九州縦断(11)~本土最南端、佐多岬!
・・前回の続き
伊座敷を過ぎ、R68佐多街道へと移っている。グ-グル先生がまた、気の利いた抜け道を示してくれた。大概こういった場合は強引なショ-トカットで、高低差や道路状況なんかは全く考慮されていない。最初こそ民家もありまだ良かったが、民家を抜けると次第に状況が怪しくなってきた。道は狭く、草木が多い茂っている。おそらく地元の人でも車で通る人はいないのだろうと容易に想像が付く。山の奥へ奥へと進み、これが一体どこまで続くのかさえ予測出来ない。斜度はきつく、路面は水が溢れ、とても走れるような状態ではなかった。しばらく奮闘し、やがて街道に合流。開聞岳の見え方が、いつしか大きくなっていた。海に浮かぶその様は、”圧巻”という以外、表現が見つからない。

ショ-トカットは良し悪し

幻想的な光景

開聞岳の存在感

地球をあしらった位置表示 ※さすが佐多岬、スケ-ルがデカい
いよいよゴ-ルへのカウントダウンが始まった。今日は珍しく走れているし、何より気分がいい。今日まで数日間ひたすらこの地を目指してきただけに、随所で”佐多岬”の文字を目にして、気分が高まらない訳がない。走れない訳がない。ホテル佐多岬に立ち寄る。このホテルはこの辺りで一番大きな宿泊施設であり、室数からして満室になるとは考えられないので、最悪宿がないという事態に陥る心配はない。受付にて、明日のバス時刻や乗り場について予め尋ねておく。その先キャンプ場の方へ進んでしまい行き詰まったが、強引に藪斜面を這い上がり道路に出た。ホテル佐多岬から一山越え、正真正銘本土最南端の集落へ。ここには今夜泊まる民宿がある。しかしここも通り過ぎ、更に奥の最果てを目指す。最果て・・。改めてこうして文字に起こしてみると、心に響くものがある。

本土最南端佐多岬 直進8km(15:20)

ホテル佐多岬(15:28) ※佐多岬まで7km弱。明日はここでバスに乗る

完全にもう佐多岬一色 ※今夜泊まる民宿のある最後の集落

佐多岬1km

北緯31度線モニュメント(16:35)
佐多岬公園の入口には真新しい観光案内所(9:00~17:00)が建っており、ここで最南端到達証明書をもらう。僕は最北端の”宗谷岬”と最南端の”佐多岬”しか知らなかったが、最東端の”納沙布岬”、最西端の”神崎鼻”を併せ『日本本土四極』と呼ぶらしい。宗谷岬は今年秋の北海道縦断で挑戦予定だが、どうせなら九州横断、北海道横断もいずれはやっておきたいなと思った。樹齢80年のガジュマルは見損ねたが、広い公園内を散策しながら、展望所まで辿り着いた。そして階段を上り屋上に出ると、そこに九州縦断のゴ-ルがあった。

佐多岬観光案内所(16:39) ※画像クリックで拡大

御崎神社 ※708年創建

佐多岬展望台
地果て、海始まる・・。そうここが、本土最南端、佐多岬。少し先に灯台が建っているが、危ないのでこの先は立ち入り禁止。貸し切りの展望台で最果ての景色を独り占め。やはり最果ては凄くいい。本州縦断のゴ-ルだった下関とは、まるで感じるものが違う。風がやたら強く、帽子やサングラスが吹き飛ばされないよう注意しながら、早速祝勝会を始めた。薩摩焼酎とさつま揚げ。この地で口にするものは、これ以外考えられない。芋焼酎をチビチビやりながら、家族や友人にゴール報告。あ~、なんと気分のいいことか。焼酎が最高に美味い。アルコール度数が25度と高いので、若干酔いが回ってきた。見渡す限りの大海原に間もなく陽が沈もうとしている。大抵こういう場合、日没を見送るまでは居留まるのだが、この後民宿まで4km弱走って戻らなければならないので、あまり長居は出来ない。明るいうちには宿り着いておきたいので、滞在1時間で佐多岬を後にする。

本土最南端佐多岬(16:55)

九州縦断完遂

対岸は薩摩半島最南端(開門岳)

薩摩焼酎(25度)とさつま揚げでゴールを祝う

まじウメェ! ※さすがに2本目はやめといた

屋久島、種子島も行ってみたい

日没までいたかった(17:49)
宿までの道のりはほとんどが下りだったからか、若干酔いが回っていたものの、意外と早く走り終えることが出来た。今宵の宿は、民宿内山荘。漁師が営む、釣り人に人気の宿だ。料理が一番楽しみなので、当然1泊2食付きで申し込む。先ず風呂に入らせてもらい、今日の汗を流す。入浴を終え広間に行くと、美味しそうな夕食が用意されていた。九州縦断の締めには申し分ない豪華海鮮フルコ-ス。客は僕の他に、年配男性の3人組。お互いどこかで見たことがあると思っていたが、先程佐多岬へと向かう途中、路肩で何やら採取していた方々だった。訊くところ、この方達は蟻の研究をしているらしく、後で弟にこのことを話したら、その内の1番年配の方は鹿児島大学の名誉教授で著名な昆虫学者だと教えてくれた。互いに興味津々で会話も弾み、無料の薩摩焼酎を飲みながら、最南端の夜は刻々と更けていった。

さようなら佐多岬

民宿内山荘(18:29) ※ほろ酔いの中、3.6km走ってきた

客室は昭和スタイル ※網戸がないのが難点

浴室 ※狭いがいい風呂だった

豪華夕食(ご飯は好きなだけ) ※画像クリックで拡大

海老やアワビ

刺身

味噌汁

煮物

酢の物

鹿児島焼酎 小鹿 ※たまたまなのか、無料で好きなだけ頂けた

日本本土四極 最南端到達証明書 ※佐多岬ステッカ-は有料(330円)
民宿内山荘(佐多岬)泊
なんきゅうフェリ-(山川港~根占港800円) なんたん市場(あわ飯100円×2、さつま揚げ300円) Aコ-プ佐多店(おにぎりツナ108円、豆乳98円) かみぞの酒店(小鹿25度255円) ホテル佐多岬(お守り700円、マンホ-ルステッカ-330円) 宿(1泊2食付き6500円、ビ-ル大瓶500円) 計9791円
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| 九州縦断 | 17:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑