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第24回八ヶ岳野辺山高原ウルトラマラソン


・・前回の続き


2018年5月20日、第24回星の郷八ヶ岳野辺山高原ウルトラマラソンが開催された。前月の富士五湖の鬱憤を晴らすべく、自身に対してのリベンジの覚悟で挑む。野辺山を制する者はウルトラを制す・・。国内最難関とも言われるこの大会は確かに辛く、通常の100㌔よりも1時間余計にかかることは実際に走って立証された。そしてその要因に挙がるのが、延々と続く未舗装林道の長い上り、無駄に辛いだけの折り返し、終盤に立ちはだかる馬越峠など。昨年初めてこの大会を走った直後は、もう二度と出ないと決めていた。しかしその思いは直ぐに薄れ、結局は今日に至る。そして今ではユプシロン(その前にデカフォレスト)を目指そうかとさえ思っている。

大会当日の未明、外はまるで冬のように寒い。会場ではトイレの長い順番待ちに捕まり、スタ-ト5分前にようやく列に加わった。そして黄色ゼッケンをつけた第2組は5時15分にスタ-ト、ここに野辺山の長い旅が始まった。陽は上ってはいるが気温は3度程度。下はスパッツを履き、上はジャケットを羽織り、その上フ-ドで頭を覆う。指なし手袋もはめ、完全に冬ランの井出達だ。並んだ位置が後方寄りだった為、出走時のペ-スが合わず、横に出ては前のランナ-を追い越していく。やがて未舗装の林道へと入り、足場の悪い中、ひたすら一辺倒の上りが続く。気温は低く、自ずとシッコも近くなる。どこのトイレにも長い列が出来、並べば確実に10分近いロスは避けられない。しかし頃合いを見て、どこかのエイドで空いているトイレに並んだ。それでも5分のロスを受け、気持ち的に後まで引きずることになった。林道を奥へ進むにつれ、小キジするランナ-が目立ち始め、僕も混じっては脇道に逸れ仁王立ち。最初からこうすべきだったと反省し、以降仮設トイレには入らなかった。
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5:15スタ-トの第2組(黄色ゼッケン)  ※ゲ-ト通過まで1分5秒のロス
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八ヶ岳連峰
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コ-ス最高地点
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必殺!ブドウの鷲掴み

最高地点から下りにかかり、稲子湯までやって来た。今日は涼しいので本当はここで温泉にでもゆっくりと浸かりたいところだ(ランナ-は無料で入浴可能)。しかしさすがにそんな時間の労費はとても出来ない。ボランティアのオジサンに訊いたところ、ここまで数人温泉に入ったとのこと。エイドの草むらに腰を下ろし、野沢菜とおにぎりを一緒に食す。野沢菜の塩気が抜群に美味く、おにぎりは何個でも食べられる。このエイドにはおしるこもあり、ここで後半に向けてのエネルギ-を十二分に蓄えておきたい。一度上り返した後一気に下り、八峰の湯で42㌔の部はゴ-ル。ここでも入浴可能だが、入るランナ-は稀だろう。先月富士五湖のエイドで取り損ねていたエナジ-ジェルがこのエイドには大量に置いてあり、遠慮なしに貰っておいた。尚も下りは続き、下り切った辺りが半分の50㌔。富士五湖では5時間を切っていたが、とても野辺山ではそのタイムは期待出来ない。
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稲子湯(35㌔)エイド  ※ここの野沢菜が絶品、おにぎりと一緒に
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おしるこも美味い

ここに来て、早くも疲労がピ-クに達し始めた。次のエイドまでが異様に遠く感じ、54㌔エイドでついに僕の脚は限界に達した。この調子で残り46㌔も進めるのか・・。完走さえも危うくなり、歩きの入った僕は、周りで走っているランナ-を見ては深い喪失感に見舞われた。そんな時現れたのが、交差点に立つ一人の女性。無言で応援するその女性は、優しく微笑んだまま応援メッセ-ジを胸の前に掲げていた。この出会いが僕をどん底から蘇らせてくれた。『要はハ-ト』。彼女が持つ紙の切れ端には、一言だけそう記されていた。実に的を得たその短い言葉に瞬時に反応し、僕の心に火が灯った。要は皆きついんだ。ここにいるランナ-は誰しも僕と同じ距離を同じペ-スで走っている。なのに僕は歩き、皆は走っている。その違いは何なのか・・。要は気持ちの問題、ただそれだけだと。大会中は滅多に使わないウォ-クマン(最後の手段)を耳に装着し、以降ゴ-ルまで渡辺美里を大ボリュ-ムで流し続けた。いつしか復活を遂げ、第4関門の滝見の湯へ到達。ここで71㌔の部のランナ-はゴ-ルとなる。ちなみにここでも入浴可能だが、とても温泉どころではない。
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この大会で一番嫌な折り返し区間  ※気持ちが一番滅入る
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南相木村役場(68㌔)エイド  ※あんころ
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今日は比較的涼しいので、被り水は控えめに
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第4関門 滝見の湯(71㌔)

そして最後かつ最大の難所、馬越峠を迎えた。昨年は頑張り走って上った分、下りで疲れ果て自滅した。今年はその教訓を意識しながらも、時折歩きを交え、半分は走った。峠での小休憩を経て、いざ問題の下り。しかし今年は最後まで脚は持ち堪えてくれ、周りと同じペ-スで走り続けることが出来た。下り切った後の平坦な道。昨年は随分と長く感じ苦戦した記憶があるが、今年はここも走り続けた分、87㌔関門までは近く感じることが出来た。馬越峠までは昨年とほぼ同じタイムだったが、峠以降の快調により昨年との差は少しずつ広がってきた。昨日調子に乗ってアイスを9個も食べてしまったが、反して今日は胃の調子が良い。食べれるうちに食べておく作戦が功を奏し、この復活劇につながっている。
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100㌔ランナ-の前に立ちはだかる馬越峠
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第6関門 川上村原公民館(87㌔)  ※うどん

次のエイドだけを目指しながらここまで辿り着き、最後の第6関門(87㌔)をも越えた。次に目指すは90㌔の計測地点。そしてその次はラスト5㌔。順に目標を直ぐ目の前のタ-ゲットに定め、少しずつゴ-ルへと近づく亀戦法。最終エイド(96.7㌔)まで来れば会場のアナウンスが大きく響いてくるが、ここから直に会場へは向えず、少し遠回りしなければならない。・・『あと3km』を通過。『あと2km』は見落としていたようだが、次に現れたのが『あと1km』で助かった。最後の看板を目にし、全力疾走に切り替える。無い力を必死に振り絞り、前の走者を抜きにかかる。せいぜい出ても㌔5分30秒程のスピ-ドではあるが、追い越したランナ-の数をカウントしながら、10人追い越したところで最後の角を左折。そしてゴ-ル手前、『〇〇さん!』と叫び声が僕の耳に届いた。
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最後まで坂
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あと3km

そこには見たことのある顔が。ジョグノ-トのラン友である高橋さん(10時間少しで先にゴ-ル)が昨年に続き声を掛けてくれ、歩道側に寄りハイタッチを交わす。走りながら目標に決めていた18時に何とか間に合った。結果、昨年よりタイムは30分短縮。今年は気温が低かったこともあり、走るには絶好のコンディションで、完走率も高かった。野辺山には不思議な魅力がある。辛ければ辛い程・・という要素こそがウルトラマラソンの本質であり、長距離を走る者にとって野辺山はその最たる舞台とも言える。このコ-スを20回も走っている先輩方は本当に凄い。20年間強い意志を持ち続けることがどれだけ大変なことか、一度でも野辺山を走った者にはそれが痛いほど分かる。
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ゴ~ル!  ※富士五湖の鬱憤は晴らせた
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野辺山は完走することに意義がある
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完走証と完走メダル

第24回星の郷八ヶ岳野辺山高原ウルトラマラソン

距離:100km
時間:12時間43分15秒
順位:558位/1986人(男子) 
完走率:71.2%(1414人)

経過:0km(00:01:05)、10km(01:00:06)、20km(02:19:28)、30km(03:23:20)、40km(04:32:05)、50km(05:38:07)、60km(07:10:39)、70km(08:38:54)、80km(10:13:25)、90km(11:22:55)

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| 2018 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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