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第4回白山白川郷ウルトラマラソン(4)~激坂を終えて


・・前回の続き


いよいよこれから、地獄の上り返しへと立ち向かう。『立ち向かう』という表現が、これ程しっくりくるコ-スはそうは多くないだろう。既に歩きたい感情が前に出て、いつ脚を止めてもおかしくない。しかし三方岩までは無理だとしても、せめて60㌔までは絶対に走り切る覚悟でいる。ペ-スは歩くより多少速い程度だけど、ここで自分に負けないという意味合いは大きい。必死にもがき続け、何とか60㌔地点到着。一応最低目標はクリアした。しかしその反動あってかモチベ-ションは一気に低下し、その後は歩きが中心となってきた。突如、地鳴りのような重低音が辺りに響き渡る。怪しげな白い車がランナ-の途切れた僅かな区間を、思いっきりエンジンをふかし猛スピ-ドで突っ走って来る。こいつアホか・・。空気が全く読めないらしく、己の存在を爆音でしか表現出来ない。これは人身事故が起きてもおかしくない。馬狩料金所で追い返された暴走車は再び爆音を轟かせ、猛スピ-ドで走り去っていった。万一これで事故でも起きたものなら、これは過失じゃなく完全に故意と言える。
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地獄の上り返しに挑む100kmランナ-
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第17エイド(馬狩料金所、61.7㌔)

想像はしていたが、上り返しがこれ程辛いとは・・。ここを走って上り切るランナ-は、どの人も凄すぎる。歩くことさえ辛くなってきた僕は、ハンガ-ノック気味にフラフラになりながら歩いている。幸いにもエイドの間隔が短いことだけが、この区間唯一の救いだろうか。11:52、第18エイド(第2ヘアピン、64.9㌔)。 ここら辺りですれ違う(下りてくる)100㌔ランナ-は、完走ぎりぎりの時間帯。それらに混じり、50㌔ランナ-の姿も多い。そしてその50㌔ランナ-のほとんどが、上り返しに苦しむ僕等100㌔ランナ-に声を掛けてくれた。頑張って下さい!ナイスファイト!ナイスラン!自分達も疲れているだろうに、その心からの声援にはホント涙が出そうだった。最も辛かった60㌔から70㌔のこの区間、50㌔ランナ-の声援が無ければ、僕の心は間違いなく折れていた。50㌔の皆さん、本当に有難うございました。しかし来年からはワンウェイとなり、この大会の魅力(国内屈指の過酷さ、ランナ-同士の励まし合い)は少し薄れてしまう。
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第18エイド(第2ヘアピン、64.9㌔)
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50kmランナ-の声援だけに支えられ

心温まる同志の声援を受けながら、さすがに歩いてばかりはいられない。勾配の緩和の隙を見て、ここぞとばかりに走り出す。しかしそれも長くは続かず、又歩いて、又走っての繰り返し。前方高所に、三方岩らしき山頂部が見えてきた。まだまだ先は長いが、これまで見えなかったものが確実に見えている。振り返り辺りを見下ろしてみると、これまで歩んできた道のりが延々と連なって見えた。それにしても、よく上ってきたな・・。しかし自己に酔うのはまだ早い。2.5㌔毎に置かれている表示コ-ンだけを目指し進んでいるが、このペ-スでは次のコ-ンまでが果てしなく遠い。12:24、第19エイド(蓮如茶屋、67.6㌔)到着。そして12:51には、第20エイド(12.6キロポスト、69.9㌔)に到着した。そして12:55、70㌔地点通過。頂上は近いぞと最後の力を振り絞り、何とか三方岩まで戻ってきた。
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上は見ない方がいいが
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下は見た方がいい
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距離表示は2.5km毎
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第19エイド(蓮如茶屋、67.6㌔)
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第20エイド(12.6キロポスト、69.9㌔)  ※トイレはどこも比較的ガラガラ

13:12、ここは第2関門の三方岩駐車場(71.8㌔)。ここまで9時間12分、関門閉鎖までは残り1時間48分となる。ほとんど歩いていた割には、第1関門での貯金がそのまま残っている。結局はここに至る区間はほとんど歩くという想定で、三方岩の関門時間が設けられているということだ。往路復路と2度立ち寄れる、この荷物エイドの存在は大きい。今日はかぶり水ばかり浴びているので、パンツの中までびしょびしょだ。ここでランシャツにランパン、中のパンツに靴下と一式を着替えた。エナジ-ドリンクも1本飲み干し、残りのゼリ-とジェルも手に取った。 ここでのタイムロスは10分。これで苦しい上りは終わり、後はひたすら長い下りが続くのみ。脚は使い果たしているが、もう一度下りの奇跡が起きてくれるだろうか。
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第2関門 三方岩駐車場(71.8㌔)  ※9時間12分、関門閉鎖まで残り1時間48分
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往路復路と2度寄れる荷物エイド

走る前、往路の下りに多少の自信はあったが、上り返し後となる復路の下りには全く自信がなかった。疲れた時の下りは脚が尋常でない程痛く、ほとんど拷問に近い。しかし今回、2度目の下りにも僕の脚は不思議と耐えていた。上りの筋肉は既に死んでいるが、下りの筋肉はまだまだ余裕のようだ。先程までの情けない走り(歩き)が嘘のように、颯爽と急坂を駆け下りる。地元北アで鍛えた足腰は、ついにこの場面で華を見た。しかし膝が痛いのは何なんだ。エイド休憩を終え走り出した途端、両膝に激痛が走る。しかしこれも我慢して走っていると、痛みは次第に引いていった。そんなこともあり、エイドは幾つかスル-。13:54、第23エイド(国見山駐車場、77.3㌔)。下りは順調なペ-スで走れている。80㌔地点に10時間で到達出来れば、残り20㌔で2時間。今の状況なら12時間切りも夢ではない。14:09、第24エイド(ふくべの大滝、79.8㌔)。願った14時到着は成らず、これで12時間切りの目論みは消えた。それならせめて12時間半は切りたいと目標を下方修正。14:26、第25エイド(蛇谷園地駐車場、82.1㌔)。ゴ-ルとの標高差はまだまだ残っており、そこまでは下りが続くと信じていた。
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下りは楽だが、止まると膝が痛み出す
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この応援の力で走れている

しかし何だ、様子がおかしくなってきたゾ。蛇谷大橋を過ぎた辺りから、下るどころか逆に上っているように見えるのは何故だ。これは目の錯覚だろうか・・、いや錯覚なんかじゃない。良くて、平坦。楽ちんだった下り一辺倒は、何の前触れもなく早々と終わった。一度死んだ脚は簡単には復活せず、これまで順調だったペ-スは大幅にダウン。何人かのランナ-と前後しながら、時に励まし合い、先だけを見つめ根気よく進んでいった。やけに遠かったのが、82.5㌔の表示コ-ン。どこかで見落としていたようで救われた。14:54、中宮料金所にてホワイトロ-ドは終わり。15:23、第28エイド(ハライ谷、89.6㌔)。この辺りはかぶり水だけが心の支えとなっている。
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蛇谷大橋
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心が折れそうだ
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白山市へ帰還  ※ここは中宮料金所
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第28エイド(ハライ谷、89.6㌔)
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白山国立公園  ※よく見ると『白山』の文字が

15:42、第3関門の一里野温泉(91.7㌔)に到着。ここまで11時間43分、関門閉鎖までは残り1時間57分となる。下りで頑張った分、関門時刻との差は幾分開いてきた。 このエイドの報恩講汁はさっぱりしてとても美味しく、3杯一気に飲み干した。それにも増して嬉しいのが、このフル-ツ系の補給食。特に皮ごと食べられるブドウはもう最高で、手に何個か鷲掴みにして、走りながら食べていた。僅かな余力で脚を動かしながらも、ゴ-ルまでの距離と時間との精査に取り組んでいる。どうやら12時間半の目標は無理そうだ。ならばと、前回高山のタイム(12時間39分)切りを目指すことにした。残り5㌔からは1㌔毎に表示コ-ンが現れてきた。ここまで来ればゴ-ルは近い。16:18、第31エイド(一の谷、96.2㌔)。最後の力を振り絞る。前方頭上に、道の駅瀬女の看板が見えてきた。残り3㌔の表示を越え、16:32、コ-ス上の最終エイド(瀬戸、98.0㌔)。もはや補給は必要ない。エイドの方に軽く挨拶し、素通りでスル-。目の前に迫ってきたゴ-ルだけを目指した。

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第3関門 一里野温泉(91.7㌔)  ※11時間43分、関門閉鎖まで残り1時間57分
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レ-ス終盤はフル-ツ系が最高
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残り5㌔(16:09)                        残り4㌔(16:17)
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第31エイド(一の谷、96.2㌔)
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懐かしき瀬女
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残り3㌔(16:25)                        残り2㌔(16:32) ※最終エイド(瀬戸、98.0㌔)

道の駅瀬女では多くの声援を頂いた。歩道を走る僕等ランナ-達と擦れ違うように、既にフィニッシュを終えたランナ-達が駐車場となる道の駅目掛け歩いてくる。そんな同志らの最後の声援を全身に受け、尾口市民サ-ビスセンタ-も横目に通過。そしていよいよ白嶺小中学校が近付いてきた。ゴ-ル前に集まる大群衆の歓声を浴び、最後の直線に入る。最後の最後まで絶対に手を抜かない。ラスト数100mで何人かを抜いた。ここに白山白川郷100㌔の旅が終わった。来年からはもうこのコ-スは走れない。リベンジ成らずで残念だが、来年の2017年大会からは、白川郷をスタ-トしてホワイトロ-ドを越え、松任の海を目指すのだという。難度は一気に落ち、記録は出易くなるだろう。上り返しを走れなかった僕。しかしあの地獄坂を走り通したランナ-が何人もいた。自分はまだまだ精進(覚悟)が足りない。己の弱さを痛感した大会となった。
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ラスト1㌔(16:39)  ※ここからは全力疾走だ!
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ゴ~ル!
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白嶺小中学校
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ゴ-ル後のフットマッサ-ジ(無料)
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完走証と完走メダル


第4回白山白川郷ウルトラマラソン

距離:100km
時間:12時間44分45秒
順位:215位/711人(男子)
完走率:78.1%(555人)
経過:10km(0:58:20)、20km(2:04:03)、30km(3:16:07)、40km(4:45:35)、50km(5:42:58)、60km(7:03:41)、70km(8:56:58)、80km(10:14:20)、90km(11:29:08)

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| 2016 | 11:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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