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第25回八ヶ岳野辺山高原ウルトラマラソン(4)~死闘の果てに


・・前回の続き


いよいよ終盤戦に突入し、最大の難所・馬越峠を目指している。ここを全て走り切るのは、かなり上位のランナ-くらいだろう。一昨年初めて野辺山に参加した際、この坂を走って上った挙句、峠で脚を使い切り、下りに歩くという、全く意味のないお粗末な失態をさらしてしまった。昨年はその反省も踏まえ、上りは無理して走らず、その分下りとその後の平坦で頑張って走り、その結果充分挽回出来た。そして今回、この故障したふくらはぎ的には上りと下り、どちらが負担が大きいのだろうか迷ったが、上りは前半だけ頑張って走り、中腹のエイド以降は全て早足で歩き通した。そしてようやく第5関門の馬越峠(79km)に到着。今年は台風の影響で前半のコ-スが大きく変わった(一番嫌な不整地の長い上りが無しになった)。そうとは知らずこの大会に参加していたが、結果的にこれが完走に向けた微かな光となっていた。そんなコ-ス変更の経緯もあって、今年はこの峠がコ-ス最高地点(標高1620m)となる。ところで先程からリタイヤするランナ-を何人か見てきた。僕と同じように片脚を引きずる男性が車に乗れば、峠中腹のエイドでは胃がやられたという男性がリタイヤして椅子に座っていた。馬越峠でも一人リタイヤ者がいたが、何だかとても勿体ない気がする。後たったの20、30㌔のことなのに、時間はたっぷりあるのに、皆諦めるのが早過ぎないだろうか。
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いざ馬越峠へ
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第20エイド(馬越峠前T字路、76km)  ※峠へと向かう最後のオアシス
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第5関門(馬越峠、79km)  ※コ-ス変更により、今年はここが最高地点(標高1620m)

峠で一休みし、長い下り区間に入る。相変らず右脚は痛むが、既に何の痛みなのかよく分かっていない。立ち止まることなく一気に長い下り坂を走り終え、その後はしばらく平坦な道が続く。ここも休むことなく走り通し、目標としていた最終関門(川上村原公民館、87km)まで辿り着く。この80㌔から90㌔までの区間、峠の下りを含むということもあるが、最終関門での休憩を除くと、およそ㌔6分で走れたことになる。最終関門では、おかゆが嬉しかった。この頃になるとおにぎりやうどんのような固形物は喉を通らなくなってくる。そんな時、おかゆに梅干しを入れて食べると何杯でもいけそうだ。ただここまで来るとゴ-ルも近いので、今更の補給は必要なく、それよりは少しでも早くエイドを発ちたいところ。ふと、アサヒス-パ-ドライが目に入った。しかし残念なことに僕の直前で売り切れてしまうも、優しいエイドのお兄さんがどこからか冷えた6本パックを持ってきてくれた。ここは私設エイドではないが、お兄さん達が僕らランナ-の為に自腹でビ-ルを用意してくれたのだ。有り難くコップに半分頂き、一気に飲み干した。
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第6関門(川上村原公民館、87km)  ※閉鎖まで残り1時間10分 
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玉子がゆ
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信州うどん
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ビ-ルが美味い!  ※エイドのお兄さんの自腹

既に完走は確信しているが、出来れば13時間は切っておきたい。しかし最後の10㌔区間は上りが大半となり、やはり㌔6分で走ることは出来なかった。最終となる第25エイド(96.7km)の辺りでは、ゴ-ルのアナウンスが直ぐ近くで響いている。しかし生憎その方向には進めず、一旦ゴ-ルから離れるように遠回りしなければならない。残り5㌔を切り、いよいよカウントダウンが始まった。たった5㌔くらい休まずに走りたかったが、最後の踏ん張りが全く効かなかった。最終的に悔いが残るとすれば、この最終区間で踏ん張れなかったことくらいかな。日本一過酷な野辺山ウルトラ。通常でも厳しいというのに、今回は特に厳しかった。9㌔地点で激痛を覚え、痛みと闘った果ての91㌔先のゴ-ル。時間的に少し余裕があった為か、思った程の感動はなかった。
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第24エイド(集出荷場、92.7km)
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いよいよカウントダウンが始まる
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おかえりなさい・・  ※これ程嬉しい言葉はない
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あと4km  ※氏名入り黒ゼッケン(デカフォレスト:10回完走)が一先ず僕の目標
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あと3km  ※飛ばしたいけど、飛ばせない
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あと2km  ※走りたいけど、走れない
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あと1km  ※終にここまで来た
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死闘の果てに

今回の野辺山を含めこれで100㌔超を17本走ったことになるが、さすがに今回の野辺山がこれまで走った全ての中で一番辛かった。それだけに、まさか完走出来るとは夢にも思っていなかった。やはりウルトラは精神力の占める割合が大きく、諦めなければ必ずゴ-ルに辿り着ける、ということを今回改めて学んだ。それと、目指すものがあるのなら、ある程度の覚悟は必要なのだとも思った。二度と走れなくなっても構わない・・。そんな僕の覚悟を引き出す為に、神様は少し意地悪をしたのだろう。確かに”さくら道”は並みのランナ-では全く話にならないし、多少凄いランナ-でも決して太刀打ち出来ない。今回僕が受けた試練の何倍もの苦難を乗り越えてきた強者の中の強者しかその舞台に立つことは出来ない。そんなウルトラ界最高の舞台である、”さくら道国際ネイチャ-ラン”。今回こうして大きな壁を乗り越えたことで、少しだけその舞台に近付けたような気がする。
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信州そば(ネギと天かす入り)


距離:100km
時間:13時間12分32秒
順位:799位/1956人(男子) 
完走率:70.7%(1383人)

経過:0km(0:01:55)、10km(1:06:31)、20km(2:12:26)、30km(3:24:23)、40km(4:36:32)、50km(5:47:41)、60km(7:19:27)、70km(8:50:17)、80km(10:32:43)、90km(11:44:51)

ラップ:0-10(1:04:36)、10-20(1:05:55)、20-30(1:11:57)、30-40(1:12:09)、40-50(1:11:09)、50-60(1:31:46)、60-70(1:30:50)、70-80(1:42:26)、80-90(1:12:08)、90-100(1:29:36)


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完走証と完走メダル
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| 2019 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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