北海道縦断(8)~最大の試練
2022年9月23日(金)
※5日目
石狩市~増毛町
本日距離:81km
《総距離:341km》

終日雨予報
北海道縦断5日目は、予期せぬ幕開けとなった。昨夜気持ち良くホテルのラウンジで酒類を飲んだまでは良かったが、その後部屋で飲んだウィスキ-がいけなかった。余市で飲めなかったこともあり、欲張って持ち込んだ紙コップ並々の王様ストレ-ト。それを何時間かかけ綺麗に飲み干していた。おそらく昨夜は21時には寝たと記憶している。そして本日未明目を覚まし、無意識のうちに1階の天然温泉に浸かり、ふと時計を見たらまさかの2時。今日は0時半起床の2時出発予定でいただけに、その瞬間顔は青ざめた。更にはタオルも鍵も部屋に忘れ、受付でキ-番号を教わる始末。奇跡的に2時に起きれたからまだ救われたものの、これが朝の6、7時だったなら、今回の縦断はここでジエンドとなっていた。急いで支度し、予定より1時間半遅れの3時半に宿を発つ。今日は終日雨予報。二日酔いで気分は悪く、早々に睡魔にも襲われた。二日酔い、睡魔、雨。その上全く走れない。更にはこんな時に限って長丁場。北海道縦断の成功の可否は間違いなく今日にかかっている。

二日酔い、睡魔、雨の三重苦

この時間に開いているセイコ-は珍しい

いしかり川

雨が上がった時間帯もある
睡魔、二日酔い、雨の三重苦だけでなく、全く走れない状況も加えれば立派な四重苦とも言える。この上ない試練ではあるが、今日を乗り越えさえすれば、それはきっと大きな自信にもなるだろう。二日酔いは限定的なもので、時間が経つにつれ頭はすっきりしてきた。雨は一時止む場面もあったが、基本終日降っていた印象だ。予期せぬトンネル群には随分と助けられた。トンネルは閉塞感があるし、普段あまり好きではない。しかし雨の日のトンネルは何かと都合が良かった。先ず雨が凌げる。これが最大のメリットだろう。カッパの重ね着+折り畳み傘で雨に立ち向かってはいるが、どれだけ対策を講じようと雨に打たれ続けるのは精神的にかなり堪える。雨の中では休むことすら出来ないが、一旦トンネルに入ってしまえばどこでも自由に座って休める。今日は全く走る気になれず、坂道の下り以外は終始歩きに徹した。

セイコ-で一休み ※透明カッパと洗濯バサミ(カッパの帽子止め)が役に立つ

カップ麺で暖を取る

雨の行軍

連鎖するトンネル群だが

今日のトンネルは大歓迎

海を離れ、山間部へ

待望のバス小屋
朝からずっと目指し続けていた浜益に到着し、セイコ-マ-トで夕食を調達、そして夜間装備に切り替える。ここから今日の宿泊地まではまだ24kmも残っており、道中店は何もない。宿に電話を入れ、おおよその到着時刻として22時半と告げる。この時17時半で、時速5kmで進めたとして後5時間かかる計算だ。海岸沿いで日暮れを迎え、やがて夜の部へと突入。海岸沿いを進むこのル-ト上にはほぼ民家はなく、街灯すら無い区間が大半である。たまに通りかかる大型トラックに人間の温もりを感じ、不思議と愛おしさを覚えた。ただただ距離を詰めることだけに専念し、非現実的な状況に滅入ることなく、半ばやけくそで進む。闇夜に響くスマホの音楽だけが唯一心の拠り所で、僕の闘争心を絶やさず繋ぎとめてくれた。歩道の真ん中で佇むカタツムリ君。同じ境遇に友情が芽生え、モロッコで食べてしまったことに後悔を抱く。そして以前南米ボリビアで出会った凶暴な野良犬でさえ、確かにあの時は同志だった。

久々のセイコ-で夜支度 ※宿に電話し、到着時刻を告げる

間もなく日暮れ(17:42)

トランスエゾ関連の距離表示

夜の峠道

唯一の友

街灯はほとんど無い

明るい為恐怖心も薄れ、雨にも濡れないトンネル内は正に天国

中間地点かと思いきや、結局意味は同じ ※札幌から81.5km、札幌まで81.5km。実に紛らわしい
そして最後に迎えるのが長大な浜益トンネル(延長4750m)。雨を凌げ、どこでも座れ、親切に距離表示まで付いている。その上トンネル内は明るく、晴天時の日中と何ら変わらない。交通量は限りなく無いに等しいので、狭い歩道を歩かなくても、堂々と車道の中心を闊歩出来る。これが宿まで続いてくれたらどんなに嬉しいことか。しかし疲労は限界に迫り、頑張って歩いているつもりでも、傍から見たらフラフラと今にも倒れそうに見えたのかもしれない。こんな深夜の時間帯、全くひと気の無い中を歩く僕に、このトンネル内で2台、その後の車道でも2台のドライバ-が車を横に停め、心配して声を掛けてくれた。お言葉に甘えて乗せてもらいたいところなのだが、折角ここまで頑張ってきて今更乗る訳にはいかない。事情を説明し、宿泊先を告げ、いずれも有り難くお断りした。

浜益トンネル(延長4750m)


この長さ、通常なら嫌だが今日は逆に嬉しい

増毛町(22:28) ※余程弱って見えたのか、車数台から声を掛けられた

本降りが追い討ちをかける
そしてようやく丹保旅館に到着。到着時刻が更に遅れることは電話で伝えており、おそらく先程声を掛けてくれたドライバ-からもその状況が伝えられていたように思う。宿の夫妻は心配して待っていてくれ、温かく迎えてくれた。この宿に風呂やシャワ-は無く、近くの温泉施設の無料券が貰える。しかし時間的に利用は出来ず、代わりにバケツのお湯とタオル数枚があてがわれた。静まり返った館内、パンツ以外全て脱ぎ、1階の洗面台で体を拭き、石鹸で頭を洗った。素泊まりで予約していたが、ご夫人が簡単な夕食を用意してくれ、部屋まで運んでくれた。何とも嬉しき心遣い。キシキシ音を立てる廊下が年代を感じさせ、今日の辛かった出来事を振り返りながら、夜食を頂き、お茶を飲み、長い一日を終えた。1時就寝だが、3時間後には起床しなければならない。何とも忙しいが、最大の試練を乗り切ったことで、この先もゴ-ルを目指せる。

丹保旅館(23:36) ※夫妻が心配して待っていてくれた

素泊まりだが、無料夕食まで頂く(24:20)
丹保旅館(増毛町)泊
セイコ-マ-ト(ホットコ-ヒ-100円) セイコ-マ-ト(ホットコ-ヒ-100円) セイコ-マ-ト(カレ-ヌ-ドル108円) セイコ-マ-ト(ポテトチップス128円、エッグメンチロ-ル149円×2、ナポリタンロ-ル138円、ツナサラダパン138円、おにぎりツナマヨ108円、おにぎりエビマヨ108円) 宿(素泊まり4000円) 計5226円

石狩市~増毛町
本日距離:81km


終日雨予報
北海道縦断5日目は、予期せぬ幕開けとなった。昨夜気持ち良くホテルのラウンジで酒類を飲んだまでは良かったが、その後部屋で飲んだウィスキ-がいけなかった。余市で飲めなかったこともあり、欲張って持ち込んだ紙コップ並々の王様ストレ-ト。それを何時間かかけ綺麗に飲み干していた。おそらく昨夜は21時には寝たと記憶している。そして本日未明目を覚まし、無意識のうちに1階の天然温泉に浸かり、ふと時計を見たらまさかの2時。今日は0時半起床の2時出発予定でいただけに、その瞬間顔は青ざめた。更にはタオルも鍵も部屋に忘れ、受付でキ-番号を教わる始末。奇跡的に2時に起きれたからまだ救われたものの、これが朝の6、7時だったなら、今回の縦断はここでジエンドとなっていた。急いで支度し、予定より1時間半遅れの3時半に宿を発つ。今日は終日雨予報。二日酔いで気分は悪く、早々に睡魔にも襲われた。二日酔い、睡魔、雨。その上全く走れない。更にはこんな時に限って長丁場。北海道縦断の成功の可否は間違いなく今日にかかっている。

二日酔い、睡魔、雨の三重苦

この時間に開いているセイコ-は珍しい

いしかり川

雨が上がった時間帯もある
睡魔、二日酔い、雨の三重苦だけでなく、全く走れない状況も加えれば立派な四重苦とも言える。この上ない試練ではあるが、今日を乗り越えさえすれば、それはきっと大きな自信にもなるだろう。二日酔いは限定的なもので、時間が経つにつれ頭はすっきりしてきた。雨は一時止む場面もあったが、基本終日降っていた印象だ。予期せぬトンネル群には随分と助けられた。トンネルは閉塞感があるし、普段あまり好きではない。しかし雨の日のトンネルは何かと都合が良かった。先ず雨が凌げる。これが最大のメリットだろう。カッパの重ね着+折り畳み傘で雨に立ち向かってはいるが、どれだけ対策を講じようと雨に打たれ続けるのは精神的にかなり堪える。雨の中では休むことすら出来ないが、一旦トンネルに入ってしまえばどこでも自由に座って休める。今日は全く走る気になれず、坂道の下り以外は終始歩きに徹した。

セイコ-で一休み ※透明カッパと洗濯バサミ(カッパの帽子止め)が役に立つ

カップ麺で暖を取る

雨の行軍

連鎖するトンネル群だが

今日のトンネルは大歓迎

海を離れ、山間部へ

待望のバス小屋
朝からずっと目指し続けていた浜益に到着し、セイコ-マ-トで夕食を調達、そして夜間装備に切り替える。ここから今日の宿泊地まではまだ24kmも残っており、道中店は何もない。宿に電話を入れ、おおよその到着時刻として22時半と告げる。この時17時半で、時速5kmで進めたとして後5時間かかる計算だ。海岸沿いで日暮れを迎え、やがて夜の部へと突入。海岸沿いを進むこのル-ト上にはほぼ民家はなく、街灯すら無い区間が大半である。たまに通りかかる大型トラックに人間の温もりを感じ、不思議と愛おしさを覚えた。ただただ距離を詰めることだけに専念し、非現実的な状況に滅入ることなく、半ばやけくそで進む。闇夜に響くスマホの音楽だけが唯一心の拠り所で、僕の闘争心を絶やさず繋ぎとめてくれた。歩道の真ん中で佇むカタツムリ君。同じ境遇に友情が芽生え、モロッコで食べてしまったことに後悔を抱く。そして以前南米ボリビアで出会った凶暴な野良犬でさえ、確かにあの時は同志だった。

久々のセイコ-で夜支度 ※宿に電話し、到着時刻を告げる

間もなく日暮れ(17:42)

トランスエゾ関連の距離表示

夜の峠道

唯一の友

街灯はほとんど無い

明るい為恐怖心も薄れ、雨にも濡れないトンネル内は正に天国

中間地点かと思いきや、結局意味は同じ ※札幌から81.5km、札幌まで81.5km。実に紛らわしい
そして最後に迎えるのが長大な浜益トンネル(延長4750m)。雨を凌げ、どこでも座れ、親切に距離表示まで付いている。その上トンネル内は明るく、晴天時の日中と何ら変わらない。交通量は限りなく無いに等しいので、狭い歩道を歩かなくても、堂々と車道の中心を闊歩出来る。これが宿まで続いてくれたらどんなに嬉しいことか。しかし疲労は限界に迫り、頑張って歩いているつもりでも、傍から見たらフラフラと今にも倒れそうに見えたのかもしれない。こんな深夜の時間帯、全くひと気の無い中を歩く僕に、このトンネル内で2台、その後の車道でも2台のドライバ-が車を横に停め、心配して声を掛けてくれた。お言葉に甘えて乗せてもらいたいところなのだが、折角ここまで頑張ってきて今更乗る訳にはいかない。事情を説明し、宿泊先を告げ、いずれも有り難くお断りした。

浜益トンネル(延長4750m)


この長さ、通常なら嫌だが今日は逆に嬉しい

増毛町(22:28) ※余程弱って見えたのか、車数台から声を掛けられた

本降りが追い討ちをかける
そしてようやく丹保旅館に到着。到着時刻が更に遅れることは電話で伝えており、おそらく先程声を掛けてくれたドライバ-からもその状況が伝えられていたように思う。宿の夫妻は心配して待っていてくれ、温かく迎えてくれた。この宿に風呂やシャワ-は無く、近くの温泉施設の無料券が貰える。しかし時間的に利用は出来ず、代わりにバケツのお湯とタオル数枚があてがわれた。静まり返った館内、パンツ以外全て脱ぎ、1階の洗面台で体を拭き、石鹸で頭を洗った。素泊まりで予約していたが、ご夫人が簡単な夕食を用意してくれ、部屋まで運んでくれた。何とも嬉しき心遣い。キシキシ音を立てる廊下が年代を感じさせ、今日の辛かった出来事を振り返りながら、夜食を頂き、お茶を飲み、長い一日を終えた。1時就寝だが、3時間後には起床しなければならない。何とも忙しいが、最大の試練を乗り切ったことで、この先もゴ-ルを目指せる。

丹保旅館(23:36) ※夫妻が心配して待っていてくれた

素泊まりだが、無料夕食まで頂く(24:20)
丹保旅館(増毛町)泊
セイコ-マ-ト(ホットコ-ヒ-100円) セイコ-マ-ト(ホットコ-ヒ-100円) セイコ-マ-ト(カレ-ヌ-ドル108円) セイコ-マ-ト(ポテトチップス128円、エッグメンチロ-ル149円×2、ナポリタンロ-ル138円、ツナサラダパン138円、おにぎりツナマヨ108円、おにぎりエビマヨ108円) 宿(素泊まり4000円) 計5226円
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