本州縦断フットレ-スR8ステ-ジ(10)~雨
2020年9月25日(大会7日目)
福井~敦賀
朝5:15頃、ホテルを出る。予報通り外は雨。左足が痛過ぎて立っているだけでも激痛が走る。しかしそんな弱音を吐いても現実は変わらないので、足を引きずりながら我慢してスタ-トを切った。今日も辛い一日になりそうだ。僕が昨夜泊まっていたホテルは福井駅の真裏にあり、昨日通った駅前へは戻らず、今日はそのまま裏手の道を進むことにした。信号機のある大きな交差点で左折し、やがて川を渡る。そしてその次の交差点に差し掛かった頃、突如心配になって地図を見る。嫌な予感は的中し、やはり全く違う方向へと進んでいた。福井駅は東西に対して斜めに建っている為、結局はこれが間違った思い込みの要因となった。駅前の道であれば左(西)へと進み、やがて大きな交差点で左折(南下)すれば正規ル-トに出る。しかしこの時の僕はそこまで深くは考えず、それと同じ要領で駅裏の道を右(西のつもり)に進み、やがて大きな交差点で左折(南下のつもり)していた。その結果、僕は90度間違った方向へと進むことになる。我ながら馬鹿だった。この足のくそ痛い中、往復で1.4㌔無駄に費やし、時間も大幅にロス。このダメ-ジはかなり堪えた。

予報通り朝から雨
ホテルを出てから既に2時間以上が経過し、僕は鯖江市内へと入っていた。当初の計画では昨日のゴ-ルがこの鯖江のはずだった。コンビニで朝食休憩を取りがてら、マサさんに電話を入れる。今日はとても有り難いことに、福井県在住の友人マサさんが併走してくれることになっている。どこに居るのか分からないマサさんと擦れ違わないよう、この辺りから何度か頻繁に電話を入れ、僕の現在地を伝えておく。そしてその先のス-パ-の軒先で、雨宿りしながら佇むマサさんを無事発見した。そこは、ワイプラザ・グルメ館(東鯖江店)という大きなス-パ-だった。マサさんからしてみれば、いつ僕が通り過ぎるのか分からないので、トイレに行きたくてもその軒先を安易に離れる訳にはいかなかったことだろう。そう考えると、何だかとても申し訳なく思った。何はともあれ、今こうして無事合流することが出来、これから一緒に本日のゴ-ルとなる敦賀を目指す。

ファミマで朝食
マサさんとの出会いは2012年開催の第1回飛騨高山ウルトラマラソンまで遡る。僕は2015年から走り始めたので、この時はまだランナ-ではなかった。この記念すべき地元開催(当時のゴ-ル地点が近所)の大会が気になったので、直接大会本部に申し込みボランティアとして参加した。そこで同じくボランティアをしていたのがマサさんであり、駐車場係やゴ-ル係などを通じ他愛もない話をしながら同じ時を過ごした。それから3年が経ち、僕はランナ-になっていた。そしていつしかマサさんは思い出したように僕のブログを訪問してくれ、そこに貼り付けてあったジョグノ-トをたまたま見つけ、連絡をしてきてくれたのだ。それ以来、”ジョグノ-ト”で4、5年、後継の”ジョグのねっとわ-く”では現在までの1年弱、唯一のお友達として日々練習の励みとさせてもらっている。
雨のランニング
主催者による正規ル-トはこの辺り国道8号線を通ることになっているが、実際のとこCP(チェックポイント)さえ確実に通過しておけば、必ずしもそのル-トに従う必要はない。ここは地元民であるマサさんのアドバイスを受け、河川敷へと向かった。交通量が多く走り難いR8とは違い、河川敷の道はとても走り易かった。マサさんがいつも走っている”赤道”という呼び名の由来も分かったが、なるほど確かに道が赤かった。正規ル-トはその後国道365号線へと移るが、ここでもル-トから外れ、住宅街にある裏道を通る。365号・・。どこかで聞いたことがある響きだと思っていたが、妻の実家(三重県菰野町)の前の道が確か365号だった。国道のように裏道には当然コンビニ等の店はないが、その分大変走り易く、車に対するストレスは感じずに済む。ただこの裏道のナビゲ-ションは全てマサさん任せだったので、本番同じ道を辿ろうと思っても、おそらく僕には思い出せない。そしてR365の大きな膨らみをショ-トカットするようにトンネルを抜ける。せめてこの近道くらいは、本番でも是非利用したい。

国道から外れ、しばしショ-トカット
今日は朝からひたすら雨に打たれているので、少し肌寒く感じていた。僕はこのR8に合せて新調したモンベルのレインを着ているのでまだマシだったが(この日初めて着用)、マサさんはゴミ袋を切って羽織っているだけなので、とても寒そうに見えた。そんな頃、左手に蕎麦の店が出てきた。”越前そば”という呼び名は聞いたことがあったが、マサさんによると”今庄そば”も有名らしい。今回のR8は各地のグルメ巡りも兼ねているので、迷わず入ってみることに。これまで自分の意思で蕎麦屋に入ったのは、20代半ばの頃、木曽福島の蕎麦屋を家族で訪れたのが唯一となる(とても美味しかった)。蕎麦は美味しくて好物ではあるが、普段僕が蕎麦屋に入ることはまずない。何故なら、値段が高い割には量が少ないというイメ-ジが僕の中に根付いているからだ。『年相応』という言葉は僕には当てはまらず、この歳(47歳)になっても未だ、食べ盛りの高校生のように質よりも量を重視している。店内に入り温かいお茶を何杯か頂くと、体が芯から温まってきた。二人とも『ミニ天丼セット』を注文。蕎麦はとても美味しかったが、量が思った以上に少なかった。対してミニ天丼は予想外に大きかったが、天婦羅は揚げたてでなかったのか、熱々でなく微妙に固かった。

ほっと今庄 おばちゃんの店

おしながき

ミニ天丼セット(1250円)

おそしそば(温) ※地元南越前町産そば粉を使用

ミニ天丼
蕎麦屋での食事休憩で適度に体も休まり、気を取り直して再び雨のロ-ドへと向かう。これから峠を目指し長い上り坂が続く。ふと、隣を走るマサさんが何やら一言呟いた。どうやら行く先に停まっている車の女性はマサさんのお友達らしい。偶然そこに居ただけかと思いきや、僕らが今日この辺りを走ることを知っていて、ずっと待っていてくれたようだ。降りしきる雨の中、後部荷台のドアを開け、雨宿りをしながら温かいおしるこを1杯頂く。その甘さや温かさは、疲れた体や心を癒してくれた。普段僕は週末の長距離走や夏場の日帰り山行などに行く際、大概妻が握ってくれたおにぎりを持っていく。おにぎりくらいコンビニでも買えるが、やはり手作りに勝るものはない。手作りのおにぎりには作ってくれた人の思いがたっぷり詰まっており、実際僕はいつもそれを感じながら、感謝して食べている。そして作り手の思いを受け、もう少し頑張らなければ・・、無事帰らなければ・・という気力も湧く。そして今回頂いたおしるこも正にそうだった。こんな雨の中長時間待っていたんだろうな・・、きっと朝から頑張って作ってくれたんだろうな・・。そういう情景が頭に浮かぶだけに、単におしるこ1杯では言い表せない、目に見えない有り難さを感じた。

肌寒かったので、いい具合に体も温まった
おしるこパワ-のおかげで、その後の長い坂道を僕は全て走り切った。ここまでの自分の走りを考えれば、明らかにそれは奇跡としか言いようがない。木ノ芽峠トンネルを抜け、敦賀市へと入る。ここで終わりならばいいのだが、今日はここからが長かった。峠以降、後は敦賀市内に向けて、坂道を惰性で下るだけでいいと思っていた。胸元に差し込んでいる地図を市内拡大版に切り替え、その地図の右端に示されていた北陸自動車道の高架下を目指す。やがて、それらしきを越えた。これでようやく敦賀市内に入ったものかと安堵したが、何だか様子がおかしい。その先幾ら進んでも風景に変化はなく、一向に町に入った気がしない。敦賀駅に近付いたとなれば、それなりの町並みがあってもおかしくはない。その後、再び高架下を通過。『そうか、こっちだったのか!』と先程の早とちりを反省したが、ここでもその後の風景に変化はなかった。次第に精神的にも追い込まれ、刻々と時間ばかりが過ぎていく。

敦賀市(15:42)

道端で出会った越前ガニ
それでも根気良く進み続け、今度こそ地図上で示している高架下を通過。結局この紛らわしい勘違いの要因は、今見ている市内拡大版の地図と、その前に見ていた広域地図との間に、僕の持っていないもう1枚の地図があったのだ。ようやく敦賀駅に到着。敦賀には以前に一度だけ来たことがある。妻は敦賀女子短大(学長は瀬戸内寂聴さん)の卒業生で、その同窓会に参加する為、三重(妻の実家)への帰省がてら遠回りして寄ったことがある。先程マサさんに教わり、バス停の表示に銀河鉄道999の絵が描いてあることを知ったが、敦賀駅には音楽の流れる立派なブロンズ像が設置してあった。どうやらこれは1999年に敦賀港開港100周年を記念して作られたものらしく、宇宙戦艦ヤマトのブロンズ像が12体、銀河鉄道999のブロンズ像が18体、敦賀駅から気比神宮までのシンボルロードに設置されているようだ。
敦賀駅の銀河鉄道999 ※ゴダイゴの歌が流れる

メ-テルと星野鉄郎

CPを目指す
敦賀駅からCPまでは1.9㌔離れている。既に日は暮れているが、市街地なので最低限の明かりは確保されており、ヘッドライトを出すまでもない。マサさんの仕事のこと等訊きながら、国道8号線を歩いて南下。精神的にゆとりが生まれたからか、最後のウイニングロ-ドで気が高ぶっていたからか、この区間の会話を僕は一番よく覚えている。そして18:25、敦賀市街地にある岡山1丁目交差点(CP19、432.9㌔地点)に到着。この時は何も知らなかったのだが、この交差点は4連おにぎりとして有名な場所らしい。確かにこんなにも道路標識が並ぶ交差点は僕も見たことがないので、本番では是非生で見ておきたい。マサさんと握手をし、記念写真を撮り、互いの健闘を称え合う。昨日の時点で覚悟はしていたが、結局今日は終日雨が降り続いていた。そんな最悪のコンディションの中、鯖江から49.7㌔もの長い間、10時間にも亘りマサさんは僕に付き合ってくれた。

CP19・岡山1丁目交差点(18:25) ※スタ-トして432.9㌔地点

マサさんとはここでお別れ(18:25) ※今日は本当に有難うございました!
さて、今宵のホテルはα1。しかしここからまだ2.5㌔程離れており、ゴ-ルを喜ぶのはまだ早い。一先ず通りがかりの吉野家に入り夕食とする。僕は普段すき家で並丼を食べることが多いが、腹一杯食べたい時は断然吉野家の方がいいだろう。お金さえ払えば当然どこでだって満腹にはなるが、吉野家では定食を頼むと追加料金なしでご飯が死ぬ程食える。箸を動かしながらぼんやりと地図を眺め、ふと凄い発見
をした。どうやら僕が今居る吉野家の隣にも、何故かα1があるらしい。まさかと思い外を眺めてみたら、確かにα1があった。先程ホテルの前を通りかかっていたが、下ばかり見ていたからか全く気が付かなかった。明らかに僕が予約した”アルファ-ワン敦賀”ではないような気はしたが、同じα1なら融通を効かせてもらえるかもと、半分ダメもとで出向いてみる。
牛皿・豚生姜焼き定食(734円) ※ご飯増量無料、ご飯お代わり無料
結局こちらのホテルは”アルファ-ワン敦賀バイパス”ということで、最初からここの存在を知っていたら、わざわざル-トから遠く離れた”アルファ-ワン敦賀”の方は当然予約していなかった。麻痺していた足の痛みは夕食休憩により完全に元に戻り、痛過ぎて歩くことすらかなり苦痛だ。こんな状態では数㌔先のホテル(アルファ-ワン敦賀)まで行くのは至難の業だし、ル-トから外れている為、明日の朝再び1㌔以上余計に歩かされるのも心底嫌だった。早速受付けにて、ホテルを変えてもらえないか?と申し出る。そして受付け女性が別室で上司と相談した結果、予約していたアルファ-ワン敦賀は無料でキャンセルしてもらうことが出来たが、敦賀バイパスの宿泊についてはネット予約でない分、1000円程高くなった。しかしこの足の痛い中、この後2.5㌔も歩かなければならないことを考えれば、充分安い金額だった。

アルファ-ワン敦賀バイパス(19:41) ※1泊4355円(GoToトラベルの割引適用)

夜の楽しみ
走行距離:56.6㌔(総距離432.9㌔) ※実際66.6㌔
行動時間:13時間10分
天候:雨
ファミマ(ジャンボフランク154円、おにぎり梅115円) グルメ館(おにぎりツナ、明太子、梅108円×3、テ-ピングテ-プ110円) おばちゃんの店(ミニ天丼セット1250円) ロ-ソン(ウインナ-&カレ-パン140円) 吉野屋(牛皿・豚生姜焼き定食734円) アルファ-ワン敦賀バイパス(1泊素泊まり4355円) セブンイレブン(第3ビ-ル206円×2、ザバス167円) 計7760円
福井~敦賀
朝5:15頃、ホテルを出る。予報通り外は雨。左足が痛過ぎて立っているだけでも激痛が走る。しかしそんな弱音を吐いても現実は変わらないので、足を引きずりながら我慢してスタ-トを切った。今日も辛い一日になりそうだ。僕が昨夜泊まっていたホテルは福井駅の真裏にあり、昨日通った駅前へは戻らず、今日はそのまま裏手の道を進むことにした。信号機のある大きな交差点で左折し、やがて川を渡る。そしてその次の交差点に差し掛かった頃、突如心配になって地図を見る。嫌な予感は的中し、やはり全く違う方向へと進んでいた。福井駅は東西に対して斜めに建っている為、結局はこれが間違った思い込みの要因となった。駅前の道であれば左(西)へと進み、やがて大きな交差点で左折(南下)すれば正規ル-トに出る。しかしこの時の僕はそこまで深くは考えず、それと同じ要領で駅裏の道を右(西のつもり)に進み、やがて大きな交差点で左折(南下のつもり)していた。その結果、僕は90度間違った方向へと進むことになる。我ながら馬鹿だった。この足のくそ痛い中、往復で1.4㌔無駄に費やし、時間も大幅にロス。このダメ-ジはかなり堪えた。

予報通り朝から雨
ホテルを出てから既に2時間以上が経過し、僕は鯖江市内へと入っていた。当初の計画では昨日のゴ-ルがこの鯖江のはずだった。コンビニで朝食休憩を取りがてら、マサさんに電話を入れる。今日はとても有り難いことに、福井県在住の友人マサさんが併走してくれることになっている。どこに居るのか分からないマサさんと擦れ違わないよう、この辺りから何度か頻繁に電話を入れ、僕の現在地を伝えておく。そしてその先のス-パ-の軒先で、雨宿りしながら佇むマサさんを無事発見した。そこは、ワイプラザ・グルメ館(東鯖江店)という大きなス-パ-だった。マサさんからしてみれば、いつ僕が通り過ぎるのか分からないので、トイレに行きたくてもその軒先を安易に離れる訳にはいかなかったことだろう。そう考えると、何だかとても申し訳なく思った。何はともあれ、今こうして無事合流することが出来、これから一緒に本日のゴ-ルとなる敦賀を目指す。

ファミマで朝食
マサさんとの出会いは2012年開催の第1回飛騨高山ウルトラマラソンまで遡る。僕は2015年から走り始めたので、この時はまだランナ-ではなかった。この記念すべき地元開催(当時のゴ-ル地点が近所)の大会が気になったので、直接大会本部に申し込みボランティアとして参加した。そこで同じくボランティアをしていたのがマサさんであり、駐車場係やゴ-ル係などを通じ他愛もない話をしながら同じ時を過ごした。それから3年が経ち、僕はランナ-になっていた。そしていつしかマサさんは思い出したように僕のブログを訪問してくれ、そこに貼り付けてあったジョグノ-トをたまたま見つけ、連絡をしてきてくれたのだ。それ以来、”ジョグノ-ト”で4、5年、後継の”ジョグのねっとわ-く”では現在までの1年弱、唯一のお友達として日々練習の励みとさせてもらっている。
雨のランニング
主催者による正規ル-トはこの辺り国道8号線を通ることになっているが、実際のとこCP(チェックポイント)さえ確実に通過しておけば、必ずしもそのル-トに従う必要はない。ここは地元民であるマサさんのアドバイスを受け、河川敷へと向かった。交通量が多く走り難いR8とは違い、河川敷の道はとても走り易かった。マサさんがいつも走っている”赤道”という呼び名の由来も分かったが、なるほど確かに道が赤かった。正規ル-トはその後国道365号線へと移るが、ここでもル-トから外れ、住宅街にある裏道を通る。365号・・。どこかで聞いたことがある響きだと思っていたが、妻の実家(三重県菰野町)の前の道が確か365号だった。国道のように裏道には当然コンビニ等の店はないが、その分大変走り易く、車に対するストレスは感じずに済む。ただこの裏道のナビゲ-ションは全てマサさん任せだったので、本番同じ道を辿ろうと思っても、おそらく僕には思い出せない。そしてR365の大きな膨らみをショ-トカットするようにトンネルを抜ける。せめてこの近道くらいは、本番でも是非利用したい。

国道から外れ、しばしショ-トカット
今日は朝からひたすら雨に打たれているので、少し肌寒く感じていた。僕はこのR8に合せて新調したモンベルのレインを着ているのでまだマシだったが(この日初めて着用)、マサさんはゴミ袋を切って羽織っているだけなので、とても寒そうに見えた。そんな頃、左手に蕎麦の店が出てきた。”越前そば”という呼び名は聞いたことがあったが、マサさんによると”今庄そば”も有名らしい。今回のR8は各地のグルメ巡りも兼ねているので、迷わず入ってみることに。これまで自分の意思で蕎麦屋に入ったのは、20代半ばの頃、木曽福島の蕎麦屋を家族で訪れたのが唯一となる(とても美味しかった)。蕎麦は美味しくて好物ではあるが、普段僕が蕎麦屋に入ることはまずない。何故なら、値段が高い割には量が少ないというイメ-ジが僕の中に根付いているからだ。『年相応』という言葉は僕には当てはまらず、この歳(47歳)になっても未だ、食べ盛りの高校生のように質よりも量を重視している。店内に入り温かいお茶を何杯か頂くと、体が芯から温まってきた。二人とも『ミニ天丼セット』を注文。蕎麦はとても美味しかったが、量が思った以上に少なかった。対してミニ天丼は予想外に大きかったが、天婦羅は揚げたてでなかったのか、熱々でなく微妙に固かった。

ほっと今庄 おばちゃんの店

おしながき

ミニ天丼セット(1250円)

おそしそば(温) ※地元南越前町産そば粉を使用

ミニ天丼
蕎麦屋での食事休憩で適度に体も休まり、気を取り直して再び雨のロ-ドへと向かう。これから峠を目指し長い上り坂が続く。ふと、隣を走るマサさんが何やら一言呟いた。どうやら行く先に停まっている車の女性はマサさんのお友達らしい。偶然そこに居ただけかと思いきや、僕らが今日この辺りを走ることを知っていて、ずっと待っていてくれたようだ。降りしきる雨の中、後部荷台のドアを開け、雨宿りをしながら温かいおしるこを1杯頂く。その甘さや温かさは、疲れた体や心を癒してくれた。普段僕は週末の長距離走や夏場の日帰り山行などに行く際、大概妻が握ってくれたおにぎりを持っていく。おにぎりくらいコンビニでも買えるが、やはり手作りに勝るものはない。手作りのおにぎりには作ってくれた人の思いがたっぷり詰まっており、実際僕はいつもそれを感じながら、感謝して食べている。そして作り手の思いを受け、もう少し頑張らなければ・・、無事帰らなければ・・という気力も湧く。そして今回頂いたおしるこも正にそうだった。こんな雨の中長時間待っていたんだろうな・・、きっと朝から頑張って作ってくれたんだろうな・・。そういう情景が頭に浮かぶだけに、単におしるこ1杯では言い表せない、目に見えない有り難さを感じた。

肌寒かったので、いい具合に体も温まった
おしるこパワ-のおかげで、その後の長い坂道を僕は全て走り切った。ここまでの自分の走りを考えれば、明らかにそれは奇跡としか言いようがない。木ノ芽峠トンネルを抜け、敦賀市へと入る。ここで終わりならばいいのだが、今日はここからが長かった。峠以降、後は敦賀市内に向けて、坂道を惰性で下るだけでいいと思っていた。胸元に差し込んでいる地図を市内拡大版に切り替え、その地図の右端に示されていた北陸自動車道の高架下を目指す。やがて、それらしきを越えた。これでようやく敦賀市内に入ったものかと安堵したが、何だか様子がおかしい。その先幾ら進んでも風景に変化はなく、一向に町に入った気がしない。敦賀駅に近付いたとなれば、それなりの町並みがあってもおかしくはない。その後、再び高架下を通過。『そうか、こっちだったのか!』と先程の早とちりを反省したが、ここでもその後の風景に変化はなかった。次第に精神的にも追い込まれ、刻々と時間ばかりが過ぎていく。

敦賀市(15:42)

道端で出会った越前ガニ
それでも根気良く進み続け、今度こそ地図上で示している高架下を通過。結局この紛らわしい勘違いの要因は、今見ている市内拡大版の地図と、その前に見ていた広域地図との間に、僕の持っていないもう1枚の地図があったのだ。ようやく敦賀駅に到着。敦賀には以前に一度だけ来たことがある。妻は敦賀女子短大(学長は瀬戸内寂聴さん)の卒業生で、その同窓会に参加する為、三重(妻の実家)への帰省がてら遠回りして寄ったことがある。先程マサさんに教わり、バス停の表示に銀河鉄道999の絵が描いてあることを知ったが、敦賀駅には音楽の流れる立派なブロンズ像が設置してあった。どうやらこれは1999年に敦賀港開港100周年を記念して作られたものらしく、宇宙戦艦ヤマトのブロンズ像が12体、銀河鉄道999のブロンズ像が18体、敦賀駅から気比神宮までのシンボルロードに設置されているようだ。
敦賀駅の銀河鉄道999 ※ゴダイゴの歌が流れる

メ-テルと星野鉄郎

CPを目指す
敦賀駅からCPまでは1.9㌔離れている。既に日は暮れているが、市街地なので最低限の明かりは確保されており、ヘッドライトを出すまでもない。マサさんの仕事のこと等訊きながら、国道8号線を歩いて南下。精神的にゆとりが生まれたからか、最後のウイニングロ-ドで気が高ぶっていたからか、この区間の会話を僕は一番よく覚えている。そして18:25、敦賀市街地にある岡山1丁目交差点(CP19、432.9㌔地点)に到着。この時は何も知らなかったのだが、この交差点は4連おにぎりとして有名な場所らしい。確かにこんなにも道路標識が並ぶ交差点は僕も見たことがないので、本番では是非生で見ておきたい。マサさんと握手をし、記念写真を撮り、互いの健闘を称え合う。昨日の時点で覚悟はしていたが、結局今日は終日雨が降り続いていた。そんな最悪のコンディションの中、鯖江から49.7㌔もの長い間、10時間にも亘りマサさんは僕に付き合ってくれた。

CP19・岡山1丁目交差点(18:25) ※スタ-トして432.9㌔地点

マサさんとはここでお別れ(18:25) ※今日は本当に有難うございました!
さて、今宵のホテルはα1。しかしここからまだ2.5㌔程離れており、ゴ-ルを喜ぶのはまだ早い。一先ず通りがかりの吉野家に入り夕食とする。僕は普段すき家で並丼を食べることが多いが、腹一杯食べたい時は断然吉野家の方がいいだろう。お金さえ払えば当然どこでだって満腹にはなるが、吉野家では定食を頼むと追加料金なしでご飯が死ぬ程食える。箸を動かしながらぼんやりと地図を眺め、ふと凄い発見


牛皿・豚生姜焼き定食(734円) ※ご飯増量無料、ご飯お代わり無料
結局こちらのホテルは”アルファ-ワン敦賀バイパス”ということで、最初からここの存在を知っていたら、わざわざル-トから遠く離れた”アルファ-ワン敦賀”の方は当然予約していなかった。麻痺していた足の痛みは夕食休憩により完全に元に戻り、痛過ぎて歩くことすらかなり苦痛だ。こんな状態では数㌔先のホテル(アルファ-ワン敦賀)まで行くのは至難の業だし、ル-トから外れている為、明日の朝再び1㌔以上余計に歩かされるのも心底嫌だった。早速受付けにて、ホテルを変えてもらえないか?と申し出る。そして受付け女性が別室で上司と相談した結果、予約していたアルファ-ワン敦賀は無料でキャンセルしてもらうことが出来たが、敦賀バイパスの宿泊についてはネット予約でない分、1000円程高くなった。しかしこの足の痛い中、この後2.5㌔も歩かなければならないことを考えれば、充分安い金額だった。

アルファ-ワン敦賀バイパス(19:41) ※1泊4355円(GoToトラベルの割引適用)

夜の楽しみ
走行距離:56.6㌔(総距離432.9㌔) ※実際66.6㌔
行動時間:13時間10分
天候:雨
ファミマ(ジャンボフランク154円、おにぎり梅115円) グルメ館(おにぎりツナ、明太子、梅108円×3、テ-ピングテ-プ110円) おばちゃんの店(ミニ天丼セット1250円) ロ-ソン(ウインナ-&カレ-パン140円) 吉野屋(牛皿・豚生姜焼き定食734円) アルファ-ワン敦賀バイパス(1泊素泊まり4355円) セブンイレブン(第3ビ-ル206円×2、ザバス167円) 計7760円
スポンサーサイト
| 本州縦断レ-ス2021 | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑