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さらば、地球の歩き方~東欧周遊編(25)

2018年1月12日
スコピエ~ギリシア・テッサロニキ



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世界遺産 テッサロニキの初期キリスト教とビザンティン様式の建造物群 (1988年登録)
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テッサロニキのシンボル ホワイト・タワ-


さらば、地球の歩き方・・。
何かと情報の誤りが多く、たまに不評の挙がる、我が国を代表する旅行本『地球の歩き方』。
しかし情報量は多く、個人旅行者にとってはこの上ない強い味方となっていることは確か。
もっとも最近は高級~中級クラスの旅行者にシフトしているのか、最低レベルを求める貧乏旅行者にはあまり役に立たない情報が多くなっているのが正直気に喰わない。

世界一周旅行者の大半がパソコンを持ち歩き、Wi-Fi環境を求めて、長い旅を続けている。
長期短期問わず旅行者の9割以上はスマホ片手に情報を探り、未だスマホを持たない僕のような時代遅れの旅人は稀な存在になりつつある。
その為、僕は未だにこの本をバイブルとして崇拝し、頼る部分はとてつもなく多い。
そして今日程、それを痛感したこともなかった。

昔、深夜特急の沢木耕太郎は、世界地図1枚だけで旅をしていたと、僕は記憶している。
全てを併せ持つ旅と、何も持たない旅・・。
旅のスタイルや意義は人それぞれだけど、確実に後者の方が苦労した分、深く心に刻まれる。
だからこそ、沢木耕太郎は旅を終えた10年後に、あんな大作を書くことが出来たのだろう。

今日僕はマケドニアからギリシアへと国境を越えた。
しかし肝心の『地球の歩き方』は国境ゲ-トを越えることなく、意に反して何故かスコピエへと逆戻りしてしまう。
そして願わずして、一切の情報を持たないギリシア旅が始まった。
世界地図すら持っていないこの悲惨な状況下、事態は深夜特急より深刻だ。
バスを降りたこの場所が、果たして一体何処なのか・・。
先ずはそこから紐解いていかなければならない。


朝6時半過ぎ、スコピエの宿をチェックアウトした。
昨晩からロビ-でパソコンをしていた香港の若者は、結局朝までロビ-にいた。
おそらくこれから寝に入るのだろうが、夜明け前にも関わらずつい先程まで、1時間以上も大声で、パソコンに向って友達に電話していた。
宿の管理人に注意されても、声のト-ンを落とすのはその時だけ。
他の宿泊客が隣の部屋で寝ていることなど、この馬鹿者は一向に気にしていない。
だから中国人は・・、なんて話になるのも無理はない。
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早朝移動
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ミレニアム十字がよく見える

バスは定刻の7時を少し回り、ようやくスコピエのバスタ-ミナルを発った。
その後は順調に走り続け、10:25、ギリシアとの国境に到着。
乗客は一斉にバスを降り、下部の荷物入れから自分の荷物を取り出し、各々国境ゲ-トへと歩いて向かう。
出入国審査は難なく終え、その先で待っているはずのバスの元へと歩み寄る。
しかし、何だか様子がおかしい。
そこで待っていたのは、何故だか見覚えのないワゴン車(ミニバス)だった。
なんだ、ここで乗り換えるのか・・。
これはたまにあるパタ-ンで、別段驚きはしない。
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国境到着  ※一旦バスを降り、各々出入国審査
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この時点ではまだ何の疑いもない
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しかし国境の先で待っていたのは見覚えのないワゴン車

咄嗟に頭の機転を利かせていたつもりでいたが、その時ナナが一言呟いた。
あれ、パンのバックは・・。
僕は瞬時に焦り、全身血の気が引くのが分かった。
そうだ、あのバックが・・。
バックの中には今日の食事になる予定でもあったパンやお菓子などが入っていた。
しかしそれくらいでは別に大した損失ではない、ただあのナイキのバックは失いたくなかった。

だが、そんなことも別にどうでもいい。
何よりこれから常に必要となる『地球の歩き方(ギリシア)』を座席に置いてきてしまったことが血の気の引いた最大の要因だった。
直ぐに事態を飲み込み、反射的に走り出す。
今手続きを終えたばかりのゲ-トを戻るように走り抜け、冷や汗を垂らしながらバスを探す。
しかしバスの姿は既にどこにも見当たらなかった。
再びゲ-トを無視して走り去り、ミニバスのドライバ-へと詰め寄る。
バスが換わるだなんて、俺は聞いていないぞ!

国境ゲ-トを無視して行き来したあの大胆な行動は、今思えばかなり危うい行動だった。
それは不法出入国の繰り返しであり、最悪ピストルで撃たれても言い訳が出来ない。
警官には当然大声で呼び止められたが、あの時の僕はとてもそれどころではなかった。
バスに直ぐ戻ってきてもらうよう・・ミニバスのドライバ-に頼んでみたが、その荷物は夕方テッサロニキのオフィスに届くから心配ないと言う。
もうこれ以上はどうしようもなく、ここは一先ず諦めて大人しく車に乗る。
赤いバックの他にガイドブックも置いてある旨、再度ドライバ-に念を押すと、電話で誰かにその旨を伝えていた。
非常に情けない話だが、『地球の歩き方』がないと、僕は旅が出来ない。
あの本は旅先での情報の全てであり、これまで歩き方なしで旅をした経験はない。

国境からテッサロニキまでは1時間程だったが、移動中は終始生きた心地がしなかった。
何か大きな過ちを犯してしまったような、反省と後悔の繰り返し。
あの本も結局は貴重品と同じ扱いをすべきだったと、今更ながらその大切さに気付かされた。
ミニバスを降りた所は、何故だか鉄道駅のようだ。
どうやら駅構内にバス会社のオフィスがある為で、そこでロスト荷物の受け取りの調整をする。
ドライバ-は荷物は今日の夕方には戻ってくると言っていたが、話は若干違っていた。
バスが再度スコピエを発ち、ここテッサロニキに到着するのは夜となり、その頃オフィスは閉まっている。
その為、明日の朝8時半に取りに来い!とカウンタ-越しの女性は言っていた。
その言葉すらどうも信用ならないが、言われる通りにするしかない。
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テッサロニキのバス会社オフィス  ※荷物は無事戻ってくるのか・・

さて困ったな、これからどうしよう・・。
窓口で簡素な町の地図を1枚もらい、取りあえず町の中心部目掛けて歩き始めるとする。
しかしこんな時に限って、外は雨。
今日は俺の誕生日なのにな・・とぼやきながら、地図だけを頼りに進んでいる。
宿はどの辺にあるのだろうか、大通りにはきっとないかもな・・。
これまで体験してきた旅の知識経験をフル動員し、勘を頼りに、とにかく何でもいいから『ホテル』の文字だけを探した。
しばらく歩き、幸いにも2軒目に訪ねたホテルが25.5€と安く、ここに泊まることにした。
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勘だけで何とか安宿は見つけた  ※トイレ・シャワ-、テレビ付き
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デモ行進

宿さえ決まってしまえば少しは肩の荷が下りたが、置かれた状況に変わりはない。
ガイドブックなしでの観光はかなり不便で、取りあえず地図に記された名所のマ-クを順に辿るしか方法がない。
しかしそこが一体何なのか、そもそもこの町の何が世界遺産で、何処を見ておくべきなのか一切知る由もない。
仕方なしに内容を知るのは後でもいいと、何も考えず写真撮影だけに専念した。
そんな不便な町歩きだったが、この町では安いホットドック屋を何軒か見つけた。
値段も手ごろで、ソ-セ-ジは大きくて美味しい。
そして何よりケチャップやマスタ-ドがかけ放題なのが僕的には嬉しかった。
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パナギア・ハルケオン教会
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ロ-マ時代のアゴラ
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アギオス・ディミトリオス教会  ※ギリシア最大の教会
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祭壇
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ホットドック(1軒目)  ※かけ放題なのが嬉しい
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ホットドック(2軒目)
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エスプレッソ(シングル)  ※ちびちび飲むのがギリシア流
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ロトンダ  ※凱旋門と並んでテッサロニキ最古の建築物
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ガレリウス皇帝の霊廟として306年に建設された
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5世紀のモザイク画
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子供にはちょっと退屈
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凱旋門
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ガレリウス皇帝の勝利を称える場面が彫られている
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コ-ヒ-バス  ※たぶん喫茶店みたいなもの
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聖ソフィア教会
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祭壇
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ス-パ-マ-ケットもギリシアらしい

一通り町の名所らしき場所を見て回り、ス-パ-マ-ケットにも寄った後、17時前に宿へと戻ってきた。
ポテトチップスをつまみにし、スコピエで買っておいた激安ワインで今日の苦労を労う。
とんだ誕生日となってしまったが、こんな旅こそが本当の旅なんだろうな、としみじみ思った。
当初はもし歩き方が戻ってこなかったら、空港にでも行き、帰国する日本人から歩き方を売ってもらおうか・・、はたまた町で日本人を探し、歩き方の必要なペ-ジを写真に撮らせてもらおうか・・と考えていた。
しかし結局、宿は無事取れたし、何とか観光も出来た。

明日の朝、バスオフィスに荷物が届いている可能性は、半々くらいだと僕は踏んでいる。
かと言って、歩き方が返ってくるのを待つ為だけに、この町に連泊するほど日程に余裕もない。
僕も半分諦めは付いているので、その時はその時だと一応覚悟はしている。
いっそのこと、歩き方なしでギリシアを回るというのも面白いかもな。
絶対にいい経験になるし、今後の自信にも繫がってくるだろう。
明日の朝、次の町へと移動する為、バスタ-ミナルへと向かう。
その時点で荷物が届いていなければ、歩き方は諦めるつもりだ。
”どうにかなるさ”の精神で、明日の運命を迎えたい。
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ホテル
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夕食は質素にバケットパンとポテチのみ
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ポテチ最高!


テッサロニキ・ホテルAPΓΩ泊-25.5€


BT使用料(50DEN×2) バケットパン(0.5€) ホットドック(0.8€×2) ホットドック(0.6€×2) エスプレッソ(0.6€) ス-パ-マ-ケット(オレンジジュ-ス1.75㍑2本で1.3€) ロトンダ入場料(1€、子供フリ-) ポストカ-ド(0.5€) バケットパン(0.5€) ス-パ-マ-ケット(ポテトチップス290㌘1.99€) 宿(25.5€)  計100DEN、34.69€
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| '18東欧周遊編 | 18:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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