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第12回佐渡島一周エコ・ジャ-ニ-208km(6)~第4エイド(約160km)迄


・・前回の続き


夜明けの第3エイドでは、30分程休憩した。入れ替わるように男女グル-プ(男性3人、女性1人)が到着。これまで何度か擦れ違ってきたこの方々、昨夜トンネル手前でビバ-グするように座り込み、休んでいた。そこへ到着した僕も、眠気を感じ始めていた頃だったので、草むらに横たわり、10分程目を閉じた。自販機前でうずくまる姿も昨夜何度か目にしたし、皆凍える夜を、眠気と闘いながら必死に乗り越えてきた。昨夜はトンネル内で休む姿も見かけたが、確かにトンネルの中は明るいし、風も来ない。トンネルはこの上ないシェルタ-だなと感じた。小木港まで19km。次に目指すは、小木か・・。100㌔を越え既に未知の領域に入っているが、意外と走れている自分に驚いた。
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多田トンネル
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総延長1510m
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小木港19km(6:27)

しばらく水色シャツの男性ランナ-と前後していた。夜明け前、路肩にしゃがみ込み、補給を摂っていた男性だ。何度後ろから追い抜いても、少しでも歩いたものなら、直ぐに追い抜かれてしまう。淡々と走るその姿に、底知れぬ走力を感じた。今のところ、今日も天気は良さそうだ。本州もよく見えている。6:49、サンライズ城が浜温泉(134.6㌔)に到着。ここでは10時から21時まで、400円で入浴が可能だそうだ。水道を見つけ、そこでペットボトルに水を補給。予定外の出費(ホテルめおとでのカ-ド払い不可)で手持ち金が一気に少なくなってしまった為、極力お金は使わないよう心掛けている。
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しばらくの間、水色シャツの男性と前後
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いい朝だ
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本州(大陸)も見える
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稲穂干し
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水道で水を補給(6:49)  ※この先にトイレもあった

胸元に差し込んだポケットラジオを聴きながら、赤泊の町を抜けていく。朝のFM放送はとても爽やかで、昨夜一晩中台風情報ばかり流していたAM放送とは気分の高まり感が違った。エイドを出て1時間を過ぎ、Aコ-プ赤泊店。ここもル-ト上の数少ない商店になるが、開店前の為まだ開いてはいない。小木まで9km。いよいよ小木も近付いてきた。前方を走るオレンジシャツの男性は、第2エイド(約60㌔)へ一緒に入った横浜のランナ-Mさんだ。そんな彼、第3エイド直後のトンネル内では猛烈な睡魔に襲われていた。一声かけて越していったが、フラフラと危なっかしく歩いていて心配だった。しかしいつしか眠気は覚めたようで、先程道路反対側を颯爽と走り去っていった。道路の反対側だったので、その時は声は掛けなかった。その後しばらくは、前方に見えるオレンジ色のTシャツを離れないように追いかけた。やがて坂道でその差を詰め、トンネルを抜けた下りで僕の方から一声掛けた。これが運命となり、今回の佐渡のタ-ニングポイントとなった。
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カモメ  ※FMで音楽を聴きながら結構僕も楽しんでいる
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Aコ-プは開店前(7:06)
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花畑
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小木9km(8:07)  ※この後Mさんとは、ゴ-ルまでの12時間を共に

Mさんと話しながら走っていると、疲れは自然と遠のいていった。話すことに全神経を集中している為か、疲れていることすら、走っていることさえも忘れてしまう。ともに200㌔超の大会は初めてながら、Mさんの走りはとても力強かった。Mさんはイスラエル関係の仕事をしていて、イスラエルに住んでいたことがあると言う。僕もイスラエルは好きな国であり、自ずと話は盛り上がった。歳は僕より2、3上だったが、とてもそうは見えない。Mさんに限らず、走っている人は10歳は若く見える。僕らの盛り上がりに後ろから男性が一人加わる。明け方来、しばらく僕と前後していた水色シャツのランナ-、福井のSさんだ。話を聞くと、通りでこの男性は強い訳だ。川の道520㌔を完走したと言うのだから、208㌔くらい屁でもないだろう。日本各地のウルトラの大会や山の話等をしていたら、知らぬ間に小木に到着していた。これは凄くいい展開だ。一人でダラダラ走っていたら、間違いなく小木までの9㌔は長かったはずだ。ス-パ-マ-ケットたんぽぽに着くと、先を行くランナ-が休んでいた。ここは位置的に、コ-ス最大のオアシスとなる。何か変わった物、エイドでは置いてない物がとにかく食べたかった。アイス系が食べたかったので、レモン味のかき氷を食べ胃をリフレッシュさせた。
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ス-パ-マ-ケット たんぽぽ(9:23)  ※ここは場所柄コ-ス最大のオアシス
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かき氷最高!

ここは、懐かしき小木の町。上越(直江津)からフェリ-に乗ると、ここ小木港に到着する。20年程前、この小木港へはヒッチハイクなどして3度来たことがある。幻の酒として一世を風靡した『越乃寒梅』を町で購入し、今でもその酒屋からは年に1度暑中見舞いの便りが送られてくる。小木と言えば、たらい舟。500円で乗ることも出来るが、僕らは結局乗らなかった。ここで赤シャツの男性が、ニコニコしながら近付いてきた。やっと今、たらい舟に乗ってきたのだと言う。この男性はここに来る前にしばらくコ-スアウトしていたらしく、往復で15㌔程明後日の方向を走ってしまったそうだ。若干分かり難い小木町内、いつしかこの男性(奈良のIさん)も加わり、集団は4人になった。このIさんもさすがに強い。僕だったらコ-スを逸れた時点で既に走る気力を無くしているだろうに、この男性は余分な15㌔も寛大な笑みで片付けてしまい、既に苦い思い出にしてしまっている。
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懐かしき小木
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『小木』と言えば、たらい舟(9:51)
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おぎの湯(10:05)  ※入浴(500円)と食事が可

この後は、しばらく4人で走ることに。基本上りは歩くが、平坦や下りは当然歩くことはない。おそらくこの中で僕が一番走力がない。もし1人だったら心が折れて絶対に歩いていただろうが、皆に引っ張られ、僕も何とか走り続けることが出来た。誰かが写真を撮ったり、自販機でドリンクを買ったり、疲れて歩いたり・・。しかし自ずと先頭を行く者は走りを止め、4人で進むという連帯感が知らぬ間に出来上がっていた。僕としてもこんな経験は初めてで、せめて足を引っ張らないようにと踏ん張り、しかし楽しみながらも4人で第4エイドを目指した。この先の宿根木集落は佐渡の見所の一つとなり、主催者は気を利かせてくれ、わざわざ集落をすり抜けるコ-スを設定していた。しかし僕らは話に夢中になっていたからか、集落へは入らなかった(入れなかった)。確かに後々地図を見てもかなり分かり難く、もう一度走ったとしても再び間違える可能性は高い。宿根木でもたらい舟に乗れるようで、こちらの方が波は穏やかだった。
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小木宿根木郵便局

以降も4人で話をしながら楽しく進み、待望のエイドらしきが見えてきた。断崖絶壁に建つ、深浦展望台。10:59、ここが第4エイド(159.8㌔)、かつ今大会最後のエイドとなる。この先ゴ-ル208㌔地点のホテルめおとまで約50㌔、主催者による提供物はない。160㌔と言えば名古屋から高山までの距離である。二十歳の頃、僕はこの距離を48時間かけ走って帰省したことがある。・・あれから24年。歳をとり僕も中年になったが、錬成を重ね、若かりし頃の僕よりは確実にパワ-アップしている。その証拠にここまで29時間で到達したし、今では余力すら感じている。第3エイドに続き、この第4エイドでもカップ麺が主食だった。おにぎりは食べたくないが、カップ麺なら喜んで胃が欲している。ビ-ルも貰え、冷えたビ-ルを1本頂いた。さすがに走りへの悪影響を懸念し、半分は残しておいた。仮眠所でビ-ルを2本飲んだという(羨ましい)Iさんも、勿論ビ-ルをプシュ!この先ゴ-ルまでのエネルギ-源を蓄えるべく、おにぎりにお湯をかけ、梅干しと共にお茶漬けにして掻きこんでおいた。まさかこの距離に、こんなにも楽に辿り着けるとは思ってもいなかった。当然仲間がいるとも思ってもいなかった。僕一人だったら確実に後1、2時間は遅かっただろう。Mさん始め、みんな有難うございました。
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真新しいブリッジの先に
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待望のエイドが見えた
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第4エイド 深浦展望台(159.8㌔)
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カップ麺、ビ-ル最高!  ※おにぎりと梅干はお茶(お湯)漬けにして
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最終エイド(この先50㌔何もない)だけあり、補給食は充実  ※持ち出しも含めこのエイドで以降全て賄える


つづく・・

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| 2017 | 15:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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