダ-した食事ですら部屋では食べてはいけない。色々と用事を済ませ、ようやく21時、睡眠体勢に入る。しかし脚の痛み(筋肉疲労)も相まって全く寝付けず、23時、ついに眠ることを諦めた。僕自身、眠ることを諦めたのはこれで人生2度目である。個室にはもう絶対に泊まらないぞ。どうせ眠れないなら、料金も安く、多少融通の利くブ-スの方がまだマシだ。

快活CLUB甲府上河原店(1:48) ※やっぱ快活では眠れない
CP通過状況から阪田選手が後にいることは分かっていた。昨日甲府へは僕より数時間前に到着していたようだが、CP手前に宿を取っていたらしく、CP通過は僕より後ろになっていた。そんな阪田選手ともっと話したかったし、再会出来ることを楽しみにしていた。道路標識に『富士河口湖』の文字が出てきた。いよいよ富士山だな・・と思うと、妙に感慨深いものがある。そしてしばらく進んだ先、念の為グ-グルマップで現在地を確認。!!!そこで道間違いに気付く。結局先程写真を撮った道路標識で右折しなければならないところ、僕はそのまま直進してしまったのだ。若彦トンネルのことは頭になかったし、今こうして標識を眺めてみても、富士河口湖は直進だと見えなくもない。この手の紛らわしい標識はたまに見かけるが、標識を作る側はもう少しよく考えて、文字の配置を決めてほしい。

ここで右折すべきだった ※あまり深く考えず、富士河口湖は直進だと思い込んでしまった

明後日の方向へ迷走中 ※阪田選手はおそらくこの頃追い越して行った
快活での滞在は睡眠目的としては失敗に終わったが、確実に脚を休めれたことで、休憩目的にはそれなりの効果はあった。しかし夜明け前、睡魔往来。堪らず公園のベンチに横たわり、少し仮眠。ベンチは固くて寝返りも打てないが、余計な雑音はないので、確実な睡眠を求めるのであれば、ネットカフェより野宿の方が適しているのかもしれない。夜が明け、本格的に4日目がスタ-トした。一先ず目の前に延々と続くこの上り坂を片付けなければならない。どこまで続くのかさえ分からないが、これを乗り越えれば富士山の麓が待っている。ただ前日通過した選手のタイムラインを見る限り、この激坂はかなり辛そうだ。

公園のベンチで仮眠(4:43) ※快活では結局一睡も出来なかった

延々と続く上り坂

ようやく峠か(5:56)
ようやく峠まで上り詰め、以降は下り一辺倒。6:15、CP13(芦川農産物直売所おごっそう家付近、229.8km)に到着。前方を行く阪田選手が休んでいるかもと期待したが、既に形跡はなかった。富士河口湖町へと入る。日本海から富士山麗までの真夏の250kmも、いよいよ終盤へと差し掛かってきた。ふいに富士山がその勇姿を現した。本来であれば、昨日の甲府でも富士山は望めただろうし、もっと手前の町からも見えたはず。今大会は連日雨予報の冴えない天気だっただけに、こうして一瞬でも望めただけで喜ぶべきだろう。

CP13(芦川農産物直売所おごっそう家付近、229.8km)

笛吹市から富士河口湖町へ ※ともに山梨県

富士河口湖町(7:25)

モンスタ-自販機

富士山初お目見え

眠気覚ましに小休憩
目指すは、ふじやま温泉。当初甲府からゴ-ルまで徹夜で一気に進む計画でいたが、昨日の思わぬ苦戦の上に、全く想定していなかった不眠状態も加わり、一度麓で仮眠しないと山へは入れないだろうとの結論に至る。僕は富士山には一度しか登ったことがないが、山へは多く通っている方なので、山に対する甘い考えはない。夜明け前に公園で取ったほんの僅かな仮眠では当然眠さの解決にはなっておらず、徐々に睡魔は酷くなり、長いトンネルの中でついに幻覚が現れた。幻覚は以前佐渡でも見た気がするが、今回はよりリアルだった。トンネル内の歩道をフラフラと蛇行しながら歩く。これだけの歩道幅と柵があったから良かったものの、通常のトンネルだったら車に轢かれていたかもしれない。ふいに前方で何かを確認。あんなところに自転車が止まっているぞ・・。ピカピカと赤のライトを照らし、壁に身を寄せ僕の通過を待ってくれているようだ。やがて距離が縮まり、声を掛けようとした矢先、それが錯覚だと気付く。『あ~、俺疲れてるんだな・・』と、ふと我に帰った。

長いトンネル内でフラフラ蛇行 ※消火器箱がサイクリストに見えた
幻覚トンネルも無事通り抜け、富士急ハイランドまでやって来た。未曾有のコロナ禍に突入した2020年、僕は春先5本の100kmにエントリ-していた。富士五湖から始まり、野辺山、東尋坊、南砺、飛騨高山とほぼ毎週(富士五湖以外は4週連続)100kmを走る予定だった。しかしコロナでそれらは全て中止に。東尋坊や南砺の大会は中止後の対応も良かったが、それ以外、某大手W社の対応が最悪だった。以来100kmには興味もなくなり出ていない。未だに納得出来ないが、何故停めてもいないのに、高額な駐車場代が返金されないのか・・。その納得のいかない大会が富士五湖であり、その時の駐車場が富士急ハイランドだった。

富士急ハイランド
ふじやま温泉。営業時間は10時から22時まで。いっそのこと閉館時間までゆっくり休もうとも思っていた。入場料1500円を払い、早速大浴場へ。湯舟に浸かりながらの第一印象は、僕の地元高山の”ひらゆの森”に似ているなと思った。しかしこれが半分的中で、この大浴場は飛騨高山の重要文化財『日下部住宅』をモチ-フにした町屋造りとのこと。泉質も大変良く、高濃度炭酸泉、ジェットバス&寝湯、サウナ、水風呂、露天風呂など幾つも種類があった。内湯と水風呂を何度も繰り返し入り、たまに露天も組み合わせ、1時間以上浴場で過ごした。水風呂でのアイシングがとにかく気持ち良く、直後の温泉も最高。レ-スを放棄したかのようなこのリラックス具合は、何だかリタイアした選手みたいで若干の後ろめたさも感じていた。入浴後は3階の休憩所にて、アラ-ムをかけず体が求めるだけの睡眠を。何せ22時まで居る覚悟さえ出来ているので、もうどうにでもなれ状態。畳の上に寝転がると一瞬で眠りに落ちた。賑やかな団体の登場で心地良い夢空間は遮られたが、2時間熟睡出来た。仮眠時間は予定より大幅に短くなってしまったが、再び温泉と水風呂に何度か浸かり、滞在5時間半で施設を出た。ここ、すごくいい施設。出来れば甲府もスル-し、ここを宿代わりに使うのがベストだろう。

ふじやま温泉(10:24)

平日1500円(貸タオル付き)と料金は高いが、宿代わりに利用価値大

3階展望休憩室で仮眠
つづく・・
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| 本州横断ゼロフジゼロ | 18:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑