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本州縦断フットレース2021スペシャル(24)~出たなラスボス!

2021年5月15日(土)   ※大会22日目
松江(島根)~田儀駅(島根)

本日距離:52.2km 《総距離:1283.8km》


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出たなラスボス!  ※この瞬間をどれだけ待ち望んでいたことか

宿の朝食で充分腹を満たし、7:45スタ-ト。さすが松江市は県庁所在地だけあり大きな町なので、本州縦断の後半過程においては重要な拠点となる。駅周辺にホテルが集中するが駅は若干国道9号線から離れており、利用するには多少の無駄が出る。その点、今回泊まったホテルは国道沿いに位置し、CPも近くこのレ-スに限ればベストだろう。町を抜け、右手に宍道(しんじ)湖を眺めながらランニングコ-スを進む。この”宍道(しんじ)”という読み方も、知らないとまず読めないだろうと思う。ランナ-数名が僕の横を颯爽と走り去っていく。それにしても今日はかなり暑く、午前の時点で既に気温は28℃。今大会一番の暑さを感じながら、頭と帽子の間にタオルを入れ、後頭部や側面に日陰を作った。日々繰り返される睡魔との闘いは相変らずで、疲労との闘い以上に悩みの種となっている。先程コンビニで擦れ違っていた男性。同じランナ-として僕のことが気になったようで、僕の後ろを追ってきて声援を頂いた。
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宿の朝食(7:19)  ※お代わり可
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宍道湖  ※遠くに松江市街を振り返る
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町中は寝る場所を探すのに苦労する  ※橋下の目立たぬ場所(赤枠)にて仮眠

広島を示す看板が現れた。今回最短ル-トを通り下関を目指していることもあり、太平洋(瀬戸内海)側は進まない。本州は日本海側を内側として湾曲している為、当然日本海側の方が辺長は短い。正午になった。眠さを凌ぐ目的で、ス-パ-に立ち寄り、大好物のチョコモナカジャンボを買ってくる。店内は広く、無駄に時間と労力を費やしてしまった。ここには丸亀製麺もあり、ここで昼食を取ろうかとも思ったが、時間のロスを避けスル-。アイスをチビチビ食べながら、淡々と進む。そんな時、行く手正面に一人の男性が立っていた。一瞬誰かと思ったが、その正体は直ぐに分かった。ゼッケン2番、倉井選手。『疲れは想定していない・・』との一言で、僕の出鼻をくじいたあの選手だ。さすがその実力は本物で、5/10に見事2位でゴ-ルした。この辺りが奥さんの実家らしく、僕のことを気にかけてくれ、わざわざ探し回ってくれたらしい。飲物などの差し入れの他、謎のステッカ-まで頂いた。
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今ならどこだって行けそうな気がする

東京でシャンソン歌手をしているという、倉井選手。ロングランナ-としても国内屈指の実力を誇るナイスガイだが、一度僕は彼のことを遠越しに目にしていた。それは忘れもしない、第4回能登半島すずウルトラマラソン。2015年(平成27年)3月から走り始めた僕は、その7ヶ月後に行われたこの大会で初めて100㌔を走った。そもそも僕は走ることが特別好きな訳ではないので、ハ-フやフルには出たことがないし、おそらく一生出ることもない。ただ長い距離だけにロマンを感じ、旅の延長で走っている。ウルトラのイロハもまだ分からない中、関門で落とされないよう、とにかく無我夢中で必死に走った。そして何とか無事、ウルトラ初挑戦を完走で飾ることが出来た。そしてその大会の開会式の時、”にしおかすみこ”さんと一緒に壇上に上がっていたのが、”カトルス星人”こと倉井選手だったのだ。”カトルス星人”と聞いて、直ぐにあのシ-ンが蘇ってきた。
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応援に駆け付けてくれた倉井選手と

先日西田さんと一緒に京都府内を辿っていた頃、”日本一たい焼”の店の前を通過した。西田さんお勧めのこの店で、記念すべき1000㌔到達を祝おうと思っていた。しかしその日は生憎の定休日で、その時1000㌔到達は祝えなかった。今こうして一人無念を晴らす。中の具材は黒あん、白あん、カスタ-ドの3種類があり、いずれも1匹200縁。”200円”ではなく、”200縁”としているところが、店名にもあるこだわりなんだろう。やはりたい焼きは焼き立てに尽きる。ほくほくして口の中が火傷しそうだったが、たっぷりあんも非常にお得感があり、今となっては別の具材をもう1匹食べておけば良かったと少し悔やまれる。
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日本一たい焼 島根出雲縁結び店
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1匹200縁
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店内で焼き立ての熱々を食べたが、あんがぎっしり詰まっていて美味い
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出雲市(12:50)

そしてその瞬間は突然やってきた。僕はここまでただひたすら、この瞬間だけを待ち望んでいた。目の前に現れた”下関”の文字。全身鳥肌が立った。今回の本州縦断の全過程において最も嬉しい瞬間だった。3日目秋田県内で左膝裏、10日目糸魚川で左ふくらはぎを各々痛め、絶対絶命の状態の中ここまでしぶとく進んで来た。下関を目指すなんてことは非現実的過ぎて、口にすら出せなかった。あまりにも遠かった下関。本当はそんな町はこの世に存在せず、ただの空想の町ではないのか、とさえ思った。そんな遥か彼方の存在だった下関が、今こうして目の前に現れている。自分から諦めさえしなければ、自分から投げ出さなければ、必ず扉は開かれる。僕が高い壁を乗り越えた瞬間だった。しかしまだ300㌔弱あるので決して油断は出来ない。しかしその距離を詰めさえすれば、確実にそこには下関のゴ-ルが存在する。もう終わったも同然だ。
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後はその距離を詰めるだけ(16:15)

今日も終盤は時間との闘いになってきた。残り15㌔を3時間。20:26発の列車に間に合わす為には、この先時速5㌔で進み切らなければならない。普通に考えれば別に大したことのない速度だが、実際今の僕にとっての1時間5㌔は、頑張って辛うじて進める距離。しかしその速度を3時間休みなしで進まなければ、時速5㌔とは言えない。現状を客観的に見ても厳しいような気はしたが、少ない可能性に賭けてみる。僕にとってのビックチャレンジ。そうと決めたら、もう猶予はない。すぐさま目の色を変え、この日初めて走り出す。気分が高揚しているからか最大の敵である睡魔もやって来ず、順調に距離を積み重ねていく。そして20時、目指す駅へと無事辿り着いた。やはり要は気持ちの問題なのだと改めて感じた。
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道の駅 キララ多伎(19:04)
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今日はここまで
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JR田儀駅(19:59)
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20:26発に乗車  ※西出雲までは4区間
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倉井選手から貰った変態ステッカ-

田儀駅から20:26発の列車に乗り、4区間離れた西出雲へと戻る。今列車で向かっている方向は先程まで僕が走っていた区間。今日のゴ-ルを少しでも延ばす為、宿泊地である西出雲を越え、時間の許す限りその先へと進んでいた。西出雲駅に行けば、周辺に店くらい有るだろうと見込み、そこで夕食を買うつもりでいた。しかし実際周囲に店らしきは見当たらず、夕食は諦めざるを得なくなった。已む無くホテルにチェックイン。運良くホテルフロントに、”夜食用”と称し、カップ麺(残り1個)が売ってあった。そしてその際、出雲市内で使えるという商品券2000円分を貰った。これは出雲市の観光誘致キャンペ-ンの一環のようだが、これだけ店が無くては使いたくても使えない。明日は更に店の無い田舎区間へと進んでしまうし、やがて出雲市からも出てしまう。宝の持ち腐れになることは、ほぼ確定的だった。
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JR西出雲駅(20:51)
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ホテル到着(20:52)
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客室
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幸せな一時


ホテルサンヌ-ベ(出雲市)泊


ロ-ソン(モンスタ-205円) まるごう(チョコモナカジャンボ116円) 日本一たい焼(黒あん1匹200円) ロ-ソン(おにぎりシ-チキンマヨネ-ズ124円) JR(田儀駅~西出雲駅240円) 宿(素泊まり4707円、カップ麺140円、クリアアサヒ240円)  計5972円
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| 本州縦断レ-ス2021 | 16:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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