第13回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(3)~大会2日目、夜が明けて
・・前回の続き
仮眠所での大休憩。本来ここも軽い休憩で済ませられればいいのだが、僕の脚は既に一杯一杯で到底それは叶わない。湯舟に浸かり、しばし脚の筋肉をほぐす。しかしこの『湯舟に浸かる』という行為は『脚を冷やすアイシング』の逆のことをしているようで、本当に脚の為になっているのか未だ定かではない。それにレ-ス途中での入浴はその後の走る気力を一気に失ってしまわないかと昨年は心配していたが、昨年の経験では実際に脚は多少はリセットされ、その後の走りにはいい影響を与えてくれた。入浴後休憩所にて夕食弁当やビ-ルを頂き、朝食用にパックおにぎり2つとペットボトル2本を受け取り、ようやく仮眠所を発つ。1時間の休憩予定が結局16分超えてしまったことは、来年への反省点。

20:16仮眠所を発つ ※1時間で出るつもりが、16分オ-バ-
ここから始まる、初めての徹夜ラン。昨年は結局一睡も出来なかったが、仮眠所の布団で数時間足を伸ばして横になり、目を閉じていただけで体力は大方回復し、その後睡魔は一度も襲ってこなかった。そして今回、果たして僕の脚はこの先も動くのだろうか・・、本当に睡魔は襲ってこないのだろうか・・、心配事は尽きない。ラジオを流しながら、暗闇の中一人で突き進む。前後にランナ-は全くおらず、完全に夜の単独走。ただ昨年の夜間走に嫌な思い出はないし、動いている限り僕には睡魔は無縁だと思っていた。新たな集落に入る度に何箇所かバス停留所(扉付きの小屋)はあったが、仮眠所を出てまだ時間もそれ程経っておらず、出来るだけ距離を延ばそうとスル-して進んだ。しかし走っているうちは問題ないが、長い坂道(上り)などで歩いていると、徐々に睡魔が襲ってきた。無理すればそのまま行ける気もしたが、ここは早め早めの対策を心掛け、次のバス小屋を探す。しかし肝心な時には中々現れず、たまに見つけても中を覘くと既に先客が横たわっていた。外気を浴びては寒くて眠れそうになかったが、そのうち我慢出来なくなり、東屋のベンチで横になり30分の仮眠を取る。上には防寒着兼として持参した山カッパを着込んで対処したが、下は持参していないので短パン姿のまま。結果寒くて全く眠れなかった上に、一気に体が芯から冷えてしまった。

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夜間の単独走

眠くなり堪らず東屋で30分横になるも、寒くて一睡も出来ず
しかし長く休んだことで脚だけは少しはリフレッシュし、上りも走れる程に回復した。昨年の同部屋ランナ-を快調に抜き、休んだ遅れを取り戻そうと必死に走る。しかし睡魔は再び坂道上りの歩きでやってきた。仕方なくトンネル内や脇道で体育座りをして、5分睡眠を繰り返す。タイマ-をかけてのこの5分睡眠は中々いい作戦で、目を閉じるだけでも脳は休ませれるし、附随して脚も休ませることが出来る。その為、休憩後は僅かの間だが快走が出来る。しかし今回は結局この5分睡眠を最後まで何度も繰り返したことで、結果として仮眠時間が嵩張ってしまった。先程のベンチでの30分仮眠は全く意味がないものと分かったので、来年からはまとまった仮眠は取らず、5分睡眠で凌ごうと思う。

次のエイド『多田』の文字が出てきた

約120㌔地点 ※これは自転車の㌔表示。佐渡エコは-10㌔
そして2:38、ようやく第3エイドの多田海浜公園(127.6㌔)に到着。昨年より2時間46分早いが、あまりいい兆候ではない。仮眠所到着時点で昨年より1時間貯金を作り、仮眠所での仮眠無しで更に3時間昨年と比べて貯金を作った筈でいる。しかし昨年と比べ4時間どころか、3時間も先行していないのは随分遅れてきた証拠だ。2張のテントや芝に敷かれたシ-トでは仮眠するランナ-が多い。このエイドの醍醐味は何よりもカップラ-メンだろうが、既に残り3、4個しかないと言う。欲しかったカレ-味や醤油味はなく、仕方なく刺激が少なそうなシ-フ-ド味をチョイス。しかしそれが激辛版だったようで、汁を飲み切るのが大変だった。こんな場面に限ってスタッフは、『汁まで残さないように・・』と再三訴えている。エイドの度に見かけていた笹包みだが、結局今回も1個も食べなかった。後で知ったがどうやらこの中には甘い団子が入っていたようで、食べなかったことに悔いが残るが、この時の僕にはどう見ても笹寿司にしか見えなかった。

第3エイド 多田海浜公園(127.6㌔) ※昨年より2時間46分早いが、随分遅れてきた

カップ麺は残り僅かだった ※シ-フ-ドを選ぶも激辛で美味しくなかった

サンライズ城が浜温泉前の水場

ここは赤泊 ※『小木』の文字も出てきた
今回のゴ-ル目標は32時間と設定しているが、その前提条件として24時間で170㌔は進みたいと考えていた。それは『さくら道』の第4CP(白川村、172.6㌔)の制限時間が24時間半である為だ。従って小木くらいは当然暗いうちに通過しておき、次の第4最終エイドも出来れば暗いうちに通過しておきたい。それが無理でも朝6時(24時間経過)までに第4最終エイド(159.8㌔)くらいは最低踏んでおかないと僕に未来はない。しかし僕の想定とは裏腹に、無情にも早々と陽は昇ってしまう。やはり僕の今の実力では、24時間で160㌔すら不可能だったことを思い知らされた。初めての24時間走のつもりで挑んだが、結果142㌔と撃沈。この時点で目標の32時間ゴ-ルも消滅した。何で俺はこんな辛いことをしているんだ・・。自暴自棄も膨らみ、今後さくら道を目指すことも、来年以降佐渡を走ることももう止めてしまおうと真剣に思っていた。

長い夜が明け

新たな1日が始まった

5:56で杉野浦(約142㌔) ※目標としていた24時間で170㌔とは程遠い
つづく・・
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| 2018 | 08:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑