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本州縦断フットレース2021スペシャル(4)~思いやり

2021年4月25日(日)   ※大会2日目
大館(秋田)~五城目(秋田)

本日距離:65.9km 《総距離:147.1km》


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週間予報  ※お先真っ暗
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ビジネスホテル秀山荘の朝食  ※ご飯大盛り2杯、味噌汁も納豆もお代わりした

大会2日目、4時間の睡眠を経て5:10起床。普段7時間以上寝ている僕としては、4時間という短い睡眠ではかなり辛いものがある。宿でオバちゃんの作る美味しい朝食を腹一杯頂いた。おそらく普段はお代わりには対応していないように思うが、昨夜何も食べていないこと、これから五城目まで走っていくことを告げると、快くお腹一杯食べさせてくれた。予定より30分遅れの8時に宿を発つ。外は生憎の雨。玄関先でカッパを着て、気が重いスタ-トとなる。しかし実際走り出してみると、昨日の快晴よりこれくらいの小雨の方が逆に涼しくて走り易い。昨夜秋田県に入った時は時間的にも体力的も余裕がなかったが、今こうして明るい時間帯に”秋田”の文字を目にすると、『嗚呼、ついに秋田県に入ったんだな・・』と感慨深くなる。10:58、CP4の大堤T字路(98.1㌔)を通過。ここにあったコンビニの軒先で主催者へCP通過報告をする。僕は基本ガラケ-なので、スマホは無料Wi-fiの入る場所でしか使えない。コンビニのオバちゃんに『どこの出身か?』と尋ねられ、『飛騨高山だ!』と答えたら、更に『高山のどこか?』とマニアックな質問を受けた。どうやら昔岐阜県に住んでいたらしく、こんな東北の地でまさか『国府』という地名が通じるとは夢にも思わなかった。店内でホットコ-ヒ-片手に、飲み終えるまで談笑した。
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R7ゴ-ルが見えてきた
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秋田100㌔  ※次々と新たな町が出てくるのがロングランの醍醐味
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北秋田市
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CP4(大堤T字路・R105号線分岐点、98.1㌔)

いつしか雨も上がり、青空も垣間見えている。町を抜けると、路肩にコゴミが群生を成していた。僕は山菜に目がなく、自称『山菜ランナ-』として野山を駈け回っている。春先のランニングでは一度家を出れば、空のランバックをパンパンにして帰宅し、採取した山菜の時価総額はおそらく1万、2万はくだらない。その為ス-パ-や道の駅に並んでいる山菜(の値段)を眺めては、いつもニヤニヤ不気味な笑みを浮かべ、一人心の中で勝ち名乗りを上げている。僕は走ることがあまり好きではないが、春先のランニングだけは結構好きでやっている。そんな僕からして山菜を目の前にしての素通りだけは感情的に辛いものがある。コゴミを数本だけ採り、生でかじりながら走った。本日の目的地となる五城目(ごじょめ)はまだまだ遠く、今夜も到着が遅くなりそうだ。
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コゴミの群生  ※少し大きいが、まだ充分食べれる
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コゴミ  ※どれだけでも採れるし、美味しいし、調理も簡単
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ようやく五城目が出てきたが、まだかかりそう(16:46)

快晴の昨日はTシャツ・短パン姿だったが、今日は時折寒さを感じるくらい涼しかった。夕方からは更に冷え、スパッツ上下にウィンドブレ-カ-上下、更にカッパ上下と中にはTシャツも加え、毛糸帽や手袋まで身に着け、持ち物全ての完全フル防寒だった。ある程度寒さは想定していたつもりだったが、東北の寒さは予想以上だった。山道に差し掛かると、一気にテンションアップ。東北の山間部は今が丁度ウコギ科の旬を迎えたようで、タラやハリギリが寂しそうに身を付けていた。誰にも見向きもされない可哀想なウコギ科の番人達。俺らの存在に誰でもいいから気付いてくれ!そして気付いたなら是非採ってくれ!そう言わんばかりに、僕の目の前に次から次へと現れた。しかし今採ってもな・・と思いながらも、『そうだ、小倉温泉の女将さんへの手土産にしよう!』と思い付く。コゴミは我慢出来ても、さすがにタラノメだけは我慢出来なかった。
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道端で採ったタラノメ
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山菜ロ-ド  ※コゴミやタラノメ、ハリギリなど
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秋田37㌔(20:16)

山菜採りが余計だったのか、今日も予定より時間が押してきた。山道の途中で完全に陽は落ち、暗闇の中峠を下る。その後しばらくして五城目入口の赤倉山荘の看板が出てきたが、そこからがやけに遠かった。まだかまだかと何度も期待を裏切られた末に、ようやくそれらしき場所が見えてきた。再び降り出した雨の中、ヘッドライトの明かりを頼りに前へと進む。ふと、胸元の携帯電話が激しく鳴り響いた。先程から何度か電話で話している小倉温泉の女将さんからだった。『そこ、右に曲がって!』と、どこからか届く神の声。『えっ??』としばし呆気に取られる僕。どうやら高台に建つ旅館の窓から国道を進む僕のことをずっと探し、そこで見守ってくれていたらしい。そして暗闇の中ポツンと光るヘッドライトの明かりを見つけ、ようやく麓まで来たな・・と遠く離れた高台から指示を出してくれたのだ。『遅くなりました。これさっき路肩で採ったタラノメです。僕山菜採りが趣味なんで、コレ良かったら食べて下さい!』と手土産を渡す。女将さんは大いに喜んでくれ、宿泊代(素泊まり)7150円の端数をまけてくれた。
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小倉温泉旅館(21:00)
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和室  ※今夜の客は僕だけだった

大会が始まる数週間前にこの宿を予約した際、女将さんと電話でやり取りをしていて、その時の印象がとても良かった。宿の近くには店がない為、夕食は簡単な親子丼でも作ってくれると言ってくれた。そんなこともあって、せめてタラノメだけでもプレゼントしたいなと思っていた。しかし僕の想像以上に感謝され、そのささやかな僕の気持ちが、目を見張るほどの豪華御膳となって僕の部屋へと運ばれてきた。・・(絶句)。女将さんと僕のちょっとした気持ちのやり取りが、思わぬ広がりを見せ大きく膨らんでいった。有り難く食事を頂きながら、ビ-ルを飲む。そして僕は女将さんと料理長宛に心を込めて手紙を書いた。ここの温泉も気に入ったし、いつか家族を連れて、今度はゆっくり滞在しに来たいと思う。
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無料の豪華夕食に感謝感激  ※画像クリックで拡大
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親子丼
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ロ-ストビ-フ
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エビ天そば
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豚の角煮とゆで卵  ※以上どれも最高に美味しかった
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小倉温泉 成分表  ※画像クリックで拡大
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ヌルヌルした泉質は下呂温泉(岐阜県)のようだった


小倉温泉旅館(五城目町)泊


ロ-ソン(ホットコ-ヒ-100円、おにぎり梅125円、おにぎりシ-チキンマヨネ-ズ120円) ス-パ-(おにぎりエビマヨ117円、ミニ大福草116円、ミニ大福白116円) ツルハドラッグ(チョコモナカジャンボ127円) ロ-ソン(おにぎり昆布120円、おにぎり梅125円、おにぎりシ-チキンマヨネ-ズ120円、おにぎりおかか116円) 商店(のどごし生220円×2) 宿(素泊まり7000円)  計8742円
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