焼岳周回と福地山(2)~温泉と卵

平湯民俗館 ※ジャ-ニ-らしくなってきた
・・前回の続き
焼岳山頂で雲上の景色を充分に満喫し、いざ下山へとかかる。山頂で寛ぐ登山者も多かれど、中ノ湯方面からは未だに多くの登山者が山頂目掛けて登ってくる。確かに焼岳はいい山だと思うし、人気があるのも頷ける。我が子の初めての本格登山は大概が焼岳で、だいたい年中か年長で連れてくる。地元の山ということで何かと都合が良く、少ない苦労に対して得るものが大きい。景色も大変素晴らしく、何よりこの硫黄臭が堪らない。転ばないよう慎重に足を運び、小走りで登山道を駆け下りる。先頭は僕、後ろに波ちゃん。先程までの登りとは違い、下りではピッタリと僕の後ろにつけていた。足の置き場に集中し、脇目を振っているゆとりはない。そんな中、僕がウドの話をした途端、波ちゃんは登山道脇の草むらからウドを一瞬で見つけた。よく余所見をしながら走れるなとも思ったが、完全に彼女は目はウド慣れしている。山菜採りは結局は知識と目の慣れ、その2点に尽きる。

焼岳の噴煙 ※年々迫力がなくなりつつある

合流広場 ※中ノ湯、新中ノ湯分岐

新中ノ湯登山口

要注意
新中ノ湯登山口へと無事下山。登山口の駐車場には他県ナンバ-の車がぎっしりと並び、まるでハイシ-ズン最中のようだった。ここからはスマホで音楽を流す。僕は通夜みたいなしんみりとした空間が苦手なので、仕事中も事務所では常にインタ-ネットラジオから洋楽を流している。昨年の周回コ-スではロ-ドの上りが延々と続き、かなりしんどい思いをしたが、今回の逆回りのル-トはかなり楽。新中ノ湯登山口の標高が高いことで、安房峠までの高低差はたいしたことがなかった。この街道でもウドをよく見かけたが、既に大きく成り過ぎていて採るに至らなかった。来年はウド目当てとして、もう少し早い時期に走りに来てもいいかもしれない。程なく安房峠に到着。ここに茶屋があったことを知る人は今は少ないだろう。

国道158号線

安房峠(標高1790m) ※次回は安房山を絡めてみたい

ここからは岐阜県高山市 ※ここまでは長野県松本市
峠の地べたに腰を据え、道端に成っていたイタドリをサラダ代わりにおにぎりを食べる。イタドリとおにぎりの愛称は相変らず抜群だが、やはりマヨネ-ズが欲しい。峠を発ち、高山市へと入る。山菜を探しながら、淡々と腕を振る。テイレギも見つけたが、時期が遅いせいか辛子の味はしなかった。その時擦れ違った車からすれば、道端で何やら草を摘み、むしゃむしゃ食べる姿にさぞかし驚いたことだろう。やがて眼下に平湯の集落が見えてきた。24歳で飛騨に戻ってきた頃は、毎週のように妻と第1子を連れて奥飛騨の様々な温泉を巡っていた。ゲ-トを越え、懐かしき神の湯。今はどうなっているのだろうか。ふと、平湯民俗館にも手頃な温泉があったことを思い出す。まだ山行途中ではあるが、折角なのでサクッと立ち寄ることに。ランニング中の温泉と聞くと、入浴後走る気力が無くなりそうにも思える。しかし野辺山では100㌔の最中に3ヶ所の温泉エイドがあるし(入ったことはない)、208㌔の佐渡では約100㌔地点での入浴は実際疲労回復の効果があった。泉質は鉄分が多そうな褐色をしており、確か神の湯がこうだった。”ひらゆの森”のような湯花舞う乳白色ではなく、イメ-ジ的には濁河やひめしゃがのような御嶽山系の温泉に近い。5分か10分と時間を短く指定したことを僕は直ぐに後悔した。出来れば30分は時間を取るべきだった。

平湯民俗館

平湯の湯 ※入浴料寸志

平湯最高! ※荒神の湯(栃尾)、新穂高の湯はコロナで閉鎖中

和傘
そして焼岳の締めは温泉卵。自分の足で焼岳を登り、その目で噴煙や絶景を心ゆくまで堪能する。そして下山後にはその恵みの源泉を体全体で存分に浴び、締めは口で温泉卵を味わう。これこそが焼岳登山の完成形であり、どれか一つ欠けたとしても僕の焼岳登山は完結しない。昨年の回り方では早い時間帯に平湯を通ることになり、結果温泉卵も食べれなければ、行程中に温泉に入るという名案も浮かばない。しかし今日はここまで、とても楽しいジャ-ニ-が出来ている。僕は旅人あがりのランナ-なので、そもそも走ること自体別段好きな訳ではない。従ってフルマラソンのようなスピ-ド勝負の短距離には全く興味がないが、何百㌔、何千㌔という長い距離には浪漫を感じる。その為僕の山旅には、どこか旅的要素が自ずと含まれてくる。そして僕のジャ-ニ-に、仲間のほっしゃん、波ちゃん、タッちゃんが参加しているという構図が成り立っている。

温泉はんたい玉子 ※1個50円、塩付き
つづく・・
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| 山 | 09:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑