タツノオトシゴ(2)~天空尾根を突き進め!

これぞ、スカイランニング
・・前回の続き
南岳小屋のベンチに座り、少し休ませてもらう。補給物を摂りながら、昨夜のことを思い出し、3人でヘラヘラ声を出して笑う姿は明らかに浮いていた。先ずは南岳山頂へ。僕曰く、ここが天空尾根の始まりだ。”天空尾根”とは位山の”天空遊歩道”に対抗して僕が勝手に付けた呼称だが、これ程しっくりくる呼び方もないだろうと自負している。天空尾根を辿る(走る)なら、断然南岳から北に向かう方がいいだろう。槍を背に向けて走るのと、槍に向って走るのとでは、何せ気分の高まり感が違う。眺望の利かない日にわざわざ来る意味もないだろうし、快晴の日限定で訪れ、青空に映える槍ヶ岳目掛けて駆け抜けていきたい。今日はとても眺望がよく、遠くは富士山から、大概の山が一望出来た。来週は佐渡一周(208㌔)があるので来れないが、出来れば毎週山に登り、『先週あそこ登った』、『その前はあの山』と繋げていければ楽しいだろう。

南岳(標高3033m)

富士山

常念岳(右)

燕岳

笠ヶ岳

穂高連峰と南岳小屋
天空のスカイトレイルは、正に飛騨人だけの特権だ。長野県側は自家用車の入れない上高地があるが故、僕ら程気軽に来ることは出来ない。この尾根より左側(西側)は高山市であり、所詮市内、別段遠い所に来たという感覚はまるでない。自宅から5時間もあればこの場所に立つことが出来るので、『ちょっと天空まで行ってくるさ!』的な軽い感覚で、思いついたように足を運んでいる。元々僕は波ちゃんにこの景色を見せてあげたかった。彼女は昨年まで飛騨の稜線を知ることなく、天空遊歩道ばかり走っていた。同じ体力をかけるなら、どう考えたってこちらの方が楽しいに決まっている。トップの写真はほっしゃんに譲ったが、僕の走る姿も珍しく様になっている。ここに来れば最高のステ-ジが約束されているだけに、結局は誰が走っても様になるのだろう。

天空尾根を突き進め! ※画像クリックで拡大

ここは3000mの稜線

中岳目指し

槍へと続く一本道
中岳への登り返しが、この区間唯一の踏ん張りどころ。先程からほっしゃんに少し高山病の気が出ている。昨夜酒を飲み過ぎたので二日酔いかとも思ったが、様子を見ながら慎重に高山帯を進む。槍まで行けば、後は標高は下がるだけだし、最悪高山病の症状が重くなれば、飛騨乗越から下ればいい。高山病の対処法は唯一標高を落とすことだ。大喰(おおばみ)岳まで来れば、槍山荘は近い。この天空尾根には3000m峰が4座連なっているが、南アルプス程アップダウンがない為、スカイランニングには最適で、その上景色も抜群に良い。そして至福のトレイルも、いよいよ終盤へと入ってきた。これで雷鳥の親子でも出てきてくれたら最高だったが、二人は天空尾根を存分に楽しんでくれただろうか。ただ二人は明日、3週間後に迫った峨山道(77㌔)に向け、天空遊歩道の30㌔コ-スを2周するのだと言う。そらまた凄いな!と距離に対しては驚いたが、結局はやっぱそっちかよ・・とも思った。

中岳(標高3084m)

焼岳

鷲羽岳(中)、水晶岳(右)

大喰岳山頂部

大喰岳(標高3101m)

岩稜帯を抜け

槍ヶ岳山荘
つづく・・
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| 山 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑