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九州縦断(7)~日本一過酷な県境越え


・・前回の続き


いよいよ恐怖の山中区間へと足を踏み入れる。素直に国道(R3、R268)を進んでいれば、店の多い水俣市内を経由し、何の躊躇いもなく伊佐市へと向かうことが出来ただろう。しかしその国道経由だと4.2km遠回りとなる為、山中を貫くショ-トカットを僕は選んだ。これはグ-グル先生が瞬時に導き出してくれたお勧めのル-トであり、距離が近いならと僕はそれに従った。国道経由だと上り562m(下り194m)であるのに対し、山中経由だと、上り708m(下り339m)となる。どちらも大差ないように見えるし、その分距離が短くなるのなら従わない理由はない。昼も深まり、次第に暑くなってきた。水路を見つけては被り水を繰り返す。黙々と歩いていたところ、朝方、日奈久温泉で僕を見たと言う自販機業者の男性に声を掛けられた。折角なので、この先の道路状況について尋ねてみる。しかしこの地元男性ですらこの先は通ったことがないらしく、余計不安になった。
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門司から263km  ※ただし、国道3号線で来た場合
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R3を左折し(外れ)、山道へと向かう(13:07)
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自販機はもう無いだろうし、早めに補給
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山間の集落の裏道を進む

斜度を増す上り坂に息を上げながらも、次第に道路の状態(見た目)も怪しくなってきた。明らかに市道からも外れ、林道に移っている。どこに向かっているのかさえ想像も付かない。グーグル経路で入念に確認しながら、ルートを見誤らないよう慎重に歩く。本州縦断の際も、山口市手前でこれと似たような道はあった。その後しばらく奮闘し、ようやく県道との合流地点。国道をショ-トカットした上、更に山中区間でも県道をショ-トカットした訳だ。一見立派な県道に出ても、往来する車は皆無。更に斜度を増す上り坂にだんだん嫌気が差してきた。気晴らしにこの現状を動画に収め、少し大げさなナレ-ションを添えて家族や友人に送る。そしてようやく峠に到着。一体ここはどこなんだ・・。ただ、見晴らしだけは抜群に良かった。
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おい大丈夫か、グ-グル先生!
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ようやく県道に合流(14:40) 
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結構な勾配に疲れ気味
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ようやく峠か(15:19)  ※ここは県道271号線
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結構上って来たな  ※オレ今九州縦断しているはずなんだけど・・
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カ-ブミラ-

遥か彼方眼下に集落が見えている。水俣市久木野、という集落らしい。峠道を自分の脚だけで辿って来ただけに随分遠く感じ、かなり辺鄙な場所だなと思えていた。しかし実際車で来れば大した距離ではないだろうし、僕の地元飛騨の山奥の集落の方が数倍も秘境であることはおそらく間違いないだろう。平坦や上り坂は基本歩き、下りは走る。今日は徹底してそれを貫いている。この移動スタイルの根本には、どうせ走っても歩いてもさほどスピ-ドは変わらない・・という悲しき現状があった。
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ようやく集落が見えてきた
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一度集落へ下り、再び山へ(16:30)
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先程の峠以降、携帯はほぼ圏外

そして終に山中区間を全て終え、待望の国道へと合流。意識せずして飛び出たガッツポ-ズからも、その時の心境、過酷さが伺える。13:07に国道を外れ、再び国道に合流したのが17:48。22kmの峠越えに、5時間41分要したことになる。ここから伊佐市の宿までは14kmを残すのみ。この後鹿児島県境まで上り詰めれば、後は単純に下り一辺倒だと予想出来る。国道に出てからも意外と遠かったが、無事鹿児島県へと入る。人生初めての鹿児島県、とても感慨深いものがある。昨年春の本州縦断(青森~下関)を経て、この春その続編として九州縦断(下関~佐多岬)を行っている。一先ずこれで日本列島を縦断したことになるが(北海道は秋予定)、ここまで何度か越えてきた県境越えの中で、断トツこの県境越えが辛かった。ただ実際、この程度の県境越えは全国に幾らでも存在するだろうが、その前後で体験した沢山の辛い思い出が、僕をそういう気持ちにさせた。
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ついに山を抜けた(17:48)  ※国道268号線に合流
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振り返れば熊本県
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鹿児島県へ(18:08)  ※今までで最も困難な県境越えだった

鹿児島県に入って以降、下り坂は頑張って走っている。少なくても下りに関しては、走りと歩きでは結構なスピ-ドの差が出ている(はずだ)。国道に出ても未だマイナ-な街道なのか、交通量はほとんど無いに等しい。やがて日が暮れた。宿には20~21時チェックインと予約時に伝えてある。無事伊佐市内へと入り、宿手前のコンビニで夕食の買い出しをした。宿は若干分かりにくかったが、辺りが暗く見通しが悪かったからかもしれない。
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靴下は穴が開いたら即処分  ※その為不揃いになることが多い
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ようこそ かごしまへ
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境界杭も鹿児島
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すっかり日が暮れた
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民宿伊佐野(20:45)

民宿、伊佐野。最近の僕は”やどココ”経由の”楽天トラベル”で宿を探し、予約することが多い。しかしこうしたサイトでは発見出来ない、昔ながらの電話対応の宿が未だに多く存在する。そしてそういった宿は、大概の場合当りが多い。今夜の客は僕一人だけのようで、宿のご婦人は寝ずに僕のことを待っていてくれた。到着に合わせ湯舟も溜めてくれ、蓋をして冷めないようにとの有り難い心配り。実家や親戚の家にでも泊まりにきたような、アットホ-ム感満載の宿だった。風呂やトイレは共同だが、他に客はいないので1棟まるごと僕の部屋と言ってもいい程だ。スティックタイプのコ-ヒ-や紅茶が多数置いてあり、布団はふかふかで寝心地の良さは過去最高。明日はいよいよ鹿児島市へと入る。明日さえ乗り切れば、計画通りの完走は間違いない。
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普通の家に泊まりにきたみたい  ※今夜の客は僕一人
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寝心地抜群のふかふかベット
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到着時間に合わせ、湯を溜めてくれていた  ※やっぱ普通の家みたい
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これで明日も頑張れる
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夕食宴会  ※何だかいつもワンパタ-ン
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薩摩焼酎初お目見え  ※今日は飲めなかった


民宿伊佐野(伊佐市)泊


セブン(おにぎりツナマヨネ-ズ124円) 日奈久ちくわ(焼き立て100円、チ-ズ入り180円) もっこす亭(熊本ラ-メン定食950円) コスモス(ドデカミン85円、おにぎりツナマヨ89円、おにぎり昆布89円、おにぎり紅鮭98円、グロンファイタ-118円) ファミマ(アイスコ-ヒ-100円) 自販機(クリスタルレモン100円) セブン(ポテチ108円、ザバス168円、ザブリュ-136円、195円、黒伊佐錦267円、天ぷらそば127円、きつねうどん127円) 宿(素泊まり3800円)  計6961円

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