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本州縦断フットレース2021スペシャル(8)~佐々木駅

2021年4月29日(木)   ※大会6日目
勝木(新潟)~佐々木駅(新潟)

本日距離:71.7km 《総距離:413.8km》


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現在、雨地獄の真っ只中


小雨舞う中、6日目のスタ-トを切る。ここまで一応計画通りに進めてはいるものの、想像以上に毎日が辛く、毎夜例外なく限界を迎えている。こうしてしぶとく生き残っていられることが自分でも信じられないくらいで、いつリタイアしてもおかしくはない。連日続く雨、一向に回復傾向にない週間予報、日々蓄積される疲労、抱えている故障、これら全てからくる精神的絶望感・・。しかしどんなに厳しい状況下においても、日々の行程は決まっており(決めてしまっており)、どれだけ辛かろうが一切休むことは許されない。それは13名の他の選手とて皆同じで、前を行く選手に至っては、間違いなくもっと辛い思いをしている。誰もが必死に脚を進め、一様に見えないゴ-ルを目指す。行くしかない。進むしかない。
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小雨の中、カッパスタ-ト(5:02)

昨夕新潟県に入り、海沿いの道を一歩一歩着実に進んでいる。新潟県は海岸沿いに330㌔も続き、その長さは東京から名古屋までに相当する。その圧倒的長さは他の県を引きつけないことから、『新潟を制する者は、本州縦断を制する』とも言われている。その表現をどこかで見聞きしたのか、自分が最初に言い出したのかはよく覚えていないが、とにかく新潟県は長い。それだけは確かである。
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名勝 天然記念物 笹川流れ
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景観に多少は癒されるが
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結局、どこが笹川流れ(メインの景観)なのか分からなかった
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佐渡が見える
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JR桑川駅夕日会館  ※3時間(15㌔)ぶりの店だが、生憎まだオ-プン前


佐渡を横目に

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R345

猛烈な睡魔に襲われながら、雨の中をフラフラ進んでいる。寝場所が限られる分、雨の睡魔ほどタチの悪いものはない。ようやく現れてくれた待望のバス小屋。逃げ込むように避難し、バックを枕に靴のまま横たわる。この一連の動作に一切の迷いはない。5分という仮眠時間は確かに短いが、仮に寝落ちするのに4分かかったとしても、その後一瞬でも寝入ったことで、充分寝た感は得られる。そして仮に最後まで寝付けなかったとしても、目を閉じていただけでも頭は多少すっきりするし、脚を上げて休めた意味合いは大きい。そんな5分睡眠を1日に2度3度、時には5分更に延長し、何とかその場を凌いでいる。そして仮眠後、再び雨の中に足を踏み出すのに多少勇気はいるが、嫌でも行くしかない。JR羽越本線に沿って延びる海沿いの国道345号線。早朝勝木を発って以来、実に34㌔(7時間半)ぶりのコンビニは村上市の中心部に入ってから。その後CP9の旭橋南詰・県道3号線分岐点(386.0㌔)を14:41に通過した。
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猛烈な睡魔の中、ようやく現れたバス小屋
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東北に比べ、雨の寒さは少しずつ和らいできた
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CP9(旭橋南詰・県道3号線分岐点、386.0㌔)

CPを過ぎた後、少し分かりにくいが県道3号線に入る。再び猛烈な睡魔に襲われ、一向に距離が延びていかない。フラフラ蛇行しながら時速3~4㌔で進むその様は、おそらく保育園児の速度とさほど変わらない。地図と睨めっこしつつ、今この辺りだなと察しを付けながら進んでいる。しかしどうも様子がおかしい。『築地』という集落を通り過ぎ、その後しばらく進む。築地はさっき確かに通過しているから、そうなると今はこの辺りだな・・。そう思い込んでいるが、やはり何かが変だ。ちょうど玄関前に出てきた地元住人に尋ねてみたら、『ここが築地だよ』との予想外の返答にショックを受けた。店もない住宅街が延々と続き、少し間を置き、再び似たような集落が現れる。歩道はないが、交通量は多い。ちょうど帰宅時間帯に重なったのも不運だった。この住宅街をさっさと抜けないと面倒なことになると直感が働き、17時、意を決して走り出す。今日は朝から薬が効かず、痛めている左膝裏だけでなく、脚全体の筋肉痛にも大いに苦しめられた。
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地獄の県道3号線(15:05)  ※再び猛烈な睡魔に襲われ、歩くペ-スも急激に落ちる
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走り難さNo.1(17:28)  ※この区間、夜は絶対に走りたくない 

暗くなる前にどれだけでも進んでおきたいと無我夢中で走っている。やがて日が暮れ、周りは完全に暗くなってしまった。ここまで周囲の山の見え方を頼りに、進むべき方角を確かめていた。しかし暗くなると当然視界が無くなり、進むべき方角に戸惑いを感じるようになってきた。走っている間は問題ないが、一度立ち止まり少しでも意識を逸らしたものなら、来た道へと戻ってしまう可能性を秘めている。住宅街の景色に特徴はないし、今程通ったかどうかなんて感覚的にも分からない。道路の右を走っていたのか、左を走っていたのかが一番手っ取り早い目印となるが、これとて完全に統一している訳ではない。以前使っていた腕時計(プロトレック)ならコンパス機能も付いていたから良かったが、今使っているGショックにはコンパス機能が付いていない。最悪スマホでも方角が分かることを後に知ったが、気軽に使えるカルビナ付きのコンパスを100均で買おうと思った。

日暮れとともに土砂降りになる最近の悪い流れも、いい加減勘弁してほしい。降りしきる雨の中、右脇を走る車が激しい水しぶきを僕に浴びせ去っていく。メンタルは今にも崩れそうだ。久々に現れたコンビニに逃げ込み、康介に弱音を吐く。弱音を抱えて自滅するよりは、吐いて楽になった方が余程いい。『連日雨ばっかでホント疲れるわ・・』のラインメッセ-ジに対し、康介は『楽しそ―、羨まし―』と直ぐに返してくれた。誰がどう見ても楽しい訳はないのだが、彼なら本気でそう思っているのかもしれない。その言葉に勇気をもらい、ふと肩の荷が下りたような気がした。その後30分程走り、再び現れたコンビニに入る。もうそろそろ佐々木だろう・・と半ば確信していたので、再確認すべく女性店員に尋ねた。しかし返答は非情だった。耳を疑い、再度聞き直す。しかし本当に佐々木はここからまだ5㌔はあるらしい。脚の痛いのも我慢して4時間無我夢中で走った。それなのに何故こんなに時間がかかっているのだ。
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ようやく着いた  ※右が進行ル-トだが、佐々木駅は左へ

ル-トから少し外れ、ようやく佐々木駅に到着。時刻は20:55。最後走ってこの時刻なのだから、走らなかったら後1、2時間は遅くなっていただろう。今宵の宿は新発田(しばた)駅前に予約している。その新発田行きは20:48発と少しの差で乗り遅れていた為、仕方なく次便となる21:18発まで駅舎で待つことに。今大会中、これが初めての乗り物利用となった。ル-ル上、その場所に戻りさえすれば何に乗ろうと自由なのだが、乗車中、常に後ろめたさが付きまとっていた。ついに明日、強力な助っ人が僕を励ましに来てくれる。秋田で脚を痛めて以降、R7ゴ-ル(新潟駅)が最低目標となっていた。その新潟駅は明日早々にもクリア出来そうだ。その先どこまで進めるのかは僕自身も分からない。いつリタイアしてもおかしくない状況が、今尚現在進行形で続いている。今の僕にとって下関ゴ-ルは現実的ではないし、目指すべき対象ともならない。家族の待つ富山まで・・。これが僕が掲げた次の目標である。
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佐々木駅到着  ※今回の本州縦断で下関駅ゴ-ルに匹敵するくらい嬉しかった
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JRに乗り新発田駅へ移動  ※佐々木には宿がない
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どれだけ辛かったとしても、部屋に入った瞬間忘れてしまう  


新発田第一ホテル(新発田市)泊


ロ-ソン(おにぎりシ-チキンマヨネ-ズ124円、おにぎりおかか116円、モンスタ-205円) ロ-ソン(ホットコ-ヒ-S100円) ス-パ-(ミックスサンド166円) セブン(からあげ棒138円) ロ-ソン(ホットコ-ヒ-S100円) デイリ-(ポテチ108円、カップ麺醤油148円、ザバス167円、アサヒザリッチ223円、袋3円) JR(佐々木~新発田200円) 宿(素泊まり5800円)  計7598円
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| 本州縦断レ-ス2021 | 21:45 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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