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焼岳周回と福地山(3)~ジャ-ニ-だったはずなのに・・

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あれが福地山か


・・前回の続き


平湯で温泉と卵を満喫し、今回の山行も随分ジャ-ニ-らしくなってきた。この先も幾つかイベントがあるので、最後まで楽しめたらいいと思う。国道471号線を走り、福地温泉を目指す。安房峠以降、終始下りが続いているので、今回の周回(焼岳IN)は大正解だった。中尾から平湯を経て安房峠まで延々と坂道を上ろうと思うと、鍛錬としてはいいかもしれないが、ジャ-ニ-としてはやや劣る。奥飛騨クマ牧場を過ぎ、その先左へと下りていく。ここにある立派なホテル(奥飛騨ガ-デンホテル焼岳)は昔僕が調査士の丁稚をしていた頃、親方に言われて一人で測りに来た思い入れのある物件だ。そしてようやく福地山登山口に到着。朝市にも寄ろうと思っていたが、よく考えれば、こんな時間帯に朝市がやっているはずがない。
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平湯温泉街を発つ
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街道沿いにある水場  ※かなり細い
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これより福地温泉
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福地山登山道入口

山頂までは標高差にして711m。その高低差からして、普通に登れば1時間超というとこだろう。麓の地図看板では登り2時間半、下り1時間半と記されていた。例の如く僕が先頭に立ち、早足で進む。波ちゃんはピッタリと後ろに付いていた。確か以前福地山に登った時も思ったことだが、この登山道は石の段差や木の根っこなどがなく、その気になれば非常に走り易そうなトレイルだ。ここで僕が余計なことを言ったばかりに、彼女のトレイル魂に火を灯すことになる。『走り易そうな登山道やな!』、僕のこの一言に対し、彼女の返答は早かった。『私、走れますよ!』 試しに先頭を譲り、走り始めた彼女の後ろを、木の杖2本を駆使したパワ-ウォ-クでついていく。しかしその差はみるみると広がり、次第にその姿は見えなくなった。
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再び看板  ※杖も多数置いてある
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信じ難い展開が幕を開ける

マジかよ・・。この場に及んで何故そんなに元気なんだ。この山だけの行程ならともかく、焼岳登山とロ-ドの大半を終えたこの場に及び、走って登るという発想が僕にはなかった。これがトレイルランナ-の意地と訓練のたまものか。僕の歩きもそんなに遅いとは思わないが、まるで相手になっていない。彼女のペ-スに合わせようとしたことで僕も完全にオ-バ-ペ-スとなり、徐々に悲惨な状況へと陥っていく。汗がダラダラと垂れ落ち、休みたくても差が開きそうで、安易に立ち止まる訳にもいかない。看板の箇所で波ちゃんはご丁寧に待っていてくれ、ここで堪らず僕はバックから水を取り出しガブ飲み。スナック菓子も一気に食べ、当面のエネルギ-も補っておく。充分力の差は見せつけられたので、この先僕は追うことをやめた。そして再び走り出す彼女。僕は相手にせずマイペ-スを貫いた。
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無然平  ※教育者・篠原無然の石像

あれっ?これって俺のジャ-ニ-だったはずなのに、何で勝負を仕掛けられているんだ・・。おそらく水分不足からくる酸欠状態で、足取りは次第に重くなってきた。少し歩いては立ち止まり、を繰り返す。それは軽い高山病のような症状だった。山頂まで標高差100mを切ったが、そこからが遠い。調子が良ければほんの数分で辿り着けそうな距離も、果てしなく遠く感じた。ラスト△70m辺りで上から波ちゃんがニコニコしながら下りてきた。屈辱のこの展開は、焼岳山頂でほっしゃんが助言していた内容と一致する。ここまでくると既に悔しさはなく、まるで僕は母親に駄々をこねる子供のようだった。あの先が頂上か・・と思ったが、第4展望台。『もう展望台はいらん。山頂はまだか』 フラフラになり弱音しか吐かない僕に、波ちゃんが笑いながら付き添う。完全に立場が逆転してしまい非常に哀れだが、何とか無事山頂に到着。波ちゃんが強いことは充分分かったが、そもそも彼女の得意とする土壌で勝てる訳がない。
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福地山(標高1671m)
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残念ながら雲で眺望はなし

山頂で一息入れ、下山へとかかる。下山時には僕も復活し、再び僕の先導のもと、登山口まで一気に駆け下りた。福地温泉街を抜け、再び国道471号線に合流。新平湯温泉を抜け、宝橋手前の農協でアイスを買って食べた。これも今日楽しみにしていたイベントだ。栃尾温泉荒神の湯はコロナの為に便所共々閉鎖されていた。この辺りから徐々に上り勾配が始まる。最後くらいゆっくり進みたいところだが、横に並ぶ波ちゃんのペ-スがじわりじわりと上がってきた。この人、上りになると何故ペ-スを上げるんだ・・。僕には到底理解不能だったが、しばらく僕も頑張って走る。目の前にトンネルが現れた。あのトンネルの先がゴ-ルかと思いきや、彼女曰く、確かトンネルは2つあったとのこと。何かの勘違いであってほしかったが、トンネルを抜けた先にも道は続いていた。再び苦難のペ-スに耐える。そしてようやく二つ目のトンネルが見えてきた。
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Aコ-プ奥ひだ
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冷えたアイスが最高に美味い

先に行っていいよ・・。僕がそう告げると、彼女は更にペ-スを上げた。しかし僕も諦めた訳ではなく、その2、3m後ろで必死に喰らい付いている。しかしこの蒲田トンネルがやけに長かった。まだかまだかと思う程走らされ、彼女との差は50mにまで広がっていた。そしてついにトンネルの出口が見えてきた。波ちゃんを先に泳がせておき、最後の直線でスパ-トをかけ一気に追い抜くというセコイ戦略だった。しかし悲しくも僕にその力は残っていなかった。今回の波ちゃんにせよ、白山白川郷のタッちゃんにせよ、タツノオトシゴのほっしゃんにせよ、何故メンバ-はこうも勝負を仕掛けてくるのだろうか。主催者の僕としては勝手にジャ-ニ-の主旨を曲げられ困っており、正に『とても、どもならん!』という心境である。そして今日の波ちゃんはまるで女康介(チャンピオン康介の女版)を想わせる強さだった。しかし”女康介”では言い難いので、僕から彼女に『康子』というランニングネ-ムを与えたい。
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中尾橋にて山行終了

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