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百済時代に想いを寄せて~韓国編(8)

Day7 2023年1月15日
全州~益山~全州



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大志旅日記  ※画像クリックで拡大


百済(くだら/ペクジェ)は、朝鮮半島西部及び南西部にあった古代国家。当時の朝鮮半島には百済の他に北部から満州地方にかけて高句麗(こうくり/コグリョ)が、南東部には新羅(しらぎ/シルラ)が、南部には伽耶(かや)諸国がそれぞれ存在し、朝鮮史の時代区分では三国時代と呼ばれていた。今日はそんな百済時代の遺跡を見学する為、世界遺産へと遠出する。”地球の歩き方”によるとそこまで大変そうな移動手段ではなかったが、やはり郊外の世界遺産巡りは一筋縄ではいかなかった。折角脚を延ばしたものの一向にバスが来る気配はなく、一度は世界遺産を諦めた。しかし機転全開、苦労の末、何とか道筋はつながった。宿から全州郊外のバスタ-ミナルへ、そこから益山へ、そこからクンマへ。更にはそこから王宮里遺跡へ、再びクンマへ、更には弥勒寺址へ、そして再びクンマへ、益山へ、最後に全州へと移動満載で、旅人としての能力を試される一日となった。
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高速バスタ-ミナルのコンビニで朝食
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全州市外バスタ-ミナル  ※行き先によってバスタ-ミナルが違うことを知った
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益山市内で遺跡方面のバスを待つが来る気配なし
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益山は『マスヤマ』ではなく『イクサン』と読む
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益山駅の観光案内所に出向き、運良く日本人スタッフより有益な情報を得た
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クンマでバスを待っていたが全く来そうにないので、諦めて走る
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王宮里遺跡まで直進1.5kmと近いことが判明  ※そうと知っていたら最初からバスなど待たなかった
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遺跡に着いたようだが、入口までが遠い

世界遺産 王宮里遺跡(2015年登録)。この遺跡は百済の王宮があった所で、遺跡内には王宮関連建物跡を始め、王宮里五重石塔(国宝)や金堂跡などの寺院関連遺産が残されている。1965年、崩壊を防ぐ為に行われた王宮里五重石塔の解体・補修の際には土中に埋もれていた本来の基壇が現れ、舎利荘厳具が発見された。韓国ではこれより精巧で美しい舎利荘厳具は未だ発見されておらず、銀を紙のように伸ばして金メッキした金剛経板は舎利荘厳具として出土した最初の事例となる。ここでは先ずは王宮里遺跡展示館で事前予習し、その後に遺跡を見学する順番が良いだろう。館内には日本語を話す韓国人スタッフが常駐しており、頼まなくても先方から無料ガイドを申し出てくれる。日本語パンフレットを求めると、売り物でもおかしくないような日本語ガイド本を無料でプレゼントしてくれた。
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王宮里遺跡展示館  ※遺跡を含め、全て入場無料
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韓国人スタッフによる無料の日本語ガイド  ※日本語ガイド本も無料で頂いた
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武王(在位600~641年)  ※百済第30代国王
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映像、音、光で百済時代を派手に再現
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便器型土器
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『王宮寺』銘文字瓦
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1965年、王宮里五重石塔を解体補修する際、舎利荘厳具一式が発見された
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世界遺産 王宮里遺跡(2015年登録)  ※百済(くだら)歴史遺跡地区
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王宮里五重石塔(国宝)
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日本語ガイドのおかげで良い見学が出来た  ※韓国の博物館は大概どこも親切にしてくれる
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かつてここに百済の王宮が存在した
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王宮跡や寺院跡が点在
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ガラス張りで覆われた貴重な遺構
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しかし、残念ながら当時のイメ-ジは湧かない
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入口方面には戻らず、遺跡奥から退出
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最奥にて

世界遺産 弥勒寺址(2015年登録)。弥勒寺にまつわる物語。武王と王妃が龍華山(今の弥勒山)の師子寺にいる知命法師に会いに行く時、池の中から弥勒三尊が現われた。その為、ここに寺院を建てたいと言う王妃の懇願により、池を埋め、弥勒寺を建てたのだという。2009年、石塔解体作業中に金製舎利壺や金製舎利奉迎記などの舎利荘厳具一式が発見された。そして金製舎利奉迎記に刻まれていた表裏の193字によって、弥勒寺建立の目的、発願者(武王の王后)、築造年(639年)などが確認された。弥勒寺址西塔(国宝)は韓国で最も古い石塔であり、百済武王代の建立となる。本来九重と推定されるが、六層までの部分しか現存しない。そしてここも国立益山博物館を事前に訪れるのがベストだろう。何より展示内容が素晴らしく、先程訪れた王宮里遺跡のガイド女性も、ここだけは絶対に行くよう強く勧めていた。ちなみにこの国立益山博物館についても、遺跡を含め全て入場無料となる。
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タクシ-乗車  ※クンマ~弥勒寺址(ミルクサジ)
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国立益山博物館  ※2020年に開館した韓国で13番目の国立博物館
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何だか期待出来そうな予感
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王宮里五重石塔の舎利荘厳具(国宝)  ※琉璃製舎利瓶、金製舎利内函
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同上  ※青銅製箱他
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金銅如來立像  ※王宮里遺跡五層石塔基壇部の礎石にある舎利孔に安置されていた
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鍍金銀製金剛般若波羅蜜経板
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金銅製舎利外壺と金製舎利内壺  ※弥勒寺址(ミルクサジ)石塔の舎利荘厳具
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舎利奉迎記  ※金板両面に字を彫った後に朱砂を入れ、字が鮮明に見えるようにした
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鴟尾  ※瓦屋根棟の両端に置かれる装飾用瓦
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金銅香炉  ※仏に捧げる供養物として使われた
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純金製仏座像
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金銅飾履
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見所満載の館内
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模型
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敷地内に塔が2つ
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弥勒寺址西塔(国宝)  ※韓国で最も古い石塔で、百済武王代の建立
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東塔は1992年に復元
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東塔内部
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幢竿支柱2基(手前)  ※統一新羅時代の建立
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世界遺産 弥勒寺址(2015年登録)  ※百済歴史遺跡地区

今日の世界遺産巡りも、先日訪れた高敞支石墓群同様、そこに辿り着くまでが本当に大変だった。全州から益山へは問題ないが、益山からクンマへのバス移動が分かり難くて、更にクンマから各々別方向にある遺跡へ行くのも大変だった。結果、遺跡へは便数の少ないバスは諦め、数km歩くか、最初から潔くタクシ-に乗った方が無難である。何せ韓国のタクシ-は日本のようにあからさまに高くないので利用価値はある。全州最後の夜は豪華に有名店で全州ピビンパプを食す。出来れば今夜は全州マッコリタウンに行きたかった。全州に7ヶ所あるというマッコリタウンでは、2㍑のやかんマッコリを頼むと、次々と料理がテ-ブルに運ばれてくるらしい。マッコリを浴びる程飲め、料理も存分に味わえるという、俄に信じ難いシステム。そんな全州のマッコリ文化を是非とも肌で体験したかった。しかし徒歩で行くには遠くて、バスでは難しい。ならばタクシ-で・・という案も出たが、ここでもタクシ-への拒否反応が出てしまい結局断念。全州で心残りがあるとすれば、マッコリタウンを諦めたことだろう。
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クンマで益山行きのバスを待つ
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コ-ヒ-自販機  ※量は少ないが、何より安い
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益山バスタ-ミナル  ※ここまで帰ってこればもう安心
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公園のイルミネ-ション
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ハングクチプ  ※韓屋村の入口にあるピビンパプ専門店
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メニュ-表  ※僕らには少し高い料金設定だが、名物なのでここは奮発
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全州ピビンパプ(W13000)  ※ピビンパプの王様と言われ、多くの食材が美しく盛られている
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熱々で出てくる石鍋ピビンパプも美味しい
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キムチなど6皿が付き、これらはお代わりフリ-

豪華ピビンパプを味わう
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旧市街の川向うに宿はある
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今日の日記


Wansangolgh GuestHouse(全州)泊


市バス(W1500、W700) セブン(カップ麺W1000×2) バス(全州~益山W3500、W1800) バス(益山~クンマW1500、W1000) タクシ-(クンマ~ミルクサジW4600)  タクシ-(ミルクサジ手前~クンマW4000) 自販機(コ-ヒ-W300) バス(クンマ~益山2人W2000) バス(益山~全州W3500、W1800) 商店(マッコリW1000×2、カップ麺W1000、W950) ハングクチプ(全州ピビンパプW13000×2)  計W58,150







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