北の彼方へ~倉井選手の大挑戦

スタ-ト前の倉井選手と ※4月30日 23:52
世の中には本当に凄い人がいるものだ。東京でシャンソン歌手をしている、”CATSU”こと”倉井克幸”選手が史上稀にみる壮大な挑戦へと旅立った。どうしてもこの挑戦を直接見届けたくて、一声かけたくて、僕もこの日に合わせて下関入りした。1ヶ月(31日間)で本州往復3100㌔を走るという、俄に信じ難いビックチャレンジ。僕が初めてウルトラマラソン(能登珠洲102㌔)に出場した2015年秋、倉井選手は全身緑のカトルス星人に扮し、友人の”にしおかすみこ”さんとスタ-ト直前の舞台に上がっていた。そしてその6年後、東京五輪を記念して行われた本州縦断一斉レ-スで、実力こそ雲泥の差はあるものの、共に下関のゴ-ルを目指して走らせてもらった。
スタ-ト前23時40分、僕は駅前のホテルを抜け出し、下関駅に着いた。1階、2階、1階と順に探すが、これだけの挑戦だと言うのに、それらしき雰囲気がない。賑やかなスタ-トを想像していただけに、もうスタ-トしてしまったのかと少し冷やりとしながら、椅子に腰かけ、無人の下関駅2階出口先で呆然と待っていた。やがて倉井選手が広島のご友人と姿を現す。既にスタ-トまで10分を切っている。他愛もない話を交わし、緊張の時間は刻一刻と迫ってくる。
倉井選手に対して驚くことは多い。昨年の本州縦断の際も、倉井選手が軽く放った一言に僕は出鼻を弾かれた。『疲れは想定していない・・』、僕の中で生涯記憶に残る衝撃的なフレ-ズだ。普通、これから1550㌔を走ろうという人が言うセリフではない。そしてこの5月の本州往復に挑むにあたり、倉井選手は練習で4月に1000㌔も走っていた。そんなことをしたら余計疲れが溜まるだろうと僕のような凡人は思うのだが、倉井選手の中では既に4月から闘いは始まっていた。そんな化け物倉井選手の足下は、そこらへんの安物サンダル。普段はワ-クマンで買うが、今回は流通センタ-で4足用意したらしい。倉井選手曰く、1足で2000㌔は走れるそうだ。

余裕感さえ漂っている ※足下は安物のサンダル
1ヶ月毎日欠かさず100㌔走るだけでも充分凄いのに、倉井選手は先ずは往路の記録(2021年、飯野航選手、335時間42分)更新を狙っている。これはレジェンド林原選手に、『往路記録も目指さなければ男じゃない!』とハッパをかけられたらしい。先ず初日に180㌔、2日目に140㌔、そして3日目以降は120㌔ペ-スで進むとのこと。口から出ることの全てが驚き


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| 本州往復応援 | 13:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑