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白山白川郷(4)~白川郷、そして平瀬へ

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白川郷散策


・・前回の続き


中宮道登山口に無事下山し、ようやく長い山の部が終わった。当初”絶景を眺めながらの爽快トレイル”を誰もが頭に想い描いていたが、結局は藪に苦しまされた荒行の部分が多数を占めた。登山口(下山口)から直ぐのところに水場があった。僕だけでなく、仲間も皆腕も脚も泥まみれで、見るからに汚ならしい。僕はこの後ヒッチハイクをすることに決めていた。ヒッチハイクは若い頃よくやっていたので、一応心得はある。上手くいけば数分、最低30分もあれば成功するだろうとかなりの自信もあった。ただ問題は、そもそも通行車両がいるかどうか。閉鎖時刻も迫っているし、出来れば用事で岐阜県側に抜けるような仕事車両に乗せてもらえればラッキ-だなと思っていた。ヒッチハイク(タダ乗り)を大前提とし、どうしても車がつかまらなければ『代わりに通行料金を僕らが支払うので、何とか乗せて下さい・・』という最終手段(タッちゃん発案)も備えてはいた。いずれにせよ泥だらけの格好では明らかに敬遠されるし、頼む側として大変失礼な話だ。少しでも印象を良くしようとする手法は、ドロンズの笑顔作戦にも似ている。そんな訳で僕はこの先に備え、仲間に泥を落とさせた。
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この後に備えて全身の泥を落とす
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中宮温泉

舗装路を力なく走り、白山白川郷ホワイトロ-ドの中宮料金所(石川県側)まで下りてきた。到着するなり、僕はゲ-トの数十m手前で早速一人ヒッチハイクを始める。仲間3人は料金所に出向き、何やら尋ねていた。しかしここでの係員(オバちゃん)とのやりとりが、後に僕らの運命を左右する。早速僕の方も車が1台止まった。・・と言うよりは半ば強引に止めた。こんな通行量の少ない場面で律儀に親指を立てていても、車が止まってくれる確率はほぼゼロに近い。以前岳登と中東を旅した時のヨルダンでのヒッチハイクの時程今回は切羽詰っていなかったが、僕は車の前に立ちはだかるように手を挙げ、確実に車を止めた。間違えて石川県側に下りてしまい、帰れなくて困っている旨を告げ、ドライバ-に懇願。しかしこの車は白川村へは行かないと断わられた。料金所から戻ってきた仲間は、『一先ず事務所に行ってみたら』というアドバイスを得ていた。僕はゲ-ト近くのこの場所でヒッチハイクを続けたかったが、車がつかまっても仲間が近くにいない・・では話にならないので、仲間を追うように歩きながらヒッチハイクを続ける。颯爽と無視されたスポ-ツカ-以外、やって来た車は全て止めた。見通しが悪い曲がりカ-ブでは、後続車の追突を避ける為、ほっしゃんらに交通誘導を任せた。ドライバ-は皆好意的に話を聞いてくれたが、これから中宮温泉に行く、乗せてあげたいが4人は無理だ、頂上の三方岩までなら乗せてあげられる等、条件が合わなかった。概ね印象は悪くないので、ゲ-ト前で粘れば確実に成功しそうな感じではある。
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中宮料金所(石川県側)  ※料金所で尋ねたことが、この後のタ-ニングポイントとなった
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白山林道(ホワイトロ-ド)石川管理事務所

料金所のオバちゃんから指示された管理事務所に着いた。話の概要はオバちゃんから伝わっていたようで、僕らの姿を見かけるなり、男性が建物から出てきてくれた。話によると、道路パトロ-ルが閉鎖の17時にあるのでそれに乗せてくれるという。僕らは乗せてもらえるなら何時でも嬉しかったが、事務所の男性は更に機転を効かしてくれ、何やら内部で調整をしてくれた。その結果、今から馬狩料金所まで僕らを運んでくれるという有り難き言葉が返ってきた。1日4回行われる道路パトロ-ルのおそらく3回目の便として、急遽僕らを乗せて発車するというのだ。助かりました。本当に有難うございます!皆喜び、しきりに感謝した。全く融通の利かない乗鞍スカイラインとは雲泥の差だ。紅一点の波ちゃんを助手席に乗せ、ヒッチハイクの鉄則に則り、終始ドライバ-との会話に努める。この道路は歩行禁止で登山者も釣り人も断じて通行出来ないと言う。それにしても今改めて通ってみて、この坂の上り下りはかなり大変だろうなと思った。それに水場もないし、そもそも携帯の電波も入らない。三方岩駐車場が岐阜管理事務所との管理境のようだったが、事前に先方に話を付けてくれていたのか、乗車人数の関係(中宮の車は最大5人、馬狩はおそらく最大4人乗り)で本来の管轄を越え終点の馬狩まで僕らを送ってくれた。やはり旅は融通の利く少数に尽きるが、本来は多くても2、3人がベストだろう。こうして僕らは無事、当初下山予定だった馬狩まで瞬時にしてワ-プした。
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馬狩料金所(岐阜県側)  ※ビザ(車)がないと通過出来ない、ある意味ここは国境

ゲ-ト前の空き地でしばし休憩。各自おにぎり等の補給を摂りながら、シナノキ平避難小屋からここまでの出来事を面白おかしく振り返る。結局これが旅なんですね・・とメンバ-の誰かが言った。強引な後付け感は否めないが、結局はアクシデントを含め道中起こる全てを楽しんでこそ、僕のジャ-ニ-、すなわち『山旅』は完結する。メンバ-もここまでの流れが余程新鮮だったようで、普段のアスリ-ト系ではなく、僕の旅系に少しは興味を抱いてくれたようだ。タッちゃんとほっしゃんはどこか調子が悪いのか、白川郷をゴ-ルにするので迎えに来て・・と言っている。当初(山行数日前)僕はそんな中途半端な仲間に、『最後まで来れないなら参加は見送ってくれ!』、『白川に迎えに行く気なんて更々ない!』と厳しく言ってきた。しかし今となっては試練を共に乗り越えて来たことで仲間感は一層増し、『仕方ない、迎えに行ってやるか』と僕もかなり温厚になっていた。ほっしゃんが後ろに送れている。先程のパト車の中では僕と波ちゃんだけが元気で、後の2人は笑う元気もなかった。
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白川郷に向けて、ラン再開

しかしほっしゃんはいつしか復活し、気付くと僕らの後ろについていた。4人揃って橋を渡り、荻町集落へと近付いていく。そして荻原の信号より徒歩に切り替え、世界遺産白川郷の散策を始める。大汗を垂らしながら歩く僕らの姿は、おそらく異様な光景だったと思う。飛騨人である僕らにとって白川は特に珍しい所ではないが、意外にもほっしゃんは初めてだと言う。しかしその記念すべき初白川を今こうして、それも考えられる最も困難な方法で訪れ、今日の思い出はほっしゃんの脳裏に深く刻まれたことだろうと思う。昔岳登と立ち寄ったソフトクリ-ム屋で、皆今日一番楽しみにしていた”どぶろく風ソフトクリ-ム”を堪能。中宮料金所で僕らを見かけたという夫婦が話しかけてきて、僕らが何故ここにいるのか不思議がっていた。締めはコ-ラで喉を潤し、メンバ-皆大満足。再び白川郷をゆっくり散策し、『僕らの白山白川郷』の証拠用に合掌家屋を背景に人力車の車夫に写真を撮ってもらう。そして集落散策を終え、再びラン再開。ゴ-ルとなる道の駅・飛騨白山までは残り12㌔程となっている。
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国指定重要文化財 和田家
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どぶろく風ソフトクリ-ム  ※1個350円
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コ-ラが美味い
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世界遺産 白川郷合掌造り集落 (1995年登録)
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白川郷散策を終え、いざ最終ロ-ドへ

ソフトクリ-ムを食べたことが余程嬉しかったのか、タッちゃんは完全に復活した。走り出すと直ぐに飛び出し、僕らとの差はみるみる広がっていった。あんなお調子者はほっといて、3人で確実にペ-スを刻む。このまま3人でゴ-ルすものと思っていた。ほっしゃんの復活具合はまだ見抜けないが、波ちゃんは今日まだ疲れた表情を見せていない。それは僕も同じで、馬狩から白川へのロ-ドも快調だった。そんな中、遅れたのは僕だった。国道156号に出て、最初の洞門辺りで走り続けるのが辛くなった。少し歩けばまた走れるような状態だったので、しばらくは離れ行く2人の姿を捉えながら、その後姿を視界から消さないように必死に食らいついていた。しかし走り続ける者と時折歩く者との差は顕著に現れ始め、いつしかその後姿は僕の視界から完全に消えた。そして僕の一人旅が始まった。
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野谷橋  ※既に皆に引き離され、最後尾を一人旅

予想に反し上り下りが多く、結構きついロ-ドだった。計画時点から僕が一番心配していたのは、この最終パ-トのロ-ドであった。この国道156号線は僕が目指す『さくら道』でも通るコ-スだが、『やっぱ俺には永遠に無理だな・・』とトボトボと坂道を進む。遥か前には仲間がいるはずで、その数㌔後ろを僕は歩いている。きっと擦れ違うドライバ-は、僕のことを随分遅い奴だと思ってるんだろうな。ネガティブにそう考えながらも、『俺が遅いんじゃない。アイツらが早過ぎるんだ!』とムキになり自分を慰めた。そしてようやく『平瀬』の文字が出てきた時は心底嬉しかった。タッちゃんはおそらく17:40頃にゴ-ルするだろう。続く2人も17:50頃には着くだろう。出来れば僕は18時には着きたかったが、相変わらず走り通せないし、時間的な目標は捨てた。ただ単に早くゴ-ルに着きたい・・。その一心だった。
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ようやく『平瀬』の文字が出てきてくれた

新平瀬トンネルを抜けて、ゴ-ルが近いことを悟った。そして待望の道路標識。道の駅・飛騨白山へは1㌔と表示されている。『ナイス看板!』と内心叫ぶ。この種の標識は大概残り2㌔が多かったような気もしていただけに、その僅か1㌔の差が疲れ果てた僕にはすごく嬉しかった。ラストスパ-トする力は残っていないが、一応歩かないように頑張って腕を振る。そして更に待望の次の道路標識が現れた。次の表示は道の駅・飛騨白山まで300m。またもラッキ-、200m得した。この標識を遠越しに見つけた時、僕はその距離に注目した。僕は視力が0.1前後と悪い為(運動時はメガネをかけない)、近付かないと小さい文字は判別出来ない。そして残り500mだと思っていた距離が残り300mだと知った時、またも『ナイス看板!』と心の中で叫んでいた。この距離表示は死にかけたランナ-には大変有り難い。
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ゴ-ルまで1㌔  ※表示が残り2㌔だったら、多分心は折れていた
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ゴ-ルまで300m  ※この表示も残り500mでなくて助かった

ゴ-ルに着くと、波ちゃんがニコニコしながら歩み寄ってきた。皆は17:50に揃ってゴ-ルしたようで、最後デットヒ-トで波ちゃんがスピ-ド系の2人を振り切り、トップでゴ-ルした。タッちゃんとほっしゃんには、僕は内心裏切られたと思っている。馬狩でのあの超弱気な発言は一体何だったんだ。何が迎えに来いだよ。それに対し波ちゃんはかなり強かった。あの子はどんな状態でも確実にマイペ-スを貫き、決して笑顔を絶やさない。男性陣はもっと鍛錬が必要ですね・・。タッちゃんは別れ際僕にそう言ったが、その言葉の意味は僕が一番重く受け止めている。今日のジャ-ニ-で株を上げたのは間違いなく、唯一波ちゃんだけ。しかし彼女の勢いはまだまだ止まらない。翌週のジャ-ニ-でも、僕とほっしゃんは彼女の強さを目の当たりにすることになる。
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仲間より20分遅れてゴ-ル
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皆強ぇな
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道の駅・飛騨白山  ※左からほっしゃん、僕、タッちゃん、波ちゃん

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