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湖に浮かぶ教会~中欧周遊編(10)

2018年12月29日
リュブリャ-ナ~ブレッド湖~リュブリャ-ナ~



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ブレッド湖  ※ユリアン・アルプスとブレッド城が聳える


エメラルドグリ-ンに輝く湖面に浮かんだ小さな島。
この島に建つ聖母被昇天教会は、8~9世紀に建ったものが17世紀に現在の白い塔を持つバロック様式の教会へと改築されたものである。
背後にはユリアン・アルプスの最高峰、標高2864mのトリグラフ山が映し出され、何とも神秘的な光景が創り出されている。


久々にゆっくりとした朝を迎えた。
昨夜23時にベットに入り、今朝は7時に起床。
ナナに至っては、朝9時半まで結局12時間近くぐっすり眠っていた。

起床後僕はドミの床に腰を下ろし、窓際の微かな光を頼りに、一人日記を書いていた。
部屋は未だ真っ暗で、ナナを含め3人の宿泊者はまだ眠ったままで起きる気配がない。
そんな折、突如ゆっくり部屋のドアが開き、一人の男が顔を覗かせた。
見るからに怪しいこの大男、どこか貧乏くさく、危うい風貌すら漂っている。
しかしドア付近に座っている僕と目が合ったからか、男は何も言わずドアをゆっくりと閉めた。
その後男は何を思い直したのか、再びドアを開け、偉そうに僕を部屋の外に呼び出す。
そして呟くような声で一言、『プリ-ズ、ワンユ-ロ・・』。
なんだコイツ・・、何故お前なんかに俺の大切な金をやらなきゃならんのだ。
そんな要求に乗るほど僕はお人良しではないし、冷ややかな目で追っ払った。

そもそも宿泊客の中にそんなことを言う人間がいるはずがないし、この男はホステルのドミ部屋を狙った泥棒だなと直感的に悟った。
この宿の管理人は留守がちでほとんど姿を見せないし、そのくせ玄関のドアは開いたまま。
従って表通りからの出入は自由で、泥棒に入って下さい!と言っているようなもの。
更にドミ部屋は多人数が出入りする為鍵はかけておらず、泥棒のこの上ないタ-ゲットとなっているのだ。
もし僕が寝ていたものなら、腕時計くらいは軽く盗られていただろうと思うと、何ともむかつく。
腹いせにあのクソ野郎と記念写真でも撮っておくべきだったな、と後で悔やんだ。

のんびり10時過ぎに泥棒宿をチェックアウトし、荷物を預け、一路バスタ-ミナルへと向かう。
ブレッド湖はさすがに人気の観光地らしく、期待していた11時発は満席ということで、仕方なく次便の12時発を購入。
しかしそんなに待つのは時間が勿体ないので、ダメもとで11時発の便の最後尾に並んでみる。
そして、緊張の乗車。
運転手は12時発のチケットだと気付いたようだったが、追及もなく、すんなりと乗せてくれた。
結局、途中乗車の客もいるくらいだし、その為に人数をあえて抑えていたのだろうと思った。

車内では途中、ニット帽を被ったおばさんが乗り込んできて、突然賑やかな歌を歌い始めた。
文字の書かれたプラカ-ドを掲げていたし、バスに対する抗議か、或いは物乞いかと思った。
最初は誰しも目を合わせないよう無視していたが、あまりにも同じフレ-ズを繰り返すのと、それを楽しそうに歌っているのが逆におかしくなり、皆次第に聞き入るようになっていった。
スマホで動画を撮る人も多く、僕の頭の中でもあのフレ-ズが、その後しばらく流れていた。
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バス車内の歌おばさん

バスは1時間半でブレッド湖に到着。
さすがはこの国きっての観光地だけはあり、町はとても活気があった。
人の波に流されるがまま、湖沿いの遊歩道を歩く。
犬連れが多かったから、地元の人か、車で来た国内旅行者なのだろうなと思った。

時折、樹木の間から姿を見せる神秘的な教会。
湖に浮かぶ小島には聖母被昇天教会が建ち、見る角度によって姿が変わって見える。
先程から結構歩いている気はするが、ボ-ト乗り場が一向に出てこない。
きっとこれは、皆ボ-ト乗り場を目指しているのではなく、ただ歩いて一周するつもりなのだろうと今頃になってようやく気付く。
それ以上湖畔を進むのはやめ、一旦来た道を戻ることにした。
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ブレッド湖畔を散策
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聖母被昇天教会

そして標識から登山道へと入り、崖の上に建つブレッド城へと向かう。
山中の登山道を汗を掻きながら登り切り、城へと続く階段に出た。
城からは湖や小島の眺望がとても良かったが、この時間帯、逆光と重なり、写真撮影が上手くいかないのが残念だった。
ブレッド湖に来るならば、ブレッド城に上るならば、是非とも午前中には来ておきたい。
城の内部には博物館があり、幾つか展示品が飾られている。
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ブレッド城へ
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ブレッド湖に浮かぶ聖母被昇天教会
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ブレッド城内へ
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博物館の展示品
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ユリアン・アルプス

城を下り、賑やかな方へと歩いていくと、そこにボ-ト乗り場があった。
当初40€かと思っていた乗船代だが、それが14€であることを後に知り、時間はないが思い切って乗ることにした。
定員20名の手漕ぎボ-トに24名乗り、ぎゅうぎゅう詰めの中、ゆっくりと水面を進む。
次第に教会が近付いてきて、先程まで横に見えていたブレッド城はいつしか後方へとその場所を変えた。
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ブレッド城
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手漕ぎボ-トで小島へ

そして30分弱かけて、ようやく島へと辿り着く。
ここでの自由時間は30分。
入場料を節約する為教会へは入らず、島をゆっくり歩いて回ることに。
島には教会以外何もないが、この国の象徴的な場所だけに、来れただけで僕は充分満足だ。
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狭い島内を自由散策

再び同じ船頭のボ-トに乗り、同じ乗客らと体を寄せ合い、本土へと戻る。
急遽小島へ向ったこともあり、時間は予定より押しており、帰りのバスのことが気がかりだった。
乗りたかった16時半発には満員で乗れず、ならばと見込んでいた次便の17時発はそもそも存在しない。
さすがに17時半発には乗れることになったが、ここへの到着が遅れ、結局出発は17:45となってしまう。
僕らは1時間以上も並んでいたので確実に乗れたが、後尾の人は並んだにも関わらず、定員オ-バ-で乗せてもらえなかった。
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教会を背に
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再び手漕ぎボ-ト

今日はこれから夜行バスに乗らなければならない。
時間が迫ってきて焦ったが、バスは飛ばしてくれたようで、19:05にはリュブリャ-ナに到着。
急いで宿へと戻り、預けていたバックを受け取り、再び急いで駅方面へと戻る。
昨年も確か似たような場面があったが、これからはもう少し早め早めの行動を心掛けなければなるまい。

そして夜8時、バスは定員丁度の乗客を乗せ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォに向けて発車した。
乗客の顔が、見るからにこれまでとは違う。
いよいよ中欧だな・・。
旅はこれからだと、僕は一層気を引き締めた。
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サラエヴォ行き夜行バス
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国境到着
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夜のイミグレ通過
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再びイミグレ
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またイミグレ  ※地理的にクロアチアを横切っている為、イミグレが多い
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他にバスはないし、乗客皆同じ行動なので安心


夜行バス(リュブリャ-ナ~サラエヴォ)泊


バス(リュブリャ-ナ~ブレッド湖6.3€×2、予約料1.5€×2) ブレッド城(大人11€、子供5€) 手漕ぎボ-ト(島往復大人14€、子供7€) バス(ブレッド湖~リュブリャ-ナ6.3€×2 ※車内購入は予約料がいらない) サラエヴォ行きバス(荷物代1.5€)  計66.7€
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