本州縦断フットレース2021スペシャル(28)~ラストステ-ジ
2021年5月19日(水)
※大会26日目
名草駅(山口)~

本州縦断フットレ-ス。青森から始まったこの旅も、いよいよ最終行程へと入った。グ-グルの経路表示によると、残された距離は97㌔(実際は宇部市を通る為100㌔オ-バ-だった)。大会中迎える朝も、ついにこれで最後となる。いつもより少し長めの6時間睡眠を取り、今朝は5:20に起床。ホテルの部屋ではいつものように音楽を流し
、徐々にテンションを高めていく。菅田将暉の『虹』。大会前に知ったこの曲を、僕は今大会中最も聴いていた。夜はランダムに色々な歌を流しているが、朝はこの曲ばかりをひたすらリピ-トすることが多かった。僕の人生の各場面には、必ずそのシ-ンを彩る1曲がある。自衛官として働きながら夜間の大学に通っていた20歳前後の4年間。駐屯地の食堂で夕食を食べ終える頃、岡村孝子の 『夢をあきらめないで』がいつもテレビから流れていた。二足の草鞋生活はとても大変だったが、この歌に、この歌詞に僕は何度も助けられた。最近ではコロナ禍前の第5子ナナとのインドネシア旅が思い浮かぶ。旅の途中、菅田将暉の『クロ-バ-』を一度聴いて好きになり、以降この曲をひたすらリピ-トして聴いていた。今でもこの曲を聴く度に、あの安宿、あのシ-ンが蘇ってくる。車窓から流れる田園風景をぼんやりと眺め、これまでの人生、今大会で辿ってきた長い道程を思い浮かべていた。そして名草駅。駅舎の無いこの素朴で長閑な場所から、僕のエンディングは始まる。

宿の軽食(7:04)

JR津和野駅(8:10)

最後の列車移動

駅舎のないJR名草駅(8:49) ※昨日の終了地点からスタ-ト
進み出して間もなく現れた道路標識。下関まで100㌔を切り、ついに残り2桁となっていた。ここまで来れば、後は走り慣れたウルトラ1本分。距離的にもイメ-ジし易い。先ず目指すは山口市。果てしなく長かった本州縦断の走り旅、それも明日には確実に終わってしまう。あれだけ辛かった毎日からようやく解放されるというのに、心の片隅にある、寂しさにも似たこの感情は一体どこから来るのだろうか。ずっと望んでいたものをようやく目の前にして、それを望まない僕がいる。手を伸ばせば届く所までようやく辿り着いたというのに、手を差し出さまいとする僕がいる。僕はこの大会に全てを懸けてきた。そしてこの大会は、全てを懸けるに値する、本当に素晴らしい大会だった。だからこそ、こんな不思議な感情が心の底から湧き上がってくるのだろう。いつまでもこの舞台に居たい・・。僕のもう一つの心は、きっとそれを望んでいた。

下関95㌔(9:31) ※ついに残り2桁になった

田植え
悔いを残さないよう、最後くらい気になるものは極力口に入れておこうと思う。道の駅・長門峡で、ソフトクリ-ムと和牛コロッケを堪能。この場所でしか食べれない特産物、名物は、この大会に参加していなかったら、おそらく一生食べることはなかっただろう。そう感じながらゆっくりと味わい、この時に感謝しつつ、有り難く頂いた。今日だけはグルメ旅になったっていい。とにかく楽しみながら、思い出を一つでも多く築きたい。そして苦しみさえも喜びに変え、二度とないこの瞬間を心して過ごそうと思った。

道の駅 長門峡

気になったものは全て食べる

米粉ソフトクリ-ム(阿東産米使用)、あとう和牛(山口県産牛)コロッケ
内陸部を縦断するよう南に向けて進んでいる。後続の追い上げは常に気になっているが、今日は基本走っているので動静のメリハリを強く意識した。この先、木戸山トンネルを回避すべく、迂回ル-トが示された。その迂回路への入口脇に、野菜売り場のような掘立小屋が建っていた。何か名物でもないかなと、ふらり立ち寄ってみる。そこでたまたま目にしたのが、いのししコロッケ。珍しいこともあって、旅の記念に早速1個注文。てっきり普通の店のように包み紙で渡されるものと思っていたが、意外と扱いは丁寧で店内へと導かれる。冷たい麦茶を頂きながら、コロッケが出てくるまでの間、この先の迂回コ-スを地図で確認していた。コロッケは注文を受けてから揚げるというこの店のスタイル。食べ歩きの軽い感覚でコロッケを1つ注文したつもりだったが、出てきた一品を前に目が点になった。いのししコロッケ、1個120円也。調理の手間や洗い物の手間、それに原価代、更に冷たい麦茶。これで120円とは儲けは無いだろうし、注文して逆に申し訳ない気持ちになった。店主の若いお姉さんとの会話も盛り上がり、僕のランバック(6kg)を記念に背負ってもらうと、『うわ~っ、重~い!これ担いで青森から来たんですか~、すっご~い!』と驚いてくれた。

道端のヤギ

自然のまんま屋

いのししコロッケ(120円) ※お姉さんと話をしながら、揚げたてをカウンタ-で頂く。お勧め
木戸山トンネルを避けさせる為、右手に延びる裏道が迂回路とされた。しかし実際、くねくね蛇行するR9を辿るよりは、こちらの抜け道の方が若干近道となり都合はいい。1本道なので迷うこともないし、車はまず通らないので危険性は全く感じない。明かりのない山道なので夜の通過には多少不安を抱くかもしれないが、日中であれば、大自然を全身で浴びながら爽快に進むことが出来る。峠を越えると山口市までの長い下りとなるので、疲れもさほど感じない。もう1ヶ月早ければ山菜の宝庫だっただろう。昨日まではほとんど歩いていたが、もう後のことは気にしなくていいので、今日は出来る限り走っている。二度と走れなくなっても構わない・・。その強い覚悟だけは終始貫けている。逆にそれくらいの覚悟がないと、この大会での完走は厳しいだろうなとも思う。

爽快な山道が山口市内まで続く
長い迂回路を終え、仁保入口にてR9へと合流。ここは山口市内。ここからR9を進み、山口市中心部へと向かっていく。県庁に近付くにつれ、街の雰囲気も徐々に変わってきた。店舗が建ち並ぶ繁華街なら大歓迎なのだが、どうしてこうも官庁街というものは殺風景でつまらないのだろう。首都や県庁所在地にありがちな、無駄に広いだけでビル以外何もない無機質な町並み。代わり映えのない殺伐とした風景に、ここぞとばかりに睡魔が襲いかかってきた。眠くて眠くて仕方なく、堪らず公園の芝地に倒れ込む。ここで5分だけ仮眠し、その後すき家で胃袋を満たす。僕はすき家の紅ショウガが大好きで、おそらく普通の人が想像出来ないくらいは入れる。だからいつも他の客にガン見されている。最低でも容器の半分以上は使うし、一度ショウガのお代わりをした時は、子供には引いた目で見られ、妻には随分叱られた。ちなみにラ-メン横綱では青ネギを容器2杯分使い切り、いつも妻に嫌がられている。

下関70㌔(14:37)

ねぎ玉牛丼大盛
退屈だった山口の市街地をようやく抜け出し、ホッとしたのも束の間、左足内側に出来ているマメが猛烈に痛み出した。まともに歩けないほど痛い。原因は明確だった。シュ-ズ内側にはここまでの壮絶な闘いを物語るような破損が出来ており、その破損箇所と肌が触れ、マメが出来るのだ。過去の本州縦断完走者の体験記などを見ていると、大概は皆、途中でシュ-ズを買い替えている。完走する為に不安要素を取り除くことは当たり前の判断だが、僕としてはたった1本のレ-ス、しかもその半分の距離でお蔵入りさせるにはいささか抵抗があった。普段は最低でも5000㌔以上は履いているだろうし、せめてこの大会くらいは通して履こうと思った。しかし連日のハ-ドな行程により、このシュ-ズは、普段の練習では考えられないようなダメ-ジを受けていた。路上にしゃがみ込み、絆創膏とテ-ピングを取り替える。そして再び足を引きづりながら先へ進んだ。

足のマメが尋常でない程痛い

シュ-ズ内側の破損が原因

萩や秋芳洞、いつか行ってみたいな
17:59、CP35の長谷交差点(1489.5㌔)を通過。大会直前に道路地図やグ-グルマップで調べていた場所が、今こうして目の前に現れている。初めて訪れているはずの土地でさえ、どこか懐かしく思えてくる。この辺りからはゼッケン10番野田選手の終わり方を意識し、それを目標にしながら進んだ。既に数日前にレ-スを終えた野田選手ではあるが、このCPの通過がたまたま僕と同じような時刻だった。そして彼もここから夜通し進み続け、翌日の朝7時半に見事下関駅にゴ-ルした。僕もそれくらいにはゴ-ルしたいと思っていた。現時点それ程調子が悪い訳ではないし、何とか夜を乗り切ることさえ出来れば、充分行けそうな気はしている。

CP35(長谷交差点・県道335号線分岐点、1489.5㌔)

下関56㌔(18:50)
夜の部へと突入。車がスピ-ドを上げて直ぐ脇を走り去る。暗闇に浮かび上がるセブンイレブンは、正に夜のオアシスだった。普段の生活においてコンビニを利用することはほとんどないが、今回の大会中はどれだけ世話になったことだろう。日中の補給はコンビニが大半だったし、部屋で食べる遅い夕食はほぼコンビニのカップ麺だった。それに主催者へのCP通過報告をする際は、最寄りのコンビニのフリ-Wi-fiを使わせてもらった。トイレも貸してもらったし、ソフトフラスク(水筒)の補充はお手洗いの水。もし道中、コンビニが一切なかったとしたら、ここまで来ることは不可能だったかもしれない。既に国道9号線(R9)は尽き果て、最後のR2へと入っている。そしてこれから宇部市のCPへと向かう為、一先ずR215へと左に折れた。

夜間走

オアシス

カップ麺カレ-(20:20)
下関まで43㌔。ついに九州の町が道路標識に現れた。残りフルマラソン1本分。いよいよゴ-ルも目前に迫ってきた。しかしここまでの疲れが一気に弾け、次のCPまでが異様に長く感じた。そして23:42、CP36の宇部駅前交差点(1511.5㌔)に到着。1500㌔を超えた。これが記念すべき最後のCPとなる。ゴ-ルまで残り38㌔。26日間での完走を目指すとなると、この距離を残り10時間で進み切らなければならない。時速5㌔で進み続けたとして、猶予は2時間。多少厳しくなってきたか。後続の追い上げが気になるが、思った程差は縮まっていなかった。それにしても後続のいちあし選手、さすがスペシャルに挑むだけのランナ-だった。ハプニングさえなければ、彼はおそらくスペシャル制限に間に合っていただろう。しかしもう後続に怯える必要もない。静まり返った夜の市街地は、何故だかいつも心地良い。徹夜で挑むこの先の展開。不安材料は3時からの雨予報。雨が降り出す前に少しでも先に進んでおきたい。久々に見た店の明かりに引き込まれるように、閉店間際のラ-メン屋に飛び込んだ。

下関43㌔(21:41) ※九州が出てきた

CP36(宇部市街・宇部駅前交差点、1511.5㌔)

ラ-メン来来亭 西宇部店(23:46) ※24時閉店間際に入店

唐揚げ定食
徹夜ラン

JR(津和野駅~名草駅420円) 道の駅長門峡(米粉ソフトクリ-ム350円、あとう和牛コロッケ180円) 自然のまんま屋(いのししコロッケ120円) まるき(チョコモナカジャンボ91円、おにぎり牛肉106円、おにぎりツナ106円) すき家(ねぎ玉牛丼大盛610円) Wants(デカビタ84円) ファミマ(焼鳥もも130円) セブン(カップ麺カレ-138円) セブン(ホットコ-ヒ-100円) 来来亭(唐揚げ定食1030円) 計3465円

名草駅(山口)~

本州縦断フットレ-ス。青森から始まったこの旅も、いよいよ最終行程へと入った。グ-グルの経路表示によると、残された距離は97㌔(実際は宇部市を通る為100㌔オ-バ-だった)。大会中迎える朝も、ついにこれで最後となる。いつもより少し長めの6時間睡眠を取り、今朝は5:20に起床。ホテルの部屋ではいつものように音楽を流し


宿の軽食(7:04)

JR津和野駅(8:10)

最後の列車移動

駅舎のないJR名草駅(8:49) ※昨日の終了地点からスタ-ト
進み出して間もなく現れた道路標識。下関まで100㌔を切り、ついに残り2桁となっていた。ここまで来れば、後は走り慣れたウルトラ1本分。距離的にもイメ-ジし易い。先ず目指すは山口市。果てしなく長かった本州縦断の走り旅、それも明日には確実に終わってしまう。あれだけ辛かった毎日からようやく解放されるというのに、心の片隅にある、寂しさにも似たこの感情は一体どこから来るのだろうか。ずっと望んでいたものをようやく目の前にして、それを望まない僕がいる。手を伸ばせば届く所までようやく辿り着いたというのに、手を差し出さまいとする僕がいる。僕はこの大会に全てを懸けてきた。そしてこの大会は、全てを懸けるに値する、本当に素晴らしい大会だった。だからこそ、こんな不思議な感情が心の底から湧き上がってくるのだろう。いつまでもこの舞台に居たい・・。僕のもう一つの心は、きっとそれを望んでいた。

下関95㌔(9:31) ※ついに残り2桁になった

田植え
悔いを残さないよう、最後くらい気になるものは極力口に入れておこうと思う。道の駅・長門峡で、ソフトクリ-ムと和牛コロッケを堪能。この場所でしか食べれない特産物、名物は、この大会に参加していなかったら、おそらく一生食べることはなかっただろう。そう感じながらゆっくりと味わい、この時に感謝しつつ、有り難く頂いた。今日だけはグルメ旅になったっていい。とにかく楽しみながら、思い出を一つでも多く築きたい。そして苦しみさえも喜びに変え、二度とないこの瞬間を心して過ごそうと思った。

道の駅 長門峡

気になったものは全て食べる

米粉ソフトクリ-ム(阿東産米使用)、あとう和牛(山口県産牛)コロッケ
内陸部を縦断するよう南に向けて進んでいる。後続の追い上げは常に気になっているが、今日は基本走っているので動静のメリハリを強く意識した。この先、木戸山トンネルを回避すべく、迂回ル-トが示された。その迂回路への入口脇に、野菜売り場のような掘立小屋が建っていた。何か名物でもないかなと、ふらり立ち寄ってみる。そこでたまたま目にしたのが、いのししコロッケ。珍しいこともあって、旅の記念に早速1個注文。てっきり普通の店のように包み紙で渡されるものと思っていたが、意外と扱いは丁寧で店内へと導かれる。冷たい麦茶を頂きながら、コロッケが出てくるまでの間、この先の迂回コ-スを地図で確認していた。コロッケは注文を受けてから揚げるというこの店のスタイル。食べ歩きの軽い感覚でコロッケを1つ注文したつもりだったが、出てきた一品を前に目が点になった。いのししコロッケ、1個120円也。調理の手間や洗い物の手間、それに原価代、更に冷たい麦茶。これで120円とは儲けは無いだろうし、注文して逆に申し訳ない気持ちになった。店主の若いお姉さんとの会話も盛り上がり、僕のランバック(6kg)を記念に背負ってもらうと、『うわ~っ、重~い!これ担いで青森から来たんですか~、すっご~い!』と驚いてくれた。

道端のヤギ

自然のまんま屋

いのししコロッケ(120円) ※お姉さんと話をしながら、揚げたてをカウンタ-で頂く。お勧め
木戸山トンネルを避けさせる為、右手に延びる裏道が迂回路とされた。しかし実際、くねくね蛇行するR9を辿るよりは、こちらの抜け道の方が若干近道となり都合はいい。1本道なので迷うこともないし、車はまず通らないので危険性は全く感じない。明かりのない山道なので夜の通過には多少不安を抱くかもしれないが、日中であれば、大自然を全身で浴びながら爽快に進むことが出来る。峠を越えると山口市までの長い下りとなるので、疲れもさほど感じない。もう1ヶ月早ければ山菜の宝庫だっただろう。昨日まではほとんど歩いていたが、もう後のことは気にしなくていいので、今日は出来る限り走っている。二度と走れなくなっても構わない・・。その強い覚悟だけは終始貫けている。逆にそれくらいの覚悟がないと、この大会での完走は厳しいだろうなとも思う。

爽快な山道が山口市内まで続く
長い迂回路を終え、仁保入口にてR9へと合流。ここは山口市内。ここからR9を進み、山口市中心部へと向かっていく。県庁に近付くにつれ、街の雰囲気も徐々に変わってきた。店舗が建ち並ぶ繁華街なら大歓迎なのだが、どうしてこうも官庁街というものは殺風景でつまらないのだろう。首都や県庁所在地にありがちな、無駄に広いだけでビル以外何もない無機質な町並み。代わり映えのない殺伐とした風景に、ここぞとばかりに睡魔が襲いかかってきた。眠くて眠くて仕方なく、堪らず公園の芝地に倒れ込む。ここで5分だけ仮眠し、その後すき家で胃袋を満たす。僕はすき家の紅ショウガが大好きで、おそらく普通の人が想像出来ないくらいは入れる。だからいつも他の客にガン見されている。最低でも容器の半分以上は使うし、一度ショウガのお代わりをした時は、子供には引いた目で見られ、妻には随分叱られた。ちなみにラ-メン横綱では青ネギを容器2杯分使い切り、いつも妻に嫌がられている。

下関70㌔(14:37)

ねぎ玉牛丼大盛
退屈だった山口の市街地をようやく抜け出し、ホッとしたのも束の間、左足内側に出来ているマメが猛烈に痛み出した。まともに歩けないほど痛い。原因は明確だった。シュ-ズ内側にはここまでの壮絶な闘いを物語るような破損が出来ており、その破損箇所と肌が触れ、マメが出来るのだ。過去の本州縦断完走者の体験記などを見ていると、大概は皆、途中でシュ-ズを買い替えている。完走する為に不安要素を取り除くことは当たり前の判断だが、僕としてはたった1本のレ-ス、しかもその半分の距離でお蔵入りさせるにはいささか抵抗があった。普段は最低でも5000㌔以上は履いているだろうし、せめてこの大会くらいは通して履こうと思った。しかし連日のハ-ドな行程により、このシュ-ズは、普段の練習では考えられないようなダメ-ジを受けていた。路上にしゃがみ込み、絆創膏とテ-ピングを取り替える。そして再び足を引きづりながら先へ進んだ。

足のマメが尋常でない程痛い

シュ-ズ内側の破損が原因

萩や秋芳洞、いつか行ってみたいな
17:59、CP35の長谷交差点(1489.5㌔)を通過。大会直前に道路地図やグ-グルマップで調べていた場所が、今こうして目の前に現れている。初めて訪れているはずの土地でさえ、どこか懐かしく思えてくる。この辺りからはゼッケン10番野田選手の終わり方を意識し、それを目標にしながら進んだ。既に数日前にレ-スを終えた野田選手ではあるが、このCPの通過がたまたま僕と同じような時刻だった。そして彼もここから夜通し進み続け、翌日の朝7時半に見事下関駅にゴ-ルした。僕もそれくらいにはゴ-ルしたいと思っていた。現時点それ程調子が悪い訳ではないし、何とか夜を乗り切ることさえ出来れば、充分行けそうな気はしている。

CP35(長谷交差点・県道335号線分岐点、1489.5㌔)

下関56㌔(18:50)
夜の部へと突入。車がスピ-ドを上げて直ぐ脇を走り去る。暗闇に浮かび上がるセブンイレブンは、正に夜のオアシスだった。普段の生活においてコンビニを利用することはほとんどないが、今回の大会中はどれだけ世話になったことだろう。日中の補給はコンビニが大半だったし、部屋で食べる遅い夕食はほぼコンビニのカップ麺だった。それに主催者へのCP通過報告をする際は、最寄りのコンビニのフリ-Wi-fiを使わせてもらった。トイレも貸してもらったし、ソフトフラスク(水筒)の補充はお手洗いの水。もし道中、コンビニが一切なかったとしたら、ここまで来ることは不可能だったかもしれない。既に国道9号線(R9)は尽き果て、最後のR2へと入っている。そしてこれから宇部市のCPへと向かう為、一先ずR215へと左に折れた。

夜間走

オアシス

カップ麺カレ-(20:20)
下関まで43㌔。ついに九州の町が道路標識に現れた。残りフルマラソン1本分。いよいよゴ-ルも目前に迫ってきた。しかしここまでの疲れが一気に弾け、次のCPまでが異様に長く感じた。そして23:42、CP36の宇部駅前交差点(1511.5㌔)に到着。1500㌔を超えた。これが記念すべき最後のCPとなる。ゴ-ルまで残り38㌔。26日間での完走を目指すとなると、この距離を残り10時間で進み切らなければならない。時速5㌔で進み続けたとして、猶予は2時間。多少厳しくなってきたか。後続の追い上げが気になるが、思った程差は縮まっていなかった。それにしても後続のいちあし選手、さすがスペシャルに挑むだけのランナ-だった。ハプニングさえなければ、彼はおそらくスペシャル制限に間に合っていただろう。しかしもう後続に怯える必要もない。静まり返った夜の市街地は、何故だかいつも心地良い。徹夜で挑むこの先の展開。不安材料は3時からの雨予報。雨が降り出す前に少しでも先に進んでおきたい。久々に見た店の明かりに引き込まれるように、閉店間際のラ-メン屋に飛び込んだ。

下関43㌔(21:41) ※九州が出てきた

CP36(宇部市街・宇部駅前交差点、1511.5㌔)

ラ-メン来来亭 西宇部店(23:46) ※24時閉店間際に入店

唐揚げ定食
徹夜ラン


JR(津和野駅~名草駅420円) 道の駅長門峡(米粉ソフトクリ-ム350円、あとう和牛コロッケ180円) 自然のまんま屋(いのししコロッケ120円) まるき(チョコモナカジャンボ91円、おにぎり牛肉106円、おにぎりツナ106円) すき家(ねぎ玉牛丼大盛610円) Wants(デカビタ84円) ファミマ(焼鳥もも130円) セブン(カップ麺カレ-138円) セブン(ホットコ-ヒ-100円) 来来亭(唐揚げ定食1030円) 計3465円
スポンサーサイト
| 本州縦断レ-ス2021 | 21:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑