朝食 ※ホッパ-とド-サ(下)
キャンディ駅改札をくぐりプラットホ-ムに入ると、早速ベンチに座る石上さんの姿を確認。
アッ、おった!
意外と早くの再会にも、互いにさほど驚きはない。
ふと、ツ-リストがぞろぞろと3番ホ-ムへと流れ始めた。
まさかこの客みな山に登るのか(宿が取れるだろうか・・)と一瞬不安になったが、ハットンは途中駅の一つに過ぎず、どうやらそうでもないようだ。
プラットホ-ムは大混雑ホ-ムに列車が入ってきた。
しかしその列車は行き先が違うらしく、ほとんどのツ-リストは結果的に見送ることに。
僕らも含め、誰しも乗るべき列車が今一分かっていない。
3番乗り場は旅行者や現地の人で溢れ、席の争奪戦になることは容易に想像出来た。
そして次の列車が入ってきた。
どうやら、今度は乗り込むべき列車のようだ。
この時不思議と感じていたが、その予感通り、僕の目の前でピタリと乗降口が止まった。
右手をドアに掛け、後ろから乗り込もうとするライバル達を一斉に阻止。
この乗降口に限っては、完全に僕が支配した格好だ。
そして降りる客を一通り見届けたところで、すぐさま車内に飛び込む。
何とか席を2つ確保したが、窓側は全て取られてしまった。
降りる客を律儀に見守っていた分、他の乗降口のトップより始動が幾分遅れてしまった。
ここは我先にと乗り込む貪欲さが必要だった。
僕らの切符は2等だが、どうやらこの車両は3等のようだ。
どおりでロ-カル人ばかりな訳だ。
何とか座れたが、激戦の3等車両に乗ってしまった辛うじて取った通路側の席では、自慢の景色を楽しむことは出来なかった。
優しい性格の石上さんは争奪戦には参加せず、おとなしく連結部分で立っているのが見える。
キャンディからバドゥッラ間は、『アジアで一番美しい車窓』と言われている。
従って鉄道はツ-リストに人気が高く、移動自体がこの辺りの観光資源ともなっている。
通路側の僕は、そんな景色を楽しもうと、窓の方に目を向ける。
それは誰もが予想し得る、当たり前の行為だろう。
僕の右隣(窓側)には現地風の大男が、友人と楽しそうに話をしている。
しかしこの大男、いちいち僕の方を向き、視線の先を確認してくる。
誰もお前なんか見とらんさ・・。
こちらはただ景色を見ているだけなのに、男は自分が見られているとでも思っているのだろう。
だったら、席を替われよ・・。
かなりウザい、この大男。
2人掛けのシ-トもほとんど占領しているし、偉そうなくせして、中々の小心者とみた。
半分を過ぎた頃ようやく前の席が空いたのでさっさと移動、この男の隣では居心地が悪過ぎる。
移動した席は進路と反対方向だったが、窓から顔を出し、景色は充分楽しめた。
そして予想より1時間早く、2時間半でハットン駅に到着。


以上、世界の車窓から
ハットン駅駅を出ると、ナラタニヤ行きのバスが止まっていた。
列車の到着に合わせて駅前で待機しているようだ。
早速バスに乗り込み、最前列の席に座った。
次第にツ-リストが集まり、やがて車内は一杯になった。
ナラタニヤ行きバスはたしてこれだけの客を受け入れる宿はあるのだろうか、またもや心配になってきた。
今時飛び込みで探す旅行者は僕らくらいで、ほとんどの者はネットで事前に宿を押さえてくる。
標高1200m超の山道を、クネクネと車体を揺らしながら、ゆっくりと進んでいく。
茶畑が一面に広がり、明日登る聖なる頂スリ-・パ-ダも見えてきた。
どこから見てもそれと分かるその雄姿は、正に聖峰と呼ぶに相応しい。
1時間以上バスに揺られ、ようやく登山口のあるナラタニヤの町に到着した。
僕が先にバスを降りるが、後に続くはずのナナがバスから降りて来ない。
通常であればこれは絶対にあってはならないミスとなるが、この先行き止まりだし、石上さんも乗ったままなので内心それ程心配はしていない。
しかし外国でのミスは一度たりとも許されない。
これは命に直結する問題であり、ナナを一喝し、厳しく教えておいた。
絶対に俺から離れるな!
俺以外、簡単に信じるな!
これは子連れバックパッカ-の鉄則である。
ナラタニヤは町とは呼べない程のとても小さな集落だったが、宿は意外と多いようだ。
その上、どこも空室に近い。
しかし反面、値段は高く、部屋は汚いくせに一様に強気なのが気に食わない。
値段を尋ねると、逆にこちらに幾ら払うか訊き直すくらいで、ある程度の値巾は決まっていても、客を見て値段を決めているようだ。
4、5軒入ってみたが、汚らしい部屋のダブルで2500ルピ-もする。
ここまで幾つかの町を見てきただけに、この町の相場は腐っているとしか思えない。
次に入った宿はそこそこ綺麗で、2000ルピ-を1800ルピ-にまけてもらいここに投宿。
探せばもっと安い宿はあったかもしれない。
宿前の広場明日の登山口を下見しておこうと、町を歩く。
路地が1本しかないような寂れた集落だが、スリランカ全土から巡礼者、ツ-リストが集まって来るとあって、それを受け入れる店は多い。
宿が集まる広場周辺は完全にツ-リスト向けのレストランばかりで、値段はどこも高い。
登山口辺りまで離れると、ロ-カル向けの食堂が幾つかあった。
昼食の時間は14時過ぎと遅れてしまったが、17時過ぎにはしっかり夕食もとっておいた。
明日に備えて腹をこしらえ、宿ではこの旅初めてのホットシャワ-。
そして19時前、床に就いた。
昼食(ベジカレ-)
登山地図1 ※画像クリックで拡大
登山地図2 ※画像クリックで拡大
水場
スリ-・パ-ダを遠望
明日の為にル-ト偵察
茶屋で一服
部屋
テ-ブルが便利
最奥広場(ココ)が登山口 ※登山地図2つ、水場はここに有り
夕食(ベジカレ-)
最奥広場へと続く商店街
はしゃぐ若者 ※余程冷たいようで悲鳴を上げていたナラタニヤ・RANJANI HOTEL泊-Rs.1800朝食(ホッパ-Rs.20、ド-サRs.20) 鉄道(キャンディ~ハットンRs.110、Rs.60) リンゴ(小7個Rs.100) パン(Rs.35×2) バス(ハットン~ナラタニヤRs.70×2) 宿(Rs.1800) 明日用に(パンRs.35×2、クッキ-Rs.30) 昼食(べジカレ-Rs.160×2) ティ-(Rs.20×2) 明日用に(パンRs.30×2、サモサRs.30、エラワル・ロティRs.30) 明日用に(水1.5㍑Rs.70) 夕食(ライス&カリ-Rs.120×2) 計Rs.3210