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木曽駒ヶ岳(1)~強風吹き荒れて

先週登った笠ヶ岳の余韻冷め止まぬまま、今週は少し足を延ばして、遠路中央アルプスまでやって来た。登山口となる桂小場までは自宅から2時間半と意外と近い。この木曽駒、桂小場には何かと因縁めいた思い入れがある。ナナはここの山の神にすんなり受け入れてもらえるだろうか。不安を抱えたまま、前夜、傾いた駐車場で浅い眠りについた。・・そして翌朝、予定通り3時に桂小場をスタ-ト。駐車場には昨夜からの車が2台、他にも夜中1台来ていたがその車の姿はなかった。
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桂小場  ※東屋にある登山ポスト
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登山口  ※伊那谷では木曽駒ヶ岳を西駒、甲斐駒ヶ岳を東駒と呼ぶ
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ぶどうの泉

暗闇の登山は不安要素が多い。周りが一切見えないことで、進むべき方角に迷うことがある。しかし歴史あるこの桂小場発西駒登山道は、丁寧に刈払われた幅広の登山道がそんな不安を払拭してくれた。時折見かける古い道標で安心を得て、更に闇の行軍を続ける。今日はラジオ(勿論AMのみ)の入りがいつもよりいい。さすが人気の木曽駒だな・・。なんて思いながら、珍しく流れてきた洋楽に耳を傾け、意外と楽しい闇歩きに満足しきりだった。ぶどうの泉、野田場とも水量は充分。この先稜線で日の出を拝めれば理想だが、それが無理でも最低標高2000mまでは上がっておきたい。木曽山脈(中央ア)を代表する名峰だけあり、山頂に至るコ-スは幾つも用意されている。登りは誰しも目指すものが同じなので心配ないが、問題は下山時。下ばかり向いていると、別の登山口に下りかねないので注意が必要となる。
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一寸先は闇
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道標を見て安心
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野田場
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馬返し  ※『桂小場→』の向きが微妙に違うので下山時要注意

大樽小屋に到着。標高は既に2000mを越えているが、北アと違い森林限界は高く、まだ森は抜けていない。小屋の中で少し休ませてもらう。この小屋は備品が充実し、何故か紙パックの日本酒が置かれていた。外にはトイレもあり、近くには水場もあるらしい。景色がないのが残念だけど、万が一の場合には最高の避難小屋である。次第に朝の到来を感じながら、黙々と高度を稼ぐことだけに集中。胸突八丁の道標で、信州大ル-トと合流。先程までの歩き易かった土基調の道は、次第に岩が現れ、傾斜も幾分増してきた。六合目、津島神社(跡)、七合目と順に通過。今日の行程はナナにとっては少しイ-ジ-。休憩は最低限に留め、1時間で400mのアップを目標に登っている。
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大樽小屋  ※トイレ、水場(未確認)あり
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小屋内には寝袋や銀マット、水や日本酒、利用者ノ-トがあった
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朝の予感
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胸突八丁  ※ここで信大ル-トと合流
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六合目
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津島神社
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七合目
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雲海

胸突ノ頭で稜線に出て、その先で行者岩分岐。凍える寒さを感じ始めたので、早めに防寒対策を施す。この時期の山は既に初冬を迎えており、氷点下の冷え込みは覚悟しておいた方がいい。稜線の寒さは想定内のことで、対策は十分にしてきたつもりである。下半身はスパッツの上に山ズボン、更にカッパを着用。上半身は長袖タイツにネルシャツ、その上に厚手のフリ-スを着て、更にダウンジャケットを羽織り、カッパを着込む。手は毛糸手袋の上にスキ-手袋、頭は毛糸帽子で覆い、首や口元にはネックウォ-マ-。これでもかという井出達に変身し、稜線へと繰り出した。
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行者岩分岐  ※ここで完全防寒

しかし稜線の寒さは想像をも上回っていた。この先進むことを躊躇うくらい、冷たい風が容赦なく吹き荒れる。将棊頭山で終わりにしようか・・。一瞬そうも思ったけど、装備を信じそのまま進むことに。西駒山荘へと回り込むトラバ-ス道と、将棊頭山へと直接登る稜線コ-スとの分岐点。この先の苦行を案じ、登れるうちに登っておいた方がいいと稜線コ-スへと進む。東の伊那谷方面は、深い雲に覆われ眺望はない。対して西の眺望は僅かに残り、乗鞍の雄姿のみ容易に判別出来た。この辺りに岩茸が多いことは過去の山行から知っていた。寒くて岩茸どころではなかったが、手袋を外し、僕は貪欲に手を動かしていた。将棊頭山(しょうぎがしらやま)、標高2730m。伊那谷(伊那盆地)から見上げると、山容が将棋の駒の頭に見えるところから命名されたという。この山は日本海と太平洋の分水嶺でもある。西駒山荘でテン泊したというパ-ティ-が山頂にいた。昨夜雪が降ったそうである。
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分水嶺  ※奥のピ-クが茶臼山
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岩茸  ※寒くて死にそうだが、手が勝手に
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天気はいいんだけど
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あれが山頂か
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稜線は木曽駒へと続く
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将棊頭山(標高2730m)


つづく・・

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